門脇仁: 広葉樹の国フランス: 「適地適木」から自然林業へ
知られざる森林大国、忘れられた林業先進国、フランス。広葉樹を主体とした特異な林業こそ、現代的である。日仏比較も行いつつ、その実像を追う。
田中 淳夫: 山林王
稀代の山林王・土倉庄三郎の一代記。自由民権運動を支え、全国のはげ山の緑化を進めた。また同志社や日本女子大学設立に尽力するなど近代日本の礎をつくった知られざる偉人を描く。
田中 淳夫: 盗伐 林業現場からの警鐘
21世紀になって盗伐が激増している。日本でも大規模で組織的に行われているのだ。そして司法は、まったく機能していない。地球的な環境破壊の実態を暴く。
田中 淳夫: 虚構の森
世にあふれる森林を巡る環境問題。そこで常識と思っていることは本当に信じていい? 地球上の森は減っているのか、緑のダムは存在するのか。る? 地球温暖化に生物多様性、SDGsに則しているのか? 異論から考えると別世界が見えてくる。
田中 淳夫: 獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち (イースト新書)
シカ、イノシシ、クマ、サル……獣害は、もはや抜き差しならない状態まで増加している。その被害額は1000億円以上?しかも大都市まで野生動物が出没するようになった。その原因と対策、そして今後を見据えていく。
田中 淳夫: 絶望の林業
補助金漬け、死傷者続出の林業現場、山を知らない山主と相次ぐ盗伐、不信感渦巻く業界間……日本の林業界で何が起きているのか?きれいごとでない林業の真実を暴く。
保持林業―木を伐りながら生き物を守る
保持林業とは新しい言葉だが、欧米を中心に世界で1億5000万ヘクタールの森で実践されている施業法だという。伐採後の生態系回復を早めるために行われるこの手法、もっと日本に知られてもよいのではないか。
田中 淳夫: 鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵
奈良のシカは赤信号に止まる? 鹿せんべいをもらうとお辞儀する?カラスがシカの血を吸っている? 彼らを観察したら、獣害問題の解決の糸口も見えてくるはず。
山川 徹: カルピスをつくった男 三島海雲
カルピス創業者三島海雲の評伝。彼は内モンゴルで何を見たのか。何を感じたのか。その夢を乳酸菌飲料に結実させた足跡を追う。土倉家の面々も登場する。
田中 淳夫: 森は怪しいワンダーランド
森には、精霊に怪獣に謎の民族、古代の巨石文化が眠っている!そう信じて分け入れば遭難したり、似非科学に遭遇したり。超レアな体験から森を語ればこんなに面白い? 読めば、きっと森に行きたくなる!
村尾 行一: 森林業: ドイツの森と日本林業
林学の碩学とも言える村尾行一の林業論の集大成か?
ドイツ林業を歴史的に追いつつ比べることで浮かび上がる日本林業の大問題と抜本的な処方箋
田中 淳夫: 樹木葬という選択: 緑の埋葬で森になる
広がりつつある樹木葬。今や世界的な潮流となる「緑の埋葬」となる、森をつくり、森を守る樹木葬について全国ルポを行った。
田中 淳夫: 森と日本人の1500年 (平凡社新書)
日本の森の景観は、いかに造られたのか。今ある緑は、どんな経緯を経て生まれたのか。日本人は、どのように関わってきたか…。今ある景観は、ほとんどが戦後生まれだったのだ。今後必要なのは「美しさ」である!
田中 淳夫: 森林異変-日本の林業に未来はあるか (平凡社新書)
21世紀に入り、激動の変化を見せ始めた日本の林業。この変化を知らずして、日本林業を語るなかれ。果たして森にとって吉か凶か。そして「大林業」構想を提案する。
阿部 菜穂子: チェリー・イングラム――日本の桜を救ったイギリス人
もはや桜の故郷はイギリスだ! と感じさせる衝撃の書。ソメイヨシノ一色ではない多様な桜を守っているのは日本ではないのだ。そして日英交流史としても第一級のノンフィクションだろう。
田中 淳夫: ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実
ゴルフ場は自然破壊? それとも現代の里山? このテーマに再び取り組んで『ゴルフ場は自然がいっぱい』を大幅改訂して出版する電子書籍。
田中 淳夫: 森と近代日本を動かした男 ~山林王・土倉庄三郎の生涯
三井財閥に比肩する大富豪として、明治時代を動かし、森林の力によって近代国家を作り上げようと尽力した山林王・土倉庄三郎の生涯を追う。そこから明治時代の森林事情が浮かび上がるだろう。
田中 淳夫: 日本人が知っておきたい森林の新常識
森林ジャーナリズムの原点。森林や林業に関わる一般的な「常識」は本当に正しいのか、改めて問い直すと、新しい姿が広がるだろう。そして森と人の在り方が見えてくる。
日本の森を歩く会: カラー版 元気になる! 日本の森を歩こう (COLOR新書y)
森林散策ガイド本だが、第2部で7つの森を紹介。全体の4分の1くらいか。私が記すとルートガイドではなく、森の歴史と生態系をひもといた。
田中 淳夫: いま里山が必要な理由
名著『里山再生』(^o^)の内容を一新した改定増補版。単行本スタイルに変更し、美しくなった。里山を知るには、まずここから。
田中 淳夫: 森を歩く―森林セラピーへのいざない (角川SSC新書カラー版)
森林療法の成り立ちから始まり、森が人の心身を癒す仕組みを考察する。森の新たな可能性を紹介した決定版。 全国11カ所の森林セラピー基地のルポ付き。
田中 淳夫: 割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題 (ちくま新書)
割り箸を通して見えてくる日本と世界の森林。割り箸こそ、日本の林業の象徴だ!
