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本の紹介

2017/07/21

割滝調査

川上村の「割滝」調査を行った。

 
と言ってもわかりにくいだろう。割滝とは、村内大滝集落前の吉野川の流路を掘削して筏を流せるようにした人工的な水路を指す。
 
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これは、Googleマップ。吉野川は右下から左上へと流れているが、白い波がたっている水路の上の岸辺沿いにまっすぐな水路が見えるだろう。これが割滝だ。現在は、通常水は流れていない。ダムが放水するなど水位が上がった時には流れる。
 
この開削を主導したのは、土倉家、とくに土倉庄三郎である。
 
江戸時代から吉野川に丸太を流して木材の搬出をしていたが、一本ずつ流す(管流し)ではなく筏に組んで流せるように、徐々に下流から上流へと河川改修を進めていた。これによって輸送力が大きく変わる。とくに大滝より上流から筏で流せるかどうかは大きなポイントだった。
 
土倉庄三郎は、明治5年に川上郷水陸海路会所を設立している。水路整備、つまり川の浚渫や開削を行う会社である。そして川上郷のより上流まで川幅を拡げる工事を行った。
 
割滝も、その際により広く開削したのだろう。当時はダイナマイトもなく、ノミで削るほか、岩の上で長時間焚き火をして岩を割ったと伝わる。
 
 
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戦前の絵はがきより。なかなか勇壮な筏下りシーンである。
 
 
これまで存在自体はよく知られていたが、対岸ゆえにわざわざ調べた人はいなかったらしい。それを調査したのである。おそらく筏流しが消えて数十年、眼前に見た人も少ないに違いない。また大滝ダムができてからは水質も悪くなって、川で泳ぐ人もいなくなった。
 
間近に見ると、こんな感じ。これは下流側。これだけUの字型に掘削している。
 
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計測調査中。
 
結果として、長さ約88メートル。幅は3~5メートル1深さは1~1・8メートルだった。これも、いつか精密な測量をすべきだね。
 
002  概念図。ちゃんとした測量図ではありません。
 
ただ調査では、削岩機で穴を開けた跡があり、おそらく昭和に入ってからも拡張を行ったのではないかと思われる。どこまで庄三郎の手のつけた部分なのか区別できなかった。文献調査なども加えて、いつの時代にどんな工事を行ったのか調べるべきだろう。
ちゃんと調べたら、森林学会、土木学会等に発表できるんじゃないか?
 
 
今回は、その触りということで。

2017/07/20

ホッとする写真集と画集

疲れると、文字を追えなくなる。昔は空き時間があれば本を読む、少なくても文字情報を追いかけていたが、最近はねえ……。。。

 
で、そんな時のためにブックオフで購入した(~_~;)、写真と画集。
 
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『月光浴』(石川賢治)は、以前から興味があり手に取っていたのだが、購入に至らなかったところ、今になってこんなに安く手に入るとは! 
古い本とはいえ、ほとんど傷んでいない。
 
月光だけで撮影するという発想が素晴らしい。そして描かれるこの世とは思えない風景。やった、いや、やられた! と思ったね。
月光は太陽光の465000分の1の光量らしいが、だからこそ浮かび上がる世界があるのか。
 
写真集の価値と言えば、まずは被写体であり、アングルである。多くのフォトグラファーは、そこで自らのテーマを選び、腕を競う。
 
人物。風景。動物や昆虫、植物をテーマにすることもあれば、戦場とか労働、あるいは子供……と社会派にも自然派にもなれる。
 
が、それとは別に、写し方を変える手もある。モノクロ、セピア色写真というものから、最近流行ったのが魚眼レンズによるトイカメラ風写真だろうか。以前、胃カメラのレンズを使って野外の昆虫の世界を撮った写真に驚かされたことがある。
今回は高感度カメラを使ったわけだが、何より月光をテーマにしたのが憎い。
 
ちょっと無粋な書き方をすると、写真界のイノベーションだと感じるな。テーマにする被写体をいかに撮るかアングルとか露出とかシャッター速度で工夫する従来の写真から、技術に加えて発想の別次元へ一気に飛んだような。
 
 
こんな写真を見ていると、癒されるだけでなく自らにとってのイノベーションを想起するわけよ。。。
 
あ、おおた慶文の『風色のくちづけ』は、まあ、なんといいますか、私の美少女趣味と言いますか(^^ゞ。。
いわゆるアニメの「萌え」少女は苦手な私だが、彼おおた慶文の写実的なようでいて夢想的なイラストはホッとする。こっちでも癒しをいただくよ。

2017/07/19

『明治乙女物語』と土倉翁

今日は土倉庄三郎の没後100年を記念して、翁が設立に深く関わった同志社を探訪するツアー(川上村主催)に参加した。主に見学したのは、同志社大学、同志社女子大学である。

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私が土倉庄三郎を追いかけた際、多くの事績の中でも興味を引いたのは、女子教育に力を入れた点だった。自らの娘以外にも多くの女子に教育を就けさせるための援助しているし、女子校に多額の寄付も行った。女子が学ぶことを大切とする発言も数々示している。
 
当時の時代背景や山里の古い名家の出身であること……などを考えると、なぜ庄三郎がこれほど女子教育に理解があったのか不思議なのだ。
同時に、幼少時にいきなりキリスト教(西洋)式の学校に親元を離れて預けられる子供たちに思いを馳せた。世間の眼も学ぶ女子に決して温かいとは言えなかっただろうに。。。
 
 
さて、今日は翁の命日だからこそ、小さなわだかりを爽やかな風でぬぐってくれるような小説を紹介したい。
 
Photo明治乙女物語』 滝沢志郎
 
時は明治21年、いわゆる鹿鳴館時代の高等師範学校女子部。今のお茶の水女子大である。
 
ここで学ぶ女子学生の青春の群像劇を、当時の文明開化の風俗とともに、軽いミステリー仕立てで描く。帯文にあるとおり、今年度の松本清張賞の受賞作で選考委員の絶賛を浴びた作品だ。
 
緻密に描かれた明治ならではの社会背景を舞台に、今と変わらぬ感性を持った女子学生が精一杯生きる。虚実取り混ぜたストーリーなのだが、それは世相と戦う「戦う乙女」であり、新しい世を切り開く女子の姿を感じる。
※ストーリーは、Amazonのリンクにでも飛んで読んでほしい。
 
