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森と林業と動物の本

2025/05/12

Y!ニュース「米が不足すればするほど…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「米が不足すればするほど買い求める人は増える」を執筆しました。

月に1本は(Yahoo!ニュースに)記事を書かなくちゃいけないな…という義務感がある(^^;)。

最近は一般のYahoo!ニュースにコメントをつけることが奨励されているので、つい本編は後回しになる。そのコメントも「この記事につけませんか」と編集部からの案内が来る。それには「米の高騰」に関するニュースが幾度もきた。「〇週連続で米価格が高騰した」というニュースだ。

しかし、それは幾度もつけているのだ。週が変わろうが、そんなにつけるコメントはない。そこで、これまでコメントをつけた内容を深掘りしてエキスパートとしての記事にしようと思いついたのである。

だから、今回の記事はコメントでも簡単に披露していることをまとめたようなもの。世間ではいろいろ米の値上がり理由を考えているが、ようするになぜ大量に供給したはずの米が店頭に並ばないのは、誰かがすぐに買うから。そこに秘密組織の陰謀などないのである。

それでも改めて行動経済学を繙いて確認したら、まあ、ドンピシャではないかね。ただ一つ付け加えると、行動経済学には「アンカリング効果」という概念もあって、これまでの価格がアンカーとなり、それを基準に考えるから高く感じるのだ。むしろ今の価格が本来あるべき価格かもしれない。

いずれにしろ、現在の米不足や高騰は、近く解答が出る。少なくても早米が出始める8月頃にはわかるだろう。少なくても米不足は解消する。価格は? ウッドショックの場合は、末端では以前よりは高値が続いているが、山元では高くなっていない、むしろ安くなったという声もある。

米価格の動向はどちらに転ぶだろうか。

2025/05/11

万博コモンズ館の楽しみ方

大阪万博では、コモンズ館をよく見て歩いた。行列がないから。

たくさんの国が小さいながらもブースをつくっている。これが、なかなか楽しい。

ちなみに私は、多くの中でもパプアニューギニアとソロモンアイランズに足を止めた。どちらも行ったことがあるからなのだが、懐かしい景色を見る。そして担当者と話し込む。現地人もいるが、日本人スタッフが担当するブースも多い。彼らは毎日担当する国が変わるので、その国のことをよく知っているわけではないそうである。そこで私が教える側に回ったりするv(^0^)。そして、かつての旅の話で盛り上がる。

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ソロモン諸島の木彫。私は、これと同じデザインのものを持っている。それで話が盛り上がる(笑)。
実は、アフリカや中南米、中央アジア、太平洋諸国……などの国々は、木彫展示が多い。それぞれの民族の木彫りの人形や仮面、道具類……などが豊富。もし木工品に興味がある人なら楽しめるだろう。

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こちらは貝貨。貝殻に穴を空けてつないだもの。私も持っているv(^0^)。製造現場も見学した。現在は贈り物扱いかな。

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こちらは東ティモールの布。私も持っているv(^0^)。東ティモールに行ったから。当時は国ではなかったけどね。インドネシアの占領下にあった。その後、壮烈な戦いの末に独立を勝ち取ったのだ。そういう歴史も思いを深める。
なお、この布は、かなり貴重品なのだ。現地の草木染めだったらすごい価値がある。こうした各国の織物、染め物の展示も多い。布好きの人なら楽しめるだろう。

ほかにも見どころはあるのだが,はっきり政治的主張を出しているところもある。

とくにウクライナ。そしてマーシャル諸島。前者はいうまでもなく戦争だが、後者は過去に68回だったかの原水爆実験が行われたことを展示している。こうした点に目を向けても興味深い。

また紛争国も数多い。南スーダンなど、何百万人もの難民を出し、今も激烈な内戦を続けているのに、結構立派な展示をしていた。
ソマリアは、現在3つの地域に分断されている(ソマリア、ソマリランド、ブントランド)のに素知らぬふりをして全部ソマリアだ!という展示。こうした国際情勢を読みながらの観覧も意味があるだろう。

かつて訪れた国、なんらかの点で興味を持っていた国。それらの展示を見るのは楽しい。認識を新たにされる面もある。

そうそう、ナウルも行った国だ。

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なんにもナウルな展示。

2025/05/10

「並ばない万博」実践

大阪万博に行ってきた。

正直、たいして興味はないものの、万博について何か一言言ったり、書いたり、することを考えてまったく行ってもいないのでは格好がつかない。いわばアリバイ的に足を運ぶべきと考えたのである。ただ、もしかして想定外に面白かったり……という期待?もなくはなかった。

そこで自らに課したルールは、「並ばない万博」である。これ、大阪万博自体のキャッチフレーズでもある。並ばなくても入れますよ~と来場を呼びかけているのだ。ところが報道によると、どこのパビリオンも、わりと並ぶというではないか。だが、私は「並ばない」。

いかに並ばないか? 簡単である。行列のできているパビリオンは入らない。

それだけ。徹底的に行列は排除した。そしてすいているパビリオンを駆け足で回るのである。

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と、ところが……入場時に並んでしまった(゚д゚)。30分くらい。これが最長の待ち時間であった。

それでも、入場できるや否や、駆け足で行列のないところをアタック! 結果的に20以上のパビリオンに入れたかと思う。コモンズ(小国が共同で展示スペースを設けているパビリオン)を多く回ることになったが、おかげで国としては50カ国以上になったのではないか。

すると、午後2時過ぎには、回るところがなくなった。帰ろうかな、と思ったのだが、さすがにそれではもったいない。そこで多少は並ぶことを自らに認めることにした。30分まで?とか思ったが、実際に並びだすと我慢ならず、10分までの行列待ちならよいことにする。幸い夕刻になると全体に空いてくるので、たいてい10分で入れる。20分待ちと看板を出しているところも、ほぼ半分の時間だ。

内容については、また紹介するかもしれないが、とりあえず言えることは、パビリオンも千差万別。なかにはヤッツケで展示したようなレベルの低い館も結構ある。おつきあい参加なのかもしれない。仕方ないね。力を入れたのかもしれないけど、ピントがズレたのか全然わからないもの。パビリオンの建物は力を入れたのようだけど、展示の中身のないもの……いろいろだあ。

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ただ、多くのパビリオンが木製であり、木を意識した使い方をしているという点は感じた。木材使ったら環境に優しいもんね、SDGsだもんね、という意識なのか……とひねた目で見てしまったのであった。その中でも、やはり魅せるのは大屋根リングだろう。これだけは見応えある。

意外と紹介されていないが、リングは二段構造である。2本のルートがあるのだ。その合間には花壇や芝生もあったりする。だからリング上を全部歩こうとすると、一週2キロだから、4キロになる。私の歩数計は3万歩に届きそうになった。覚悟しよう。

 

2025/05/09

森林鉄道はなぜ人気なの

なぜか、今朝は森林鉄道の話題がやたら目につく。

廃線から半世紀「王滝森林鉄道」の歴史を伝える貴重な品が上松町の民家に眠っていた

まずは木曽から。

大正時代から約60年にわたり、木曽谷で木材の運搬を担った森林鉄道で使われたタブレット(通行票)や蒸気機関車の銘板が、木曽郡上松町の民家に残されていたことが6日、分かった。同町と同郡王滝村をつないだ幹線「王滝森林鉄道」が1975(昭和50)年に廃線となってから5月末で半世紀。当時を知る人が少なくなる中、鉄道愛好家は「森林鉄道の物語を伝える大切な資料」と評価している。

なんだかお宝発見!風に書かれているが、ようするにタブレットや銘板。これ、鉄オタには通じるが、一般人にはなんのことやら(笑)。鉄くずに見える。でも、ヤフオクにでも出せば、高く売れそうだ

そして台湾からのニュース。

阿里山鉄道を世界遺産に 立法委員、日本との連携を呼びかけ

こちらは世界遺産をめざす動きだ。

台湾は日本統治時代に林業の拠点とされた阿里山(南部・嘉義県)を「阿里山林業・鉄道文化景観」として世界遺産に登録することを目指している。与党・民進党の蔡易余立法委員(国会議員)は7日、日本統治時代に阿里山林業鉄道が建設されたことを背景に、国境をまたぐ世界遺産として申請されるよう、日本との連携を模索すべきだと訴えた。