田中 淳夫: 森林からのニッポン再生 (平凡社新書)
森林・林業・山村は一体だ! その真の姿を探り、新たな世界を描く
田中 淳夫: 日本の森はなぜ危機なのか―環境と経済の新林業レポート (平凡社新書)
かつての林業は木を売らなかった? 真実の日本林業の姿を紹介し、現状と未来を俯瞰した目からウロコの衝撃の書。
田中 淳夫: だれが日本の「森」を殺すのか
誰も知らなかった?日本の林業と林産業の世界を描いた渾身の1冊。
田中 淳夫: 田舎で起業! (平凡社新書)
田舎は起業ネタの宝庫だ! その成功と失敗の法則を探る、地域づくりのバイブル
田中 淳夫: 田舎で暮らす! (平凡社新書)
田舎暮らしは田舎づくり! そしてIターンを受け入れる側の極意を本音で語る
田中 淳夫: チモール―知られざる虐殺の島
知られなかった東チモールと日本の関わりと独立戦争
Wedge ONLINEに「一部の木を残す「保持林業」って?林業の新潮流、全部切る「皆伐」より森林の再生が早く、生物多様性にも寄与か」を執筆しました。
Wedge ONLINEは、森林や林業などの分野に限らず書かせてくれるので有り難い。そこで先に街路樹や樹木葬、過疎地にモンベル、古墳のお宿……など幅広く扱っている。
それでも、たまには?林業関係の記事を書こうかと思っている。そこで森林・林業白書に「生物多様性と林業」という特集テーマがあったので、それにちなんだ記事を書き始めたのだが……面白くない(^^;)。我ながら生物多様性というのは具体性に欠けて雲をつかむような話になりがちだ。
そこで事例の一つである保持林業にクローズアップしてみた。
本音では、十分に生物多様性に寄与する林業というよりは、現在の皆伐施業との折衷案ぽいのだが、それでもやらないよりマシ。
問題は、写真だ。文中で触れた北海道の実験地の写真を使いたいと思ったのだが、気づいたら締め切り3日前で日曜日。白書の写真なら自由に使えるはずだが……と思ったが、小さすぎる。ほかにあるのは許諾を取らないといけない。時間的に無理だ。
というわけで、私が静岡県の天竜林業地で見せてもらった写真を使うことにした。
ここはブログなので、林野庁のホームページにあった小さな写真をこっそり?張り付けておくね。
沖縄に行って、ぜひ見たかったのが、これだ。
この石ころ(笑)。高さ50センチくらいだ。何やら遺跡ぽいが……まあ、遺跡ではあるのだが、古代の巨石文明の名残……とかいうのではない。
ようするに測量の起点とした目印。印部石という。琉球王国全土を測量して地図をつくった際の忘れ形見のような石である。
問題は、それがいつ行ったのか、という点だ。1737年からなのである。地図づくりと言えば、党賞するのは伊能忠敬である。精巧な測量による日本地図をつくったことで知られるが、それは1800年から初めて17年間かけた。その後も蝦夷地など残ったところは弟子たちが受け継いだが、完成したのは1904年とされる。
つまり、伊能より63年も前に測量して琉球全土の地図がつくられたのだ。それも三角測量を基とした精緻なもので、現在の地図に見劣りしない。
で、こちらをつくったのは宰相の蔡温の命令による。日本で最初の地図づくりはこちらに譲るべきだろう。
しかも、この時期はフランスで三角測量が始まってさほど年数が経っていない。フランス全土の測量が始まったのは1682年。地図の完成が1737年……あれ、琉球の測量開始と同じ年だ。この速さ。三角測量技術が中国(清)に伝わり、中国から見た属国琉球の位置を知るために測量術が伝えられ、蔡温はいち早く取り入れて自ら地図をつくってしまったのだ。完成時と比べても17年しか差がない。
そして蔡温の地図は、その後、「林政八書」と呼ばれる林業技術書にも受け継がれる。
まあ、そんな原点の印部石が見たかったのである。かつては沖縄全土に1万以上あったそうだが、いまは200くらいしか確認できていないという。とりあえず私の行ける場所で探したら、浦添城跡にあることがわかった。「仲間あさと印部土手」と呼ぶ。
これ、地元の人でも知る人は少ないらしく、聞いて回ってようやく確認。こんな石を見る観光もよろしいだろう。
ちなみに浦添城跡とは、首里の琉球王朝より前の中山王朝時のもので、これも面白い。戦争でかなり破壊されたらしいが、復原が進んでいる。首里だけではないのだよ。首里と浦添は、いわば京都と奈良みたいなものだ。首里は観光客だらけだったが、浦添は静かなものだった。奈良と似ているだろう(笑)。
「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というサイトに、大阪万博の海外パビリオンで木造およびそれに近いものを紹介していた。
こうして見ると、そこそこ木造が多かったことを感じる。(実はプレジデントオンラインにも、最初そうした記事を書くつもりが、大屋根リングの後始末記事になったのだった。)
そこで私も、気になったパビリオンの素材を。
アラブ首長国連邦。これつくっているのはナツメヤシの茎だ。ナツメヤシは実だけでなく、葉も茎も全部使える!という展示で、面白かった。一方でIT産業の発達も示していたが、こういう展示はいいね。
マレーシア館。こちらは竹で外装している。竹、竹、竹の展示なのである。竹の巨大インスタレーションも面白かった。
マレーシアは、そんなに竹を強調するような国ではない。もちろん竹林はあるのだが、熱帯雨林の国である。それに今や情報産業の発達がすごい。日本より進んでいる面もあるのに、あえて竹なのである(笑)。私はマレーシアにも思い入れがあるので、中に漂うマレー料理の匂いで、「またマレーシアに行くぞ!」と決意したほどであった。やっぱりボルネオかな。
こんな展示というか、各国の主張を知るのは、万博本来の意義だろう。残念ながら、そうではないパビリオンも多かったのだが……。
庭を飛んでいた2頭のモンキチョウ。
なんか、飛び方がおかしいと思ったら、尻がくっついておる……ようするに交尾中らしい。
写真は着地(というのか、葉の上にとまったところ)したところを撮影したが、それまではヒラヒラと飛んでいた。あきらかに胴体の先がくっついている。交尾中でも飛べるのだ。
とまあ、レアなシーンを見ることができたのだが、実はあまり飛ばれると庭の植物に卵を産みつけられてしまうから困るのである。すでにスティックブロッコリーにはモンシロチョウが大挙して押し寄せて幼虫だらけにされ、それで葉はボロボロなのだ。
ほかにも実りだした野菜類は多いのだが、すぐに虫がつく。ここは農薬を使わねば。。。
調べると、モンキチョウは豆科の植物が幼虫の餌だそうである。庭にはカラスノエンドウも多いから、そちらに産むかな。それならいい(笑)。
庭は、昆虫たちの楽園になりつつある。
ホタルが群舞するという池に見に行った。
やはりというか、多くの人が押し寄せている。それは諦めるとして、夜の撮影は難しい。とくに光るホタルを撮るのは。
これはスマホで撮影。最近はスマホの方がコンパクトデジカメより優秀だ(笑)。ただし,これは明るすぎる。なぜなら、この池の隣にグラウンドがあって、そこでサッカーの練習をしているために夜間照明がきついのだ。
それに加えて、観客の中には、ホタルを見るためにライトで照らすバカがいる。光るホタルを照らして、どうやって見るねん。あまりにトンチンカンな行動だ。さらにスマホで撮影しようとするのもアホ。
と言っても、私も撮影したのだけど(^^;)。本当は三脚を備えるなどすべきなのだが、それではホタルの光は流れて線になってしまう。ホタルそのものを撮りたいのだよ。まあ捕獲してクローズアップすればよいのだが、ここでホタルの捕獲は御法度だろう。
かろうじて写ったもの\(^o^)/。単なる点じゃ。
いきなり割り箸の取材を受けた。
某番組で、割り箸を取り上げることになったというのだが、3、4人のスタッフで調べたところ、割り箸について語っているのは私だけらしいのだ(´_`)。そしてみんなして見つけたのが、この記事。
私が割り箸の本を出版していることも知らずに、Yahoo!ニュースがトバ口になるのだ。
しかし、この記事も2年前だしな。この内容を今に当てても問題ある。というのは、このところ国内の割り箸事情に関しては暗いニュースしかない。廃業や部門閉鎖、トップの死去……海外ではそこそこ評価されてきたのだが、肝心の日本では地盤沈下。
それでもしゃべりましたよ。番組づくりに協力することになりました。割り箸評論家の看板は下ろせない(笑)。
それでも、事前に調べてきたこともあり、私もよく知らないことを説明された。