 
彼女らを前にして行われる森有礼文部大臣の演説には、ついジーンと来てしまった。それは結びにかけて限界を見せるのだが、それもまた時代に翻弄される象徴のようでもあり……。
本書は、明治の女性を通して現代社会の内面を照射しているかのように感じたのだ。
 
 
私は、土倉翁を追う過程で、自由民権運動の中の女性たち(影山英子ら)や、新島襄と八重、また広岡浅子を知った。同志社女学校の生徒たち、中でもアメリカに留学後、陰の外交で活躍した土倉政子らの姿を知った。それが登場人物と重なってしまう。
 
とりわけ今日のツアーでは、新島八重の存在を改めて感じた。会津戦争では男の藩士に混じって戦ったジャンヌ・ダルクであり、後半生では戦場で傷ついた兵士を治療するナイチンゲール(看護師)となり、晩年は男のものだった茶道を女性に開放した。時代と戦う乙女そのものだ。
 
八重の背後に小説のような乙女が続いたかと想像するのも一興である。

2017/07/18

1917年7月19日

今日は、2017年7月18日。つまり土倉庄三郎の忌日(1917年7月17日)より100年を迎えようとしている。

 
没後100年その日を前に、100年前の庄三郎の様子を描いてみよう。
 
 
もともと庄三郎は壮年時の飲酒のためイチョウを悪くしていて、終生悩まされていたらしい。それでも酒を絶って体調を維持していた。晩年の日々の食事の中には、牛乳と鶏卵が入っているところは、一般人とは違うところだろう。
 
大正5年(1916年)からは、旅に出ず、山の案内も自分ではしなくなり、老いが深まったらしい。
 
翌大正6年7月2日に、軽微な腹痛と身体かだるいと訴え、主治医の川本恂蔵を呼ぶ。川本は三女・糸の配偶者で同志社病院の副院長だったという。
 
徐々に回復して、6日7日に回復の兆しがあった。しかし、暫時容体は悪化する。
 
13日に、四女・小糸の配偶者・佐伯理一郎(同志社病院院長等)も往診。面会謝絶となる。親族にも内報して急ぎ集めた。
京都医科大の島薗博士の診察も受ける。 
 
この頃か、もう回復は難しいと自覚するや、むしろ心は落ち着き安泰となり、静かに念仏を唱えた。時に枕元の人々に、宗教の大切さを説き、子供孫らに「極楽への旅立ちはむしろ歓喜すべきなり」と逆に諫めたという。
 
19日、正午に松浦博士の来診。注射によってわずかに意識をつなぐ状態となる。
午後4時50分、息子娘・孫ら近親者に見守られ逝く。
 
病名は、髄性肝臓ガン。末期の苦しみもなく穏やかに息を引き取ったそうである。
 
 
五男・五郎の句が残されている。
 
雲の峰父は佛となり給まふ
 
葬式と葬列
 
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2017/07/17

ブルーベリーが庭木に

気がつけば、今日は休日、それも3連休だったんだって……。

 
私にとっては、文字通り身体を休める日だね。先週は動き回ったから。疲れがとれづらい年になったもんだ。。。
 
で、庭にブルーベリーがあることを発見。
いや、私が知らなかっただけなんだけど。父が植えたらしい。周りはツバキだコウヤマキだと庭木ぽい木が並ぶのに、なぜかそこに混じって生えている。
 
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しかも、実がいっぱい付いていた。このままだと鳥の餌食になるから、全部収穫。
 
さっそくヨーグルトをかけて食べる。
 
かんかん照りの陽射しの中を外に出る気にはならないが、この時ばかりは元気が出ますな。

2017/07/16

九州北部水害地の生の声

昨日は名古屋に行っていたのだが、そこでなんと、福岡県朝倉市から来ていた人に会った。製材業を営んでいる方である。

 
そこで実地の話を聞けたので、ここに少しご報告。
 
まず、本人の自宅や工場は被害を免れた。ただ、山はズタズタである。山の多くは林齢40~50年生のスギ林。
 
報道では表層崩壊がほとんどという意見も出ているが、かなり深いところから崩れているところ、岩盤剥き出しになっているところもあるので、深層崩壊もあっただろう。
 
山は、林道・作業道が流されただけでなく、現場近くに置いていた重機類も消えてしまった。そのため災害復旧の見通しが出ても、すぐには動けない状況。
 
今後、木材生産量はかなた落ちるだろう。(3分の1くらいに?)
 
朝倉の木は、ほとんど大分県日田に出荷されている。だから日田の市場に出る木材量が減るのは間違いない。日田の工場はほとんと被害がないので、製材はやりたいはず。そのため原木の取り合いになり、価格は上昇するのではないか。
在庫は、数ヶ月分しかないので秋以降が逼迫すると思われる。
 
 
ただ、こうした林業・木材産業の予想とは別にむしろ気がかりなのは、この災害によって森林所有者の経営意識が減退することだそうだ。
生活、そして山の道・機械も含めて復旧しても、山主は、再び林業を続ける気になるか。災害後、山を放棄する例が過去にもあった。
 
 
……とのことであった。さて、今後の見通しをそう読んで、果たしてみんなどのように動くか。
 

2017/07/15

ラジアータパインは環境によい?

近隣のホームセンターで見かけた看板。

 
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ラジアータパイン集成材のパネル等を販売しているのだが、そこにある言葉に目が向いた。
 
地球環境にも、人にも優しい集成材です。」とある。
 
なぜ地球環境に優しいのか。その下にある文字が、
植林木のパイン材が原料です
 
植林した木だから環境に優しいのか! たいていの木材は今や植林木だと思うのだが。国産のスギやヒノキはもちろん、SPF材も、かなり植林されたものを使っているはず。ポプラ材なんてのもあったな。
パイン材という書き方もなんとなく笑える。松材とは書かないのね。。。
 
 
 
さらに「F☆☆☆☆対応の接着剤を使用しています」とあるが、これは接着剤の性質のことで、身体に無害と言いたいのだろう。
 
これまでラジアタ、いやラジアータパインと言えば、材質があまりよくなく梱包材などに使う木のイメージだったが、今や環境によいと言われ始めたのか。ある意味広告の戦略だが、これで材のイメージがよくなるなら、結構なんだが。。。