7_20250509144701嘉義市鉄道園にあ当時の蒸気機関車

台湾独自の世界遺産申請は、中国が絶対に邪魔するから通りそうにない。そこで日本時代につくられたものだから、という理屈で両国一緒に申請できないかという、ちょっとアクロバティックな発想から出た策のようだ。

それはそれとして、台湾の阿里山鉄道に関する思いは只事ではない、と昨年訪れて私は感じた。起点となる嘉義の町などには市立博物館や阿里山博物館、林業村、林業鉄道園、森活村などいくつもの記念施設、観光施設があるが、どこでも阿里山でイチオシなのが鉄道なのだ。山ではなく。そこにある(あった)タイワンヒノキの大木群ではなく。

7_20250509144702嘉義市博物館のジオラマ

観光として重要というだけでなく、阿里山鉄道に対する愛?を感じた。

5_20250509144701現代の車両(阿里山沼平駅)

私はチケットが取れずに乗れなかった(それだけ人気なのだ)が、各地で阿里山鉄道の展示を目にして鉄分多めを感じた(笑)。私はついていけなかったけどね。。。巨木林はなくなってしまったからだろうか。

 

なぜ、森林鉄道、そして登山鉄道は人々の郷愁を呼ぶのだろう。小さく可愛いとか、歴史を感じるとか、山を登るから景色がいいとか。理由はいろいろ浮かぶが、少なくても林業とつながる興味ではなさそうだ(^^;)。ようするに集客力があるのだ。

いっそ、日本でも森林鉄道を復活させて、木材の運搬を担えば、CO2排出量を減らせるし、林道建設による山腹破壊も減らせる。そして観光開発にもなるのではないか。鉄オタだけを相手にするのではなく、一般人も招いて林業現場見学ツアーも催し、それでお金を落とさせて総合的に稼ぐ林業を構築する……そんな夢ある大風呂敷……もとい林業再生計画を誰か描いてくれないかなあ。

 

2025/05/08

土倉翁の山で火事が起きない理由

某氏より、土倉庄三郎についての記載のある文献を教えてもらった。

「名士奇聞録」というのだが、国会図書館にある。明治44年の発行らしいが、そこに登場する土倉庄三郎の項目が素晴らしい。タイトルからして「土倉庄三郎の美徳」である。

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庄三郎の人望を語っているが、絶対に土倉の山では煙草を吸わない。農具が遺棄されていたら持ち帰って届けるという。農具というのは林業道具も含むのだろう。だが、 重要なのは「若し其山林に火あらしめんは我の恥辱なり」という言葉だろう。

煙草を吸わないのも、そのためであり、結局は、山火事を起こさないのは、彼(庄三郎)の徳望ゆえなのだ、と。

これは、山林火災が相次ぐ昨今、身に沁みますね。もっと考えれば、庄三郎という人そのものというより、山林への愛、思い入れなのだと思う。(あの人の)山林を傷つけてはならぬという強い思いが必要なのだ。

どうだろう。現代にそうした精神があるだろうか。

2025/05/07

未知の道

少しでも運動不足を解消せねば。しかし決まった運動をするのは苦手。もっとも気軽で続くのが散歩なのだが、これも同じ道を歩くのが苦手。

そんな課題?を超えるために思いついたのは、毎日違った道を歩くこと。できれば、これまで歩いたことのない未知の道を選ぶこと。これを自らに課した。すると、やる気が出るのであるv(^0^)。

やってみると、意外と身の回りに知らない道があることに気づく。いつも通っている道路から分け入る路地だとか、住宅街の碁盤の目のような道の中にも通っていないルート。買い物に行った先で、その店の周辺もよくよく選べば見知らぬ道だ。そうした道を探して、わざわざ遠くのスーパーマーケットまで出かけて、その周辺を歩く。もちろん山を登る際も登ったことのない道を探す。なんとなく踏み跡がある、なんとなく通れそうな藪……を選ぶ。それが時として道なき道、獣道になってしまうこともあるのだが……。

本日も、そんな道を探した。しかし、イマイチ面白そうなルートが定まらない。もう日暮れが迫っているよ。ならば、仕方ない、矢田丘陵の遊歩道にしよう。生駒山と並行して伸びる矢田丘陵は、低山でその尾根筋につくられた遊歩道はアップダウンが少なくて歩きやすい。それでいて、森の中で心地よい景色に包まれる。未知とは言えなくても、森は常に変化しているから、新しい発見もあるだろう。ただし、昨日は終始雨だったから木々や草は濡れているので分け入らないこと。

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ああ、気持ちよい道ではないか。ま、ここは以前歩いたので自分に課したルールには合わないが……。

そこに、見知らぬ分岐が。あれ、こんな道があったっけ。しめしめ、未知の道だ! と、そちらに進む。急坂を登るとこんな感じ。

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意外としっかりした道。多分、最近つくられたんだろうが、どこに伸びているのか……あまりヘンな方向に行かれると困るのだが。

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ありゃ、送電線用の鉄塔に出た。ここに到達するための道だったか。補修用に最近つくったのかもしれない。
しかし、ここで道は終わっている。困った。未知の道を歩くという課題はクリアしたものの、これでは今来た道をもどらねばならない。それは私の美学に反する。なんとしても別の道を。

というわけで、森に分け入ってしまった(^^;)。濡れるって。道じゃない、急斜面のブッシュだ。しかも地面はずるずるだ。滑る滑る。

何度か転んだ。泥だらけになってしまった。だから、入ってはダメなんだよお。もはや自分にツッこむが、もどれない。もどる意志はない。行けるところまで行く!

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倒木の向こうに遊歩道が見えた。よし、脱出できる……と、その前に渓流があった。深く切り込んでいたのである。

しかし、私にもどる道はない( ̄^ ̄)。しゃにむに進んだ。滑った。転んだ。尻餅をついた……。

幸い、渓流に水はほとんどなかったので、落ちても助かった。そして谷を渡ることができた。遊歩道に出ると、さすがにホッとした。

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渡ったすぐ先にため池が。もし、ここに出てきたら渡れなかっただろう。それどころか沼に落ちたかもしれない。わずかにズレたおかげで生還できたのである。

未知の道は楽しいv(^0^)。

 

 

2025/05/06

サンショウが自生

実はタケノコを掘ったら、その調理法としては、やはり木の芽和えか……と考えていた。そこで必要なのがサンショウの葉。なぜかタケノコにはサンショウの香り、それも若葉のたてる香りが欠かせない。しかし購入するのもシャクだ。

そんなときに、発見したのである。サンショウが庭に自生していた!

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ありがたや。少しずつ採集しよう。でも、サンショウって、種子が飛んでくるように思えないが、どうやって我が家にたどり着いたのか。

なおミョウガも伸びだしたから、薬味は何かと庭で調達できそうだ。

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と、ここまで準備を進めていたのに……(-_-;)、昨日記した通り、タケノコは全滅なのである。1本も掘れなかったのである。

どうしてくれよう。、と言ってもサンショウを恨んでいるわけではなくて、今後も育てて何か利用することもあるだろう。

ちなみに昨夜、同窓会に出かけた娘を迎えにいく途中の車で、ライトに浮かび上がる獣の陰があった。

一瞬、タヌキか?と思ったのだが、そこに見えた太くて長い尻尾に黒い環の列。これはアライグマだ!

