無料ブログはココログ

森と林業の本

2024/06/24

木造ビルは本当に木造か?

こんなサイトを見た。

TOKYO BEST OFFICE 木造オフィスビル特集

Photo_20240624164101

ようするに東京の計画中・建築中、そして竣工済みの木造ビルを紹介しているのだが、よく内容を読むと、これ木造? と思ってしまう。

まず林野庁推しのCLTを使ったビルは少ない。CLTは木造ビルを建てられる!という点を売りにしていたはずなのに。使っているところも床に使うと書いてあって、全面使用ではなさそうだ。むしろ従来建材を利用して、10階建てビルに仕立てたところも多い。

そして構造材は鉄骨やコンクリートを使う。木材は一部だけ。階層でも、10階建て20階建てとあるが、すべてが木造ということはなく、一部の階だけだ。全部木造だというのは、皮肉にも番外である横浜の Port Plusビルだけではないか。 

別に文句をつけているわけではない。私が見てきた木造ビルもほとんどがそうだった。5階建て木造ビルと謳っていたのに、実は鉄骨構造で、CLTを床と壁だけに使っていたビル。

Dsc06281

私が訪ねた東京国分寺市のフレーバーライフビルも、実は下部3階までは鉄筋コンクリートで、上部3階が木造という構造。見た目が逆転しているのは笑えるが、すべて木造と張り切ったわけではなかった。

3_20240624164501

改めていうが、文句つけているわけではない。これでいいと思っている。木造ビルを木材だけでつくると張り切る方が危なっかしい。それは、せいぜい2,3階建てまでにしておいて、より強くより機能的で、さらに経済的、デザイン的にも満足させるにはさまざまな建材を利用すればよい。無理することはない。木材なんて、ビルの内側と外側の見える所だけに張り付けておけば、もう全部木造に見える(笑)。

 

2024/06/23

謎のハイブリッドグマ

先日、某地方紙の記者が生駒まで取材に来た。特集記事の中で林業の実情を取り上げるから話を聞きたいとのことだった。

大型企画の担当で、わざわざ奈良まで足を運ぶ(最近は、経費の面からなかなか長距離泊まり掛け出張が許されなくなってきている。とくに地方紙は……)というのだから、ベテラン記者かな、と思っていたのだが、生駒駅の改札口で待ち合わせて出会ったのは、意外や若い女性記者であった。

さあ、取材に入る前の雑談に何をするか。車で移動する最中、若干悩む。お互い?探るように世間話をする。

入社4年目なの? 記者稼業はどう? 楽しい?とかなんとかオジサン的な質問をしているうちに、人生相談ぽく(ここでオヤジ化する)なるが、聞いてみると農学部卒。なんだ、私と一緒か。専門は? と聞けば、なんと森林科学系なのであった。私と同じや、それなら林業もそこそこ知っているでしょう。卒論何やったの? とまたオジサン的質問。

すると、クマの生態を追いかけていたというのだ。森林とクマの専門家(見習い)ではないか。ただ、クマの記事はまだ書いたことがないというのだが……。

えっ、私も卒論は動物追いかけていたんだよ、扱ったのはカモシカとかアカネズミだったけど、クマの冬眠穴調査もやったんだぜ、と、若い女性記者との共通点をせっせと探すのは、やはりオヤジ化したのかも。

ここでクマの話で盛り上がる。その際に話題になったのが、ハイブリッドグマの話題だ。

クマの出没が毎日のようにあるが、その中でいきなり飛び出したハイブリッドグマの噂。ようするに東北地方では、通常のツキノワグマの2倍ぐらいある巨大クマの目撃例が増えているという。しかも凶暴。これはツキノワグマとヒグマのあいのこ、つまりハイブリッドではないのか?と言い出した人たちがいる。これにマスコミは飛びついた。

「ヒグマとツキノワグマの悪魔合体が起きている」…!いま秋田の猟師たちが恐れる「最凶のハイブリッド熊」の正体

「何年も前から、一般的なツキノワグマの倍ほどもある大型の個体を見たと、山の仲間たちは話していました。私たちは、ヒグマとツキノワグマが交配して誕生したであろう彼らを『ハイブリッド個体』と呼んでいます。ヒグマの体格と獰猛な性格を受け継いだ個体が、秋田の山の中をウロウロしていると思うと、恐ろしくてたまりません」

何のことはない、秋田県で聞いた噂をそのまま垂れ流しているだけだ。

真面目に考えれば、津軽海峡があるかぎり両種の出会いもないし、野生状態のツキノワグマとヒグマが交配するとは考えられない。出会えばヒグマがツキノワグマを食い殺す可能性だってある。遺伝子的には、クマ同士ならかろうじて一代雑種はつくれるかもしれないが、それが巨大になるとか凶暴になるかどうかもわからない。病弱になる可能性だって高い。

では、正体は何か。ツキノワグマとは世界的にはクロクマの仲間である。だからアジアクロクマとも呼ぶ。アメリカ大陸にはアメリカクロクマがいるが、それがデカいのだ。立ち上がると2メートルを超す個体もいる。アメリカのヒグマ、グリズリーと比べると小さいのだが……。

ツキノワグマも餌が豊富になって、また長生きをすることで巨大な体格を手に入れた個体もいるのではないか。私の見解としては、餌の量が増えると、クマの数が増えるだけでなく、巨大化したツキノワグマが出現するのかもしれないよ。

とまあ、こんな話をしている時が、もっとも楽しい(^^;)。若い記者に説教を垂れるのが趣味ではないのである。

もちろん、取材には前向きに応えましたよ。絶望の林業の話を(-_-;)。彼女、『絶望の林業』と『虚構の森』を持参していた。有り難い。ただ図書館からの貸し出し本であった。『盗伐 林業現場からの警鐘』は買ってね、とお願いしておいた。「はい、Amazonでボチります」との返事にゴキゲンになったのであった。

Photo_20240623171701

みどりのシロクマ?????これもハイブリッドだろうか。価格はなんと9割引!

