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森と林業と動物の本

2026/01/19

林草局と黄砂

このニュースを目にして、最初に思ったこと。

中国の森林率が25.09%に―中国国家林草局

林草局? これって役所名なのか……。草も管轄しているのね。そういや日本の場合は「林野庁」、つまり林と野の役所であった。日本の場合、野と言えば草地なのだろう。中国では、かなり砂漠・半砂漠が含まれるだろうが。黄土高原も、それに近い。

記事は、極めて明瞭簡潔。

中国国家林草局は15日に開いた全国林業・草原事業会議で、中国の2025年の国土緑化面積が約846万6666ヘクタールに達したことを明らかにした。うち、造林・営林面積は356万3333ヘクタールで、草原改善面積は約492万6666ヘクタールだった。
中国の森林率は25.09%、森林蓄積量は209億8800万立方メートルに達し、グリーン発展の基礎がさらに固められている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

たしかにすごい数字であり、また地球上の緑被率を上げているのは間違いない。かつては10%以下だったのだから。
でも、そ
ろそろ量で勝負するのは止めない?

同じ木ばかりを植えているので、炭素蓄積にはなっても生物多様性はあまり見込めない。むしろ樹木ばかりを植えて草が育たないとも聞く。砂漠に木を植えると、木が優先的に水分を奪ってしまうのだ。しかも散水しないと育たない。

一方で、黄土高原の草木は農地化で剥がされて、それが黄砂を生んでいる。通常は早春の風物詩だった黄砂も、今年度は冬に入ってから黄砂が非常に増えた。毎年500万トンの砂塵が飛んでいるというが、そのうち3分の1以上は日本の陸地に降っている。ざっと160~200万トンである。今年はもっと増えるかもしれない。

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玄界灘の夕日。天頂は青空なのに、黄ばんで見えるのは黄砂のせい?

2026/01/17

リンゴの木のフラス

気がついたら、庭のリンゴの木からフラスが出ていた。

フラスとは、木の幹に穿孔性害虫が進入した際に出る木屑や無視の糞。

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ということは……。またやられたか?

もともとこの木は3年前にカミキリムシにやられたのだ。

リンゴの木、非常事態

それで枯れるかと思っていたら、翌春、復活した。

リンゴの木復活

ただし、実が実る量は極端に落ちた。そこで幹にテープを巻いて、カミキリムシ(の幼虫)が入らないようにした。
まあ、ゆっくり回復するだろう。と思っていたのに、今度はフラス。

どんな昆虫だろうか。クビアカツヤカミキリではないだろうな。クビアカは梅や桜、桃が多く、あまりリンゴへの被害は聞かないが、可能性がないわけではない。みんな同じバラ科だし。奈良にも出現したのはわかっている。

それどころか吉野山でも見つかった。桜が全滅しかねない。梅の産地もあるし、ヤバ。

まだ幼虫も見つからないが、要注意だ。

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奈良県中部の田原本町で見つけたクビアカツヤカミキリ。もちろん、即座に踏みつぶした。

2026/01/16

ウッドデザイン賞を見る

今年のウッドデザイン賞が発表されていた。

2025ウッドデザイン賞

Photo_20251224163501モクレポ12月号より

第11回目となるウッドデザイン賞2025は、327点の応募があり、206点が入賞に当たる「ウッドデザイン賞」を受賞……。

え?入賞が206点ということは、応募の6割以上なのか。

そう聞くと、受賞できなかった応募建築物や技術などを見てみたい……。なぜ、落ちたのか知りたい。悪趣味か。いや、重要だろう。
なお分野を見ると、建材やら研究やらビジネスモデルやら。何でもありだ。こうでもしないと応募が集まらないから?

なお、その中から
最優秀賞(農林水産大臣賞、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞)各1点
優秀賞(林野庁長官賞)9点
日本の技・文化特別賞(日本ウッドデザイン協会会長賞)3点
奨励賞(審査委員長賞)15点

これで17になる。受賞作をなんとか増やしたい思いが透ける。

なお不思議なものも見つけた。2024年の農林水産大臣賞、つまり最優秀の「浦河フレンド森のようちえん」である。その園舎が受賞しているが……え? 森のようちえんって、園舎がないのが特徴ではなかったのか。それとも、これは名前に「森のようちえん」が入っている認可幼稚園であって、森の中で保育する「森のようちえん」とは別物なのか。

なんか、もうわからない(´_`)。

と、とりあえず、賞をもらって箔づけに使えてよかったね。

NHK福岡の番組に出演

今日のテレビに出演する。NHK福岡の「ザ・ライフ」という番組だ。放送は九州一円らしいが、ネットではどこでも見られるのだろう。NHKoneに加入しないといけないが。

テーマは、「調査報告 獣害ハンターの現実」。ようするに猟友会の問題を取り上げる。

実は、当初は獣害問題がテーマで、私が福岡に行って生放送に出演するはずだったのだが、急遽内容が猟友会に変わったので、録画撮りになった。そこで奈良の自宅までテレビクルーが訪ねてくるという展開になった。なんと玄関を開けるシーンから撮影。単なる取材インタビューというより、我が家が映る!ことに緊張する(> <;)。

初回放送日 1月16日(金)午後7:30

獣害駆除の担い手となってきた猟友会。都道府県ごとに組織され、傘下に支部がある団体で会員数は約10万人。ピーク時(1978年)の約40万人の7割減、高齢化や資金不足が懸念されてきた。一方、複数の地域で自治体が行う駆除の認可を猟友会が代行、新たなハンターの障壁となり閉鎖性を問題視する声が…。NHKでは九州沖縄の約270市町村にアンケートを実施。見えてきた獣害ハンターの実態、持続可能な対策を探る。
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そこで撮影用に書棚の前に座席をセット。もちろん背景の書棚には拙著が映るように配置してっと(笑)。番組見た人、ちゃんと本が映っていたか教えてください。私は見られるかどうかわからない。
正直、猟友会そのものは私の扱う範疇ではない。ただ取材を通して猟友会の評判や会員自身の声は聞いているし、また執筆に合わせてそれなりに勉強してきたので、そうしたことを交えて話す。それが番組の中でどのように使われるかは、私も知らないよ。
そして、私自身は、この番組ディレクターに売り込んだのが盗伐問題。宮崎県でこんなことになっている、裁判も始まっている、これを番組で取り上げてくれ、と力説したのであった。
意外と硬派の番組枠らしいので、そのうち取り上げてくれたらいいなあ。

2026/01/15

Wedge ONLINEに「…火の生態学」書いた裏事情

Wedge ONLINEに「相次ぐ山火事、火の生態学(ファイヤーエコロジー)について考える……大規模化する理由、山の環境を変えるのか?」書きました。

同じ記事は、Yahoo!ニュースにも転載されています。

相次ぐ山火事、火の生態学(ファイヤー・エコロジー)について考える…大規模化する理由、山の環境を変えるのか?