一つは、北海道に比較的大きな割り箸メーカーがあること。北海道の割り箸会社って、全滅していたと思っていたが……。調べると溝端紙工印刷だった。ここなら知っている。和歌山の会社で箸袋の印刷からスタートして、割り箸づくりまでたどり着いたところだ。私のところに会いに来てくれたこともある。ただ年間3000万膳を生産しているというから、まあまあ大手だ。日本では。
もう一つ。高知に竹割り箸のメーカーがあるということ。あれ、日本の竹割り箸メーカーも全滅したと思っていたが。
こちらは竹製品会社の一部門として割り箸製造に乗りだしたよう。竹虎という。
しかも、この竹箸特有の片方の先が四角くつっついた状態の箸を「双生」という名がついているのだそうだ。これも知らなかったなあ。
そこで私も、割り箸新潮流を紹介する。今の売れ筋は「らんちゅう」であること。割り箸が使い捨てでなくなりつつあること。海外では脱プラの潮流に載ってプラスチックのフォークやナイフより人気であること……。が、興味を示さない(> <;)。
と、ともあれ、ほとんど消えかけていたように見えた割り箸生産も、挑戦する人が現れるのだね。そして新たな動きも出てくる。息をつなげば、いつか花咲くこともある。
さて、どんな番組になりますやら。
玄関先に生えてきたキンリョウヘン(金稜辺)。植えた記憶もないが、どこからか種子が飛んできたのだろう。
シンピジュームの仲間でラン科らしいが、この植物にはニホンミツバチが群がるという特徴がある。なぜなら、ニホンミツバチを引き寄せるフェロモン物質を出すからだ。そして呼び集めたミツバチに受粉をさせる。とまあ、これだけなら普通の植物の営みなのだが……。
重要なのは、このキンリョウヘン、蜜は出さないことだ。ミツバチだけでなく、受粉を司る昆虫は、たいてい蜜目当て。つまり餌となる蜜を得る代わりに花粉を運んでくれる、というギブアンドテイクの関係なのだが……蜜をつくるのにも、それなりのエネルキーがいる。植物も消耗するのだろう。キンリョウヘンは、それを惜しんで、やらずぶったくりをめざして進化したらしい。言い換えると、ミツバチの労働に対価を与えないでただ乗りする。いわゆるフリーライダーだ(フリーライターではないよ)。
しかし、ミツバチ側からすると働き損のくたびれ儲けである。騙された、詐欺みたいなものだ。
ちなみに集まるのはトウヨウミツバチ(ニホンミツバチも含まれる)だけで、養蜂に飼育されるセイヨウミツバチには効き目がないこと。フェロモンの種類が違うのだろう。だから養蜂家はただ乗りされない。
動植物は、共依存というか共生というか、お互い得るものがあることを前提に進化してきたはずなのだけど、たまにフリーライダーが登場する。それでも通常なら、普段は働かなくても、いざというときに出撃する防衛能力を持っていたり、あるいは労働の交代要員だったりと、それなりに意味があるものだが、なかには完全ただ乗りもいる。人間社会なら、税金を払わないで公共サービスを受けるとか、給料もらっているのに働かないオジサンとか。もちろん泥棒、詐欺などの犯罪者もただ乗りである。
通常はただ乗り、フリーライダーには厳しい目が向けられがちだが、目先の利益優先になると、社会への義務・貢献を疎ましくなる者は少なくなく、わりと憧れる人もいる。
その典型が「なんとかファースト」を唱える人だ。トランプ現象ともいう(笑)。そこそこの自国民優先ぐらいで許容範囲に納まればよいが、自国民だけが豊かになればいい、他国・異民族は踏みつけにしてもいいという主張は、フリーライダー的思考だ。これは社会的コストを払わないで自らだけが恩恵を受けようとすることから、治安の悪化などを招く。結果的に、自身の生活環境を劣化させ結果的に報復を受ける。
私が「業界脳」と呼んでいる、業界利益だけを考えて社会全体を見ない連中も同様である。環境問題より業界の利益、自分の利益、となれば最終的には持続性を失い業界を崩壊させるだろう。
キンリョウヘンは、それほど繁栄していないところを見ると、実は生態系の狭間で細々と生きているのかもしれない。
庭に実ったプルーベリー。ちゃんと対価を払ってくれているよ。
米騒動の話題は今も尽きない。テレビのニュース、ワイドショーにとってもっとも美味しい米ならぬネタになっている。
私は、もうコメント付けるのを止めようと思っている。ただ話題は米不足から米の価格へと移ったようだ。米はあるけど、価格がまだまだ高いことを問題としている。
それって、ウッドショックのときと流れが似ているなあ、と感じた。最初は「木材が(製材が)手に入らない!」と騒がれた。まず輸入する米材(コメじゃない、アメリカ・カナダ材だ)がなくなり、次に国産材も取り合いになった。やがて木材はとりあえずあるけど高すぎる、建築の値段が上がってしまう、となっていった。
もっとも高値は長く続かず、価格が暴落し始めるのだが……改めて当時の動きを見たら、米の価格の今後の変動も読めるかな、と思って木材価格推移を探す。
製材の価格で、ぴょこん、と跳ね上がっているのがウッドショック時だが、その後下がり始める。気がつくのは、下がったといってもウッドショック以前の価格にはもどっていない。多少の高値で落ち着いている。まあ、この当たりが売り手買い手両者が納得できる値段だったのだろう。
米もこの程度の価格(現在の異常な高騰はなくなるが、以前よりは高め。1・2~1・3倍ぐらい)で止まれば、消費者も生産者も納得できるのではないか。
面白いのは、ヒノキとスギの製品価格はそうした値動きだが、その下の丸太価格はどれも反応していない。ウッドショックのときもたいして上がらず、落ちても今までどおりのように見える。コンマ単位で多少は上がり下がりはしたようだけど。
そして点線の参考値である。国内企業物価指数らしいのだが、こちらは跳ね上がり続けている。ようするに物価高が続いている。それと比べたら、なぜ製材価格は落ちたの?と不思議になる。
米価格も、以前より多少は上がるだろうが、物価高に則した値上がりではないかもしれない。ただ、今年はしのいでも、来年以降は備蓄米もなくなった上で生産量が増えるかどうかもわからない。また跳ね上がるかもなあ。いや、米を食べない生活が根付く可能性もある。米生産量に則した食べ方をするのである。
庭のアジサイが咲きだした。ちょうど昨日には梅雨入り宣言がされた。
まだ満開にはほど遠いが、花芽はいっぱいだから、今年こそ盛大に咲くだろう。
アジサイを植えて3年目か。最初は挿し木ばかりしていた。山から採ったものや園芸店の鉢植え移植であったが、それが大きく育つのを待つ。昨年はかなり育ち、広がりも出てきたものの、まだ花は少なかった。満を持して今年こそ、なのである。
アジサイは、日陰でも育つし、挿し木も楽。花は大輪で色が変わり華やか。あまり背丈が伸びないのもよい。葉には毒を含んでいるそうで、虫に食われることも少ない。私のお気に入りの花木なのである。
実は、先んじて生駒山の一角にも植えてきた。タナカ山林をアジサイの花園にしてやろうという密かな野望を抱いていたのだが、花が目立つと、勝手に地所へ侵入されるかもしれないので、道沿いにはブッシュを残し、その奥に植えるという面倒な方法を取る。おかげでブッシュをかき分けて奥に入るとアジサイの花が眺められるという世界(^^;)。「秘密の花園」風である。(バーネットの児童文学『秘密の花園』は、なんか奇妙で、でも心をくすぐり記憶に残る作品である。ちょっと憧れもあった。)
でも、アジサイも世話をしないと花は多く咲かない。剪定も肥料散布も必要だ。山だと放置気味になるので、自宅でやろうという魂胆だ。さて、自分だけが眺めるアジサイ園となるかどうか。
Yahoo!ニュースに「万博リングの素性と、トレーサビリティ」を執筆しました。
万博訪問記念の記事、第2弾であるv(^0^)。
presidentに続いてまたリングか、と我ながら思わぬでもないのだが、むしろ2本もリングがらみで書けたことを良しとしよう。
つい国産材か外材か、という論争になりかけたのだが、そこには国産材なら日本の林業振興になるが、外材ならダメでしょう、という発想が根底にあるような気がする。思わずトランプ的排外主義かと思ってしまう。。。
ここは環境面から見てほしい。まず地球の裏側から運んできた木材は、二酸化炭素の排出を増やしているのではないか、という見方もできる。ただし、森林環境をより破壊しているのはどちらか、という点も重要だろう。