2024/06/22

[絵葉書]管流しと台湾の巨木

かつて川を使って原木を運び出す場合、筏流しが行われたことはよく知られているが、その前に管流しがあった。

ようするに丸太をそのまま1本ずつ川に流す方法だ。そして下流で拾い上げる。ときに堰を築いて、貯めた水で一気に流すことも行われたらしい。筏を流すには河川の幅と水量が必要だし、途中でぶつからないように岩などを除く河川整備も必要となる。その点、管流しは簡単な方法なのだが、意外と画像では見たことがなかった。筏流しは画像・動画が残されているのに。

そこに友人のカメラマンが昔の絵葉書を発見。画像をいただいた。

Photo_20240622155501

山形県温海川の管流し風景らしい。なんと、バラバラで打ち上げられている。そうか、これを拾い集めるのも大変だろう。途中で折れたり丸太の表面も傷つくことも少なくないはずだ。

実は管流しの最中に、丸太を盗まれることもよくあったようだ。こうして予定外のところに打ち上げられたら勝手に盗む輩もいるだろう。どちらにしても、岸辺から運び出すのが大変だろうが。

もう一点。

こちらは台湾の阿里山の巨木。

Img20240621_07191556

ざっと直径5~6m。凄まじい巨木だ。土倉龍次郎が明治時代の阿里山で撮影した巨木林の写真でも、ここまで太いのはあまりない。
写っているのは伐採する人だろうか。とてつもなく長いノコギリを使っている。こういうのをドンドン伐ったのだろうな。

台湾の巨木林も見たいと思っているのだが、阿里山は伐り尽くしたらしい。検索してみると、巨木と言えるもので保護されているのは3,40本ぐらいしか残っていない。それも、写真ほど太いかどうか。

それにしても、戦前は今ほど写真機が普及していないだけに、一般人や現場で働く人自身が撮影するのは至難だ。それを記録するきっかけというか手段としては、絵葉書作成が担っていたのだと思わせる。

 

 

2024/06/21

Y!ニュース「バイオマス発電が原生林を破壊する」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「バイオマス発電が原生林を破壊する」を書きました。

5月末にスザンヌ・シマード氏とレイチェル・ホルト氏の記者会見に参加して、記事にしなくてはいけないなあ、と思っていたのだが、実はその直後に台湾に行ったのである。

帰国後も、それなりにたまっている仕事を片づけたり、疲れを癒したり(^^;)していたのだが、その間に次々と二人の記事が出る。新聞もネットニュースにもいろいろ出ていく。記者会見なのだから、メディア関係者が参加していたわけで、そりゃみんな記事にするだろう。

しかし、私はそのタイミングを外したわけで、記者会見の内容をそのまま記事にしたら二番煎じ三番煎じになってしまう。だいたい私は、取材した内容そのものを記すストレート記事は苦手なのである。

そこで何を書くか、結構悩んでまた時間がすぎていく。ああでもない、こうでもない。結果的に、原点にもどるようにバイオマス発電の燃料という観点から調べ直すことにした。記者会見の情報は貴重なのだが、それだけでは三番煎じなので、日本の輸入元第1位のベトナム事情に注目した。

結果的にベトナムが原生林を伐っているという証拠はないのだが、伐らなくてはこれだけ大量の木質ペレットを生産できないでしょ、しかも森林面積の推移から類推しても怪しいよ、という条件証拠から類推した。まあ、飛ばし記事かもしれない(^^;)。

ともあれ、わりと難産であった。

2024/06/20

全国植樹祭の会場は屋内?

林野庁のモクレポを見ていると、岡山県で開かれた全国植樹祭の様子が紹介されていた。

モクレポ33号(6月15日発行)

Photo_20240620120101

例年の行事であるが、今年は5月26日。テーマは「晴れの国、光で育つ 緑の心」なんだそうだが、驚いたのは会場だ。ジップアリーナ岡山、つまりアリーナつまり体育館の屋内なのだ。晴れの国なのに(^^;)。

まあ、晴れの国がテーマなのに当日雨が降ったら困るとでも考えたのかどうか。岡山県、肝が据わっていない。

ちなみに来年は埼玉県なのだが、会場は「秩父ミューズパーク」となっていた。ここは公園だが、地図を見ると音楽堂などの屋内施設もあるようだ。式典はどこでやるのだろうか。

それにしても気になるのは、植樹祭の行事では苗木を植えるわけだが、屋内であれば当然育てられない。式典終了後はどうしているのか?
移転するのだろうと思うが、“天皇陛下のお手植”の苗を後で植え直すなんて不敬、いやダサくないだろうか。式典とはそんなものなのか。

実は、2027年は奈良県だと聞いている。まだ発表されていないようだが、内定ということだ。あと3年後。今頃、企画案を練っている最中?