この記事を書きだしたのは、今年始め。正月の真っ最中であった。初原稿である(^-^)/ 。

当初は「林野火災警報」制度ができたことに寄せて、であった。私の肩書に山火事ジャーナリストを加えようかと思っているので(オイオイ)、まずは一発目。書き上げかけたのが7日か8日。

そして8日に山梨県上野原市で山林火災が発生したのである。しかし、その時はすぐに消えそうな報道だった。風もない、人家も近くない、というのだ。それならどこかで少し触れるぐらいか。すぐに鎮火したら削ってもよいか、という心づもりである。

が、一向に収まらない。それどころか規模がどんどん拡大していく。そこで冒頭に触れることにしたが、規模がわからない。一応、10日に原稿を納めたが、ジリジリと焼失範囲は広がり、気づけば100ヘクタールを超え、150ヘクタールに達し……という状態。まだまだ鎮火までの道行が見えない。

Img_943b5d69b38a5074092d3d8ccce0f29d7460上野原市の扇山

ヤバいぞ、と思いつつ、初校が出来上がるのを待って、冒頭に直しを入れた。が、まだ火災は消えていないのである。風も強まってきたし、今後どうなるかわからない。ジャストタイミング、と思っていたのに、今度は逆に公開された時にどうなっているのか心配になってきたのである。

もっとも記事の内容は、速報ではなく学術的でもある。私が以前より興味を持っていた焼畑に絡んで勉強した「火の生態学」を取り上げられたから満足だ。多分、読者ウケはしないだろうけど、山火事=怖い、危険だ、一辺倒ではない情報を提供したい。

さて、上野原の火災、どうなっていくだろうか。そろそろ消えてほしい。

 

2026/01/14

高市首相とクマの生息数

高市首相、本気で解散総選挙をするつもりのようだ。

おそらく自民党はそこそこ議席を伸ばし勝つだろう。若者の支持率は非常に高いし、公明党もまだ野党化していず一部は従来の候補者を支持する。維新は負けても下駄の雪だ。立憲民主党に勝ち目はないだろう。

選挙の勝敗を決めるのは、組織ではない。感情であり気になるかどうか。それぞれの政党にいかなるイメージを持っているか、リーダーの注目度にかかっている。もっとも高市氏本人以外の自民党のほかの議員はわかっていなさそう。だから、伸び悩むかもしれないが……。

国民民主党、参政党はどうか。おそらく伸びると思う。とくに参政党の支持者は、既成政党に幻滅している人たちが支持層で、組織も関係ない。それでいて、地域活動に熱心で、地ならしを進めている。いくら主張の似ている高市首相でも、自民党にもどらない。

でも、感情選挙というのは今だけ刹那主義でもある。先のことは考えない。目の前の好き嫌いで決める。いや好きでなくても面白さで決める。芸人と同じだ。

選挙報道のおかげで、株式は乱高下しつつどんどん上がる。そして急激な円安と長期金利高が進む。こちらの方が先を読んで動いている。
いずれも物価高を呼び込む材料ばかり。貯金もなく、借金・ローンのある貧乏人は困るだろう。逆に貯金や投資が多い人はウハウハ喜ぶ。私のような富豪はバンザイなのである(⌒ー⌒)。

円安は怖い。国の安売りだ。日本の輸出依存度は2023年で162か国中126位。その裏返しで海外株式と通貨や金が上がる。つまり、それらに投資している私のような富豪はバンザイなのである。

若者の多くは貧乏だろうが、高市首相を応援する。私のような富豪は、本音は高市首相を馬鹿にしつつ、儲かっているからほくそ笑んでいる。物価高って、ようするに貧乏人から金を毟り取って、金持ちに渡すという構造だね。これっていい構図だ(私のような富豪には)。
でも若者に貧乏人は、生活が苦しくなれば政治を恨んで批判するのではなく、より強そうな指導者をすがりつく。高市政権は大磐石であろう。

さて、戯れ言を書いてしまったが、先を読む、裏を読むということは重要だな、と思った次第。

たまたまクマの出没に関して検索していたら、ヒットしたのが、このブログ記事。

2012/01/26ツキノワグマの生息数が激増?

おお、14年前にクマが増えていることを指摘しているのか。立派。そう思って開くと……。

なんだ、私が書いたんじゃないか!! (´Д`) 

昨年2011年の長野県内のツキノワグマの推定生息数は、3624頭。この数は、10年前の8割増だという。2001年は1913頭だったのが、06年が2771頭になり、とうとう3000頭を超えたわけだ。

言い換えると、14年前からクマは増えていることは、研究現場では指摘されていたということだ。10年で8割増。いや、2020年の調査では7270頭になっているから、さらに2倍だ。現在は、もっと多いかもしれない。

昨年のクマの捕獲頭数は、1万頭を超えている。25年11月末時点で過去最多の1万2659頭である。12月分を加えたら、1万3000頭を超えるかもしれない。冬眠するはずなのに、今も出没を繰り返しているからだ。とくに子グマが多い。全国の生息数は、おそらく7~8万頭、いや10万頭になっているのではないか。
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私のパソコン内に収蔵されている写真の中からクマを探したら、こんなものしか見つからなかった……。かぶりものとぬいぐるみである。こちらの方がカワイイね。

2026/01/13

再エネは逆風か

このところ再生可能エネルギー、とくにメガソーラーは逆風、だそうである。

朝日新聞の「社説」にも、そんな論説が掲載された。

(社説)逆風下の再エネ 課題乗り越え、再び加速を

 先月末、政府はメガソーラーに関する政策を発表した。自然環境や安全、景観などの面で様々な懸念が生じているとし、「地域との共生が図られた望ましい事業は促進する一方、不適切な事業には厳格に対応する」とした。今後、地上設置型の事業用太陽光発電を補助金の対象からはずすことを検討する。

 釧路湿原での事業など各地でトラブルが生じており、違法な開発やパネルの廃棄も見られる。地元の理解と協力が不可欠なだけに見直しは必要だが、政府の姿勢には再エネにブレーキを踏もうとするような印象がぬぐえない。

何かトンチンカンに感じる。再エネにブレーキをかけることの問題点と、現在の再エネの問題点が混ざってしまっている。

とくに上げられている釧路湿原のメガソーラーが契機になったことは間違いないが、私に言わせれば、釧路湿原の計画はまだマシな方だったのだ。

面積は5、6ヘクタールで、比較的平坦。元の土地も森林に覆われていたわけではなかったよう。小さな森林法違反はともかく、明らかにひどいと思わせるような法的な問題はない。景観だって平地ゆえ、たいして目立たないだろう。ただ著名人が発言してSNSで拡散されたことが大きなブレーキの役割を果たした。

その点、全国で問題になっているメガソーラーのほとんどは、数十から数百ヘクタールにもなり、多くが森林などを切り開く。しかも斜面で造成も行う。私が何かと関わる生駒山系の平群町メガソーラーは、斜面に盛り土で防災上も大きな問題があるうえ、業者の出した計画書はデタラメな数値を並べていたことがわかり、極めて危険な代物なのだ。遠目に山の中腹をえぐった傷跡が見えて景観的にもよくない。

それに比べれば釧路のケースなんてカワイイとさえ思える。

再エネ推進とは、ようするに気候変動対策だ。つまりCO2の排出削減が大きなテーマとなっている。それなのに炭素を貯蔵していた森林を伐採して逆に排出を増やし、山崩れさえ誘発しかねない。こうしたメガソーラーこそ、なんとしても止めねばならぬ。