2017/07/14

Yahoo!ニュース「大水害の発生と森林は関係あるのか」書いた理由

Yahoo!ニュースに「大水害の発生と、森林は関係あるのか 」を執筆しました。

 
水害に関する記事は、ブログに結構書いていた(その最中に今回の九州北部水害が起きたのだけど)ので、もう書かないつもりだった。
 
が、ふと今日の午前中に降ってきたのね(~_~;)。書かなくちゃならない、と。
 
ようするに、ブログでいくら書いても人工林や林業と災害を結びつける言説がアチコチに見られたわけで、ならばより読者の多いYahoo!ニュースに書いても焼き直しにはならないだろう、と思ったわけである。焼け石に水かもしれないけれど。。。
 
こういう時は一気呵成に、多分1時間弱で書き上げた。ネット記事の特徴でもある。紙の記事の場合は遅筆なんだけどねえ。
 
折しもツイッターのまとめサイトにも納められた。「スギ人工林」とH29九州北部豪雨
 
 
何度も書くように、私は水文学は苦手なのだ。それでも素朴に森林が水にいかなる関わりがあるか考えて詰めていくと結論が現れるのだよ。
 

2017/07/13

石は石でも……

先日、石の世界を覗く。

 
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こんな山と積まれた中から一片をいただいた。   
 
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なんだかわかるだろうか。そう、砥石である。正確には、砥石の一部である。
 
そんじょそこらの砥石ではない。国産超高級天然砥石。
 
今世間に出回っているほとんどが人造砥石だが、わずかに天然砥石もある。本来の砥石は、ちゃんと鉱山から掘り出す。粒子が揃ったものは滅多にないから貴重品だ。馬鹿高い。最高級品は、一つで30万円はする。それでも求める包丁人はいるのだ。
写真のは、その半分ぐらいだから15万円ぐらい?(^o^)。
 
ま、それは冗談価格だが、貴重品には違いない。世間に刃物マニアは多いが、砥石マニアもいるだろうか。研ぐ、という世界に興味を持つ人はどれぐらいいるだろう。
 
 
試しに包丁を研いでみた。ほんの30秒ほど研ぐが、もったいなくて止めた。すり減らしたくない。。。
で、その包丁でキュウリを切ってみる。
 
仰天の切れ味。な、なんだ? 手応えがないみたいに切れる。
 
おそるべし、天然砥石。
 
 
木の世界に飽きたら石の世界に行こうか。
 

2017/07/12

土倉庄三郎の誕生日

暑い。暑い日は、水遊びに限る。

 
というわけで、川上村大滝の土倉家跡の前の吉野川で水に親しんだ(^o^)。
 
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大の大人、5人が水遊び(笑)。……にしても、ダムからの放流水は緑色に濁っていて、あんまり水に浸かりたくない心境なのであった。
 
水に濡れながら何をやったかはまたの機会とする。
 
 
それと何の関係もないが、先日気がついたこと。
土倉庄三郎の誕生日は、4月10日である。私は、それに関して深く考えなかったのだが、この月日は旧暦であった。
明治になって新暦に切り替えられるから現在の月日と狂ってくる。拙著では、登場する月日は新暦、土倉翁の年齢などもすべて満年齢で示しているが、誕生日だけは見落としていた。
 
で、旧暦天保11年4月10日は、現在の1840年5月11日である。
 
だからナンなんだ、と言われたら何もない(~_~;)が、せっかくだから誕生日占いを。
 
5月11日生まれの人の性格は?と、星占いサイトを検索してみた。
 
・慌てず騒がずの精神で、ゆったりとしています。
・即決即断はせず、じっくり考えて策を巡らせる。
・徐々にやる気になっていくタイプ
・やると決めたことは時間がかかってもやり抜くタイプ。
・空想をして楽しむ。
 
全然、土倉翁を連想しないなあ(;´д`)。
やっぱ、関係ないでしょ。

2017/07/11

HUFF POSTに土倉翁

ハフポスト(ハフィントン ポストから改名)日本語版に、土倉翁の記事が掲載された。

 
書いたのは、私である(笑)。
 
ま、内容はグリーンパワー7月号に執筆した記事の転載なのであるが,、とにかく今月は土倉翁強化月間なので、さまざまなメディアに露出することは喜ばしい。
 
 
注目すべきは、冒頭の牧場跡調査。
 
土倉家は大滝の上の台地に牧場を開いて、牛乳を絞って飲んでいた、という逸話を聞いていて、これを確認したかったのだ。実施したのは4月頭である。
牧場と行っても畜舎飼いだったようで、広い牧草を生やした牧野があったわけではない。ただ戦後すぐまで牧場はあり、牛乳を出荷していたのは間違いない。戦後に移り住んだ人の話も聞けた。
結局、木材バブルの際に全部植林をしてしまったため、現在はスギ林である。
 
むしろ、土倉家より前の太刀家(源義経を助けた一族)、さらにその前の縄文? 弥生? 遺跡のある可能性も出てきたのが面白い。土器が見つかった記憶があるという。
 
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太刀屋大神の碑
 
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最上部に石垣が見つかった。
 

2017/07/10

大水害における流木被害

昨日の「森林の洪水に関する機能を見直す 」が、予想外にアクセスが伸びている。論文紹介という硬い内容なのに。またコメント欄に、肝心の谷誠先生が論文のダウンロード先を示してくれたので、参考にしてほしい。

 
そして、もう一つ拙記事でアクセスが急増したのが、こちら。
水害と人工林批判を結びつけたがる愚
 
なんと2011年9月6日のエントリー。6年前の紀伊半島大水害に寄せて記したものだ。
 
今回の福岡の大水害に関して検索すると、こんな古い記事が引っかかったのだろうな。この年は、言わずと知れた東日本大震災が3月にあり、7~9月と水害が全国で相次いだのだった。
内容は、人工林だから山崩れを引き起こした、といったズレた批判に物申したものだが、最後に災害を拡大した流木被害について触れている。
 
ただ、一点気になるのは、洪水現場に山積みになった流木である。流木が橋などにひっかかり、それが水をあふれさせた原因になったところは多いようだ。
 
この流木は、森林が地面ごと崩れてなぎ倒されたものなのか、それとも伐り捨て間伐で林内に残された間伐材が流れ出たのかはっきりしない。もし間伐材が主因なら、林業にも災害の一因を作った可能性がある。
 