どこで開くのだろうか。候補は平城宮跡歴史記念公園か、橿原運動公園あたりという噂だが……できれば野外にしてほしい。まあ、平城宮跡でも大極殿の中だと面白いかも。古代の天皇が儀式を行ってきた高御座(たかみくら)の前で植えるのも奈良ではの話題になるか。

3_20240620165601 2020-10_20240620165601
大極殿と、その中にある高御座

ただし、そうした会場では、植えた苗木をその場所で育てるのは難しい。しかし植え替えるというのも面白くない。できれば本当に森へと育てる覚悟がほしいのだが。平城宮跡でも森にできる部分はあるし、橿原公園なら橿原神宮の一角というのもアリだと思うのだが。雨の場合は、オシャレなテントでも建てたらいいのではないか。

植えるのも、ありきたりのスギやヒノキ、ちょびっと広葉樹……というのではなく、奈良的な樹木の苗はないだろうか。絶滅危惧種のトガサワラなんかは面白いと思うのだが。
あるいは奈良県は針広混交林づくりを進めているのだから、天皇・皇后夫妻で針葉樹・広葉樹両方の苗を同じ植樹桝の中に混ぜて植えてほしい。

いっそ奈良公園に植えて、奈良のシカに苗を食われないかヒヤヒヤするという趣向もいい。獣害問題クローズアップのチャンスだ。

とまあ、妄想を膨らませている。

2024/06/19

Amazon1位と日本農業新聞

昨日の朝日新聞1面広告の効果か、Amazonの環境問題部門でベストセラー1位となった。

Amazon618

おお! と喜んでスクリーンショットしたが、今アップするために確認すると4位だった……。瞬間風速だったのね(^^;)。時々刻々、変化する。が、それでも全体で3000位~6000位くらいだから、かなり高い。ちなみにAmazonでは、なぜか急に「文学・評論部門」でもランキングされている。もちろん、1000位以下。こんな分野に入れるなよ。。(-_-;)

Photo_20240619165001

一方で、楽天ブックスの農林水産部門では、今も1位だ。やはり分類が明確であってほしい。

もう一つ、日本農業新聞にも書評が掲載された。

616_20240619165401

日本農業新聞には、林業系のニュースも比較的載る。これも全国紙だから有り難い。農業関係者は、どこまで盗伐問題に興味を持つだろう。

ただ書評が地方紙中心であることも含めて、結局、都会人は『盗伐』という事象に興味がないのだろう。自分とは関係ないところの木がどんなに伐られても平気。

一方で、相変わらず明治神宮外苑街路樹のしょぼい伐採計画には大騒ぎで知事選挙の争点にしているのに。でも、反対している人の何%が、本当に外苑を身近にしているのか。(ちなみに、計画では人気のイチョウ並木は伐採されない。4列の並木は残すと言っているのに、なぜ反対なのかよくわからん。)

 

2024/06/18

朝日に広告を打つ!

本日の朝日新聞朝刊(全国版)。とうとう広告を打つ。それもカラーだ。。。(その前に読売新聞と宮崎日日新聞にも広告は打っている。)

20240618_121916

この広告のミソは、上部の「各紙書評で話題!! 衝撃の声続々。」の部分。

各紙とは、まず共同通信の配信。

南から追うと、琉球新報、沖縄タイムズ、南日本新聞、宮崎日日新聞、大分合同新聞、佐賀新聞、長崎新聞、中國新聞、山陽新聞、山陰中央新報、日本海新聞、徳島新聞、京都新聞、福井新聞、新潟日報、埼玉新聞、岩手日報、東奥日報……と確認している。どこか抜けているのはあるか?

そして独自に信濃毎日新聞、旬刊宮崎、そしてインタビューで北海道新聞。全国20紙以上に載ったことになる。これは記録的。ほか、赤旗と週刊東洋経済なども。ネット書評もいくつか。

これだけの書評を受けての、朝日の広告なのである。

しかし、全国紙には載らないというのは、やはり「盗伐」という言葉への引っ掛かりが、地方と都会に差があるように思う。

タイトルを『盗伐 林業現場からの警鐘』としたのは、おしゃれな言葉よりベタに内容を知らせようという意図があったのだが(後半は林業のこととわかるように)、どうも出版後に反応を探っていると、そもそも盗伐という言葉を知っている人が意外と少ないということだった。

文字も「討伐」と間違われるし、盗む伐る、では意味がわからないらしいのだ。思えば林業用語だった。林業界の言葉は伝わらないからなるべく使わないようにしているのだが、盗伐まで知られていないとは。

やはり森を入れたタイトルの方がよかった?

2024/06/17

「王子の森」はどこにある

録画していたテレビ番組を不真面目に見ていて、不意に「王子の森」という文言が映し出される。

1_20240617162601

奈良には王寺町がある(^^;)。こんなに広くない。八王子でもなさそう。どこぞの王子様でもあるまい。

もちろん王子製紙(王子ホールディングス株式会社)のことだとわかったが、60万3000haとは。王子製紙は日本一の森林地主だが、たしか19万haぐらいと記憶していた。少し考えて、ああ、海外所有林もあったか、と気づく。そこで調べてみた。

2_20240617162901

サイトを見ると、国内は18万8000haらしい。そして4割ほどを人工林化している。ごていねいにバイオマス発電所の位置までしるしてくれている。そして、海外所有林が、41万5000ヘクタール。

王子グループは、6ヶ国、10ヶ所で植林事業を展開しています。2022年度末の海外植林面積は279千haに及びます。また、生物多様性や流域保全を主目的とした環境保全林は136千haです。

3_20240617163101

ブラジルが圧倒的だが、インドネシア、ニュージーランド、ベトナム、オーストラリア……6カ国とあるが、これに日本も足すのか?

王子グループの海外植林事業では、広葉樹のユーカリやアカシア、針葉樹のラジアータパインなどの早生樹を植林しています。また、ブラジルCENIBRA社では、長年にわたり林木育種を行っています。地道な人工交配によって得られた2万以上の個体から、約15種、類の成長量・パルプ生産特性が高い優良品種を選抜。同様に、インドネシアKTH社などでも林木育種を継続しています。各事業で開発した優良系統を植林することで、森林の成長量を高め、CO2吸収の促進を目指しています。

どんな森づくりなのか。写真があったので拝借。ブラジルの苗畑らしい。

Img_08

うむ。この元は、アマゾンのジャングルだったのか、それともセラード(サバンナ)だったのか。ユーカリ、アカシア、ラジアータ……。

悪いとは言わない。が、これでいいのか、という疑問はある。伐った木は一部は木材として使うだろうが、当然ながら製紙原料になる。炭素固定期間は何年か。それでも「CO2吸収の促進」だという。当然ながら合法的なのだろう。

Photo_20240617163901

ちなみに、こちらはカナダの皆伐地。原生林を切り開いた跡だ。これは合法的である。なぜなら、跡地に植林されるから。むしろ天然林を人工林に換えることは、推奨されている。二酸化炭素の吸収がよくなるそうだ。伐った木材は木質ペレットにして燃やすのだけど。

こういうのは、グリーン・ウォッシュとは言わないのだろうね。言ったら、世界中の脱炭素政策が破綻する。机上の数字でも辻褄は合わない。でも……ネイチャー・ポジティブはどうする?