逆に言えば、それなりに気候変動対策として効果のあるメガ(でなくてもいいけど)ソーラーは、推進すべきだ。

同じことはバイオマス発電でも言えて、端材を燃やす以外のバイオマスは、インチキ再エネである。

そうした真贋を見極める判断基準を明確にしないと、再エネは全部反対?賛成?といった無意味な二項対立に陥るだけだ。

原点に還って、根本的な目的を達成する計画かどうかを考えるべきなのである。

そんなときに、こんな動きも。

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日本生命という、金融機関が地元とトラベルのある再エネは使いません、という宣言だ。これはCO2の収支などには踏み込んでいないが、環境問題に対する対応であり、いわばESG投資に近い。怪しげな事業計画には投資しません、というもの。

今後、より企業活動には環境問題にどう対応するか読み取って取引対象にしていかねばならない。単にメガソーラー? バイオマス発電? それって環境に優しいんだよね、だったら投資するわ、取引するよ、という時代ではない。

しっかり相手の事業内容を精査して(ディーデリジェンス)、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの非財務要素を考慮して投資先を選ぶESG投資の精神を持たねばならないだろう。

私がとくに危惧しているのは、やはり林業現場。今の林業のままだと森林破壊産業のそしりを受けかねない。いや、森林破壊をしているのは事実と思う。ヨーロッパのEUDR、森林破壊防止規則にも適合できず、木材商品の輸出も難しくなるだろう。

2026/01/12

氷の下の金魚

さすがに昨夜、いや今早朝は冷え込んだようだ。朝の日課である、庭の池の金魚への餌やりに出ると……。

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凍っていたよ、水面が。かなり固く凍ったよう。これまでも氷が張ることはあったが、完全に封鎖されたのは久しぶり。多分、かなりの強風が吹いて放射冷却が進んだのだろう。餌も、冬はあまりやらないのだが、さすがに今日は、ストップ。餌を撒いても届かない(> <;)。

しかし、金魚はちゃんと動いている。問題なく生きているようだ。氷の厚さはどれぐらいか。1センチもないと思いたいが、その下は意外と氷が防寒になっていて、水も冷えないのかもしれない。氷は、ときに強くなるための試練となる。金魚は、意外と寒さにも強いようだ。

日に日に世界も悪くなる……気がするが、焦らず氷の下でも生き抜けば、やがて春は来る。そう思いたい。

2026/01/11

無人伐採機は実用化するか

こんなニュース。

遠隔操作で無人伐採 東急建設がラジコン式伐倒作業車を本格導入
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写真は、当HPより借用。

ここまで来たか、という思いと、果たして成功するか、という疑問と。東急建設が開発しているもので、

ラジコン式無人伐採車「シン・ラプトルII」を本格導入したと発表した。

シン・ラプトルIIは、木を狙った方向にコントロールしながら切り倒して伐採する「伐倒」と、切り倒した立木の搬出を、離れた安全な場所から遠隔操作で行う無人作業車だ。伐採後の木を集めやすいように列を作って間伐する「搬出型列状間伐」にも対応。最大45度の傾斜地で運用可能で、ボタン1つで伐倒を自動実行でき、高い安全性と作業効率を両立している。

記事は全部読めないが、これは、たとえば遠く事務所内で操縦することも可能なのだろうか。それとも、実験の様子のように、現場に人が張りついて、リモートコントロールするのか。

たしかに安全になるのは間違いない。ただ、コストカットになるのかどうか。現場に人がいなくてもできるかどうかは怪しい。人がいるとしても伐倒技術よりコントローラー技術のある人を求められるかもしれない。途中でエンコした時は、誰が直す? 困るなあ。

これで思い出すのは、枝打ちロボット。今から数十年前に開発が行われた、自動枝打ち機で、人が木に登らなくてもセットしたら勝手にスギやヒノキの上部まで登りつつ、下部の枝を切り払うものだった。取材したなあ。

が、セットするのが大変。重い機械を、せっせと運んで根元に据えつけないといけない。途中で止まったらどうして回収する?という点もあった。結局、枝打ちそのものが流行らなくなったので、実用化まではしなかった記憶が。一応、販売は始めたはずだが……。

今回のものは自動で走るようだが、列状間伐地なら使えるかもしれない。が、完全な無人化は難しいだろうな。

いっそAIで完全自動で走り回りながら伐採し、それを土場まて引っ張りだす機能もあれば、もう林業界に人は必要ない?

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こういう職人芸も、今は昔。(吉野林業全書より)

2026/01/10

干し柿完成

昨秋、取り組んだ干し柿づくり。

皮を剥くのが大変で、20個ばかりで試してみたのだが、約2か月ほど軒下に干した柿を収穫した。

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なんか、貧弱な干し柿になったなあ……と思ったのだが、食べてみたら美味い! 完全に干し柿になっている。しかも熟してねっとり美味い。
これ、どうして食べよう。単にお菓子のように摘んで食べてもよいのだが、何か工夫できないか……(そういや、正月は「柿なます」をつくったのだった。)

そうか、干したら縮むのであった。当たり前だが。当時、大きな実は生食するからと、小さな柿ばかりを選んだような気がする。しかし、それが縮んだら余計に小さくなってしまった。干し柿には大きな実を選ぶべきであった。

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途中で黴びちゃうんじゃないかあ、と及び腰で数も少なめだったが、こんなに上手く行くなら、もっと吊るせばよかった。来年に挑戦だな……って、来年は柿がそんなに実る保証はないのだが。

現在は、まだ30個ぐらいの柿が残っている。いずれも熟してトロトロに軟らかくなっているのだが、これを利用して最後の柿食品をつくるべく準備中。これで、柿はお仕舞いにしよう。

 

2026/01/09

不思議な「地層」?

腰が痛い。そこで運動しようと雪の舞う中、某山中を歩いたのだが……そこで見かけたもの。

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おお、見事な地層ではないか。岩石に節理が入った状態か……と言いたいところなんだが、ちょっと違う。

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これが、横から見たところ。実は倒れた樹木の根っこ、根株なのだ。ペロリとめくれた根っこが包み込んだ地面が縦になって地層ぽく見えているのであった。

しかし、それではこの層は上下ではなく横一面に広がっていたことになる。おそらく岩の表面に土がたまり、そこに根っこを伸ばしていたのだろう。ただ土壌は薄いから、風で樹木は倒れたのではないか。
とすると、この細かな石の層は、縦に割れ目が走っていることになる。風化が進んだ節理なのかもしれない。

こんな面白いものを見つけられただけでモウケモノだと思ったのだが……道のないところを進んでいたら、なぜか標識を見つけて、それをたどる(と言っても、ブッシュをかき分けるのだが)と、こんな伐採現場に出た。

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なんか、ひどい伐り方をしているよ。何がしたかったのかわからない。しかも燃料缶がいくつも転がっていたり、ペットボトルが落ちていたり。かなりマナーの悪い伐採の仕方。
今後どうするつもりだろう。もっと切り開いて、宅地造成でもしようというのではあるまいな。

2026/01/08

週刊プレイボーイにアーバンベア記事

週刊プレイボーイ1月26日号が届いた。

年末に取材を受けた記事が掲載されている。テーマはクマの出没問題。何か所も取材するという中で私にコメントを求められたのである。

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えー、ほとんど全面、私のコメントだ(笑)。他の専門家、取材したんじゃなかったのか。

ようするに私の指摘した「クマは増えている」が刺さったのだろう。また森は豊かになっている、という点も意外性があったのかもしれない。

コメント部分を確認してくれと言われたので原稿にも目を通したが、基本的に私は他人の原稿に手を入れない。間違いや曲解に気づいても、いちいち文句を入れることもない。今回は、向こうから確認してくれと言われたので目を通して、明らかに間違いは指摘したり、ニュアンスにズレを感じたところは説明し直したが、それをどう活かすかは筆者に任せた。結果的に、かなり書き直して別の記事になったかのよう。