その点だけは留意したい。
 
 
このように記した。
 
今日の夕方、何気なくテレビを付けたところ、やはりニュースで流木による被害について取り上げていた。
 
ただ、扱い方は違う。この流木はどこから来たのか、ということを追跡しているのだ。
 
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まず流木に切断面を見つけて、伐採したものであることを示した。
 
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そして山の林道沿いに積まれた丸太を確認。いわゆる山土場だ。伐採後、搬出までの間に仮に積んでおく丸太の山である。これはある程度量が確保されるまでとか、丸太を乾燥させるため……などいくつかの理由があることを業者に語らせる。
こうした丸太の山が、今回の豪雨で山が崩れるときに流出した可能性は高い。
 
一方で、根っこのついた流木も紹介して、山に生えていた木が崩壊時に一緒に流れ出たことも示した。
 
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このニュースは、なかなか良心的な報道だった。しっかりと現地を確認しているし、伐採された丸太と、立木の両方が混ざっていることを示している。
以前のような、思いつきで人工林批判、林業批判をしていない。
 
逆に業者側にも一定の責任があることも示唆した。これからは、林道の下斜面側に土場を築くと危険といわれるかもしれない。改善するのは、なかなか難しいが……。それに道ごと崩れる場合には意味がない。
 
 
ただ、その後に気になる発言があった。
 
どこぞの大学教授が、植林した山は、樹木の根が土壌流出を抑える効果がある反面、崩れるときは根っこが山肌を大きくえぐって被害を大きくする……と説明していた。
 
「植林した山」という言い方はおかしいだろう。人工林を指すのか。しかし天然林だって根を拡げているのは同じだ。区別するべきではない。それともはげ山がいいのか。
 
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また今回を含めて大きな山崩れは、ほとんど深層崩壊である。
草木の根が張っているのは、土壌表面にすぎない。実際の根は土壌のある部分、つまり深さ1~2メートルしか伸びない。高さ10メートル以上ある樹木でも、根系は薄い土壌部分しかつかんでいない。土壌の下の岩盤まで根が伸びることはない。
それに樹木が倒れる際には、すでに表層は崩壊しているわけで、樹木の根っこがどれほど関与するというのか。
 
山崩れと森林を無理やり関連づけようとするのは不可解である。
 

2017/07/09

森林の洪水に関する機能を見直す

また水害が発生した。今年は、福岡県南部が中心だが、毎年「過去に例のない……」豪雨が発生し続けているような気がする。

 
そして、豪雨によって山崩れや洪水が起きると、森林整備の問題が取り上げられるもの恒例となった。
 
さて、そんな時に論文等が送られてきた。学会シンポジウムの報告と水文学の論文だ。
送り主は、人間環境大学の谷誠・特任教授。有り難く拝読した。
 
……もっとも、私は、森林関係学問の分野の中で、もっとも苦手なのが水文学である。
とはいっても、これまで幾度か記事にしたり拙著の中でも取り上げてきたとおり、必要だと思うからヒイヒイ言いながら目を通してきた。水文学は日進月歩なので、常に新しい情報を仕入れておかないと、危険なのである。
そして、今回もヒイヒイ言った(~_~;)。
 
そのうちの一つ「北海道の自然」に寄せた「洪水緩和効果と河川整備・森林整備との関連性」に関するものは、改めて考えさせられる。
 
ここで論文全部を引用できないので一部を。要旨部分である。
 
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ここに目を通しただけでも、これは……(・_・)...?と思わせる。
 
記されている「大雨に対する森林土壌の二つの効果」について十分認識している人はどれだけいるだろうか。土壌内の「水みち」効果なんて、思いもしなかった。満水状態になっても、それは地形・地質的によって生じる空隙によって「流出平準化効果」発揮されるらしい。
 
こうした理論は、単に研究者のレベルで留めるのではなく、行政関係者にも共有すべき重要ポイントではないだろうか。
 
ほかにも論文の中で、私が引っかかった点をいくつか切り取った。
 
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いかがだろうか。洪水対策に森林整備を、という意見は、そもそも否定されるのである。間伐等であっても伐採したら、それだけで洪水緩和作用は弱まってしまう。
 
治水工事(ダムや堤防など)で防げる災害はほんのわずかだが、かといって森林整備に期待するのもお門違い、ということになる。
 
一方で、人は木材を必要としていて、まったく手をつけないで済ませるわけにはいかない。また原生林であっても、100年単位で見れば、いつか必ず崩れると言ってよい。
 
この点を理解した上で、森林の保全と利用のバランスを考えねばならないわけだ。
 
水文学、なめてはいかんぜよ。

2017/07/08

厳島神社の寄進願い

奈良は雨も降らず、チョー暑い。

 
これで少し涼めないだろうか。。。。
 
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先日訪れた、宮島の厳島神社にあった「お願い」。
 
檜板1枚3万円なり。
 
平舞台というのは、屋根のない部分で、大雨のため写真に撮らなかったが、ここの板の修復を行うのだそう。
 
う~ん、3万円かあ。安い? 高い? と、ここで涼む(笑)。
 
 
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こんなところの板なら、30万円出しても手に入らないかもしれないがなあ。
 
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アップにするとわかる通り、いろいろ切り貼りしたように修復していますよ。

2017/07/07

Yahoo!ニュース「カルピスの日に思い出す」を書いた理由

Yahoo!ニュースに『カルピスの日に思い出す、二人の「カルピスの父」 』を執筆しました。

 
Yahoo!ニュースはたいてい午前中に描くのだけど、今回は夜。
 
察しが付いているかもだけど、そもそもは七夕の今日にブログに何を書こうかと思って気づいたのが「カルピスの日」だった。(ほかに「シイタケの日」なんてのもあるらしい(笑)。)
 
となれば、やはり土倉家。なんたって今年7月は土倉家認知強化月間だから(笑)。
 
そして気づいたのである。ブログではなくてYahoo!ニュース向けに書くことを。こちらの方が読者多そうだし(^o^)。意外と、こんなニッチなネタが好評なこともあるし。
 
いつもいつも林業だ林政だ獣害だ、あるいは森林生態系だといったネタばかり書く人と思われるのも癪なのである。
 
 
さて、今夜の奈良の空模様は、雲が消えて満月がこうこうと輝いておるぞよ。逆に星はほとんど見えない。。。
しかしながら、私に年に一度くらい会いたいといった織り姫も現れる気配はない(~_~;)。
 