2024/06/16

書棚の配列の妙

ジュンク堂書店難波店を覗いてきた。もちろん森林棚をチェックする。

20240612-1_20240616210001

20240612-2

ここだけでなく隣も森林林業棚で、そこには『虚構の森』などもあるのだが……この棚の平積みに『山林王』と『絶望の林業』と『盗伐 林業現場からの警鐘』が並んでいるのは嬉しい。その上には『フィンランド 虚像の森』もある。さらに上には『森は怪しいワンダーランド』も。。。

平積みの真ん中に『樹盗』があるのだが、そのポップに「盗伐横行」の文字。これが隣の『盗伐 林業現場からの警鐘』と重なっていて、どちらのポップか迷わせるところがよろしい(^^;)。

ちなみに拙著のアメリカの盗伐事情を示した5章2節「北米で狙われる巨木林」は、多分に『樹盗』の情報を使わせてもらっているが、その後半の木質ペレットのための原生林皆伐事情については、上部の『マザーツリー』の世界である。こちらの事情については、改めて記したいと思っている。(が、執筆に難渋。。。)

この棚の本は、所有している本が多い。このところ、金回りがいいのかなんだか、高価な本の衝動買いが続いている。それでも、読めばいいのだが、積ん読にならないようにしなくては。

 

※なお、本日は、山陽新聞(岡山)に共同通信の書評が掲載された模様。

1718539986045

 

 

 

2024/06/15

盗伐~読者からの手紙

『盗伐 林業現場からの警鐘』の書評、今日はを出版してから、東奥日報に共同通信配信の書評が掲載されたという情報が寄せられた。さらに南日本新聞にも。

かなり増えてきたねえ。各地の地方紙は、かなり網羅したかのように思う。

616

ところで意外と多いのは手紙による反響。版元経由で届くのだが、手紙を書くというのはご年配の方の読者が多いのだろうか。盗伐に遇った、というのはまだないのだが、なかには何を書いているのかわからない????ものもあるし、昔の思い出を綴ったものもいくつか。自分の山の山仕事の思い出も。

その中で農林系の高校の教師をしていたという人からの思い出もある。

本人は「アホらしい経験」と記すが、10年間を高校の林業科で教師していたというのだ。植栽や下刈り、製炭の実習は自分自身の勉強になったなど思い出を語るが、「古くさく、くさりきった体制」の高校には心底げんなりした様子(笑)。

そもそも生徒は林業とは無関係のどこも引き取り手のない生徒であることが多く、林業家の子弟もやる気がないそう。林業家は補助金をあてにした生活で豊かで高級車を乗り回し、贅沢三昧。地方のボスなども暗躍して「教育」をしていたそうな。結局、生徒の将来など、誰も考えていない状態。「宮沢賢治のうさん臭さを知った」らしい。

もちろん、ン十年前の個人の体験であり、農林系の高校にもいろいろあるわけだが、まあ、こうした傾向を否定しきれない。本当に林業に興味を持った生徒が入学しているのか、という点から問われるべきだろう。それは現在は全国的に盛況の林業大学校も同じである。(その点は.私も経験した笑)。

私的には、この手紙の嘆きの肝は、学校の話ではなくて、親の林業家の現実だろうと思う。補助金生活を送っていて、本音は林業そのものに未来を見ていない人も多いのではないか。

一般に林業の補助金が出るのは経費の7割までというし、林業は儲からない、とみんな口をそろえるが、では残り経費の3割を負担しているのかというと、かなり怪しい。実は事業者が申請した経費の7割の補助金が出たら、その枠内で全部賄ってしまうことで、自己負担はゼロでなかろうか。そのうえで山主にも経費分を支払わせる話を聞くし。なんと収穫した原木を売った代金さえ山主に渡さない。

どうやら拙著『盗伐 林業現場からの警鐘』は、盗伐そのものには縁がない人も、林業界の違法行為に関心を示しているように感じる。

2024/06/14

庭の初収穫

今年は暑い暑いと言われ、、全体に世間で言われている気温と我が家は違う。我が家に来たヤクルトおばさん(^^;)にも、「ここまで来ると気温が少し下がりますよ」と言われた。標高差は250メートルぐらいあるか。

おかげでキュウリもトマトも生育が遅くて……と文句を言い出したらきりがないが、とはいえ、ここ数日は急激に暑くなった。

まずアジサイが咲き始めた。

20240611_091449 20240610-071235

Wedge オンラインに<林業家が経営するアジサイ園>困難な木材のみの経営に必要な“日本型”森林経営の未来像とは?の記事が掲載されたが、実はここに紹介した「みちのくあじさい園」を取材したことから、私も山にアジサイを植えだしたのだ。何が気に入ったかというと、アジサイは強くて林床でも世話いらずでよく育つと聞いたこと。

荒れた雑木林に隠れた花園にするのが目的だ。そして、2年前から我が家の庭にも植えだした。アジサイは強くて成長がよくて花もきれい。世話があまりいらないのが有り難い。カタツムリも数が増えて喜んでいるみたいだし。