なぜ、自分のコメントなのに手を入れないか。それは私も書き手だから(⌒ー⌒)。他人に直されるのはイヤなのである。もし本気で手を入れたら、全面的に私の文章に書き改めてしまうだろう。

もう一つ。この手の記事の内容は、読み手の読解力によって受け取り方が変わる。どんなに詳しく説明しても伝わらないときは伝わらず、自分の信じたいように解釈する。全部、理解してもらおうとは思うのが傲慢なのである。これは、自身が書いた記事だってそうだ。私の文章力の問題なのか、読者の読解力のなせる技なのかはともかく、読者との相互理解は厳しい、相互誤解の方が多いからである。


さて、昨年はクマ問題に明け暮れたが、私はクマの専門家ではない(笑)。いまさら言うか。。。
一方、来週福岡でNHKの番組に出演するが、そのテーマは野生動物。九州にクマはいないから、シカやイノシシが主役だろう。こちらの方が私にとって扱いやすい。

 

2026/01/07

台湾林業に復活の芽

日本の林業界は、すぐ外国にモデルを探す。ドイツにオーストリア、スイス、スウェーデンにフィンランド。そして今はフランスに目が向いている。ヨーロッパばかりなんだが……。ま、モデルにしてどうするのか、怪しいのだけど。せいぜい高価な林業機械を導入(補助金付きで)するのが関の山。もう少し、なんとかならんか。

ならば、私が目をつけている“国”を先取りして教えよう。

台湾だ。

台湾林業が面白そうなのだ。ほんの少し前まで「台湾に林業なんてあったの?」と言われており、事実、台湾の木材自給率はコンマ以下だった。つまりほとんど輸入で賄っていた。天然林は伐ってはダメという法律もある。

だが、今や復活の気配なのだ。

歴史を振り返ると、台湾で林業が始まったのは日本の領有からである。土倉龍次郎が先駆者となり、その後阿里山のタイワンヒノキ林の発見によって大規模な木材生産が行われるに至った。それは戦後も続き、タイワンヒノキは国民党政府の貴重な財源となる。それゆえに伐りすぎて枯渇させ、ついに伐採禁止になる。一方で植林は進めたものの、それを管理し育林し、また伐り出すサイクルが途切れたため、その技術も人材も廃れてしまった。……とまあ、このように経緯を追うと、台湾に林業なんてないように思えるのだが。

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タイワンヒノキの葉。そして阿里山に残されたタイワンヒノキの巨木。

ところが、2024年に台湾の国有林は、すべてFSCを取得した。それは全森林の7割を超える。また林業局は林業自然保護署に名を改めた。国産木材生産活性化政策を打ち出し共同研究も開始した。「自然環境から資源を体系的に獲得する」ことを練り上げた政策が動き出している。

日本が学ぶべき林業政策が、そこにあると思わないか?

まだ林業技術などの面では、日本にさえ劣るかもしれないが、その理念、その政策誘導の方向性は世界トップクラスではなかろうか。

実は、私もタイワンヒノキに大いなる興味を抱いている。戦前戦後、あれほど大量に伐り出して日本に運んだタイワンヒノキ材はどこに使われたのか。有名な明治神宮や靖国神社、あるいは橿原神宮などに使ったくらいではすまない。もっと日常的な建築物にも使われたに違いない。それを探している。誰か、知らないか。有名寺社もいいけれど、もっと意外なところにタイワンヒノキ建築があるはずだから。

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靖国神社の門。タイワンヒノキ製の模様

誰か教えてくれ。どこを調べたらわかるかヒントでもあればよいのだが。

そして台湾の林業視察に行きたいと思っている。興味ある人、いる?

 

 

2026/01/06

初詣の森

毎年、初詣は宝山寺と生駒大社と決めている。

宝山寺は現世利益が売り物?で、毎年混んでいる。宝山寺よりマシなはずと選んだ生駒大社も劇混みし、車の列は何キロ伸びているのか。とくに今年はトンデモなく混んでいる。境内前にたどり着くまでに何時間かかるのか。旧Twitterには2時間待ちとか一時間待ちとか嘆く声が……。

そこで気づいた。生駒大社、と書いたが,実は往馬大社が正しい表記。つまり馬の字が入っている。そのため参拝客が殺到しているのだろう。

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結局、4日の夕方に行ったが、それでも40分待ちであった。

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この神社の森は「椎の杜」と名付けられた生駒山の原植生を保っていると、奈良県の天然記念物に指定されている。昔からの森が守られているのか、保護されて復活したのかはわからないが、たしかにシイ、カシの大木が林立しているのである。

生駒山系は、古く(奈良時代)から開発が進み、かつては草山であった。私の幼少期でも、尾根は草原状態だったのを覚えている。今は山頂ギリギリまで森だけど。ちなみに山頂は、遊園地(^○^)

だからこれほどの植生を残しているのは、生駒山周辺でもほか数か所しかない。森林生態の研究の場になるかもしれない。

ちなみに元旦は、初詣に敗退して、スリランカ料理店ラッキーガーデンを訪れた。ここで娘とミルクティを飲む。よく元旦から開けていた。

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これもまた、正月の過ごし方か。

2026/01/05

「STAR WARS」の世界観

年末になるが、居酒屋を渡り歩いてほろ酔いで生駒駅前を歩いていたら、新しいバーを見かけた。
つい入ってしまう。オープンしてまだ1か月ほどらしい。たまたまマスターと私の二人きり。映画をネタに交流する場になれば、というコンセプトで開いたとのことで、室内には映画上映もできるそう。

私はそんなに映画に詳しいわけではないのだが、マニアックな映画ばかりを扱うわけでなく、シネコンで上映するようなメジャー映画も好きということで(その割には10数年前のマイナー映画の話を延々してしまった)、いつしかスターウォーズの話題に。

エピソード2「クローンの攻撃」が好きだ、という話になった。ストーリーはお決まりのハラハラしつつ「正義は勝つ」なのだが、不穏な空気を漂わせているエンディングが好きだったのである。

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スターウォーズの舞台は、宇宙の諸惑星でつくる銀河共和国だ。ただ元老院の腐敗と通商関税抗争で、議会は機能しなくなり、各地で分離主義者の反乱も起きている。それでも体制を守ろうとしているのがジェダイの騎士。フォースと呼ぶ超能力を持つ集団である。だがジェダイからダークサイド(暗黒面)に陥る者が出てきた。そしてシスの独裁帝国に変えられる陰謀が進行していた……というのが全体の筋立て。

全9話を概観すると、エピソード1と2は、かろうじてジェダイが勝利して事を抑えるのだが、3では完全にダークサイドが勝ちジェダイは滅ぶ。4は共和国軍が反撃に成功するが、5で帝国の逆襲に破れる。6で再び勝利したものの、その後の続編7、8と帝国軍が圧倒な強さを見せる。共和国はすでになく、レジスタンスにすぎない。最後の9は、まあ、どうでもいい(笑)。

こうして概観すると、圧倒的に帝国側、つまりダークサイド側が強いというストーリー立てだ。そしてフォースも、ジェダイより暗黒面に落ちたダースベイダーの方が強い。局地的に反撃してもすぐにたたき潰されて、常に圧倒する強さが暗黒面にある。