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さすがに写真は撮れなかったが、こんな感じの尻尾とパンダのような黒い目の周り。

なんと、こんな住宅地の中にアライグマか。当然、外来種だし、凶暴であり、作物も荒らす害獣だ。生駒山周辺にもいるとは聞いていたが、いよいよ人里、それも「都会」に出没するようになったか。

なんだか冴えない、不安に陥る連休の象徴のような動物であった。

2025/05/05

タケノコ異変

今日はタケノコ堀りに行った。帰省していた娘が掘りたいと言うし、我が山は4月後半から5月連休までがシーズン。ゴールデンウィーク終りの思い出によいではないか。

実は2週間ばかり前にも堀りに行ったのだが、その際は不作だった。かろうじて10本くらいは掘れたが小粒で、真っ当な大きさのタケノコは3、4本だったのだ。もともと出が少ない上にイノシシがかなり食い散らかした跡があり、目立ったものがない。

そのリベンジも兼ねて現地に向かったのだが……。

見つからん。

まったく見当たらない。以前よく出たところのほか、竹の列を見て、いかにも出そうな場所を念入りに探すが見つからない。挙げ句の果てにイノシシの猛威を感じる現場ばかり。

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これなど急斜面(というより垂直に近い法面)にタケノコが出たらしい(穂先はまだ土の中)のだが、そこをイノシシが掘って食ってしまっている。通常、こんな急斜面は掘りづらくてイノシシも敬遠するような場所まで狙うとは。奥に食い残したタケノコの根元が見える。

かつて1日で30~50本は掘れたものだった。シーズン中は100本を超えたのである。竹林ではなく雑木林でこれほどタケノコが出るのは珍しいのではないか。あまり生えるため掘らないと雑木林が竹林化してしまう、,だからこれは竹退治だ、と嘯いていたのだ。掘っても全部は食べられないから、周辺に配ったり、最後は捨てる、穂先だけ切り取る……などしていた。
それが、ここまで数が減ったとは。イノシシだけのせいではなく、竹林そのものが衰退したように感じる。

念のため隣の竹林も除く。決して、決して隣に侵入してタケノコを盗もうというわけではなく、あくまでタケノコの出具合を確認するためである。ま、手にはスコップがあったが、これは置き場に困って持ち歩いただけで……。

が、ないのである。隣の、それこそ竹しか生えていない竹林にもタケノコは見当たらない。この生駒山の一角からタケノコが衰退している。

一本も掘れないとショックである。退治しなくてもよいという安心感よりもタケノコを食えない悔しさ(> <;)が先に立つ。さすがに1本も掘れなかったのは、長いタケノコ堀り人生で初めてである(-_-;)。

何が理由か。単に不作、裏作というだけではないように思う。

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ここ数年、台風などで倒木が相次いで森の中がかなり荒れていた。竹も折れたり、途中で枯れたものも見かけた。竹林の寿命だろうか。それとも大きな波として大不作の年周りがあるのだろうか。生駒山の環境が変わった? まさか気候変動の影響?

1時間半も森の中を歩き回ってタケノコを探した挙げ句の徒労感。娘への土産も手に入れられなかったわけだ。なんか、締まりのないゴールデンウィークになってしまった。

ともあれ「タケノコの里」に異変が生じたのであった。いっそ、次は(食べられる)「キノコの山」にでもならないかな。明治製菓さ~ん。。。

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2025/05/04

この価格は!『山の富豪の資本主義』

たまたま目に止まった本の案内。これから出る本である。5月15日発行とある。

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山の富豪の資本主義「資源国」日本の近代  中西 聡著 名古屋大学出版会

なんか、タイトルからそそる(笑)。

で、序章はこんな具合の目次。

序 章 近代日本の林業と鉱業
     はじめに ―― 山の資源利用と近代日本
     1 林業地の形成と展開
     2 近代日本の主要林業家
     3 近代日本の主要鉱業家
     4 主要林業家・主要鉱業家の経営展開事例
     5 本書の構成

土倉家が出てくるかどうかは別として、林業資本が明治以降の日本の近代化に果たした役割という点で気になる。実は、私も明治時代のGDP:GNPと林業の生産額から当時の日本にとっての林業経済力を知ろうとしたことがあったのだが、調べきれなかった。そもそも統計として当時の国内総生産額が出ているのかどうかもわからない。林業も農業と一緒になって8割を超えていた、という数字は見つけたのだが。

ただ、この本の目次を追うと、その後は鉱山や汽船、ガス、水力発電などの事業も取り上げている。森林経営だけに絞った財産ではなく、山からの資産を広く経済界の事業に広げた例を取り上げているらしい。全国の林業資本家の中では、吉野では永田家が取り上げられている模様。最近、永田文書が注目されているからね。

もしかしたら永年の私の疑問というか、林業が日本経済に果たした役割を読み解けるのではないか。

ぜひ資料としてほしい本……と思って予約しようかとクリックしかけたのだが、価格を見ると…… (@_@)

こ、これは、なんということでしょう。いやはや(泣)。

内容を確認しないと決断できないよ。。。。。と、そっと手をマウスから離す(笑)。

 

2025/05/03

何が建築物の木造率を上げているのか

国はへ、木造建築を増やそうとやっきになっている。大阪万博でも、リングが世界最大の木造建築だと必死で売り出している(私は、仮設で壁もないリングを木造建築のランキングに入れるべきではないと思っている)が、肝心の建築物の木造率はどうなっているのか。

新規着工住宅の木造率グラフがあった。

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なんと57%まで上がっている。ちょっと意外(笑)。私は、増えているように思えなかったのだが。

しかし、よく見ると建築数自体は減っているのだね。その中で木造住宅が増えているらしい。

もう一つ、建築物全体のグラフもあった。

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こっちは全体で、横ばいというよりはじり貧だな。43%以上あったのが、41%まで下がっている。
ただ、公共建築物と低層建築では増えている。あれ? では何が全体を引き下げているのか。。。高層ビルは昔から非木造だろう。結局、マンションなどの非木造の集合住宅などが増えているのかな、とも思う。

謎です。誰か教えてください(^_^) 。

それにしても、住宅建築数は年間80万棟を切るまでに落ちている。しかも世帯の縮小も進んでいる。一人暮らし、二人暮らしが増えたら、いくら木造住宅を建てても規模は小さくなるだろう。木材消費量は落ちる。今後、人口減に大工減も考えたら、木材需要が増えるとする要因を思いつけない。

木材の使い道の未来に建築はあるのか。そこから考えた方がよいのではなかろうか。

木材の消費は減ってもよい。それに合わせて林業関係人口も減ってもよい。ただ収入が減るのは困るので、単価の高い用途を模索すべきだろう。

 

2025/05/02

吉川小一郎と土倉家の因縁

京都・龍谷ミュージアムで開催中の「大谷探検隊 吉川小一郎」展に行ってきた。

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浄土真宗本願寺派(西本願寺)法主・大谷光瑞が行った中国・西域の仏教遺跡調査の第3次探検隊を率いた人物である。遺族の家から新たな資料が発掘されたことから開かれたとある。

吉川の展示物そのものは3階だけで、しかも主に書簡類が中心ということで地味な印象であった。人物も、いわゆる探検家的な豪放磊落さというよりは、生真面目な印象。大谷光瑞から命じられたことをしっかりこなした探検であった。それでも、幾つかの点で発見があった。

たとえば三島海雲(カルピス創業者)が探検を支援していたことを示す葉書があったこと。三島は、若いころ、中国に渡って内モンゴルに分け入って馬の買い付けなどに従事している。その時は、土倉五郎、つまり土倉庄三郎の5男と一緒だった。後に4男の四郎も加わっている。資金は土倉家が出して内モンゴルの王家と人脈をつくろうとしていた。また当時の清国公使は内田康哉であり、その妻政子も北京にいた。そこに大谷探検隊が絡んでいたのかもしれない。ということは、吉川は五郎や四郎とも会っていた可能性が高い。

庄三郎の次男龍次郎の息子(つまり庄三郎の孫)正雄の奥さん宣子さんに生前お会いしたとき、吉川小一郎と会った話を聞かせてくれた。

当時、宣子さんは友達と「シルクロードの会」というのをつくっていて、中国西域の勉強をしていたそうだ。そして吉川に会いに行ったのだ。1970年代と言っていたから、吉川は90歳前後のはず。ただこの展覧会では、吉川をインタビューした際のテープで音声を披露していた。そこでは元気に話しているから、十分あり得るだろう。