ところで1枚目のアジサイの左下に写っている植物は何かわかるだろうか。そう、ジャガイモだ。残っていたジャガイモを庭に埋めたら、どんどん成長した。これは栽培ではないな。その点は、農業ではなく林業的(^^;)。
イモが地面に盛り上がって緑に変色しかけていたので、このままだと有毒になってしまうのでイモ堀りをしたわけ。引き抜いただけだが。わりと太っている。十分食べられるだろう。

これが本年最初の収穫だ。ネギやシソの葉などの収穫はあったが、本格的な作物はこれが初めてである。

20240614_082719_20240614163301

なお、以前紹介したゴーヤの根元のカボチャは、どうも実は大きくならない。葉っぱは大きいので多分ゴーヤに栄養を回しているのかと思う。

2024/06/13

杣塾のオンライン講座で土倉庄三郎を

森林・林業講座について、ご紹介。

オンライン講座【森林と樹木のサイエンスシリーズ】

というのも、私が1回目を務めるから(^_^) 。

これは、鳥取県智頭町で行っている(講座はオンライン参加)もので、智頭の山人塾 /杣塾の山本福壽塾長(元鳥取大学教授)が主催する。全6回の講座を毎年続けてきて、今年は5期目だそうである。ちなみに山本塾長は、プレ講座も開くから、全7回ある。

いずれも森林や林業の専門家・研究者が講義を受け持つが、私だけ異端であるのだが、テーマは、なんと土倉庄三郎。もっとも、その背景として江戸から明治時代にかけての吉野林業について説明する。

ほか、木曽林業に再造林放棄問題、外来種ハリエンジュ(ニセアカシア)、森林業、巨樹……と続く。

Photo_20240613161301

なお、プレ講座以外は有料。詳しくはサイトを読んでください。

私の回は、8月22日。夏休み真っ盛りに何を語るか。怪談にするか?とか考えている(^^;)。

 

 

2024/06/12

石のスキマに深く根を下ろす

最近は、比較的平城宮跡公園をよく散歩している。平坦で歩きやすいこともあるが、さまざまな見どころがあることが魅力。

当然ながら歴史的な面からは発掘遺跡あり、土器・木簡など資料あり、古代木造建築復原物あり、ついでに遣唐使船まである。

一方で130ヘクタールものだだっ広い草原があり、オギ・ススキ原や野草の宝庫で、そこに昆虫など虫類も、水路には淡水昆虫あり、空には鳥が群をなす。古代史、考古学、建築学、動植物、地質まで幅広いのである。

今回は、こんな植物を紹介。

20240608-163031

これ、何の植物かわからない。赤い葉は幼葉なのかどうか。検索しても、ケイトウだとかタコノアシ、ツメレンゲ……とバラバラの似た植物が出てくる。ただ、私が気になったのは、生えている場所が、土砂でもなく砂利でもない、まるで敷きつめた砕石のようなところ。肝心の地面までは深くあるんじゃないか、どこから生えているのか? と気になったから。

そこで掘る、のではなく石を少しずつどけて、生え際を確認してみた。

20240608-163101

しれ。細い根が伸びている。これ、根を切っていない。石をどけただけで、まだ深く伸びている。茎は意外と短く、根が伸びたらしい。石の上に種子が落ちて、ひたすら土壌のあるところまで根を伸ばしたのだろうか。

海浜植物ぽいが、名前がわからない。

2024/06/11

北海道新聞に『盗伐』インタビュー

北海道新聞6月9日に『盗伐 林業現場からの警鐘』に関するインタビュー記事が掲載された。

<訪問>「盗伐」を書いた 田中淳夫(たなか・あつお)さん

Photo_20240611114701

実は、北海道新聞に掲載されることは期待していた。というのは、おそらくだが、北海道でも盗伐は、かなり行われているという気配を感じていたからだ。 

本書で取り上げたのは、主に宮崎県で、それに鹿児島、兵庫だが、ほかにも奈良や広島などいくつかの地域で盗伐が起きていることは把握している。しかし全国的に広がっているはず。ただ被害者が声を上げないと実態がつかめないし取材もできないのだ。

木材生産量の増加などから推測するに、東北と北海道でも起きていておかしくない。秋田、山形、岩手、宮城、福島……とくに広くて平坦な北海道は、隠れて伐採するのに適している。実際に国有林が盗伐を受けた事件もあるし、噂レベルの情報は多数ある。SNSでも流れている。

ちなみに奈良の吉野でも起きているが、古いタイプの盗伐である。(銘木狙いの抜き伐りで、犯人は身内や周辺人物であることなどから、被害者も表沙汰にしない。そして泣き寝入りするか、裏で多額の賠償金を取り立てるか、いろいろなケースがある。)

これは宮崎県でも言えることだが、盗伐があっても被害者が声高に訴えないと表沙汰にはならないのだ。警察も自治体も扱いたがらず、うやむやにしてしまう。ほとんど泣き寝入りなのだ。自分だけの不幸と諦めてしまう。しかし、自分だけではないと知ったら……。

だから地元メディアを通して全国的な盗伐の現状を知ってもらえれば、被害者が声を上げてもらえるのではないかと思っていた。

もし北海道でも恒常的に盗伐が発生していることが浮上すれば、いよいよ全国規模の問題として訴えられる。全国の盗伐被害者の声を集めるネットワークづくりの構想もある。

 東北でも、きっと出る。

なお、「訪問」とあるが、取材は諸般の事情で奈良まで来れず、Zoomになりました(^^;)。

2024/06/10

「とうきょうの木」記事4本

せっせと執筆したものの、その原稿がどんな記事として公開されているか、確認していないことがある。

雑誌や新聞なら掲載紙誌を送ってきてくれたらよいのだが、たまにすっぽかされるし、ネット記事の場合はサイトのどこか連絡をくれないと忘れてしまう。連絡があっても見忘れることもある。