やっぱり今夜もビールかジンを喰らうかなあ。カルピスは手元にないから(笑)。
 
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2017/07/06

クラフトジン「季の美」の成分

今日は早くから川上村の奥の奥に出かけて、なぜか、いや当然ながら山登りをしてきた。

 
だから疲れた。
 
この際、登った理由はスルーしよう。
 
とにかく疲れたのだ。こんな日はビール? いや、それは安直である。
 
そこで手に取るのは、クラフトジン『季の美』
 
ご存じだろうか。近年流行ってきたお酒はクラフトビールならぬクラフトジンである。定義はとくにないが、小規模に蒸留するジンのこと。これまでジンというとカクテルの割材扱いされてきたが、このところジンそのものの味を求める人が増えてきたのだ。
 
ジンとは、スピリッツに植物性の原料を漬け込んだ酒。ジュニパーベリーというヒノキ科の木の実が多い。ある意味ヤニ臭い酒であり、安酒扱いされることも多い。大規模生産されやすい。そこから脱皮させようというのがクラフトジン。
 
 
自慢じゃないが、四半世紀続くジン飲みの私。
 
かつて世界の珍しいジンを集めてボトルコレクションをしていたが、阪神大震災で落下して砕け散った。以来、ジンは飲めどボトルを集めるのは止めたのだが、このたびこのボトルだけは残しておこうか、と思わせるジンを購入した。
 
『季の美』。製造は、京都蒸留所。ジン専門の唯一の蒸留所とのことである。代表も蒸留技師(ディスティラー)ともにイギリス人。1本5000円を超える価格は、ジンとしては高いだろう。
 
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白く霜がついているのは、冷凍庫に保管しているから。
 
このジンの特徴は、お米と伏見の伏流水からつくるライススピリッツから作っていることだが、より重要なのは、漬け込むボタニカルだ。
 
注目すべきは、ベースとなるボタニカルにジュニパーのほか、オリス(という植物らしい)、そしてヒノキを使用しているのだ。
ほか、柚子とか山椒とか生姜、赤紫蘇、笹、そしてお茶の玉露を使っているという。
 
ヒノキの香りも、お茶の香りもしないが(笑)、なんともジャパニーズなジンなのであった。
 
ストレートで飲んでみる。
 
美味いよ。全然割る必要がない。せいぜいオンザロックか炭酸割りで十分。
ただ、ジンと思わせないのが難点(笑)。
 
 
ああ、疲れているからさささと書き上げようと思ったのに。。なんか、ウンチク語りたくなる。そんな酒だ。。。

2017/07/05

古材利用のホテル

能登だ、島根だ、宮島だ、と旅する日々を紹介したが、実はその合間に京都でも泊まっている。

 
京都は私の家から近すぎて宿泊することなど滅多にない。せいぜい娘の下宿だ(笑)。だから希少な経験であった。
しかも、今回泊まったのは、なかなか高級感あふれるホテルだった。
 
 
そこで見かけたのが、こんな壁面。
 
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わかるかな? 木の内装なんだが……。
 
アップしよう。
 
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もうお分かり? 襖(ふすま)の敷居や鴨居の溝部分。正確な名称は知らないが、襖溝である。
 
もちろん古材。色も幅もバラバラ。それを上手く配置すると、なかなかえオシャレなデザインになっている。
 
もう一つ。
 
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右端のフロント係の女性に注目……するのではなく、フロントカウンター部分。ここ、木口を張り付けてあるのだ。しかも、よく見れば全部芯去り(中心の芯部分を外して製材したもの)。材の樹種まではよく見なかった。(見てもわからなかったと思う。)
 
ついでに。
 
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これ、エレベーターホール。これまたシックな和風デザインだが、よくよく壁を見ていただきたい。
 
名栗って、いうんだっけ? 数寄屋づくりによく登場する加工法。
 
 
ともあれ結構、木の内装にこだわっているホテルだったのである。

2017/07/04

厳島神社の大鳥居に触る!

能登の旅から帰って来たと思ったら、すぐに島根・広島の旅に出ていた。

 
とくに今日の目標は宮島である。
 
が、なんと……まさか台風3号とは。。。しかも、ルートは瀬戸内地方を直撃とは。。。。
 
朝の予報を見ると、昼頃に広島沖ではないか。これではのんびりしていたら船が出なくなるかも、と大急ぎで出発。なんとか島には渡ったが、案の定土砂降りに。
 
港のターミナルから出る意欲がなくなる(-.-)。。。
 
本当は弥山に登りたかったのだが、あきらめて厳島神社に向かう。
厳島神社と言えば、海上の大鳥居なんだが、雨の中だからなあ。
 
ただ、一つだけ運のよかった点がある。それは、干潮の時間が、正午であることだ。
私は、なんとか鳥居に触れられないかと思っていたのだが、チャンスは干潮で神社前が干上がり歩いて鳥居まで行ける条件であることだ。
 
とはいえ、雨の中では。ジリジリと待っていると、小雨になっていた。まだ時間は11時。少し早いが鳥居のすぐ元まで砂地が出ている。
そこで決行。
 
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行きました\(^o^)/。真下より見上げる。ちょっとまだ水が張っていたが、手を延ばして鳥居に触る(^o^)。これで、かなり満足。
 
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これは横から。鳥居は、クスノキの巨木で建てられていることはわりと知られているが、よく見てほしい。根元は違うのだよ。
 
どうやらマツの丸太柱を杭にして何十本も打ち、その上に薄い敷石を乗せ、さらにその上にクスの柱を乗せているらしい。松の柱の周りは、どうも金属的なもので包んでペンキ?いやベンガラか何かを塗っているように見えた。
 
1000年前に、海の中に建てても腐らない工夫をしたのだろうね。
ちなみに現在のは8代目で、明治に建てられたもの。
 
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これが前回、つまり7代目の柱の輪切り。
 
台風の中、よく調べたなあ(^o^)。
なお、12時になると、たしかに潮は完全に引いて鳥居も根元まで全部地上になったが、大雨になった。あの決断は正しかったと思うよ。