まあ、フィンランドやスウェーデンの林業も過伐が進み再生できていないという報告もあるし、決して立派とは言えない。北方林は、一度伐るとなかなか回復しない。ただ、トレーサビリティはしっかりしている。森林認証も、FSCとPEFCの両方を取得している森林が多い。日本とは雲泥の差である。
オリンピックの際は、認証木材を使うことという規定があって認証のない国産材は使えない!と騒がれたのだが、それを日本は合法証明があればいいやとうやむやにしてしまったが、万博では何も規定はなかったのだろうか。
ちなみにパビリオンの中には、国産材なのにトレーサビリティのある木材があった。
ウズベキスタン館の「知の庭」である。
このコードをスマホで読み取ると、産地がわかるそうだ。私は、読み取れなかった(-_-;)。が、だいたい岐阜県の飛騨のスギのようだ。ウズベキスタンはとくに森林が豊富な国ではない。むしろ沙漠が目立つ。だがパビリオンに木柱の林立させた庭をつくるという発想、トレーサビリティも含めて、誰が提案したのか気になるところである。
このところ、Yahoo!ニュースの米騒動(報道)にコメントをたくさん付けている。今朝も一本。
なんで森林ジャーナリストが米問題に口をはさむの、と思われる方もいるだろう。私もそう思う(^^;)。
簡単に言えば、Yahoo!ニュース編集部から求められるから。コメント依頼が次々と入るのだ。別に無視してもいい(実は半分以上は断っている)のだが、求められるのなら、という思いで可能な限り付けだした。もちろん自分がコメントできる記事内容に沿ってである。
そもそも私は、Yahoo!ニュースの執筆陣の中では第一次産業担当と位置づけられている。だから林業だけでなく、農業や水産業もカバーすることになっている。(ほか自然科学系も)
無理して書いているわけではない。これまでコメント以上にYahoo!ニュースでも農業系の記事も書いてきた。また自身の経歴からも、以前は農業雑誌に多く寄稿していた。おそらく林業系雑誌よりはるかに多くの記事を書いている。林業雑誌なんて、今やまったく書かない……いや依頼がないよ(⌒ー⌒)。
農業雑誌にはいろいろあるが、農協系雑誌が多かった。おかげで全国の農業地帯を回らせてもらったし、農家とも触れ合ったし、農協とも触れ合った。。。。農協の仕組みや現場の動きは結構把握できたし、農業地帯における農協の存在を良くも悪くも体感している。編集者には無能でヘンなヤツが多かったけど(-_-;)。
さらに言えば田舎暮らし系雑誌でも、田舎に移住した人の多くが農業に従事するので、その取材でも農業現場を見る。農協との関わりも知る。農協を活用している人もいれば、敵意を燃やす人もいたなあ。
そのうえで農業経済学もチトかじっているので、それをベースにコメントさせていただいているわけだ。
今のところ、小泉農水大臣の登場で盛り上がっていて、コメントもバズッたのがいくつかある。林業や森林問題の記事を書いたりコメントを付けてもまったく盛り上がらないのに、やっぱり一般人にとっては林業より農業、いや目の前の食料なんだろうなあ、と思う。
小泉農相については、好きでも嫌いでもないが、とりあえず現状の施策には賛成する。まず熱を冷まして、今後の展開を考えてもらいたい。その先の林業政策は……あるのかないのか、まあ、関心薄そうだけど。私の冷めた林業熱と同列かも。
自分の立ち位置を考えると、もともと林業にこだわっていなくて、森林社会へ目が向いている。人間の社会と森林の接点として林業を捉えており、業界振興などとは一線を画したい。このままだと狭い業界に閉じ込められる。
だから、次のテーマを考えている最中だ。ライフワークの締めくくりにふさわしい分野やテーマは何だろうか。
プレジデントオンラインに「早くも「万博リング」の押し付け合いが始まった…「保存も地獄、再利用も地獄」のどうしようもない建造物の実情」の記事を執筆しました。
5月に私は万博に訪れたのだが、安くない入場料を払ったのだから、何か記事を書かないとなあ……と思っていた。
ただ、現実に万博会場を見て回っても、アイデアが浮かばない。いかなる切り口にするか。そのため、せいぜいブログに与太記事をアップするだけになっていた。
ブログはあくまで「思いつき」で好きなように感じたまま書く。裏取りもしないし、そのときそのときの気分で書く。愚痴も書けばテンション高く自慢を書くこともある。たまに、わざと思いとは別のこと、エセ情報も流す。周りの反応が面白い。
自分の備忘録であり、新手の文章を試みる場ぐらいに位置づけている。また肝心なことは書かない。独自情報のただ乗りされてはかなわない。これは金にならん。
誰も読まなくてもいい(笑)。しかし、このままでは入場料が取り戻せん(⌒ー⌒)。
そこで考えた。リングもパビリオンも木造が多かったから、それについて書こうかとプレジデント編集部に持ちかけると、リングの話が面白いと感じていただいたので、それならリングの、それも閉会後の行方に絞って書きましょう、ということになった。
そんなわけで、リングの取材をいろいろとやっていたのである。その中で落ち穂拾い的なネタをまたブログに載せたりする。それがプロローグになって、本筋の記事につながってくれればいい。
なお、万博の記事はこれ一本ではないよ。元は取ったが、また別に考えている。
米価格に一喜一憂する世の中だが、私が一喜しているのは、これ。
何の木かわかるかな。
フィカス・ウンベラータというゴムの木の一種の観葉植物。たしか2年ぐらい前に購入して屋内に置いていたのだけど、寒さに弱いという欠点があった。冬は部屋の暖房が切れた夜に置いておくと弱っていく。また屋内は光が弱いので、何かと気をつかう。
春先に温かくなったので、屋外で日光をたっぷり当ててやったのだが、そのまま取り入れるのを忘れたら、あっさり葉が全部落ちてしまった。
枯れたか?
残念な思いだったが、そのままにしておいた。完全に寒気が去っても芽が出ないので諦めていたのだが、ふと見ると、今頃、葉が小さく!
フィカスの復活だ!!!
このまま、どこまで育つかわからないし、また屋外か屋内かで迷う日々になるのだが、とりあえず夏は元気に過ごしてね。
在りし日のフィカス。屋内照明を当てている。
以前から謎だ、わからん、と書き続けた万博の大屋根リングの木材の素性。
私が2年前に調べたところ柱部分がフィンランド製の集成材だった。国産材は福島や高知から調達して、CLTとして屋上部分に使うとされていた。ざっと7割が外材となる。ところが今春になると万博協会側が7割がスギ、ヒノキの国産材だと反論し始めた。
そうは言われても、現実のリングを見ると、そんなにスギやヒノキは見当たらない。とくに柱や梁は、どう見てもオウシュウアカマツ、スコッチパインではないかと思える木肌ばかり。柱部分に使っていなかったら、どこに国産材使ってるの?屋上部分の木材量がそんなに多いと思えないが。これで国産材7割と言われても……。
森林ジャーナリストの事件簿 だ。が。
謎はすべて解けた!(かどうかは分からんけど……)
じっちゃんの名に賭け……ないけど、きっかけはAIによる検索回答であった。次のような文句が出てきたのだ。
大阪・関西万博のシンボルである「大屋根リング」には、主に国産の木材が使用されています。具体的には、スギ、ヒノキ、そして一部に外国産の木材(主に欧州アカマツ)が使われています。山陽新聞によると, 約2万7千立方メートルもの木材が使われ、その3分の2が岡山県銘建工業の集成材やCLT(直交集成板)です。
その後、山陽新聞のHPでも確認。そうか銘建工業か。銘建工業は岡山県真庭市にある大手集成材メーカー。リングの3分の2の部材を製造したという。一部の報道では6割だと記されている。これに福島のメーカーの分などを足して7割というわけか。
銘建工業、頑張った。万博リング用の柱や梁となる集成材を生産したのだろう……。この記事だと、銘建工業が国産材を使って集成材やCLTをつくったように読めるが。
あれ? 銘建でつくる集成材に使用しているのは、だいたいオウシュウアカマツではなかったっけ。CLTは、国産材を使わないといけないのでスギやヒノキ(とトドマツ)で作っていると思うが……。
もしかして国産材ではなく、国内メーカーによる集成材が、7割なんじゃないの? そして3割が輸入のフィンランド製集成材(オウシュウアカマツ)としたら。同じ樹種の材料を使っているのだったら区別はつかない。
万博協会、国内メーカーはみんな国産材を使っていると勘違いしたのか? いや、わかっていても「国産だ」とわざと使った可能性もあるな。
設計した人も、国産材7割だと力説していたが、内訳把握してる? スギとマツの違いわかってる? 樹種の違いを見抜ける?