ちょうど「そういや、3月中が締切だったけど、どうなったか」と思い出した記事があった。たまたま担当者が3月一杯で転勤になったのだ。依頼主はメディアでもなかったし、一応の後任者は何も連絡をくれなかった。そこで探してみたら……ありました。

とうきょうの木のすすめ

正確に言えば、東京都の「多摩産材・国産木材製品紹介サイト」であった。

そこに東京にちなむ木材関係のコラムを書いてくれと言われて、5本をめざしたが4本で時間切れというか息切れたのであった。サイトには5本並んでいるが、最初の1本は、学者の総論みたいなもので、その後の4本が私の執筆。

まあまあ、私の主張と東京都の立場を慮って(^^;)、上手く書けたのではないかと思うのだけど、ふと気づいたのは写真がないこと。

「写真は、こちらで何かイメージ写真を探して添えます」とのことだったのだが、ないと映えないなあ。

そこで、勝手に私の手持ち写真から選んでここにアップしよう。

幻の四谷丸太に幻の林業を見る

1_20240610120601
四谷丸太は幻だから、代わりの京都・北山丸太

節だらけエクステリアが人気の時代が来る

20240609_121115
我が家のリビングの壁面にある節。デザインになるか?

街路樹の木の命を木工品に移す

_3194368
公園の木を伐る際は、何かと気をつかう

海で採れる木材、海を越える木材

Photo_20240610120601
新木場の埠頭に並ぶのは、パッキングされり製材ばかり

いかが?

2024/06/09

宮崎日日新聞に書評が載った!

とうとう載った。『盗伐 林業現場からの警鐘』の書評が、本日の宮崎日日新聞に載ったのである。(共同通信配信版)

69_20240609171601

(ちなみに写真を送ってくださったのは、書評筆者の上野敏彦氏!感謝)

内容は、ほかの県版と変わらないが、なぜ喜ぶというか驚くというのは、宮崎県が主な舞台なのに、あまりに宮崎県で拙著の動きが鈍かったからである。

まず主要書店の棚に並ばなかった。新刊なのに、である。

そして5月半ばに宮崎日日新聞に広告を打ったのに、書店からの注文はゼロ。客注文が2冊だけだった。これって、何か宮崎県内の隠れた権力がこの本を県民の目に触れさせないように圧力を受けているんじゃないか。。。。なんて陰謀論に与したくなる。おそらく目に見える圧力ではなく、書店子が無意識的に取り扱わなかったのだろうと想像するが、それが逆に怖い。

客注文というのはリアル書店に客が取り寄せるように要請するということで、それが取次や版元を通して客の手元に届くまでに時間がかかる。ときに1週間2週間にもなる。それでも頼む客というのは、リアル書店にとって非常に大切な客のはずなのだが、実はあまり歓迎されない。たった1冊取り寄せるだけなのに手間がかかるからだ。本来は客注文で売れ筋を知って、複数取り寄せ店頭に並べるなどの努力をするものなのだが、最近はそうした熱心な書店が減っている。取次からの本のつまった段ボールの封も切らずに返品するケースさえあるという。

「町の書店」が消えていく問題が取り沙汰されているが、私がわりと冷やかなのは、努力している書店の姿をあまり感じないから。私も、ほしい本は最初にリアル書店に探しに行くが、なければさっさとAmazonに注文する。

閑話休題。

ともあれ、宮崎県紙の宮崎日日新聞に書評が載った本を宮崎県の書店が店頭に並べないということはあるだろうか。

なお、もう一つの宮崎県の新聞「旬刊宮崎」にも書評は載った。

Photo_20240609171501


今後の展開が楽しみである(⌒ー⌒)。

 

2024/06/08

推進するのは、疎植林業?

あまり知られていない(笑)が、今年の森林・林業白書が公表された。

令和5年度 森林・林業白書(令和6年6月4日公表) 

特集が花粉症なので、ほとんど興味がわかない(-_-;)。

それでも「森のようちえん」を取り上げているところなどひっかかりはあるのだが、詳しくはまた読もう。

今回目に止まったのは、第2章の「林業と山村」の中に「新しい林業」とその新技術について施業法を取り上げているところ。

2024_20240608123201

こうした方向をめざしているということか。一目で感じるのは疎植したいのだな、という点。そして早生樹・エリートツリー苗などで木を早く育てようという魂胆か。

まあ、そんな林業もあるだろう。が、全国画一的に広めるなよ、と言いたい。そして、もっと過去を見ろ。温故知新で事例はある。

すでに紹介したが興野文書というのがあり、栃木県にあった黒羽藩の林業技術を記した「太山の左知」が林業遺産にも指定されている。

1_20240608123501 1_20240608123502 2_20240608123501

これは、疎植の技術だ。2間、つまり4メートル間隔で植えるというから、1ヘクタールあたりは625本。今なら超疎植扱いだろう。そして樹下植栽しろとか、なかなか面白い。わざわざ吉野林業を視察したうえでの結論だったようで、吉野の密植をやらない、反面教師にしたのか。

これで早く、太く育てるどいうのだ。

興野家文書と林業技術のアレンジ 

黒羽にあったもう一つの林業

今は消えてしまった幻の林業技術だが、なぜ消えたのか。どこに無理があった?疎植だからかも?