2017/07/03

さかさ杉

能登紀行の3弾目。

 
アテばかりではなく、こんなのも見てきましたよ。
 
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かなりの巨木である。全景は、こんな風。
 
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ようは、下部の太い枝が下に垂れ下がり、地面を這うように広がっている。伏状性のウラスギなんだろうが、雪の重みで垂れ下がったのかな?
ただ、枝が根付いているようには見えず、這っているのである。
 
これは林業的ではないが、なかなか面白い。
 
このスギは高照寺という古刹の門前にあって、樹齢は約700年ともいうが。。。。
高さが約12メートル、樹冠の広がりは30メートルとか。
 
さかさ杉という呼び名のスギは、全国にあるが、これほどの老樹は価値あるだろう。

2017/07/02

アテの元祖

能登半島の旅で、なかなか見応えのあったものの一つが、これ。

 
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アテの元祖、という標識。もう少し見やすい位置からだと
 
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これは、泉家という一般の住宅敷地内の裏山にある。
石川県、とくに能登半島の林業と言えば、アテだろう。アテとは、ヒノキアスナロ、ヒバという方が通りがよいかもしれない。
ヒバと言えば、青森県(アオモリヒバともいうか)だが、石川県でも県木となっている。
 
その由来を調べると面白い。まず地元にあった天然のアテを造林した説と、津軽から持ち込んだ説の二つがある。が、後者が有力だ。
 
渡来伝説は、さらに二つある。そのうちの一つはまた二つに分かれる(~_~;)。
まず奥州の藤原氏の秀衡三男である泉三郎忠衡が、1189年に当地に赴任した際に、義経が生前愛でていたヒバの苗木を2本持ち込んだというもの。
 
一方で泉家19代之兵右衛が、ヒバの苗木5本を津軽から持ち帰ったという説もある。
これが写真の元祖アテだ。 
太いものは目回りが約4メートルあり、樹齢も400~700年と言われている。
 
あと一説は、加賀藩5代目藩主前田綱紀が、ヒバの苗木移出を禁じていた津軽へ藩士を農民に変装させてヒバ苗 を取寄せ、これを能登各郷に植林したというもの。
 
いずれにしても、江戸時代から能登ではアテを植林するようになったのである。
ただ、今回の旅でも目につくのはやはりスギ。アテはどこにでもある、とまでは言えないようだ。
 
アテは、初期生長が遅いので、戦後の造林品種としてはあまり使われなかったのだろうか。 
 
 
ただアテ(ヒバ)材は、非常に耐水性・耐腐性が強い。それはノキチオールを豊富に含んでいるからだ。そもそもヒノキチオールはヒノキにはほとんど含まれず、ヒバの精油なのだ。
 
アテ植林、今なら見直してもよいのではないか。
 
なぜなら、国が早生樹種の植林に力を入れているから。。。
常に国の政策の逆張りをしておいた方がよい(⌒ー⌒)。
 
ちょっと調べると初期生長は遅いと言っても、40年生でスギの70%ぐらいの材積だという。これならヒノキと比べてそんなに大きく劣らない。材質も(見映えでなく)香りで勝負すれば、十分太刀打ちできる。いや、ヒノキチオールを前面に出せば、高級材とすることも可能だ。アオモリヒバのまな板は超高級品(何万円!)もする。
 
もちろんヒバ、アテの一斉造林などする必要はない。
スギやヒノキ林の一部に植えておけばよい。耐陰性ゆえ、枯れる心配はない。
いっそ早生樹種の合間に混交させてもよいのではないか。20年で直径30センチ以上になるセンダンやコウヨウザンの合間にヒバを植えても育つだろう。そして早生樹を伐採後に大きく育てる。
 
林業は、森づくりは息の長い仕事だ。とにかく時間がかかる。現在の売れ筋や経済状況だけを見て行ったら、将来公開しかねない。常に国の政策の逆張りを加えて多様な森を。
 

2017/07/01

人に会うということ

7月になった。

6月は、やたら面会・面談が多かった。もちろん仕事(原稿、講演など)の打ち合わせもあれば、何らかの問い合わせ、お願い……と多様。当然、初めての人もいる。
ある意味、嬉しい悲鳴というか、仕事につながる、情報を得られる、異分野の勉強になる、など歓迎すべきことであった。
 
私は、面談を申し込まれると基本姿勢としては断らない。可能な限り対応する。私と意見対立するものでも、まったく拒否することはない。会えば、結果的に私も未知の情報を得るなり、プラスになることも多い。
 
その人物が魅力的に感じたり、用件が直接仕事とは関係なくても、心にピンと来るものがあれば無理しても時間は割く。
 
相手が学生の場合は、一杯のお茶、一皿のカレーぐらいは奢る(笑)。若者、学生、とくに女子大生……には極力会う。
 
用件が10分くらいで終えた後も話し続け、延々4時間ということもある。時に丁々発止の応酬となり、頭の中がチリチリと疲れることもあるが、それもまた楽しい。
 
求人している人もいた。その人は造園業を営んでいるのだが、林業に興味のある人にも来てもらいたい。山も持っているから、その整備にも力を貸していただきたい、という要望だ。現在の仕事内容もなかなかユニークで、一般の造園業に収まらない。
私は就職斡旋をする任にはないのだが、 もし休職中(学生可)の方がいたら、今からでも連絡してほしい。紹介するよ。
 
ときにすごい展開になることもある。先日は、80歳を超えたおじいさまから呼び出しを受けて出かけたが、まあ、美味しい食事を御馳走になり(~_~;)、よもやま話のうちに、田舎の森林をもらってくれないかね……なんて言葉が飛び出したりする。。(ウワッ!)
ここで安請け合いして山をもらっていいのか悪いのか……。
 
 
面談で肝心なのは、目的が何で、何を求めているのかはっきり示すこと。あやふやなものは時間の無駄となることが多い。
 
なんとなく某会の講師をお願いしたい雰囲気を漂わせつつ「とにかく会いたい」。
こちらがどんな内容で、どんな条件で? と問い返すと「まずは会ってから」。
ピピピと警戒信号が鳴る(~_~;)。
目的もわからぬ見知らぬ人と会うほど私も心が広くない。断らせていただきました。
 
以前、呼びつけられるように遠くまで足を運んだのに、話を(無償で)させられただけということもあった。自分の自慢話を聞かされたり、よもやま話に付き合わされることもある。それから相手を見極め選ぶようになった。
 