そしてメンバーの自己紹介をした際、「土倉宣子」という名の姓に反応したという。

「土倉さんにはお世話になった。上の人が言ったら、いくらでもお金を出してくれた」
そして感謝の意を伝えたという。上の人とは、大谷光瑞だろうか。

当時、法主である大谷光瑞も、探検隊の金を自由に出せなくなっていたのだろう。その後、金の使いすぎで失脚している。そこで土倉家に頼ったのではないか、と思われる。

ただ、吉川の探検隊は1911年出発だ。その準備期間中としても、前年の1910年か、せいぜい09年。その頃の土倉家は、身代が傾いていた。長男鶴松が野放図に事業に投資して破綻しかけていたのだ。09年には山林売却を家族会議で決めている。龍次郎も台湾の事業を売却して帰国している。
そんな時に、西域探検に金を融通するか? 鶴松ならやりかねない気もするが……(´Д`)。ちなみに鶴松は「在家の大谷光瑞」と呼ばれていた。二人とも、湯水の如く金を使うという共通点がある(笑)。

もっとも11年には済生会病院設立に1000円寄付した記録もあるから、その程度なら出せたのかもしれない。ただし、こちらは庄三郎の事績である。鶴松は家を出た。家政を破綻させたうえに妻の死去と即再婚などから土倉家にいられなくなったのである。

やはり、わからないことが次々と出てくる。土倉家のことは調べ尽くして、もう終りにしようと思っていたが、謎が謎を生み困る。

まあ、土倉家の破綻には、大谷探検隊も関わっているんですぜ( ̄∇ ̄) と言ってみたくもあるが(笑)。

 

2025/05/01

生物多様性への森林施業事例集

林野庁が、「国有林野の森林施業における⽣物多様性への配慮事例集」というものを発行していた。

国有林ばかりだが、各地で生物多様性に寄与する方法を模索している。皆伐ばかりしている罪滅ぼしか(^^;)\(-_-メ;)。

大きく残存木を利用するもののと植栽するものがある。また地拵えから間伐、主伐までそれぞれの段階の工夫もしているみたいだ。

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林業現場を見ていると、何も考えずに旧態依然とした施業をしているところが目につく。しかし再造林や低コスト施業が言われるだけでなく、生物多様性など地球環境的な課題の指摘も増えているだけに、もっと施業法を見直すべきだろう。
また山主や森林組合の中にも、生物多様性を気にかけているところもある。しかし、実行するには技術的なバックボーンがないと二の足を踏む。

実際、国だけでなく、都道府県、市町村、大学・研究機関、民間と、さまざまな部署で、林業における新しい施業法を試しているところはあるはずだ。
残念ながら、各試行の結果がまとまって報告されていない。ぜひ一体化して、それぞれの実験的工夫とその成果を一覧できるサイトをつくってほしいものだ。

もっとも、この事例集、細かな点はともかく、全体として試み方が似通っている。もっと大胆な実験も紹介してほしい。以前、大分県の国有林で「3本巣植え」という手法を試した例を紹介したが、そんな実験は各地でやっているはずだ。

混交林づくり

保持林業も広がっているし、針広混交林づくりも各地で行われている。奈良県なんぞ市町村別にやっている。そうした事例を網羅してくれたら、参考になると思うのだが。

2025/04/30

金魚に個性はあるか?

先日、我が家の庭の池に、新たな小赤、小さな金魚を発見したことを紹介した。

幻の「小赤」。金魚は繁殖する

2匹の小赤がいることを確認したのであった。ところが、朝の日課、餌やりで新たな金魚を発見した。

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これまで数年間生きてきた大きめの金魚が11匹いるのだが、そこに小型の2匹を見つけたので13匹……と思っていた。ところが、その2匹以外にも小さな小赤を見つけたのである。今度は1センチ以下の超小型。

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なんとか撮影。ということは、小赤3匹か。。。と思った瞬間に、今度は黒い小赤?が横切ったのである! 黒金魚だ! さすがに写真は撮れなかったが……なにしろ小さいうえに黒では確認が難しい。しかし、確実にいるわけで、これで4匹目。

これは、もう今年の繁殖だとしか思えない。しかし、成魚の黒い金魚は現在いないのに、黒が生まれたということは、黒の遺伝子を持つ個体がいるということか。人が手を加えなくても繁殖して、バラエティを増してくれる。

15匹の金魚が、このまま育ってくれたらよいのだが。観察していると、金魚にも個性があることがわかる。泳ぎ方や人影への反応などもあるが、どうも金魚同士の仲もあるようだ。常につるんで泳いでいるものから、孤独を愛する?個体も。遺伝子が決めるのか、環境によるものか。

性格、個性というと、霊長類、せいぜいイヌネコなど哺乳類だけかと思われがちだが、最近は魚類にも個性が認められつつある。魚種ではなく、同じ種類の中でも、個体ごとに性格が違うのだ。泳ぎ方、さらに警戒心や好奇心の差があるという。観察者によると、異性に餌を融通する個体がいたり、逆に意地悪・いじめをする個体もいるそうだ。そのうち感情も発見されるかもしれない。
我が家の金魚も、そうした指向を感じる。

もしかしたら、「個性」「性格」とは、もっと生命に根源的なもので、あらゆる生命にあるのかもしれない。そういや、ミジンコ、いやアメーバのような微生物でも、同じシャーレの中にいても、個体によってはセカセカ動き回るものと、じっとしているものがいる。これは個性ではないのか? 性格の差ではないのか?

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植物だって、ほぼ同じ成分と思われる土壌に並べて植えて、光や水の条件も同じはずなのに、成長に差が出たり、枝や葉の付き方が違ってきたりする。これは性格の差ではないか。植物にも個性はあるのではないか。遺伝子レベルの性格と、環境の子細な違いから醸成される「個性」を追求する研究、誰かやっていないかなあ。

 

2025/04/29

木材価格推移から考える米価格

木材価格の推移を示すグラフを見つけた。

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ずっと下がり続けてきたが、20年にピョンと跳ね上がっている。これがウッドショックだ。

グラフ全体の値動きからすると、小さな幅だが、当時は木材が1・5倍だ、いや2倍になった、と嘆いたものである。それも2年ぐらいで鎮静化。がっくり下がったが、以前の底値ほどてはなく、多少は高いままのようだ。

そこの部分を拡大したグラフも見つけた。輸入材だけだけどね。

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せっかくだから、昨今の米価格のグラフも探してみた。

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最初は小麦などが上がったのに、米は低いまま。そこに急騰したわけである。ウッドショックと同じように2倍になったといっているが、そのうち底値よりは少し高い位置で落ち着くのではないかな。

せっかくだから米つながりで米のトランプ関税の推移をグラフに示そうか……と思ったのだが、同じ米は米でも関係ないか(^^;)。

 

 

2025/04/28

古書市の林業文献

気がついたらゴールデンウィークだった。

ちょうど大阪の四天王寺で開かれていた古書市に顔を出す。これ以上本を増やしたらアカンと思いつつ、まあ趣味である。それに新刊書店より面白い文献が見つかるのも古書のよいところだ。

そこで目についたのが、なんと林業文献。どこから誰が放出したのかわからないが、1950年~70年代の林業関係の論文や研究報告などが並ぶ。書籍も一部ある。通常、古書市では、出回らない文献だろう。もともと少ないが、買手がつかないから。

たとえば吉野でスギを挿し木苗で育てる実験とか……(従来、吉野では実生苗だが、挿し木で増やしたら大量に苗が供給できる目論見なのだろう)森林の降雨遮断機能とか。興味深いテーマはあるのだが、今から60年以上前の実験や論文だからなあ。同じテーマで近年行われた実験もあるし。薄い別刷り冊子で1部500円とか800円とかの価格である。全部買ったら数千円になるし、研究者でない私が持っても仕方がない、と手を出さないことにした。

それでも幾つか目についたものを購入してしまう。

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秋田杉については、あまり詳しくない。運材はともかく秋田の林業史を押さえておくために購入。2800円のところ2000円か。エイ、ヤーと買った。読むかどうかわからない(笑)。が、後で検索すると、Amazonで古書が半額で売っていたのだが。。。

ほかにも森林、林業、木材などの本やムックをパラパラと。

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この江戸名所図絵がいいねえ。巨大な木材の山が、いかにも江戸の町を感じさせる。紀伊国屋文左衛門なども登場する。ほかにも並木(街路樹)の歴史とか、興味深い。