追記・その後の調査の結果をYahoo!ニュースの記事にした。
万博リングの木材の素性と、トレーサビリティを考える
そろそろ終焉に向かってきた?米騒動。
某スーパーで台湾米を見かけた。4キロ入りなので若干わかりにくいが、まあ銘柄米より安い。4000円いかない。
もともと米が足りずに輸入するなら、近くて日本と同じジャポニカ種で、そもそも原点は日本の米を品種改良した蓬莱米なんだから台湾から輸入しないのかな、と思っていた。だが、現在の輸入先は圧倒的にアメリカで、ほか中国やベトナムだ。なぜ台湾は無理なのだろう……と思っていた。
そんなときに、台湾から農林産物の輸出拡大に台北駐日経済文化代表処(駐日大使館)が農林水産物の輸出拡大のため「農業組」を設立したというニュースを見る。農業組という名前に目を引かれた(^^;)。
ただテーマはパイナップルとかバナナ、胡蝶蘭なのだった。そこで台湾の米生産量はいくらか調べてみる。
120~130万トンほど。人口が日本の5分の1とすると、人口割合からすると日本の700万トン超より少ない。それでも輸出は多少しているようだが、日本の期待に応えられるほどの余剰はなささそうだ。台湾人はあまり米を食わないのか? 一人当たり43キロ。日本は減った減ったと言われてもまだ一人当たり年間51キロ程度は食べている。消費量的には日本人より少ないのか。魯肉飯は美味くて美食の国と言われているが、米は意外なほど食べていない。おかずをいっぱい食べるのかねえ。
なお日本から台湾への農産物輸出は、2024年農産物輸出額が11億3000万米ドル約1660億円)で、和牛、ホタテ貝、リンゴ、マスカット、モモ、日本酒……だそうである。
ちなみに私は全然米に困っていない。
そもそも食べないから(^^;)。実は数年前から「なんちゃって糖質制限」をしていて、昼はフツーに食べるが、夜は米をほぼ食べなくなった。だから秋に購入した2キロの米が今も残っている。
正確に言えば、1キロのバスマティライスは購入した。キロ800円ほどするのだが、それなら高値の日本米と変わらんな、思って購入したのだ。なぜなら、今、カレーに凝っている(正確に言えば、インドスパイス料理)からこの米が必要だったのだ。『インドカレーは自分でつくれ』という本を読んで、いたく感動して作り出したのである。そのうえYouTubeの「印度カレー子」にもハマってしまったから\(^o^)/。
そんなわけで、台湾米は買わずに、パイナップルを購入することにした。
今年の(令和6年度)森林・林業白書が公表された。
全体を読むのがキツければ、概要版もある。ともあれ、今年の特集テーマは「生物多様性を高める林業経営と木材利用」だ。
これは画期的というか、ようやくというか。これまで林野庁はかたくなに生物多様性を拒んでいた。そんなことないよ、という人もいるだろう、一応は環境問題を取り上げたり生物多様性という言葉も散りばめられていた。が、中身がない。というか遊離していたと思う。
環境配慮や生物多様性を持ち出すと木材生産が落ちると言わんばかりだったのだ。林業としては木材生産一本槍であり、量的拡大のためには生物多様性など持ち出されては困る、という態度が如実に出ていた(と、私は読み取っている)。それが、白書の特集に取り上げたのである。おそらくネイチャーポジティブなどの広がりで環境省が力を入れているので、便乗というかおつきあいなのだろう。どこまで本気かはともかく。
事例もたくさん載せている。
宮崎県諸塚村のモザイク林。椎茸栽培や林内放牧などを行っていたことから成立した針広モザイク混交林だった。
問題は、肝心の現場の施業法が生物多様性保全にどこまで配慮しているかなんだが、本当に政策でも生物多様性を推進していくつもりはあるのだろうか。それは十分に読んでいないので、よく分からない。
ただ保持林業も紹介しておりますな。この保持林業は皆伐を前提としており、私にいわせれば従前の施業法との折衷案にすぎないと思っているが、まあ、全山皆伐よりはよっぽどマシだ。
さて、事例を紹介するだけで済ますのか、本気で政策的に推進する気があるのか。
まあ、高みの見学しますか。
我が家の近くで伐採作業が行われていた。なんでも、その奥にある砂防ダムを造り直すための工事ルートをつくっているらしい。
山林というよりは住宅街の中に残された緑地だが、道沿いの急崖にあって、そこに結構太い木が繁っている。以前より、木の重みで崖が崩れるかもなあ、と思っていたところだ。
実は30年以上前に大雨で崩れたこともある。その際は木が小さく土砂だけだったように思うが、道をふさいで近隣の人たちが片づけに出ていたのを見た記憶がある。今なら、巨大な木が道を挟んである家屋を急襲する可能性が高い。結構な災害につながる恐れが合った。
だから、伐ること自体に不平があるわけではない。
まだ残りの木も伐るのだろう。彼らも伐採シーンを見られることに気をつかっているのだろう。愛想と挨拶をしてくる。写真は、伐採後だから作業そのものは撮らないでおいた。
作業員に〇〇建設というネームが入っている。ただ、チェンソーパンツやゴーグルなどは身につけずに行っているから、「気ぃ、つけてや」と思ったのである。林業界では、伐採における安全ガード指針みたいなものができているが、土建業界はどうなっているのだろう。林業界でも守らない人がいるのだから、ほかの業界に文句を言えるはずはないが。
それにしても、現場まで道をつくることから始まるのだ。そのために伐採して山林を掘削して道をつくり、現場の山と渓流まで重機を入れるのだろう。住宅街の間に残された谷沿いの緑地も、これから変わるだろう。
たまたま旧Twitterで上げられていた話題。
皇居の新宮殿「松の間」の床の木のことである。あの木がすごい、とある。逆に質素で体育館みたい、つまらないという声もあるが……。
松の間は、宮殿内で最も格調高い部屋とされており、儀式に用いられる。内閣総理大臣と最高裁判所長官の親任式、新任の外国の特命全権大使の信任状捧呈式、勲章・文化勲章の親授式などはこの部屋で行われる……という。逆に言えば,もっとも報道でよく登場する部屋でもある。この部屋の隣にある報道室から撮影されているそうだ。
気になったので、「松の間」の写真を探してみた。
なるほど、ここの床、つまりフローリング部分を見ると…。
こんな感じ。これ、ケヤキである。まさかツキ板とは思えないので調べると、宮内庁のHPに紹介されていた。
松の間は、広さ370平方メートル(約112坪)で、床は宮殿内では唯一の板張りとなっており、幅約80センチメートル、厚さ4.5センチメートル、長さ約5.4メートルの欅材が87枚並べられています。壁面には、若松文様浮織の裂地張りが施してあります。
幅80センチ、長さ5・4メートル、そして厚さ4・5センチ……そんなケヤキ板が手に入るんだ。87枚も。元のケヤキがどんな木だったのか。おそらく直径1メートル、いや1・2メートルくらいないと幅が取れないだろう。さらに真っ直ぐ5メートル以上伸びた幹があること。そして内部に空洞がないとか、傷がないものを選んで……と。
厚さからすると、1本から2、3枚しか板は取れない。
新宮殿は、1964年に着工し、1968年に竣工したとある。その頃に全国からケヤキ材を集めたのだろう。
最近ケヤキの価格は落ちているが、その頃は最上級の値段だったはず。よく集めたもんだ。
皇居をそんな目で見てはダメ(> <;)。