目的を示さず、面会を求めるというのは、馬鹿にした話だ。人に会うということは、時間と手間を費やすだけでなく、かなりの体力、精神力も費やすのである。 
 
以上、愚痴まじりながら、先月を振り返り「面談」について感じたことである。

2017/06/30

日本一長いベンチ…に使った木材量

能登半島一周の旅から帰って来ました。時折、土砂降りのなか。。。

 
いやあ、能登半島って、デカいんですね(~_~;)。意外や走れども走れども、奥が見えない。高速道路並の速度で走っているんだけどな。。。
 
ま、そこで見てきたものの報告はおいおいするとして、一つだけ。
 
石川県志賀町にある、日本一長いベンチ。
 
増穂浦海岸に全長460,9メートルのベンチが作られている。
 
Dsc_0540
なんでも夕日の名所なので、「日本海に沈む夕日を見てほしい」というつもりで1987年に地元住民有志で組み当てられたのだという。1989年には、ギネスブックに世界一長いベンチとして掲載されている。
正直、ギネスブックなんぞはどうでもいいのだが、私が思ったのは、これだけのベンチをつくる木材はどうしたのか、ということ。地元調達? まさか外材?
 
…こういう発想する私は、かなり毒されていると思うが。
 
 
だた、企画次第で、イベント的な木材需要を生み出せるかも。。。というところに感心した。
もちろん、地元の士気を上げたり、「日本一」という看板で引き寄せられる観光客などの派生効果の方がデカいけどね。

2017/06/29

大和森林物語第2回は「制服」!

毎日新聞奈良版(6月27日)に、大和森林物語の第2回が掲載された。

それがネットにも転載されたのでご紹介。
 
 
もちろん土倉翁ネタである(~_~;)。
 
 
この制服について改めて調べると、もしかして日本で最初の小学校の洋装制服ではないかと気づいた。
 
そもそも日本に制服という発想は江戸時代まではあまりなかったはずだ。
新撰組が来ていた浅葱色、もしくは黒羅紗の隊服も制服のうちか、それは赤穂浪士の姿を真似たといわれるから、赤穂浪士の姿も制服か、いやいや戦国時代の鎧も武将ごとに赤備え、黒備えなどと言われるように同じ色に染めたから制服の一種か。。。と考えることもできるが、学校教育における制服はなかったのでないか。
 
そして洋服の制服となると……幕末の官軍の制服を除けばなかっただろう。
 
そもそも近代の学校というのは、明治5年の学制からスタートするが、翌年よりポツポツと小学校が造られていく。しかし、制服まで揃える発想はなかったはずだ。
私塾、ミッション系の学校も、いきなり生徒たちに制服を求めることはなかったと思うし、洋服を手に入れることもできなかったろう。
 
つまり明治9年の大滝小学校の制服は、日本のファッション史の一角に残すべきではないか、と思えるのである。
 
2  3
 
上着も、なかなかのファッション性を備えている。とくに後ろには2つの装飾ボタン付きだ。
 
村も、これを売り出すという手もありますぜ(⌒ー⌒)。
 

2017/06/28

伸びる伸びる……

これはなんだ?

 
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ベランダの鉢植えからグイグイと伸びてきた新茎?
あっという間に背丈を越したぞ。
 
わかるかなあ(^o^)。
 
ちなみに鉢の下方には、こんなものが。
 
002  003
 
そう、月下美人ゲッカビジンである。
 
ベランダにあるのは、本家?の葉を挿したものなのだが、このところ成長がよい。すでに葉もたくさん伸ばしていたが、いよいよ茎も伸びだした(しかも2本!)。
 
花も近日中に咲くだろう。夜中だから気がつかないと、翌朝しぼんだ花を見つけることになりかねない……。
 
 
ちなみに、つぼみの2枚目の背景にあるのは、多肉植物のフチベニベンケイ。もっとも、俗称カネノナルキで知られている(^o^)。こちらも、切り取った茎葉をプランターに挿しておいたら、よく根付いた。
ほかにセイロンベンケイソウも育てているので、ベランダは多肉植物花盛り。これら、剪定のつもりで切り取っても、土の上に置いておけば根付きやすいので、どんどん増える。
 
レモンバームもあるし、最終的にどうすりゃいいかなあ……。
 
 
さて、これから旅に出ます(^o^)。月下美人よ、今晩は咲くな! まあ、月は見えない天候だけど。

2017/06/27

木を売るか家具を売るか

ちと変わった店を発見。

 
奈良のイオンタウンの中にオープンしたのだけど……。
 
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無垢の板がズラリ!! 銘木屋か? イオンタウンを訪れるお客さんは、木工家が多いのか?
 
こんな一角もあった。
 
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奥に巨大な原木が置いてある。スライスしてあるけど……。
 
手前のテーブルを見たらわかるだろう。そう、この店は家具を売っているのだ。無垢材による家具を販売しているのである。主に扱うのは無垢の天板のテーブルらしい。
 
 
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全体を見回すと、こんな感じ。たしかに家具が並んでいる。が、圧倒的に(私の)目が吸いよせられるのは板だ。幅1メートル近い無垢板もある。
 
ナラ(ミズナラか)のほか、ウォールナット、サクラ(カバザクラ)、トチ、クルミ、クリ、セン、ケヤキなどが並ぶ。
 
システムとしては、家具を注文する際に気に入った板を選んで、それから要望に合わせたオリジナル設計を行う。つまりオーダーメイドである。
 
パンフレットによると、工房・工場は奈良市の山間部にあって、販売店は各地にいくつか持っているらしい。つまりわりと手広くオーダーメイド家具を販売しているのだ。個人の家具職人の工房なんかとは違う。
もちろんお安くないが、板価格がそのままテーブル価格になるらしい。
 
 
この店のシステムは、なかなかクライアントの心を上手くくすぐっていると思う。最初に完成した家具を見てその中から選ぶのでは、必ずしも自分のほしい物と一緒にならない。かといって、自分でイメージどおりの図を描くのも難しい。しかし、原材料の木の板を見て想像を膨らませながら設計してもらうのは満足度が高まるだろう。最終商品をほしい際に原材料から選ぶということに価値がある。
 
そこで私が感じたのは、木を売る場合は、逆に最終商品を見せながらスタートできないか、ということだ。 家具を売るために原木を見せる……。ならば木を売るために最終商品につなげることも重要だろう。
何も家具を見せて原木を売れ、というのではない。たとえばシイタケを見せて、これを栽培するためのコナラのホダギを売る。料理を見せて割り箸を売る。木の使い方から紹介して行くことも必要かなあ、と感じたのだ。
 