最近はすっかり林業系の仕事は減っている。きっと林野庁の陰謀に違いない(笑)。裏で手を回して「タナカ某には仕事を回すな」と圧力をかけているに違いない。そう信じているが、まあ、私も林業には飽きてきたからねえ。といいつつ、こんな文献を集めてしまうのである。

さて、連休の残りの日々はどうして過ごすか。やっぱり仕事しとこうかな。

2025/04/27

ドクダミの除草の仕方と利用

庭にドクダミが増えてきた。

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ドクダミは嫌いではない。それなりに生えているのなら庭の彩りv(^0^)。ただ、あまり多くなりほかの草本を押し退けるようでは「生物多様性」を減退させてしまう。という崇高な?使命感から、一部を駆除することにした。

ただし、地表部の若芽を摘むだけである。ドクダミは地下茎を残すとどんどん増えると言われているから、掘削して地下茎・根から排除しろ!とよく記されているのだが、それでは土壌の攪乱になる。現在の土の生態系を破壊すれば、地表部にも影響が出る。それはほかの草にも影響を与えるし、せっかく萌えだした若葉の季節に土をむき出しにしたくないのである。

さて若葉を摘み続けたら、果たして何回再生するだろうか。ドクダミの生命力を試してみるつもり。尽きたら生えてこなくなるだろうし、生えてくるたび収穫できると思えばよい。

さて、摘んだドクダミの若葉をどうしようか。

ネットでドクダミ、レシピと検索すると、結構多くのドクダミ料理法が登場した。葉はハーブ扱いだし、茎も炒めたら美味しいらしい。サラダにもなるらしい。東南アジアでは、普通に野菜扱いなのだから当たり前だが、日本人は臭いを嫌うので苦手な人が多いだろう。でも、パクチーブームもあったわけで、ドクダミの臭いもパクチーに似ていると思えば、そのうちブームになるかも。

そのうち調理も挑戦するつもりだが、まずは簡単なドクダミ茶にすることにした。単に乾燥させるだけ(笑)。

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1日で、わりとカラカラになる。あと数日したら、砕いてお茶葉ぽくしてみよう。

ドクダミは毒を除く薬でもあるから、今後の使い道を模索する。

2025/04/26

山村のモンベル・ショップ

先日、奈良県吉野郡の黒滝村を訪れた。

そこにある道の駅「吉野路黒滝」で何か式典をしている。ここにモンベルショップがオープンしたのだという。南都銀行の跡地だそうだがら、まさに、なんと!(⌒ー⌒)

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人口500人程度の山村にモンベルがオープン。なかなか常識はずれの展開ではないか。住民の購買力だけでは、とても成立しない。

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店内は、いわゆる都市部のショップと変わらない品揃えだ。ターゲットは、やはり村の外から来る訪問客だろう。
当然アウトドア用品が並ぶが、やはりファッショナブルなウェアが多い。ほかキャンプ用品、ちょっと目に入ったのは水遊び用の道具か。黒滝村には遊べる渓流が多いから、それらに合わせた品揃えかもしれない。

「林業用品も置いていますよ」とのことだが、探さないと見つからない。ようやく隅の方(笑)に少しだけあった。

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これも一見したら、一般的なアウトドア用品だが、チェンソーパンツなどが並ぶ。

聞いたところ、モンベルの直営ではなくて、黒滝村森林組合の経営らしい。モンベル商品を仕入れて並べる、いわゆるモンベルフレンドショップだ。これを逆から見たら、森林組合が都会から来るアウトドア客向きの商品を並べた店を開業したというわけだ。

黒滝村も観光には力を入れているが、とくに有名な登山に適した山はない。せいぜいハイキングレベル。むしろ川遊びやキャンプ、それに温泉客などが多いように思える。ただ黒滝村から南下すると天川村があって、こちらは山に川に洞窟に温泉と多くの観光客を集める。パワースポット扱いの天川弁財天もある。そして修験道の拠点でもある大峰山(山上が岳)と隠れ里ぽい洞川集落。シーズンによっては、渋滞を引き起こすほどの行楽客が来訪する。それらの客の多くが往復の途中で黒滝村の道の駅に寄り道している。

しかし、登山を目的とする人なら、最初から登山用具は揃えているはず。修験道の行者やキャンプ客も同様で、途中で道具を購入するとは思えない。もっと気軽な散策や寺参り、山里グルメ……などを求めて行楽気分で訪れた客が、ここでモンベル商品を目にしてアウトドアの空気に幻惑されて?ファッショナブルなウェアが欲しくなるはず……行楽中だから財布の紐も緩んで買いたくなるはず……という戦略か。

森林組合としては、補助金頼みの林業だけでなくビジネスの幅を広げて多角化を図る意味もあるかもしれないし、村全体にも店員という雇用も生み出す。村の名を売りつつ、都会の風を吹き込ませて、村人の接客や販売、それにデザインセンスに影響を与えるかもしれない……。

〇〇なはず、〇〇ではないか、〇〇かもしれない、の連発である(^^;)。

一方でモンベルからすると、都会のショッピング街やセンター、モールに出店する従来の販売網に風穴を開け、新たな顧客をつかむ挑戦だろうか。明確なウトドア指向の客ではなく、革靴とパンプスで行楽地に行くような客をターゲットとできるかどうかの試みでもあるのだろう。フレンドショップなら、リスクは大きくないし。林業が基幹産業の地だから、少しは林業関係のギアも売りたいという思惑もあるに違いない。

〇〇だろうか、〇〇だろう、〇〇に違いない、の連発である(^^;)。

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黒滝店限定のTシャツ。原案は、村の林業女子のデザイン。限定品に弱い人向きのお土産になるはず、なるに違いないv(^0^)。

気になる人は、訪れてみて。なかなかの山の奥だよ(⌒ー⌒)。。。

 

2025/04/25

本物のドローン

先日、家の近くを歩いていると、ブーンと鈍い音が響く。ドローンか? 誰か飛ばしているのか?

そう思って見上げると、ドローンは見かけなかった。が、ドローン(オスバチ)はいた。正確に言えば、見かけたのはハチの大群なのだが、女王蜂バチや働きバチ以外に、おそらくオスバチもいただろうと思う。なにしろ空一面だから大群だ(゚д゚)。。。

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多分写らないと思いつつ、写真を撮る。やはり写らない(泣)。だが、相当な数だ。

分蜂の季節なのである。ようするに巣分かれ。女王バチが働きバチを連れて出るが、オスバチも追いかける。そして新たな巣をつくる場所を探す。早ければ数時間で終わるし、分蜂の際は攻撃性は低いので、怖がる必要はないと言われる。だが、あの音が響いていると、ちょっとむず痒くなるし、やっぱり怖い。でも、分峰中なのだから刺さないはずだ……。

ちなみに先日の福岡旅であった二人が、ともにドローンを失ったという。どちらもドローンを飛ばして仕事をしていたが、戻ってこなかったのである。墜落したのか、迷子になったのか。一人は購入し直すのには融資を受けないといけない(ビジネス用なので高い)と嘆き、もう一人は諦めたと言っていた。なぜならドローンへの投資効果が低くなったというのだ。

年々、ドローンを飛ばす許可が厳しくなってきたのだそうだ。罰則も厳しい。たしかに空港のそばで飛ばす馬鹿たれもいるから、事故ったら大変なことになる。また住宅街で飛ばして墜落させても危険性は高い。

とはいえ、飛ばせるエリアが規制されたら、仕事になりにくくなる。撮影したい、あるいは運びたいと思ったいるところが規制エリアでは使えない。日本のドローン開発、あるいは利用法も発展しなくなるだろう。

分峰するドローンは、無害なんだけどねえ。。。

 

2025/04/24

庭に見慣れぬ雑草

庭で見つけた雑草の花。

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ムスカリ?