『共存 克服 花粉症』(上毛新聞社)が届いた。
群馬県の新聞で長期連載した花粉症に関する記事を総まとめした本。私は、取材を受けたことがあるからの献本だ。
内容は…まだちゃんと全部読んでいないので…(^^;)。まともに評することはできないが、私のインタビューが載っているということで紹介。
私が上毛新聞の取材を受けた話は、別に書いた。
今読み返すと、全然花粉症の取材とは書いていなくて、地方紙の若い女性記者と話をした、クマの話で盛り上がった…って、オヤジ的視点になっているが…。改めて言います。この取材は上毛新聞で、テーマは花粉症と林業だったのです!v(^0^)
ただ、私が話した内容は、花粉症ではなくて現在の林業の問題点だった。そして、この本全体とくに前半は、花粉症を通して日本の山林を、現代林業を語っているように思える。
目次はないので紹介文。
くしゃみの先に見える、日本の今―。
スギ花粉症患者が国内で初めて確認されて60年たった。「かゆい」「鼻呼吸ができず苦しい」「顔のパーツを取って洗いたい!」と嘆くご同輩ばかりだろう。
でも、ちょっと待ってほしい。そもそもなぜここまで花粉症患者は増えたのか。低年齢化はどうして進んだのか。今や「アーミッシュ」も花粉症になるのは真実か。ちまたにあふれるその「花粉症対策」は、本当に大丈夫なのか。最大の花粉症アレルゲンであるスギやヒノキの人工林が抱える構造問題から、ヒト自身の体の変化までを追い、真の対策に迫る。
藻谷浩介(地域エコノミスト)/田中淳夫(森林ジャーナリスト)/小塩海平(東京農業大教授)/松本健治(国立成育医療研究センター免疫アレルギー・感染研究部長)/中川恵一(東京大特任教授)/高橋久仁子(群馬大名誉教授)/ユウ(サクラチェッカー開発者)/近藤健二(東京大大学院教授)/坂口志文(大阪大栄誉教授)/大久保公裕(日本医科大大学院教授)の各氏ほか多数の関係者に取材。解説に代えて仲野徹氏(大阪大名誉教授)にインタビュー。
全国的に取材しているから、群馬県だけでない全国の山林の動きを紹介している。現代の林業の課題を知る入門編にもなるかもしれない。
私自身は、花粉症はスギ花粉だけの問題でなく、日本だけの問題でもなく世界的な課題であり人類的な課題で、今に始まったことでもなくて、おそらく旧石器時代からあったんじゃないかという仮説を持っているぐらいである。林業と結びつけることも適切かどうか。
また花粉症対策も、これまで言われてきたことへの異論も紹介している。洗眼したってダメかもしれない。またアーミッシュ(アメリカの中世的生活を送る人々)も花粉症になるという点も面白い。
花粉症を通して見る林業と自然の本だと思って読むのもよいかもしれない。
最近、あんこに凝っている。そう、食べる餡、あんこ。「あんこの入ってない政策」だとか「アンパンマン」とは関係ない。
以前はあんこがをそんなに好きではなかった。和菓子も好みではなかった、はず。
なのに、なぜかふと気になって美味いあんこを探し出した。あくまであんこなので、どら焼もおはぎも興味はない。あんそのものの味を求めている。あえて言えば、きんつばぐらい。朝ドラ「あんぱん」は関係ない。これが始まるより前からだ。だいたいあんぱんは好みではない。やはり高級和菓子店のあんこは素晴らしいものがある。いや、和菓子屋の市販あんこにも好みの合うものがあった。
面白いのは、パッケージ表示の原材料の部分を見ると、アズキより砂糖の多いものが少なくないこと。輸入する加糖餡もあるそうだ。そこにさらに日本で砂糖を添加するとか…。つまり砂糖を食わされてしまう。そうではなくてアズキの味を。甘さ控えめであんにしたアズキを探す。娘から「太るぞ」と警告を受けたが、美味いあんこは太らない、と信じてる。(信じたい…。)
そのうち、自分でアズキからのあんこづくりに挑戦するかもしれないが、素人が少量つくってもダメなのはわかる。
さて、ここまでが前振り。実は「Science」誌に「アズキは日本で生まれた」という論文が載るらしい。その一報を旧Twitterで流れたから。
アズキのような農作物の原産地は、たいてい中国大陸だと思っていたが、遺伝子解析と、アズキとその原種ヤブツルアズキの系統を調べると、アズキの起源は縄文時代の日本だということになったのだそう。詳しい手法などはこちらを。
米より、つまり稲作よりはるか前に縄文人はアズキの原種を栽培して、ちゃんとアズキに品種改良(というのかな)して収穫していたというのだ。場所的には、北関東から南東北辺りで、ざっと4000~6000年前とのこと。その頃の北関東では縄文遺跡が多く見つかっていて、大型化したアズキの種子がいっぱい見つかるそうだ。遺伝子と考古学の合体で確定したわけである。
さらに驚くのは、その栽培アズキが中国大陸に渡って広がったという点。そうか、中国のあんこも日本起源なのか… (゚o゚;)
縄文人が米栽培を始める前からアズキを食料としていたわけである。アズキ、あんこではないが、侮りがたし。
ちなみに報告者は、農業・食品産業技術総合研究機構遺伝資源研究センターの内藤健氏。論文の筆頭は、Chih-Cheng Chien氏となっている。国立台湾大学生態進化生物学研究所の人だが、漢字表記はわからない。
まあ、こんな話で驚いたり喜ぶのは、ごく一部の人だけだと思うが(笑)、私は感動した。
ちなみに米は、中国南部原産である。米不足になったら、アズキを食え、なんてね。
先に支柱もない天を向けて、ヤマイモの蔓が伸びていく様子を紹介したが、その際は蔓は力尽きて? 途中で折れて下に垂れ下がった。
その後、何が起きたか。再び下から天を、上をめざすのか。と思っていたら。
意外な戦略。なんと蔓が枝分かれしたよ。下に落ちた蔓はもう捨てて、途中から分岐した新しい蔓が上をめざしだした。それも一か所ではない。幾本も新たな蔓が伸びている。
ちょうど地際で切った蔓もあったのだが、そちらも同じ戦略。
切った少し下から分岐して、新しい蔓をつくっている。
いやあ、植物の戦略は面白い。一度失敗したら復活しない。リカバリーよりさっさと新しい戦力を養成する。なんか人間社会に当てはめると寂しさもある(^^;)のだが、その方が有利となるのだろう。もっとも、新しい蔓も、支柱がなくなったら伸びられないのだろうけど(´_`)。
ちなみに池の金魚も面白い。こちらも以前、黒い金魚が登場したことを紹介したが……。
ところが、この金魚は化けた。
このとおり、普通の赤い金魚になってしまった。かろうじて背びれの一部に黒い斑点が残っているが、いつまであるやら。おかげで今年誕生したかに思えた4匹の金魚は、みんな赤くなってしまった。やはり黒では仲間外れにあうのだろうか。赤の方が有利? 生き残る戦略として、体色を赤にするのかもしれない。
遺伝の発現というのは微妙なものなのだ。
『木に「伝記」あり」(瀬田勝哉著 朝日新聞出版)を拝読。出版後(4月)、すぐに購入して、すぐに読んだのに、今頃になって紹介する。
この本は、不思議が詰まっている。瀬田氏は歴史家で、歴史を樹木から読み解く研究をしており、以前から日本の森林史などを知るためにいろいろ読ませていただいているのだが、今度は一本の木、イチョウの大木の伝記なのである。
紹介文を張り付けよう。
ある日、著者のもとに植物学者から共同研究への誘いの手紙が届いた。全国の巨樹イチョウを調べているが、中国・朝鮮半島から日本に渡来した時期を科学的な根拠によって明かしたい、歴史研究者のあなたの協力を得たい、という。