暗黒面とは、ようするに怒りや快楽、欲望に身を任せる黒い感情である。他人を力で支配したい、欲しいものは力づくで取る、嫌悪する者は消し去る。正義や倫理、公正、自由、さらに他人への共感……そんな理念など知ったことではないのである。ポリコレ(政治的正しさ)嫌いもその一つだろうし、(自分)ファーストなのも暗黒面の感情のなせる発想である。

まさに世界情勢を先取りしているようだ。20世紀後半、理想を掲げて発展させてきた民主主義や自由、平等、戦争の抑止などの理念は崩壊に追い込まれて、剥き出しの欲望による帝国主義が跋扈しつつある現代は、スターウォーズの世界観に酷似している。しかも為政者だけでなく、皆がダークサイドに落ちていく。

そんな今は、さしずめエピソード2が終わった後の、3のエピソード途中の時代なのかもしれない。

ただね。自由だとか平等だとかは、しょせん人間社会の内側の問題だが、環境はそれでは収まらない。地球環境が破滅すれば、ダースベイダーのような人類も含めて、全生命は生きる場を失うのだよ。

……とまあ、そんなことまでバーで話したわけではないが、年明け早々、まさにダークサイドに落ちたトランプの暴走が如実に示されたことに衝撃を受けざるを得ない。

 

2026/01/04

道をつくりたがる人々

新年である。裏山を歩いていると、以前はなかった道に気づくことがある。

山の中のブッシュを切り開き、ときに木を伐り、足元を土を均して階段もどきもつくってある。ときとして、標識や地図を木々に張り付けているケースもある。この道はどこに伸びているか、そこからは眺めがいいよ、近道だよ、と知らせている。

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測量のためとか、たまたま大人数が通ったので自然に踏み跡が道になったとかではない。あきらかに新しい道を(勝手に)つくった人がいるのだ。つくりたい人がいるのだ。

実は、各地の山、それも登山に人気の山ほど、この手の勝手道が増えている。

これ、行政はもちろん、山の所有者の了解も得ていない違法行為だろう。しかも、道としての基本を守っていないうえに管理もちゃんとするわけなく、ときとして消える。間違ってトンデモな場所に進んでしまう場合もある。そんな勝手道を進んで遭難する人も出ている。

新たな道を切り開く、と言えば何かかっこいい。だが、ある意味、道をつくるのは自然の中に自らの傷跡を残す行為である。多分に自己満足的であり、それが他者や環境にどんな影響を与えるかについて興味がないのだろう。我が道を行く?いや我が儘に行く、のである。

私も、道なき山を進むのは好きだが、なるべく跡を残さぬよう、草木を傷つけぬよう進む。通った後に振り返ると通った跡がわからない……というのを理想にしている。

でも、勝手道の作り手は、他人に知ってもらいたいようだ。自分がつくった道を自慢したいようだ。自らの“作品”の誇示か、それともつくった自身の顕示欲か。

 

正月早々、また戦争が始まった。我が道?いや我が儘道を行くトランプのアメリカは、すでに先行して無茶な道を進んでいるプーチンのロシアに憧れたのかとさえ思わせる。でも、それは新しい道ではなく、過去にさんざん繰り返して、もう通らないことにした危険な、古い道なのだよ。

 

 

2025/12/27

浅慮近視眼

このところ、本が長く読めなくなった。本を読み始めると短時間で疲れが出て止まってしまう。スマホでショート動画を見る方が楽ちんだ。だら~と眺めておくだけのものがよい。

ようするに脳の思考機能が落ちたのだろう。これを年のせいにするのは簡単なのだが……。

もしかして、全人類の課題なのではあるまいか。

人類の思考力が落ちたというより、人類の大脳が備えている思考力のキャパシティが限界にきたのではないかと思うのだ。現代社会は情報があふれており、その処理に膨大なエネルギーを要求される。前世紀から情報化社会だと言われてきたが、インターネットによって各人が発信する情報量が爆発的に増加した。しかもSNSは情報をプッシュしてくる。知るつもりのなかった情報まで、ねじ込まれるがごとく押しつけられる。

脳は、人類の身体の2~~%しかない容量なのに、エネルギーの25%以上を脳が消費するらしい。それでも処理できないほどの情報が流入すると、脳は活動をストップする。全部処理しようとすると脳疲労が加速して壊れる。そこで深く考えない、複雑な問題は陰謀論のように思考をショートさせてわかった気分にしておいて外に逃がす。目の前のことだけを考える……。

考えないのは脳の防衛本能なのだ。深慮遠謀ならぬ、浅慮近視眼にすることで脳を壊れるのを防ぐ。

日に日に世界は悪くなる……かもしれないが、考えずに散歩に出るのが一番の解決策かもしれない。

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これは昨日の朝、庭のバケツにいたボウフラ。冬でもボウフラはいることに驚いたが、なんと、動いている。

そして、こちらは今朝のバケツの底。

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凍っている。夜は冷え込んだからだろう。それでもボウフラは動いていた。想像以上にタフだった。
蚊のように、ボウフラのように、正月は考えることを停止させて脳を休め、散歩に出よう。

2025/12/26

50年先なんて誰が見る

 今週12月22日の朝日新聞連載の「百年未来の歴史」の第2回に「50年後の森 まなざしの先に」が掲載された。1面左肩から2面全面へと続く大型記事だ。(リンク張っておくが、こーゆー記事ぐらい無料公開すればいいのに。)

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日本の森と林業を取り上げていて、吉野にも取材に来たらしい。こんな記述がある。

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ここは読めてもいいだろう。土倉庄三郎が登場するよ。

この記事では内山節さんの『日本人はなぜきつねにだまされなくなったのか』とか、瀬田勝哉さんの『戦争が巨木を伐った』や松根油の採取などを紹介しつつ、木桶などを取り上げている。だいたい私も知っている本や事象だし、知っている人も登場するが、拙著『山林王』は紹介していない(笑)。いえ、それを恨んでいるわけではないよ(⌒ー⌒)。

ともあれ、長期の視点を見つめた森林政策に期待しているのだろう。「山で生きてきた人は、50年先の森の姿を思って、きょうの仕事を決めている」なんて言葉(内山節)も取り上げている。

少し前なら、私も「我が意を得たり!」と言いたくなったのだろうが……今では、はて? と思ってしまう。

あまりにそうでないケースが多い。50年先なんてありえない、と思ってしまう。とくに『盗伐 林業現場からの警鐘』を出版してからは、いかに現場がひどいのかを“告発”する(いや、諦めと嘲笑に近い)感想が寄せられている。この記事も森と人の関係をきれいに描きすぎていて。。。。
そうした現実を知ってか知らずか、きれいごとの「林業振興」の旗を振る人も多いが、おかげで苦い憤怒が喉元に込み上げ、吐きそうだ。

実は、日本だけではなくて、世界中に醜い森の扱い方をしている事例が頻発している。ベトナム、インドネシアなどアジアだけではない。カナダにアメリカ、そして日本がモデルにしたがっていた北欧諸国も。『盗伐』を書いてから、そうした事案を取材してくれと申し込まれることも増えたのだけど、知れば知るほど気分が悪くなり、目を背けたくなる。