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ムラサキケマン。

他にもある。珍しくはないのだが、昨年の我が家には生えていなかったか、かなり少なかった種だ。なぜ今年は群生するのか。とくにムスカリは園芸植物で、自生していること自体が問題である。

毎年生える草が変わってくるのは遷移?侵略? 我が家の庭の主に草本を調べていると、大半が外来種なのだが……。
庭という人工自然空間も、実は場所の気候や生態系の影響を受ける。

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これは九州は福岡県飯塚市にある旧伊藤伝右衛門邸の庭だが、目立つのは照葉樹だった。もちろんモミなどの針葉樹、カエデなどの落葉樹もあるが、敷地の周囲に配置されている大木の多くはカシ、シイ系の照葉樹なのである。やはり九州という位置から針葉樹・落葉樹より照葉樹を選んだのだろう。ついでに言えば、庭に建つ東屋の柱はシュロだった。これも暖帯系を感じさせる植物である。

完成させた庭も、常に遷移することを意識しないと維持できない。

まあ、私は観察を続けるだけであり、無理に維持せずなすがままであるが、庭の観察が日々の日課になりつつある(^_-)。

 

2025/04/23

オタクじゃない福岡巡礼

最初に言っておくと、私はオタクではない。好奇心は旺盛だが、興味をテーマを一つに絞ることなく、また深入りしすぎず、反対意見も尊重し、あえて距離を置く覚悟も持ち、常にバランスを重んじている。ましてや常識を失うかのような行動は取らない。写真撮りまくって、推しがどうのと超深度の専門知識をひけらかし、一人興奮してまくし立てたりしないのである。

先週末から4日間ほど福岡に行っていた。最初は私が青春時代を過ごした北九州なのだが、かつてここは鉄オタの聖地であった。私が住んでいた頃は、SL、蒸気機関車が操車場にあふれるほど集結しており、私は毎日眺められる環境で暮らしていた。

それに九州最北端の駅があり、西鉄の路面電車が走り回り、門司港も、かつては石炭輸出などの日本有数の貿易港だったうえに、海外航路の拠点であったから旅客船があふれていた。

今は寂れつつあるのは仕方ないが、むしろ「門司港レトロ」で売り出し中で、一大観光地化に成功している。街中では外国人の姿も多い。だが私は賑やかな施設になるべく背を向けて、ひたすらセンチメンタルジャーニー。昔の記憶の断片を追うのさ。

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関門海峡ミュージアム

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台湾航路の旅客船高千穂丸

が、私の本題はこれじゃない。以前より狙っていた大刀洗飛行場跡地の平和記念館へGOだ!

ここで何としても見たかったのは、これ!

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幻の局地戦闘機、震電! エンテ式(前尾翼・プロペラが後部にある形式)で実用一歩手前まで行った秘密兵器だ。時速700キロ超え、超高々度まで急上昇して、B29を30ミリ砲4門という驚異の重武装で一撃で撃墜する(予定)だった。その実物大模型が展示されているのだ。

高校生の頃から憧れの機体をついに目にすることができた(感涙)。

さらに重要なのは、この機体はゴジラと戦ったこと! 1947年に日本を襲ったゴジラ-1を見事仕留めたのだ(涙涙)。それも雪風、響などの駆逐艦とともに! 戦艦大和の沖縄特攻の生き残り艦隊である。これだけで興奮するではないか💢💢💨

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いや、私はオタクではないからね。興奮はしてない。してない。
で、次に向かったのは五郎山古墳。直径35メートルの円墳で、さして大きくない。だが。

まず展示施設五郎山古墳館に入る。

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本物そっくりのレプリカ。

この羨道を四つんばで奥へと進むと、真っ暗な石室が。それも前石室との複式である。そこでスマホの光をかざすと……。

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壁面に色とりどりの彩色壁画が!人がいて、動物が描かれ、家があり、船が鎮座する。これが何を意味するか。九州には彩色古墳が多いのだけど、その中でも描かれた点数は非常に多い。いったい6世紀後半の九州にどんなクニがあり、とどんな豪族が勢力を張っていたのか。

それにしても、こんな住宅街の中に、こんな古墳があるなんて!!! テンション上がるわ~。

隣の本物の古墳自体は公園になっているが、本物に入ってみたい。

これで終りではない。ほかにもアチコチ見て回ったのだよ。九州歴史資料館では、九州の古代史の片鱗に触れたし。山林王ならぬ炭鉱王の旧伊藤伝右衛門邸もね。炭鉱の歴史と明治の大富豪の暮らしを垣間見たいという気持ちから。

最後の締めはこれ。

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HOゲージのジオラマ。小倉にあるオタクの聖地である。いや、私はオタクではないのだけど、参考のため、勉強のために訪れたのである。あくまで冷静に観察するのが目的である。

とにかく4日間、駆け足だったので、疲れたよ。

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関門海峡、関門橋に落ちる夕陽。

2025/04/22

伊藤伝右衛門の檜兜

昨日は、伊藤伝右衛門邸で見てきたものを紹介しようと思っていたのだけど、最後に買ったお土産の印象が強すぎて(^^;)、カレーをアップしてしまった。

実際にお見せしたいものは、こちら。

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檜兜。ヒノキでつくられたカブト。もちろん実戦用ではないのだけど、超高級品。かなり格の高いもののよう。

孫に送ったものとされるが、白蓮の薦めだったと伝わる。端午の節句の武者飾りだろうか。

ちなみに伊藤邸の中には白蓮資料館もあるのだけど、二人の間で新聞を通して行われた公開離縁状の応酬については、一切触れていない。いや、離婚したことさえほとんど触れず。私は、それが読みたかったのに。ただ白蓮用の水洗トイレがあったのが新鮮だった。

また邸宅の造りや使用された木材、細工などには興味深いところもあった。明治期の和風建築の粋(プラス西洋様式の取り入れ)という目で見たら、なかなか面白いのではなかろうか。

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2025/04/21

謎の田中カレー

週末から福岡各地を歩いた。その内容は改めて記したいが、そこで得たお土産。

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福岡県飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸を訪ねた際のに売っていた。。。

何が田中で、それが伊藤伝右衛門と何の関係があるのかまったくわからない。

ちなみに伊藤伝右衛門とは、明治~昭和前期までの炭鉱王である。大金持ちとして知られて数々の事業を行った篤志家ではあるが、同時に家族のお嬢様を嫁に迎えたことでも知られる。世に言う「白蓮事件」。朝ドラ「花子とアン」で仲間由紀恵が演じて人気を博した柳原白蓮である。

この白蓮の資料館もあるというので楽しみだったのだが……田中カレーとの関係はわからない。。。

2025/04/20

「里山広葉樹の利活用」に向けた提言とやら

林野庁の「里山広葉樹林の利活用を通じた再生に向けての提言」を読む。

里山広葉樹利活用推進会議という審議会?が3月に出したものだ。最近は広葉樹押しの林野庁だが、こんな研究会も開いていたのね。正直委員の顔ぶれはうさ…、なるほどね、と思ってしまったけれど(笑)。

私も6年前のYahoo!ニュースに「もう一つの林業・雑木林を宝の山に変える方法」を書いているから気になるところではある。

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掲載されているデータは、使えるかな。。。

提言部分だけ引用。

提言

上記の3つの基本的な視点を踏まえた上で、広葉樹の利活用を進めるためには、入口(樹種、径級)の多様性と、出口(家具・床板~ほだ木・薪炭・おが粉・チップ)の多様性の中で、広葉樹資源の様々な利用を組み合わせることで付加価値の高いサプライチェーンを構築する必要がある。

広葉樹の利活用について一定の成果が見られている地域は、川上・川中・川下のそれぞれの立場の者がコンソーシアムを組んで連携し、消費者への訴求や、サプライチェーンの構築に取り組んでいるが、現在の取組はまだそれぞれの地域が「点」で頑張っている段階で、多くの困難も抱えており、共通する課題も多い。