植物学者の圧倒的な熱意に衝き動かされた著者は、ここからイチョウの史料調査に正面から取り組む。記録、古文書などイチョウに関するあらゆる文献を求めて全国を歩くなか、ある郷土史家が残した一冊の本に出会う。
そこには江戸中期、将軍吉宗が引き起こした美作国・菩提寺のイチョウにまつわる村の大事件が記されていた。イチョウ関係でこれほどの古文書は世界を探しても他にないだろう。それはどんなイチョウか。また稀有な資料を書き写した郷土史家とは。
歴史研究者が綴るあくなき史料探求の道。
私も、この最初の部分、イチョウが日本に渡ってきた時期を探る(そのためにイチョウが登場する古文献と、巨樹の樹齢から推定する)という試みに心動かされた。その手紙を送った植物学者のは堀輝三氏。
たしかにイチョウの巨木が全国にある。わりと巨木になりやすいのだ。樹齢も500年を超えるものがあれば、室町時代まで遡れる。これは、面白くなるぞ! いったいいつ、イチョウは日本に渡来したのか…。
そうした中で著者は、全国のイチョウの巨樹を調べだすのだが、そこで岡山県の「菩提寺のイチョウ」に出会う。それがすごいのは、江戸時代にあった事件の記録が詳しく残されていたから。
その内容が驚く。ご神木とも言えるこのイチョウの木の「摺り木のごときもの」を切って送れ、という命令が出たのだ。誰から?幕府の将軍から! 摺り木とは、イチョウが大木になったらよくできる垂れ下がった、植物的には気根なんだろう。よくこの部分を乳と評され、その垂れ下がった部分から滴る水を飲むと乳の出がよくなるという言い伝えと信心がある。しかし、どこの地方でも、そんな信心があるわけではない。それに地元の村にとってはご神木に傷をつけることなど…。
しかし、徳川将軍の命令である。享保5年。徳川吉宗である。暴れん坊将軍である。
代官も必死だ。何がなんでも切らさねばならない。伐採ではなく、一部の切り取りなんだが、やはり村は抵抗する。
だからこそ、さまざまな文書が残されたわけだ。私は、なぜ将軍が? と興味はそちらに行く。
……だが、わからないのである。謎のまま事態は展開し、そもそもこのイチョウはどんなイチョウだったか、さまざまな史料を漁っていく。現代まで続くイチョウの来歴。それが「木の伝記」になる。
おいおい、イチョウの渡来はどうなった、将軍の目的はなんだった、と疑問が疑問を呼び、置いてきぼり気分。
しかし、史料から浮かび上がるイチョウの姿。これは、私も機会をつかまえて訪ねてみよう。この「菩提寺イチョウ」は、現在の奈義町か。何度か近くまで行ったことはあるのだが、そんなイチョウがあるとは知らなかった。
一方で、巨樹としてのイチョウは、何かと面白い。基本、イチョウで森をつくらないし、自生もしないから、誰かが植えた例が多いはずだが、人と木の関わりが浮かび上がる。。近畿に巨樹が少ないというのは、都人にイチョウが嫌われたからかもしれない。あるいはイチョウの材が人気だったからか。
もしかしたら森と木を語る上で、盲点のように見過ごしていた木かもしれない。
そろそろ庭に雑草が目立つようになってきた。庭木や畑はある程度いいのだけど、歩くスペースに雑草が繁ると困る。
そこで草抜きをするわけだが……ここで草を抜くことが次の草を生やすのではないか、と思いついた。草は根こそぎ取らないと、すぐにまた生えてくるとよく言われるのだが、根こそぎ抜くと土壌を引っくり返す。耕したも同然。すると柔らかくなった土壌に適合する早生の草が生えてくるお手伝いのようになるのではないか、と。
土壌は、さまざまな生物が共生して作り上げる自然環境だ。また土そのものが植物とともに物理的環境を作り上げている。そこにさまざまな草木が生えることでお互い牽制し合い、繁殖を抑える。それなのに草抜きは、土壌環境を破壊してしまう。それが土壌生物を殺すかもしれない。せっかく有機物を分解していたのに止まってしまう。あるいは柔らかくなった土が雨に流される確率も増えて、土壌を流亡させる。
それを破壊することは、生態系を狂わせ、一部の植物だけ大繁殖を招きかねない……。しかも跡地には、早生である場合の多い外来植物の侵入を許すのではないか、と考えたのである。
セイタカアワダチソウにウスベニチチコグサ、キキョウソウ。と検索で出た。ほかヌスビトハギやハルジョオン。いずれも外来種。
そこで私は草抜きをせず、せっせと園芸用ハサミで茎を切断することにした(^_^) 。まあ、庭という狭い空間だから、これで間に合う。
雑草を根こそぎやっつけようとするのは、はてしなき戦いだ。むしろ雑草をしつける( ̄^ ̄)。高く背を伸ばしたら切られるのだよ、地面すれすれに葉や茎を広げるのなら「見なかったこと」にしてやろう、と草に“教育”する。この教育には根気がいるが……。
背が低い草ばかりになれば、こちらも歩く邪魔にならないし、むしろ芝生のようになって快適になる。
実際、奈良公園では、伸びた草はシカに食われてしまうので、背を低く育つことを覚えたという。小さく背の低いまま花を咲かせ種子を実らせるのである。これを進化とか適者生存と呼べるのかどうかはわからないが、環境に適応するのである。
これを庭でもできないか。もちろん奈良のシカのように1000年かけて築けるわけではないが……。
そういえば、除草剤は土壌を守るために開発された、という話を聞いたことがある。欧米では草抜きをすると土壌が乾燥して傷むそうである。一部の草を選択して枯らす方が土壌のためにもよいらしい。もちろん人間の労働を減らす効果も大きくて、それで普及した面もある。
この写真は、我が家の玄関前に咲いたバラの花である。
これを「野良バラ」と呼んでいる。野ばらじゃないよ。
なぜなら植えた記憶がないから。でも、昨年ぐらいから咲きだした。全然世話もしていない。
まさかバラが種子を飛ばして勝手に生えるとは考えづらいので、おそらく父が生きているときに植えたのだろうと思う。ただ花は咲かなかったようだ。それが、放置したままなのに咲きだした。
と言っても、そんなに生育環境は良好ではないので、元気に成長しているとは言い難いが、とにかく花を咲かせているのだ。これって、枯れる前の断末魔か。いや花を咲かせることは植物に体力がある証拠ではないか。
そう思いつつも、深くは考えていない(^^;)。今後も、さして世話を見ることはないかなあ。むしろ、ほかの木を植え直そうかと思う。あまり玄関先としては似合っていないのだ。バラは1本だけ咲いても絵にならない。
でも、まあ、野良で咲くバラを愛でる面白さもある。このまま野良のたくましさを出してほしい。
とりあえず花は、このまま散らすのも残念だから、切り取って部屋に活けることにした。
万博の大屋根リング。今度はユスリカの大発生など、相変わらず話題を提供し続けているが(^^;)、少し根本にもどりたい。
大屋根リングの建設に関しての木材調達は、私が2年前に調べたところ柱部分がフィンランド製の集成材だった。国産材は福島や高知から調達して、CLTとして屋上部分に使うとされた。
ざっと7割が外材となる。これは、各種の公式HPに掲載されている木材調達量から計算したのだから間違いない。
ところが、その後万博協会側が(今年2月の日刊現代の記事をきっかけに)反論し始めた。それによると7割がスギ、ヒノキの国産材だというのである。それを公式HPにも載せている。
果たして私が取材時とは事情が変わったのか? 国産材を増やせたのか?