残る人生、汚物を見て過ごすのは辛すぎるよ……。

2025/12/25

分収造林、再び

分収造林とは、主に国有林に第三者が出資して、それで造林する仕組み。最終的な収穫時に、利益を分け合う。同じく分収育林もあって、森林管理の金を出してもらおうというもので、これが「緑のオーナー制度」だった。

緑のオーナー制度では、元本割れが続き、裁判も抱えて募集を止めている。が、今再び、林野庁は分収造林の募集に力を入れている。とくに企業に呼びかけて参加してもらおうとしている。そのため、

分収造林制度~あなたも森林づくりに取り組んでみませんか~

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だが、分収と言っても、すでに利益は出ないことは緑のオーナー制度でも露呈している。今、造林費用を負担しても赤字にしかならないのである。そこで林野庁は、企業がどの程度、環境保全に貢献したかを示す仕組みを導入する。

つまり、造林することによって、水源涵養機能や温室効果ガス固定といった環境に対する機能を数字で 証明することで、参加企業の価値向上につなげてもらう……。まあ、非財務価値(ESG・SDGs)の向上 というヤツだ。企業の社会貢献を顧客や市場に発信し、評判を高めて投資を呼び込むなどしようというわけだろう。名誉を与えるから、それでチャラ(笑)。

分収というけど、金を分けるのではなく、森づくりのよいイメージを分ける……いや、環境をよくしてんだぞ、と主張する権利を与えるわけだ。でも、50年後には伐採するんだけどね……。そのとき再造林する資金があるのかどうか。
企業も、植えることは好きだけど、それを切る時にはどんな反応するんだか。いっそ不伐の森づくりをやる造林に出資してもらってほしい。

 

2025/12/24

日本の風景に欠かせなかった柿の終焉

今年は庭の柿の木のことはかり柿、いや書き続けたが、これが最後かも。

いよいよ残る柿の実を収穫したのだ。ざっと200くらい。
と言っても、まだ届かぬ枝の先の実は手が届かないので残されている。それらは、おいおい枝を切り落とすなどして採るつもりだ。

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と言っても、この柿をなんとか食べようという努力は放棄した。すでに実は軟らかく、熟して落下を始めているから無理に収穫したのだ。
そして、この中でも大きめで、硬さも残るものを選んで、残りを処分するつもり。

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これらをどうするかが課題だ。これまでも食べない柿はコンポストに捨てていたが、これほど入れると満杯になってしまう。柿の実ばかりを発酵させてもよい堆肥にならない気がする。タンニン多いし、柿渋が出るかも。庭に穴を掘って埋めることも考えるが、そこから柿の木が生えるかもしれない(⌒ー⌒)。なんか中和させるべきだろうか。その堆肥を元に、また別の木の実が実ればよいのだが。

思えば、今年のクマ出没ニュースにつきものだったのが柿の木。全国的に田舎の敷地には柿の木を植えていることに気づく。もちろん食べるためだろうが、秋の田園風景に欠かせないのが赤い柿の実だったのかも。

それをクマの予防のために随分伐られた。もしかして、その中には超絶銘木・黒柿の材もあったかもしれないのだが、ほとんど捨てられたか燃やされただろうね。

柿のある風景の終焉である。

2025/12/23

丹土とベンガラ

毎度おなじみの平城宮跡の大極殿。いつもの散歩コースだが、久しぶりに上に上がって中を見学した。何ヵ月ぶりか。

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赤の柱が自慢の古代建築(復原)なのだが。

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あらら。結構、剥げている。ここは風雨にさらされる外側だからでもあるが、内部の柱もそこそこ塗料が剥がれつつある。完成後、15年は経つからか。果たして木部が傷むことはないのだろうか。

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この塗料は、丹土と呼ばれる赤い土。だいたい酸化鉄を含むもの、あるいは黄土を焼成してつくられる。その中にはベンガラも含まれる。さらに上等なものは水銀朱、つまり硫化水銀を含む「朱」もある。こちらは古墳の内部の装飾などに使われるが……。

赤は、古代、神聖なる色だったのだ。

さて、この塗料、土やベンガラに柿渋や菜種油、松脂などを混ぜて塗料とする。いわゆる合成樹脂系の塗料と違って、木肌も息ができるという点では、わりと優秀なのかもしれない。

この丹土、ベンガラは材料によって色が違ってくる。沖縄の首里城の再建で、どこのベンガラを使うのか悩んだらしい。以前の平成の宮殿は本土製のベンガラだったが、令和の再建では沖縄のベンガラを再現することになり、。すでに絶えていた”久志間切弁柄” が復元されたそうだ。

今年5月に訪れた首里城再建現場の写真を調べると、わずかに写っていた。

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木と土の相性についても考えてみるといいかもね。それにしても、大極殿はいつ塗り替えるのだろう。

2025/12/22

「荒れた」人工林とは

このところ、クマの出没に関する取材を受けることが多いのだが、そこで私の指摘するのは「クマの生息数が増えた」こと。そしてクマが増えられたのは、山にクマの餌が多くあること。

そこで先方は、「スギやヒノキばかりの森ではクマの餌となる木の実などないのでは」という疑問を出してくる。

それに対して「人工林にも、餌になるものがたっぷりある。とくに“荒れた”人工林には広葉樹がよく繁っている。放置林では立ち枯れしたスギなどが倒れて、光が入るので、実をつける草や広葉樹も生えている」と反論する。

一般に「荒れた人工林」では、間伐も行われていないから林内は暗くて草も生えないというイメージで語られる。たしかに、そんな森もあるのだが、そればかりではないでしょう、と説明している。
また手入れが行き届いた人工林も、間伐が進み林内によく光が入って草や雑木が育っている。それは下層植生となるから、スギやヒノキの成長には影響なく、排除もされない。だから、そこにも餌がある。

……とまあ、口先では説明するのだが、普段森の中、それも人工林の中に入らない人には、あまりピンとこないようだ。

そこで裏山を歩いて見かけた光景の写真を。

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スギ林だが、結構倒木が多い。切り捨て間伐ではなく、風倒木だろう。

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倒木は徐々に腐朽して、草も生えだしている。この人工林は、大手製紙会社の持ち山だが、いまや周りが自然公園と住宅地に囲まれているので伐採搬出は不可能だろう。だから放置状態。最近の台風でよく倒木が出る。

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雑木~広葉樹が混交した状態だ。このまま針広混交林に育てばいいと思っている。広葉樹も太くなれば、恒続林的な林業ができるかもよ。
人が混交林に必死に誘導しようと思わなくても、自然と混ざってくるのだというのが私の持論。探せば餌となる草の実、木の実もあるだろう、冬だが。

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イノシシのぬた場もあった。かなり頭数がいるみたい。クマがいては困るが、イノシシも増えているのである。

以上、裏山から見た、人工林と野生動物事情でありました。

 

2025/12/21

土倉庄三郎は吉野山の桜を守ったか

拙著『山林王』では、土倉庄三郎が吉野山の桜を買い取って守ったという逸話を紹介している。

明治初年に吉野山では廃仏毀釈が吹きあふれ、桜を見る人もいなくなったので伐って材木として売り飛ばす算段をしていた。それを聞いた庄三郎は、怒って売った金額と同等の金を渡して「今後、吉野山は海外からも人が来て見直される日が来るから、買い戻せ」と言った。だから吉野山の桜は庄三郎あってこそ現在まで残っているのである……という話である。