このため、里山広葉樹林の新たな価値創造と利活用を通じた再生に向けて、
①各地域の取組への支援を強化しつつ、

②供給側や需要側の情報の共有や地域横断的な課題に取り組む場として、全国レベルのプラットフォームの構築に取り組んでいくことを提言する。

そして、こうした具体的な指摘もしている。

○すぐに取り組むべきこと
(ⅰ)里山広葉樹の立木伐採予定情報(樹種、径級など)、市場で取引されている原木の市況情報や流通している材の品質の共有
(ⅱ)家具メーカーや材木店、きのこ生産者等が欲している木材情報等の共有
(ⅲ)供給側と需要側の交流とビジネスマッチングとマッチングに必要なコーディネーターの育成
(ⅳ)(ⅰ)~(ⅲ)を円滑に進めるために必要な情報共有や流通拠点のあり方の検討
(ⅴ)里山広葉樹林を積極的に管理し、人との関わりを取り戻すことが 2030 年ネイチャーポジティブにつながることの国民への情報発信
(ⅵ)広葉樹施業の事例収集
○発足後 2~3 年先から取り組むべきこと
当面、上記に取り組みつつ、準備検討を重ね、以下の内容に数年後に取り組む。
(ⅰ)建築家やデザイナー等の需要者からの相談の受付
(ⅱ)広葉樹材の伐採・造材・仕分けや、加工・流通、里山広葉樹林の管理等に関する人材育成や相互研鑽の実施
(ⅲ)広葉樹林の管理や利用による生物多様性保全への貢献等のプラスのインパクトを定量的に評価する指標の検討

さあ、提言は出ましたよ。誰がやるんでしょうね。

 

 

 

2025/04/19

割り箸アート

吉野の下市町と言えば、割り箸の産地なのだが、そこにKITOという施設ができている。

元小学校を利用した複合施設で、レストランやアパレル、木工、農作物……などの販売をしつつ、ブルワリーあり、シェアオフィスがあり……と何がなんやらわからない(笑)構成だ。しかも、これは行政ではなく民間企業が設立しているという。。。

とまあ、このKOTOの面白さは改めて紹介したいが、そこで見かけたオブジェ。

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何?と思わせるが、よく見たら割り箸でつくられている。

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天井には、波うつオブジェ……て、これも割り箸製だ!

なんと割り箸を利用したアートであった。
さらに元体育館も不思議な空間~図書室ぽくもあるのだが……こんな遊戯場が設けられていた。

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これは迷路だ。子供の視線で見ると、なかなか楽しい異空間。が、これをつくっているのは……

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こんな木屑。これもよく見ると、割り箸製造時に出る削り滓だろう。まるで牧草を固めたみたいな状態で、これはこれで木毛セメント板などに利用されると聞いたが、なるほどこういう使い方もあったか!

とまあ、割り箸のこんな二次利用もあったのだね。割り箸アートとして広がれば割り箸需要も広がる……というのは無理か(^^;)。

 

2025/04/18

セルロースナノファイバーの罠

私は、セルロースナノファイバーに関して懐疑的だ。

素材としては認めているし、まあ、今後技術が進めば(現在は、まだ実用化レベルに到達していないと判断する)そこそこ普及するんじゃないの、と思っているが、少なくても林業や木材産業に寄与することはない。経済的にも怪しい。採算が合う気がしない。

それなのに注目させようとするのは、単に夢物語をばらまいて、林業に希望を持たせて後に突き落とす罠だと思っている。

そこに、こんな研究発表があった。東大のHPにもあるが、こちらは研究comより。

細胞壁セルロースのミクロフィブリル(ナノファイバー)は、植物種に依らず、形状が均一であった

難しそうに書かれているが、要旨は次のようにまとめられている。

発表のポイント

セルロースナノファイバー(CNF)の断面寸法は、産業上の主原料である針葉樹に限らず、草本類の麻や、木本と草本の中間的な分類とされる綿であっても、ほぼ同一の2~3nmであり、CNF1本(植物学上のミクロフィブリル、またはセルロースの結晶子)は、セルロース分子鎖18本で構成されるモデルが合致することを明らかにしました。これまでのセルロース結晶学では、樹木と麻・綿のCNFは、断面寸法が明瞭に異なり、別種の生合成機構が想定されてきました。この従来の理解は、これまでCNFを単離(孤立分散)させる技術がなく、複数の結晶子が合一したCNF凝集体を評価していたことに由来します。本成果により、高等植物であれば、木本と草本に差はなく、同様の機構で生合成していることが新たに想定されます。また、産業上も、樹木だけでなく、麻やエリアンサス、農業廃棄物等からも、均質なCNFを生産できることを本成果は示しています。

これでも難しい(笑)。そう思ったら、最後の列辺りだけを読めばいい。

高等植物であれば、木本と草本に差はなく、同様の機構で生合成している
産業上も、樹木だけでなく、麻やエリアンサス、農業廃棄物等からも、均質なCNFを生産できる

樹木だけななく、草本植物や農業廃棄物からもつくれるよ、ということだ。

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よくセルロースナノファイバーを説明する図として使われているのだが、これは樹木から取り出すような説明になっている。だが、本研究からはどこから取り出してもつくれるよ、質は同じだよ、ということがわかったのだ。

そうなると、わざわざ樹木を伐ってきて、細かくすりつぶして……という手間をかけずに、簡単に栽培する、いや草刈りするか、廃棄物を利用する方を選ぶわなあ。その方が安く原料を得られて経済的にペイする。価格も下がるかもしれない。

となれば、木材需要が増えるとか単価が高くなるとか、林業関係者が一縷の希望を託したようなセルロースナノファイバー信仰は崩れ去るのである。間違っても林業には寄与しない。

セルロースナノファイバーに期待を寄せるのは、合成樹脂とかガラス、金属、そして食品・薬品系の素材開発者業界だろう。プラスチックの中に閉じ込めて強化したものが、果たして環境に優しいのかどうか知らないけどね。

2025/04/17

木材のトランプ関税

林野庁のモクレポ4月号が出たが、そこにタイムリーに木材に関係する米トランプ関税および政策が記されている。

モクレポ令和7年4月号

トランポリンのごとく飛んだり跳ねたり落ちたり……のトランプの政策だが、とくに木材に関してはわかりにくいというか、情報がちゃんと出ていなかった。それを整理してあるので有り難い。

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対米の木材輸出入が示されている。額は25倍もの違いがあるのだが、輸出はたった56億円。スギ製材が半分を占めて27億円。
ただし、実は中国に輸出している日本のスギ丸太も多くが加工されてアメリカに輸出されている。フィリピン輸出分にもアメリカ行きがある。それらを合わせると、日本の木材はアメリカにもそれなりの量が渡っていることになる。だが、中国からアメリカへの輸出は、ほとんど無理になるだろうから、日本は中国への木材輸出も縮むのではないかな。その点を分析してほしかったな。

あと興味深いのは、日本がアメリカから輸入しているのは、木質ペレット(バイオマス発電燃料)と木材チップ(製紙用チップ)が多いものの、製材もそれなりにある。しかし私が注目したのは、「樽」だ。樽が42億円もある。これはジャパニーズウイスキー用なのだろうか。これだけで日本の木材輸出総額に近い。

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トランプ関税についての説明がされている。

ただし、この情報全体が「4月14日時点」なのだ。モクレポ発行直前までチェックしていたようである。よく頑張ったなv(^0^)
でも調査中部分もある。今後、トランプ関税に関わる部分だけでも、月一と言わず、速攻で出してもらいたいものだ。

とにかくブリコラージュ、朝令暮改だ。どんどん変わる。最初は、木材に関税はかからない例外扱いだったのだが、今やどうなっているのかわからない。相互関税10%には入ってるの? さらにアメリカ国内の木材増産令が、どのように木材価格に反映されるのかもわからない。

とりあえずトランポリンを注視するしかない。

 

2025/04/16

棚?極限のシェルフ

無印良品で見かけた家具は、面白いものがいっぱいある。

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これはエクストラ・シェルフと名付けられているが、ようするに棚である。移動できるのかラック扱い。

高名?デザイナーの設計のようだが、一見だれでも、とくに林業家なら自作できそうな構造である。丸太の輪切りや半割りを金属の骨組みに接続しただけではないのか? 