 
経済の拡大期ならば、分業が強みとなるが、縮小期に入った今、全工程を握ることが強みとなる。川下からも、川上からも。
 
 
そうそう、お店の名前を書かないと失礼だよね(^o^)。
 
手づくり工房風樹の塔 。ふきのとう、と読むらしい。社名は、有限会社カントリーハウス。
 
 
 

2017/06/26

Yahoo!ニュース「CLTで林業振興は夢となる?」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「CLTで林業振興」は夢となる? 日欧EPA交渉の行方」  を執筆しました。

 
実は、Yahoo!ニュースで時事問題を書くことは少ないのだが、たまには……という気持ちになった(笑)。
 
内容は、これまでもブログで幾度も触れてきた国産CLTの問題点である。それが日欧EPA でより顕著になることを林業クラスタでない人にも伝えようというのが意図。
 
関税がどうなろうと、CLTを国産にするのはヤバイのだが、関税がなくなれば確実にヤバイ。
 
私自身はEPAを非難するつもりはなくて(むしろ、日欧関係は対等に近く、TPPよりマシだと思っている)、EPAの進展を読み込まずにCLTを推進してきた省庁の甘さというか、縦割り行政とというか、ようするに無責任さを指摘したい。
 
作戦練り直した方がいいよ。内装材並の高級CLT路線をめざすとか、あるいは厚物合板の代替品をめざすとか、輸入CLTとの差別化を考えないと、結局、国産材を圧迫するだけだ。

2017/06/25

グリーンパワー7月号に土倉翁

グリーン・パワー誌の7月号に、「山林王・土倉庄三郎没後100年」の記事を執筆しました。

 
Img001
 
もうすぐ命日のの7月19日。これをもって没後100年とするのだが、せっせと書いております(^o^)。
 
ちなみに冒頭にある「牧場調査」も、この記事のためにやったんだから(笑)。
 
 
いや、私一人が書いてもたいして盛り上がらないんで、ホントは私以外の別の人も別の媒体で紹介してくれて、全体として盛り上がってほしいのだけどね。
 
 
そういえば、今年2017年は、坂本龍馬暗殺150年、南方熊楠に夏目漱石、正岡子規の生誕150年……と、いろいろある。ついでに言えばロシア革命100年だ!
 
さらに調べてみると、真田幸村(信繁)生誕450年というのもあった。
 
逆に土倉庄三郎に関わることでは、2020年が生誕180年。3年後に向けて、今から何かしかけますか。
 

2017/06/24

アジサイ移植と空模様 

先日、まさに久しぶりに雨が降った。それも大雨だ。

 
これぞ、チャンス。翌日(また見事に晴れた)タナカ山林に行き、アジサイの移植を行う。ベランダで育てていたアジサイの挿し木苗を山に植えるのだ。
 
2週間ぐらい雨が降っていなかったのだが、濡れた土を掘るのは気持ちよい。だいたい2か所に植えた。
 
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 上手く根付いてくれよ。。。。
 
翌日はかんかん照りだった……。
 
やばいな、と思ってペットボトルに水を詰めて水やりに行く。
やはりというか、かなりしおれていた。ここで枯れてはたまらない。
 
そして、今日も晴れだったのだが……夜半から雨が降り出した。予報では、今後1週間は雨ばかりである。よし、これでアジサイが根付いてくれたらよいのだが……。
 
 
ちなみに昨年までに植えたアジサイも花を咲かせ始めている。
 
176_1_2  176_2
 
アジサイは、各地からもらったり山取りしたり、一部は咲き終えた鉢植えを安く購入して集めたもので、品種が何かわからないまま。花が開いて、初めてこんな品種だったんだ、と思う。
 
 
将来的には、アジサイが林床に広がってほしい。ま、世話を見るつもりはないので(~_~;)、立派な花が咲き続けるかどうかわからんが、林床植物としてはアジサイが一番よろしい、というのが私なりの結論なので、とりあえず実現させたい。
 
ちなみに、生駒近隣の矢田寺はアジサイ寺と呼ばれる名所だが、そこのアジサイは今か旬だよ。
 
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ここまでアジサイで埋めつくそうとは思わないが……。

2017/06/23

ど根性スギ

ときどき、ど根性植物、すきま植物、虐待植物とか、いろいろ名前を付けて厳しい環境で生育している植物、頑張って伸びている植物を紹介してきたけど、今度はスギ。それも大物。

 
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これ、崖下の岩の隙間から伸びている。一度は下向きに垂れ下がったらしく、U字形。
こう見えても直径20㎝級のスギである。
 
実は、この写真の周辺には同じようなスギが何本もあったから、みんな集団で頑張ったんだね(~_~;)。
 
林業的には、伐ってしまえばいいと思うが、ここまで来ると伐りたくなるかもしれん。
 
 
そういや昔、ブロックの隙間から生えているスギもあった。
 
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このスギも、伐らずに育てたら、どうなっただろうか。

2017/06/22

シカとカラスの友情

獣害の記事の後には、お口直しのほのぼの記事……。

 
 
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これは奈良・若草山で見かけた、シカとカラス。
 
なんと、カラスがシカの身体に堂々と乗っているだけでなく、盛んにくちばしでシカの耳たぶをいじっているのだ。
写真だと、アングルで重なっているだけじゃない? と思うかもしれないが、確実に耳たぶをくわえて振り回したりツンツンしている。
 
その時は動画撮るという発想が思いつかなかったのだが、幾枚か写真をアップしてみよう。
 
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でも、シカは全然嫌がっていない。目を細めている(~_~;)。
 
シカトしている? いやカラスとしか、遊び相手がいない?  (-.-)。。。
 
 
たまに鳥が、動物にたかっているのは、寄生虫を食べているからで、動物側も歓迎している……という例がある~アフリカに生息するウシツツキという鳥は、ゾウやキリンやシカ類などの寄生虫を食べることで共生している~が、このカラスがそんな作業をしているように見えず、単につついて遊んでいる風情だ。
 
 
動物界にも、異種間友情が生れることがあるのかね。
 
 

«Yahoo!ニュース「朱鷺も駆除した!」を書いた裏事情

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森と林業と田舎