Photo_20251221162201大和名所図絵の吉野山

ただ、これは土倉家に伝わる伝承で、それを裏付ける話がない。とくに吉野町側からは出てこない。また明治時代の桜は、かなり今より小規模だったらしい。庄三郎は桜が伐られてから援助したのではないか、という見方もある。
だから私も、あくまで伝承として書いたのである。たまに取材を申し込まれる(テレビ局的には飛びつきたいネタらしい。とくに「これからは海外の客も来る」と言ったのが、インバウンドの予言になる。)が、私は本当かどうかわからんよ、と伝える。すると企画は消えてしまう(笑)。

だが、ついに裏付け証言を見つけた。

吉野山の桜を守る吉野山保勝会という組織があるが、その前理事長で竹林院という寺・宿坊の住職である福井良盟氏に話を聞いたら「ああ、本当だ」とあっさり言った。

なんと彼の祖母が土倉家のある川上村大滝の出身で、しかも庄三郎が生きていた時代に少女だった。竹林院に嫁に来てからも、ずっとその話をしていたらしい。それも微に入り細に入り。その中には「海外からの客」の話もあったそうだ。そのとき、庄三郎はドン!と机をたたき……とまで具体的な証言したという\(^o^)/。だから大滝の人には優しく、庭の観覧料金をとったら怒られたという。

素晴らしい。もちろん歴史学的な考証ではないが、両者から証言が取れたら確度は高いとして私的には認めるのである。

吉野山の桜は、土倉庄三郎が買い取った。これからは、ドンと大きく売り出していこう。

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2025/12/20

コンクリートで固められた根株は……

砂防ダムの建設とかで続いている工事。

以前も紹介したが、砂防ダムの建設をするための資材搬入のためなのか、手前の山の一部を削りだした。岩を割り、木も全部伐った。

まあ、仕方ないか、工事が終われば少しずつでも草や木は生えてくる……。そう思っていたのだが、どうやら元にもどすつもりはないらしく、コンクリートで固めだした。

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金網を張って、その上からコンクリートを吹きつける。土砂の流出を止める意味もあるのだろう。が。

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このように伐った木の根株もあるのだよ。

これはコンクリートで覆われた後、どうなるのだろう。腐るのだ。空気と触れないから時間はかかるだうが、少しずつ腐り、土中に溶け込む。空洞もできるかもしれない。

そうなると崩れる恐れもあるが……コンクリートを厚塗りすれば、それでも問題ないのだろうか。そもそもコンクリートで覆われた下の土壌は、どんな変化を見せるのか。微生物は死に絶えるのか。それなりに嫌気性細菌などは繁殖するのか。降雨などがしみこむことはなくなるだろうが、コンクリートを張らないところからじわじわと水分も広がるのか。草木の根っこなど有機物も行方はどうなる。長い間にはコンクリートにもヒビが入るだろう。そこから水もしみこむに違いない。ドカッと崩れる時が来るかもしれない。もしかして笹や竹はコンクリートだって突き破るかも? 何年も先の検査と修繕体制は組まれているのか。

疑問ばかり湧く。研究はされているのだろうなあ。

楽しみだ。今後、観察を続けよう。何十年も続くかな。

 

2025/12/19

一枚板テーブルからイスへ

奈良にある木工会社が、「風樹の塔」という店を何店舗か出している。

そこには一枚板が並べられていて、それをオーダーメイドでテーブルなどに仕立てる……いうシステムである。以前、この店について本ブログで紹介したことがあるな。

その一軒が近くのショッピングセンター内にあるので、たまに覗く。たしかに幅1メートル前後あるような無垢一枚板(ナラ、ケヤキ、クリ、トチ、ウォールナット……)が並んであるのは壮観だ。(これを喜ぶのは木材オタクの証明になるんだろうが。)
木オタク的には、木目は銘木ではないが、この木はどこに生えて何百年生きていたんだろうな的な素性を想像させる素材である。

ただ主力商品は、テーブルである。それなのに先日通り掛かると「座りたくなる椅子展」というのぼりが立っている。

椅子を扱っているの? と思って中に入る。

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こんな具合。思わず順番に座ってみたよ(^_^) 。

テーブルだけで終わらず椅子の分野に進出するのかな。大きなテーブルは置ける場所のある家屋でないと買わない。

椅子は木工界でも特別らしい。椅子オタクもいるらしい。また製造面でも特別な技術やセンスがいる……らしい。

上に人が座るということは、重圧をかけるわけだし、それせ静かに真下方向に重りを置くのとは違って斜めから座ったり、座ってから身体を揺すったり……ということもする。それを約4本の脚で支えるわけだ。デザインも含めて難しそう。

そんな世界に挑戦するのか。

ちなみに我が家も食卓用の椅子を新調しようかと思っている。思っているが、気に入るデザインとは何か、自分の身体にフィットさせるのはどうか、オーダーメイドなら値段も高そう……と思って心は揺らいでいる(^_^) 。

椅子の世界に分け入るとヤバイ予感もするよ。

 

2025/12/18

クズの底力

奈良県某所に訪れたところ、きれいに草刈りもされた敷地に緑が目立った。そこで近づくと……。

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みんなクズじゃん。

って、罵倒している訳じゃない(笑)。植物のクズ。

周辺はきれいに刈り取っているのに、植木は整備しなかったのね。というより、植木を包み込むようにクズが繁っているのを剥がそうとはしなかったのだろう。草刈りだけを請け負った業者だからかもしれない。

しかし、低木の、多分ツツジの植え込みから蔓を伸ばして隣のサクラ?まで覆おうとしているように見える。

枯れ木も山の賑わい、というが、赤くなった葉を落としたサクラを緑にしようとしているかのようで、ちょっと健気(笑)。

クズはその繁殖力で世界的な有害植物扱いだが、日本では外来種ではないので駆除を推進するわけにも行くまい。結局、クズが繁栄できる場を与えてしまったということなんだろう。

駆除を考える前に、底力を感じたよ。クマと一緒。

2025/12/17

屋根の上の鳥、の死骸

ベランダからふと下を覗くと、屋根の庇部分に鳥が死んでいた。

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さて、何という鳥でしょう。目の部分が落ちているが、メジロかな。羽はウグイス色だけど(^^;)。そもそもウグイス色というのは、本来のウグイスの色ではない。ウグイスはもっと地味な灰色だったはず。

なぜ死んだのかは不明だ。見たところ体に傷はない。最近、冷え込んだが、それで凍死するほどとも思えない。病か老衰か。

弔ってやりたいが、ちょっと手が届かない。とはいえ、庇の上というのはなんとも。ここで腐っては困るし、骨になったら余計に薄気味悪い。何か方法を考えよう。

思えば野生動物は、ほとんど人が目にしないところで死んでいくのだろう。死骸も片づけられることなく、自然に還っていくのだろう。それが摂理と言えば摂理。人の目に止まらないほうがよいのかもしれない。

 

2025/12/16

宇宙の森と、木の衛星

先日のNHKスペシャルでは、「「ヒューマンエイジ 人間の時代 出地球」として宇宙(とくに火星)への移住を扱っていた。

イーロン・マスクなどは2050年だったかに火星に100万人都市を築くなんてぶち上げている。下記の想像図にある宇宙の建築群のように。

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これ、以前から私が考えていたというか疑問を持っていたことがある。

火星に人が行くことをどうこういうわけではない。調査基地を設けることぐらいならできるだろう。が、都市をつくって移住となると……。

そこで質問。その都市をつくる建設資材はどこから得るのだ?地球から全部運ぶのか?人一人送るのにおそるべきエネルギーとコストがかかるのに、何万トンもの鉄材を?それとも木材を宇宙に打ち上げて、何カ月もかけて宇宙船で運ぶ?