しかし、リングを見ればわかるとおり、木材使用量の大半が柱部分だろう。ここに国産材を使わねば7割には達しないはず。それは可能か?
私自身、訪れたときにリングの下や上から見える部分を確認したが、どう見てもスギやヒノキに見えない。マツ材ぽい。つまりオウシュウアカマツではないか。フィンランド製ではないか。もちろん私は全区域の柱を確認したわけではないから、部分的に国産材の柱だったということはあるかもしれない。一部はスギの集成柱、一部はヒノキの集成柱……という建築は可能なのなのか。強度の違う木材を混ぜて柱にしたら、リング全体の構造上の安定は保つのはむずかしくなるように思う。そんな使い方をするだろうか。(施工したのは3つのゼネコンで、工法は担当ごとに微妙に違っていたと聞く。)
木材の木肌から確実に樹種を見分けられるという絶対的な自信は、私にはないけれど、どうしても納得しづらい。
一方で屋上回廊部分は、たしかにスギやヒノキ材を使っていた。CLTだけど。
誰か、木材の見た目で樹種を特定できる方の中で、リングの柱の木材をチェックした人はいませんか。もし私の目が間違っていて、「たしかに柱にもスギ材が使われていた」というのならよい。しかし、柱部分に国産材を使っていないのに「7割が国産材だ」と言い張るのなら、どこに使ったのよ……と思うのだ。
もしかして、国産とは国内工場でつくった、という意味ではないか? 外材のラミナを輸入して日本で集成材にしたものを加えて7割だと言っているのではないか? 国産材と外材を混ぜてハイブリッド集成材をつくる可能性はあるのだろうか……。
公式HPの情報を丸ごと信用する気になれない。2年前の各種情報をどこで塗り替えたのか。
現在、閉会後のリング木材の再利用やリングの一部保存が検討されている。しかし、その前に木材の樹種をはっきりさせてくれ。万博のレガシーと訴えてオウシュウアカマツ材を飾るのはいかがなものか。スギのCLTだって、その上を何百万人も歩いたら、すり減って再利用は厳しいかもしれない。
リング上のスカイウォーク。自律歩行するロボットではなく、足元の床の木材を見てほしい。
庭の、多分ヤマイモの蔓がどんどん伸びる。支柱を登り切って、さらに天をめざす。
さて、どこまで伸びるか……と楽しみにしていたのだが、翌日見るとへたっていた(-_-;)。
もうちょっと頑張ってほしかったなあ。我が身を支える他の樹木や支柱なとなくても、自らの力で天をめざすのだ……!と一瞬期待したのだが。
まあ、蔓植物の宿命みたいなもので、他者によりかかることで自分を高身に伸ばす生存戦略を選んでしまったのだから。しかし、下を向いた蔓はまた匍匐しながら次のチャンスを狙うに違いない。そして高見で太陽光をいっぱい浴びて、光合成をいっぱいして、それを地中の芋に蓄える。そうなれば……私は掘って食う(^_^) 。
いやあ、オモロイというかおバカな調査を林野庁はたまに行う。
今月のモクレポ(5月)では、「選挙ポスター掲示板への木材利用状況調査」というのをやっていた。
まあ、たしかにもうすぐ参議院議員選挙だし、都議選もあるし。。。おそらく、近来にない人数の立候補者数が予想される(ようするに選挙をオモチャにする連中が、最近はウンカのように湧いてくる)から、選挙掲示板を大量に用意する必要が生じているし、そのための使用木材量は馬鹿にならないだろう。
要約すると、回答があった1227市区町村のうち42%の市区町村で、国政選挙や地方選挙の選挙ポスター掲示板に木材を使用。
「木材を使った」と回答した517市区町村のうち、国産材を使っているのは53市区町村(市区町村産材や都道府県産材を使っているのは44市区町村)。
合板用素材の入荷量が多い県の一部(岩手県、秋田県など)において、地元産を使っている市区町村が多い。
掲示板に使われる木材とは、ほぼ合板だろう。国産合板も増えたとはいえ、見た目は輸入合板と区別がつかない。それに合板用に使われる木材(B材)の価格は安い。それが売れることを山元は喜んでいるのか。そもそも需要を後押ししなければならないほど売れていないのか? むしろB材需要は増えているように思うが。また外材の合板はどうなの? 掲示板は一度で廃棄するのではないと思うが、リサイクル率は? とまあ、いろいろ考えてしまう。
それにしても木材を使っているのは約4割で、使っていても市町村の選挙担当者の89%は、木材産地を知らないわけだ。外材か国産材かの区別もつかない。その時点で、この調査の意味が迷走してしまって、おバカになる(笑)。
でも、林務関係あるいは環境関係の部署以外の課員は、木材を使う意義とか木材の産地なんて考えもしないのが普通だろう。
結論としては、こんな具合。
・ 国産材を原料とする合板(国産材合板)による選挙ポスター掲示板が、徐々に使われるようになっています。
・ 選挙ポスター掲示板をはじめ、国産材の利用は、木材の販売収益を森林所有者に還元することで、持続可能な森林経営を可能とします。
・また、多くの市町村では、「都市の木造化推進法」に基づき、木材の利用の促進に関する方針(市町村方針)を定めていただいており、選挙ポスター掲示板への国産材利用は、この市町村方針の達成にも貢献するものです。
・選挙ポスター掲示板の発注に当たっては、是非、国産材合板をご検討ください。
でも、まあ、私はこんな調査好きだよ\(^o^)/。
我が家の庭にアジサイを植えて3年くらいか。かなり大きくなって、今年こそ花爛漫……になることを願っている。
まだ花は咲く一歩手前だが、雰囲気は初夏の色合いである。
ただし、あまりに枝を伸ばして育ちすぎると周りを圧迫する。そこで多少の剪定を行った。横に伸びた枝を切り取るのだが、それを捨てるのではなくて、水に指しておいた。そして元気を回復した頃を見計らって……山に移植する。タナカ山林である。
タナカ山林には、10年以上前に植えたアジサイが大きく育っているが、最近は少し回りの木々が繁ってきたせいか押され気味。アジサイの周りの草木を伐採したり刈り取っているが、同時に次の世代も育てる計画だ。
植えたばかり。雨が降りそうな日を狙い、植えた後はペットボトルで水やり。でも、土壌が悪いなあ。石が多いし、粘土質なんだけど、水はけが良すぎるように思う。でも、肥料を撒くと、動物(多分、イノシシ)が掘り返しかねないので我慢。
こうしてタナカ山林をアジサイ園にするのが目的だ。山を少しでも美しく、ガーデニングである。木材生産をするつもりはない( ̄^ ̄)。
これからの森林管理による生産物は、花である。木材なんぞはコスパが悪い。花は、ほぼ毎年咲いて価値が生まれる。(私は売り物にしないが)花を売るか、花を見せることで料金を取った方が、確実に儲かるだろう。そうでなくても、人を呼ぶには花! 人は花にたぶらかされる。花が咲いて美しい森は破壊しようとしない。
いかがかな。後に続く林業家はいるだろうか。
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