ほかにも京都ではヘクタール500本植えもあったし、各地で疎植をしていた。それが密植に変わっていったのはなぜ。

やみくもなに再び疎植を目指す前に、過去の検証をやってほしい。

 

2024/06/07

龍眼のハチミツ

台湾で空き時間を見つけて訪れたのが、花博公園。台北では何年か前に花と緑の博覧会、園芸博を開催したようだ。

その一角で農産物直売フェアをしていた。野菜や果物、そしてお茶などが多かったが、目に止まったのが、ハチミツだ。養蜂家が何軒も出展していた。ハチの巣箱を持ち込んでいるところもある。つい覗き込んでしまう。

4_20240607202501

この娘につかまってしまった。。。。この笑顔に……。

いろいろ味見をさせてもらう。そして聞き取れたかどうかわからない説明を聞き、それなりに語り合った。どうせなら誰かが所望のミカン蜜があれば、と思ったが、柑橘系はなかった。

でも、ライチやロンガン(龍眼)の蜜があった。熱帯果実の蜜なんて、日本では絶対にない手に入らないハチミツだろう。思えば、ハチミツは養蜂する地域の自然や植物を現していることになる。純正ならば、その土地の自然を味覚で表現しているはず。ほか百花蜜もあった。

つい買ってしまったよ。

20240607-130134 20240607-125445

龍眼のハチミツ。実は、まだ味わっていない。これから味見するね(^_^) 。

 

ちなみに、この買い物の後に、喉が渇いたから自家製ハチミツレモンのペットボトルを購入したのだが、いざ受け取ると凍っている。いや、暑い盛りに冷たい飲み物は有り難いんだが、すぐには飲めない。必死で溶かさないとイケないのであった。

 

 

2024/06/06

我が山で盗伐?それとも……

久しぶりに訪れた生駒山の我が山、タナカ山林。

それでえっ? と目を剥く光景が。

1_20240606170801 2_20240606170801

なんだ、なんだ。木を伐られてしまったのか。しかし所有者の知らぬ間に……これは盗伐か!?

だが、短く刻んで積んであるのもヘンだし、どの木を伐ったのか。

すると道端にあった大木がなくなっている。これを過去に撮った写真から探し出すと。

Photo_20240606171001

これは2年前に電線にかかる木の枝を払いに来た関西電力の請負会社。トラックの上に電線をまたぐような形で大きな枝が伸びている木があるだろう。私も、てっきりこの木を伐ってくれると思ったのだが、「これは電線に触れてない」という理由で保留された。しかし、どう見てもアブナイじゃないか。
実は、私もこの木を処理しようと思ったことがあるのだが、その時はアーボリスト一人しかいず、これを普通に伐ったら電線を切ってしまいかねないし、上手く吊り上げて電線に触らぬように伐採するのは骨であることから止めたもの。それを、なぜ今?

3_20240606171001

この木の根元を見ると、腐って穴が開いていた。なるほど枯れたのか。そして倒れたのかもしれない。そのために処理したのか。
倒れたとすれば、電線にのしかかる可能性があるが、果たして大丈夫だったのか。それとも一度断線していから張り直したのか。

まあ、これなら緊急で切り倒して処理するのが仕方ないが……。所有者に連絡も入れないものなのだね。

 

2024/06/05

電力の父・土倉龍次郎と思わぬ電気利用

台湾では、獅子頭山に登る予定があった。ここは、土倉龍次郎が租借した山林地帯に近く、原住民(いわゆる高砂族)のテリトリーと接している。そこで隘勇線(あいゆうせん)と呼ばれる襲撃に備える防備エリアの痕跡が残っているというので楽しみにしていたのだが、あいにくの雨。

朝、さすがにザアザア降りを見て諦めた。その代わりに訪れたのが台湾博物館の南門館

これは本館とは別の場所にあり、元は樟脳と阿片の工場・集荷場だった所を改装したものだという。

6_20240605112901

ここで樟脳関係の資料を見ていた(龍次郎は、クスノキを伐採して樟脳製造を行っていた)のだが、それとは別に2階に「台湾電力の歴史」コーナーがあった。そこで驚きの展示。

2_20240605113101

この展示文をよく読んでほしい。土倉龍次郎の名があるから。そして亀山水力発電所の建設にかかわったことに触れている。台湾で初めて本格的な発電所をつくったのは龍次郎だということを記してあるのだ。実際の発電所は総督府に買い取られてしまったから、龍次郎は、これまで「台湾の隠れた電力の父」的な認識だったが、なんのことはない、台湾ではすでに電力事業の創始者として名が刻まれているのであった。

それだけではない。こうして供給されるようになった電気の利用法として、わりと大きく取り上げているのが、隘勇線。

3_20240605113401

隘勇線の写真。木を伐って見通しをよくして鉄条網など防護柵を築いている。ところが、高砂族は、そんな防護柵を乗り越えて侵入し、首狩りを行う。随分、日本人も殺されて首をとられたそうだ。実は龍次郎の部下たちも殺されている。

だが、それを防ぐのに抜群の効果を見せたのが、電気柵だった!

そう、電力のもっとも有効な利用法の一つが電気柵だったのである。しかも、かなりの高圧電流を流したらしい。誤って触った日本人が死んだ記録もある。当然、高砂族も多くが電気ショックで亡くなったのだろう。

8_20240605113801

今の獣害対策で設置する電気柵を連想する。通常の防護柵を破る害獣の対策に、電気柵は有効だという。言い換えると、高砂族を危険な害獣扱いしていたようなものだろうか。

もっとも現在の獣害対策用の電気柵の電流は弱い。シカやイノシシ対策にはなってもクマには効き目は薄いという。イノシシだって、鼻先以外の皮膚に触っても効かないらしい。そのうち凶暴なクマが町に出没するようになったら、電力出力を上げることも考えられるかもしれない。

ここでことの善悪を論じるつもりはないが、明治時代の台湾電力利用の思わぬ一面を知ってしまった。

 