火星に木はないよ。石油もないから合成樹脂も使えない。鉄だって怪しい。鉄分子はあるだろうが、鉄鉱石はないからだ。鉄鉱石は水が鉄分子を凝集することで生まれる。火星にあるのか……もしかしたら数億年前の水が作り出しているかもしれないが……。

識者には、隕鉄を含んだ小惑星を見つけて火星まで運ぶ、あるいは宇宙空間で精錬するという構想があるが。ならば精錬所、製鉄所はどこにつくる? 何でつくる? こちらも重いよ。月につくって打ち出すか。

とまあ、考えていくと、宇宙に人類が(大量に)住めるほどの建材の調達は非現実的なのだ。

そこで、考えられているのが、菌類がつくる菌糸で建材をつくる方法。なるほど、菌糸から布はつくれる。それを重ねていけば強度を保てる建材になるかもしれない。菌類なら炭素と酸素などがあれば成長できるだろう。……で、その炭素と酸素は?人類が呼吸する以上に膨大な酸素を消費しそうだ。

いっそのこと、宇宙に森をつくろう! その方が本物の木材が得られる。

そこで思い出したのが、「サイレント・ランニング」。1972年作のアメリカ映画で、かなりマニアックながら、優れたSF映画だ。特撮はちゃっちいが、それは仕方ない。むしろ愛着のわく描き方であった。

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地球では植物が絶滅し、わずかな標本が「植物保存計画」によって、土星軌道の3隻の貨物船に接続された温室ドームで生き延びていた……という設定だ。まさに宇宙に森をつくっていたのだ。

映画では、地球政府から計画を中止してドームごと植物を核爆弾で破壊し帰還せよ、という指令が届く。一人反対した植物学者が、このドーム内の植物を守ろうとして……と展開する。が、何より森を作り出しているところに、私は興奮した。

実は、先日の奈良女子大学のシンポジウム「木と人の共生 過去から未来へ」では(私は古代からの日本林業史を語った)、「宇宙で木材は使えるか」というテーマもあり、そこで木造人工衛星が語られた(村田功二京都大学大学院教授)。その延長で、宇宙に森をつくることも触れられたのである。

たとえば火星に森ができたら、そこで木材の調達も可能になる、かもしれない。もちろん食料だって得られる。

「森の国・木の街づくり」なんて小さなことを言っていないで、「宇宙の森、火星の木造建築」づくりを夢見ようよ。

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木材を宇宙空間で使えるようにするのは大変らしいが、植物を育てることはもっと大変(^_^) 。空気だけでなく紫外線や宇宙放射線もある。でも、地球環境問題を考える際の切り口になりそうな気がする。

実は人工衛星の木造化には、別の意図があった。アルミニウムなど金属製衛星は大気圏に突入すると、エアロゾルとなって汚染してしまうのだ。オゾン層に影響を与え気候変動に引き起こしかねなかった。逆に太陽光を反射して、地球の寒冷化を招く可能性もある。

すでに現在でも何千トンかのアルミニウムが大気中に拡散している中、喫緊の課題だったのだ。そこで木製の衛星を考えるようになったのだ。

いずれにしろ、宇宙移住計画には森と木が欠かせないと思うよ。

2025/12/15

Wedge ONLINE「ハンターは減っている?」書いた裏事情

Wedge ONLINEに「ハンターは減っている?クマ問題に欠かせない人材の実情、駆除数は増えるも極めて厳しい現場」を執筆しました。

これ、実はかなり難行した。ハンターについて書けないかと思ったものの、最初は銃を所有する資格を得るためにはすごい手間と金がかかる……という視点だったのだが、難行。猟友会との関係に焦点を当てようか……と思ったのだけど、難行。

結局、原点にもどって「ハンターの数」にテーマを絞った。そして「ハンターは減ったのに、駆除数は増えた」謎に行き着いた。

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警察は民間に銃を持たせたくなくて厳しい制限を掛けているのだが、クマ問題などが出てくると民間ハンターに頼る……という矛盾した関係にある。一方で、「それなら警官がクマを退治してくれ」と言われると、それもイヤなんだろうなあ。向かい合いたくないもの。仕事も増えるし。

かろうじて機動隊の中のライフル狙撃手を動員することになったが、それだって猟友会とゴタゴタ起こしそうである。
むしろハンターを増やしたがっているのは環境省なんだから、環境省職員の中からハンター希望者が出てくるかもしれない。農水省、林野庁の職員も頑張ってね。

 

2025/12/14

万博脳のリング「投げ売り」の記事

産経新聞に、万博の大屋根リングの今を紹介している。

万博リング、解体木材を新品の10分の1価格で〝投げ売り〟 保存どころかレガシーの危機 

全部読めないけど、ようするに解体されても引き取り手がないということだ。

 大阪・関西万博の象徴とされた大屋根リングの解体作業が本格化している。日本国際博覧会協会はリングを万博のレガシー(遺産)と位置づけたものの、明らかになっている木材の具体的な再利用策は能登半島地震の復興住宅など一部にとどまる。協会は再利用の対象となる木材の出品単価を新品の10分の1程度の廉価に設定し、解体費用も負担している。「世界一の木造建築物」に使用された木材は2万7千立法㍍もあり、十分な引き取り手がなければ燃料用のチップなどになる可能性もある。
 リングの解体は今月から本格的に始まった。建設を手掛けた大林組、竹中工務店、清水建設の大手ゼネコンを中心とした3つの共同企業体が解体も担当し、2027年8月までに完了予定だ。
 現在までに示されている木材の具体的な活用策は、能登半島地震で被災した石川県珠洲(すず)市の復興公営住宅や、27年に横浜市で開催される国際園芸博覧会のタワーの資材など、ごく一部となっている。

2025120700000024mai0001viewYahoo!ニュースより

いまさら……とは言ってはいけないが、最初からわかっていたことだねえ。

再利用はごく一部だし、その売価も10分の1らしい。多分、大部分はバイオマス燃料に回されるとして、トン価格は100分の1くらいになるのではないか。

林野庁の「森の国、木の街づくり」宣言では、木造建築は炭素を貯蔵するとの売り文句なのだが、この世界最大の木造建築物であったリングは、すぐ大気中に放散されるわけだ。せっせと貯蓄したのに放蕩息子が財産をパッと費やしてしまうみたい(TОT)。

私自身は、この炭素の貯蔵に関しては、最初から期待していなかったのだが、何より50年100年育ってきた森が伐られて、たった半年の使用で消え去っててしまうことが悲しい。

感情的な自然保護運動とは一線を画したいが、それでもこのリングに関しては、万博関係者に「森林愛」がないことを痛感する。真に森の価値、木材の価値を考えていたら、建設費に1、2割増額して対腐朽措置を施して恒久的なリングにすることができただろうに。(恒久的と言っても、メンテナンスは必要だけどね。)

きっとリングは万博の開催期間だけ保てたらいい、後のことは考えない、“万博のためなら地球環境を破壊したっていい”という万博脳になっていたのだろう。

 

«初氷かな

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森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
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    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。