そういや、これまでも太い角材を置いて「ベンチだ!」という“家具”を見たことがある。丸太のタンコロの表面を磨いて置き「スツール!」と強弁した声もあった。

でも、こうしたデザインに価値があるし、それが高く売れることでもある。ン万円以上するんだよ。

誰でもつくれそうで、誰もやらなかった家具。言い換えればアイデア勝負。

我と思う林業家は、自らデザインのセンスを磨いて挑戦しないか。販売ルートなどをつくるのは大変だが、今はネット通販もある。職人的技術を磨く前に「アイデア」で戦える時代である。

とまあ、昨日完結した「半分、青い」(BS11)を見て思ったことだけどね(^_-)-☆。
私はこのドラマを、漫画からそよ風の扇風機まで、クリエイティブな活動の苦しみを描いた佳作だと思っている。

2025/04/15

ブリコラージュ~その日暮らしのトランプ

世にいう「トランプ関税」。世界中を相手に高関税をかけて自国生産主義を押し進める政策だ。

私は、どうせ1週間もしたら破綻すると睨んでいた。なぜなら、アメリカ企業の株価は暴落するだろうから。それが1週間も続けば持ちこたえられない……。ところが、13時間後に撤回した(笑)。半日しか持たなかったのだ。ただし株価ではなくて米債権の暴落=長期金利の上昇が引き金だったようだけど。
中国だけは145%の関税を残し、実質的に貿易を停止させたが、翌日には「スマホやパソコン、半導体製造機器は外す」と言い出した。輸入できなくて困るのは自国だったことに気づいたのだ(笑)。ところがまた日が明けると、今度は「スマホには別の関税をかける」と言い出した(笑笑)。よく言えばトライ&エラーだが、ようするに朝令暮改。

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これは政策の「ブリコラージュ」なのだと気づく。文化人類学者のレヴィ・ストロースが言い出した概念だ。

ブリコラージュ(Bricolage)は、「寄せ集めて自分で作る」こと。「器用仕事」とも訳される。ただ、具体的にはその場しのぎ。目の前にあるものを利用して辻褄合わせをする。わかりやすいイメージを探せば「ありあわせの料理」だ。冷蔵庫の中にある食材を使って、思いつきでつくる料理である。
レヴィ・ストロースは、未開社会の調査を行って、彼らが無計画的に動きつつ、なんとか完成・実現させる姿を観察した結果、この概念にたどりついた。トランプも、貿易赤字を減らす方策にすでにある「関税」制度を利用することを思いついたのだろう。その弊害は、後で考える。不都合が出たら、ちょこちょこいじる。

実は私も、ブリコラージュを経験している。ボルネオのイバン族の村に行き、そこで村民と日本人で水道を建設するというミッションに従事したことがあるのだが、オタオタした。まず湧き水から村までのパイプの引き方が、実にいい加減(笑)。結局、渓流ではなく池から引くことに。そして水のくみ上げるための櫓の建築も、木材を適当に切って、適当に合わせていく。ポンプも、まず設置してから上手く行かないと、調節しながらなんとか動くようにする。でも、水を流しながらパイプを切断したりするのだから、大騒ぎ。

10_20250415093701ボルネオの村にて

それでも形にするところがブリコラージュの面白さなのだが、これは小規模事業において現場の判断で行うものだ。指導者がやると、現場はついてこれず大混乱をもたらす。身近な例では、関西万博のリーダーがブリコラージュ的に事業推進したから、混乱を引き起こした。

朝令暮改、ブリコラージュは、「その日暮らし」とも言い換えられるだろう。
そこで思い出したのは『「その日暮らし」の人類学』である。

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小川さやか立命館大学教授の本のタイトル。

この本に描かれるのは、主にタンザニア商人の生態なのだが、計画的でなく、目先の商売や商品に飛びついてやり繰りするビジネスである。それが香港など世界的ネットワークで動いており、失敗もするが意外と上手く行ったりもする。
とはいえ、それは少人数小規模のビジネスだからである。世界的経済を動かす国家アメリカがやればどうなるのか。壮大な実験のように見えて、すぐ破綻するのは予測できるのだが……。この本のサブに「もう一つの資本主義経済」ともあるのが示唆的だ。

トランプは、政策を十分に検討せずにまずやってみる、それに齟齬が起きたら修正する、撤回する、また次の手を考える……をタンザニア商人なみに繰り返すのだろう。その日暮らし政策なのである。事前に結果を予測する声があっても受け入れない。トランプの記憶力は、一晩寝たら忘れるレベルだから、事前のブリーフィングが役に立たない(笑)。日本政府が、在日米軍にいかに金を払っているか、世界最大の対米投資をしているか、と訴えても、一晩寝たら「日本はアメリカを搾取している」と言い出す(´_`)。

今後、アメリカは「信用できない国」として世界中に刷り込まれるだろう。

とまあ、トランプの政策の幼稚さを指摘するのは簡単なのだが、私はあえてブリコラージュ手法に注目したい。もう一つの資本主義、強欲な計画的資本主義の代わりになる政治経済としてブリコラージュはどうだろう。

事前に計画を練って忠実になぞる産業ではなく、その日暮らしの産業が勃興する。

たとえば木造で建築する場合に、計画的にどんな部材が必要か、どんな品質の建材を何本調達するか……と考えるが、調達できない分はすぐに手に入る素材を使って建築する。使えないと思い込んでいた細い、短い、曲がっている材を活かした建築を行う。金具がなければ紐で縛る、セメントがなければ石を積む、石がなければ土を固める。屋根は樹皮か木板で葺こう……。そうしたら資源の無駄遣いを抑えられる。実は、昔の日本の大工はそうした建築を行ってきた。

よりすぐりの材料を計画どおり集めようと選別するから、多くの無駄を出す。余っているものを使う、使えないと思っていたものを使う発想を持てば環境に優しく、SDGsな展開が可能になる。

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なんかよくわからない、あり合わせの建築

ブリコラージュは、個人でやれば「職人芸!」と称賛される。ただ産業とするには、一工夫いる。そこで、職人芸をシステム化、その場しのぎをマニュアル化する。これぞポスト資本主義?

壮大な矛盾を含む概念だが、巨大産業の欠陥を補完しつつ環境負荷を抑えるには、一考に値すると思うのだが。

 

2025/04/14

Wedge ONLINEに「道路の横で街路樹が泣いている」を書いた裏事情

Wedge ONLINEに「〈道路の横で街路樹が泣いている〉根も張れない劣悪な成育環境 動物福祉もいいが、植物福祉の考え方も検討を」を執筆しました。

なんだかYahoo!ニュースの「桜危機」の記事と1日違いで内容もかぶっているように見えるが、こちらは随分前に書いた記事が今日アップされたのである。ただ街路樹には桜も多いし、だいたいどちらも人が鑑賞用?に植えた木という点では共通点がある。

実は街路樹に、私は大いなる関心を持っている。その現状に危機感もあれば、問題意識も強くある。森林ジャーナリストを名乗るだけに、林業ばかりと思われると困るのである(笑)。

どちらも人間が植えることの多い木であり、目的も景観が関わって似通っている。木と人間の関係を探るのにモデルとなりうると思っているのだ。ただ、最近は街路樹を観察すると、悲しくなるような姿が多い。

ボタニカルウェルフェア(植物福祉)とは、私のつくった言葉だけど、広がらないかなあ。

 

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2025/04/13

Y!ニュース「桜危機!高齢化に…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「桜危機!高齢化に世話不足、そして気候変動が襲う」を執筆しました。

先日、吉野山の桜を見て歩いた話を書いたから、そうか、この記事を書くためだったのか、と思われたかもしれない。

残念ながら違う。ヤドリギなんかも見ちゃったし、何か書こうかな、と思って振り返ったところ、すでに記憶にあった桜祭り中止とか桜並木の伐採、開花乱れ…などのネタを抱き合わせたのであった\(^o^)/。

Yahoo!ニュースでは、この手の記事はアクセスも伸びないだろうし、稼げる期待はない。それならWedge on lineかpresident on lineの方が定額制でよいのである。それでも記しておくのは、存在証明みたいもなのか。つまりアリバイ工作(笑)。 最近、Yahoo!ニュースはコメントばかりで、記事は月に1本になってきているから。それに、すぐアップできるので時事的な話題に対応できることも強みか。

せっかくだから、吉野山で見た、桜以外の花を。

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ミツマタだろうか。花の多様性も増やさねば(^_^) 。

«吉野山余談~角と樽

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森と筆者の関連リンク先

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