昨夜のNHK「クローズアップ現代」では林業を取り上げていた。これを見て沸騰した林業家も多いのではないか(笑)。
実は、その前夜のEテレ「サイエンスZERO」でも林業を取り上げていた。

内容はほぼ同じ(⌒ー⌒)。取り上げるのもCLTなどエンジニアウッドによる木造ビルに、セルロースナノファイバー、改質リグニンによる木質プラスチック。そして林業ルネサンスだ、日本の林業は明るい!と謳い上げる、いや煽る。世間には信じる人もいるのかなあ。
しかし紹介される情報に嘘が多すぎる。そして科学技術と社会実装の谷というか闇というか、断絶が深すぎる。
ツッコミどころ満載なのだが、一つ指摘しておこう。サイエンスZEROは再放送である。昨年7月だったかに放映したものだ。1年前に放送していた内容をクローズアップ現代は最新事情として取り上げたのだね。映像も使い回し?
そして林業にルネサンスといった言葉を付けたものも、10年以上前から幾度も使われている。民主党政権時代から。ちなみに「木のルネサンス」(熊崎実著)や「森林のルネサンス」という書名の本(2018年発行)もある。
かろうじて、木材価格が安いために木材の増産が難しい点に触れていたが、これで私は、低賃金カルテルならぬ「低材価カルテル」という言葉が浮かんだ。木材業界上げて、木材の価格を上げないよう無意識?に全力でカルテルを組んでいるのだ。
だいたいCLTもCNFもリグニンも、その材料は安い木材であり、A材価格の木材を使わない。こうした新素材が増えれば増えるほど買取価格は下がる。最初から材価を下げる構造ができているのだ。
番組内で「製材価格は上がったのに原木価格は上がっていない」ことに触れていたではないか。サラリと流したが、その理由を説明してみろ。
まあ、私も理屈(言い訳)は聞いたことはあるが、そんなもの即粉砕できる。本音では安く買いたたきたい意図が透けて見える。
問題は、なぜこの時期に、こんな番組がつくられたか、である。
内容的には林野庁提供なんだが、林野庁はNHKに「つくれ」「宣伝してくれ」と言えるほど力は強くないだろう。むしろ、私はNHK内に林業シンパがいると睨んでいる。ひたすら林業の未来を明るく描きたい、と思っているプロデューサーかディレクターがいるのだろう。
これは、私の経験から言えるのだ。一時期、私のところにその手の番組づくりで取材の申し込みや出演依頼が続いたことがある。が、私が林業の真相を説明すると話は消える……(代わりに林業礼賛御用学者が出演する)。逆にCLTやCNF、リグニンの研究者から、その裏側を告発する情報が寄せられる。
そして全国に芥子粒のようにこぼれている成功例を探して大きく、ひたすら取り上げる。そんな人物が林野庁のぶら下げた情報に飛びついたのだろう。
この手の林業シンパとか林業応援団は、メディアだけでない。林業関係者はもちろん、研究者にも建築家にもいる。環境問題運動家にもいる。林業林政のジャーナリストを名乗りつつ、実は林野庁の広報マンもいる。
私が林業の闇を話すとそっぽを向く。そんな暗い話は聞きたくないという。盗伐の実態も、知りたくないそうだ。求めているのは明るい情報だけ。ようするに自分が気持ちよくなれる情報だけを発信したい。それは林業の応援ではない。
本当に林業を応援したいのなら低材価カルテルのカラクリを解き、改善を求めるべきだろう。労基法破りの労働実態を暴け。愚弄な補助金を追及せよ。
なおカルテルに対抗するには、ゼネストだと思うよ。一斉に国産材の出荷を止めるのだ。全国の林業家よ団結せよ……ま、絶対にやらない・できないだろうけどね。
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