2024/06/04

政治大学にて

台湾にある国立政治大学を訪れた。

4_20240604164701

政治と名がつくが、研究テーマを眺めていると、日本でいう社会系の大学と思ってよいだろう。

Photo_20240604164801

いただいた大学の冊子。読めないけど(^^;) 。でも茶園をAI管理するとか、里山再生の話も登場する。

こちらの方も興味深いが、私のお会いしたのは、王准教授。台湾の原住民(日本でいう先住民、高砂族)の研究をされている方であり、同時に土倉龍次郎の研究者でもある。なんと、台湾に龍次郎の研究者がいたのだ。これだけでも感激だろう。そして、数々の情報を得ることができたのである。

_2_

『山林王』をプレゼントした。するとランチをご馳走になった(^_^) 。

 

 

2024/06/03

大阪湾上空から見えたもの

台湾から帰って来ました。

なかなか密度の濃い時間を送って成果もあったのですが、帰国直前の成果は。

20240603-143025

大阪湾上空を旋回して着陸態勢に入った際に見えたもの。

これ、夢洲の万博会場予定地ですな。うっすらとリングも見える。こうして見ると、高さを感じず薄っぺらいものである。初めて肉眼で見たことになるかも。

2024/05/30

国会農水委で『盗伐 林業現場からの警鐘』が!

昨日、私がカナダ林業のブリーフィングを聞いている時間帯、実は国会の農林水産委員会が開かれていて田村貴昭議員(共産党)の質疑が行われていた。

それを今日、YouTubeで見た。

人工甘味料の問題、盗伐対策の強化について 田村衆院議員20240529農水委

盗伐問題を扱うと聞いていたからチェックしたわけだ。17分40秒ぐらいから盗伐問題を取り上げている。今回は、主に熊本県小国町でも盗伐が確認されたことに触れた。こちらは、規模が大きい。1筆なのに故人名義の樹齢60~70年生のスギ1750本が という。小国杉は、九州の銘木の一つで価格も高いはずだが、被害額はいくらに算定されるだろうか。
最近は、大分県でも大規模な盗伐現場が発見されているし、宮崎県だけに収まらなくなった。ちなみに答弁している坂本農水大臣の地元が小国町である。

そして、25分すぎ。聞いていてビックリした。私の名前が登場したから(笑)。さらに『盗伐 林業現場からの警鐘』が紹介された。

20240530_113522

こんな形で国会デビューするとは思わなかった\(^o^)/。

皆さん、通常はあまり見ないと思うけど、国会審議の様子はなかなか面白いよ。林野庁にも『盗伐 林業現場からの警鐘』を読んでいる人はいるそうなのだけど、感想を聞いてみたいもの。まあ、批判されてむくれているかもしれないけど。

なお盗伐を防ぐには、森林林業の専門人材が必要という点にも触れていただいた。ここが重要である。盗伐だけでなく、林業やるなら専門知識、専門家が必要なのだから。伐倒技術の専門家ではないよ。技術を持っているだけなら、その人が盗伐をやりかねない。必要なのは、森林管理の理念や生態系、そして倫理観も持ち合わせる専門家だ。

 

さて突然だが、明日から台湾に行ってくる。3泊4日と短期間なのだが、月曜日に帰国予定。その間のブログ更新はどうなるか。期待しないでほしい。いいネタを仕入れてくるつもりだが、天気予報はずっと雨なんだよなあ。。。。

 

 

 

2024/05/29

カナダ林業の実情~ブリーフィング

森林学者 スザンヌ・シマード氏(『マザーツリー』著者)と、同じく生態学者レイチェル・ホルト氏が来日して各地でシンポジウムなどを開いているが、本日はメディア・ブリーフィング、つまり記者会見を開いた。私は、オンラインで参加。

内容は、「カナダの知られざる森林破壊/原生林伐採の実状」などで、多分、シンポジウムと同じだろうと思うが、当然ながら質疑応答がついている。私は勇んで臨んだのだが……。

20240529-1529371

内容は、カナダの知られざる森林破壊の実状と、同国の森と大きな関わりを持つ日本の「木質バイオマス発電」の課題などである。
まあ、ここで解説するより説明に使われた画像の一部を見てもらえばわかるだろう。

Photo_20240529194101 Photo_20240529194102 Photo_20240529194103

なるほど、日本の盗伐・皆伐地も真っ青、の皆伐ぶり。1カ所何千ヘクタールなのだから、さすが大陸的だ。(と感心してはいけない。)ここの原生林の大木がペレットになっているわけである。

私が質問したかったのは、これで違法にならないのか、カナダの法体系はどうなっているのか……といったことなのだが、オンラインで割り込むことになれていない私は、会場の記者の勢いに圧されて、のほほんと聞いているだけ(^^;)。
ただ、だいたいのことはほかの質疑でも理解できた。

簡単に言えば、この舞台はブリティッュ・コロンビア州なのだが、伐られているのはほぼ州有林で州の許可を得ているわけで、原生林を伐ってペレットにしても法律違反ではないらしい。州当局、いや国だって認めているわけである。
だから「盗伐」「違法伐採」と呼べないのかもしれない。それでもEUのて森林破壊防止規則EUDRに抵触しないのか、と質問したかったのだが……。

Photo_20240529194701

これが木質ペレットの生産量と輸出先。日本が圧倒的だ。ほかイギリスと韓国が多い。せっかくだから日本の木質ペレット輸入量も林野庁の資料から見せておこう。

Photo_20240529194801

実はこの話題は、『盗伐 林業現場からの警鐘』にみんな書いてある。知りたい方は、本を手に取ってほしい。

その点からすると、新規の情報はなかったのだが、ようやくカナダやアメリカ、さらに言えば北欧などヨーロッパは環境問題に敏感で、厳しく対応している……という日本人にありがちな欧米信仰は崩れることがわかるだろう。
私的には『フィンランド 虚像の森』に続いて北米神話も壊れた気分だ。

よく現場主義というが、本当に記者連中は林業現場に足を運んでも気がつかないの? と聞きたい。

世界中の林業は、みんな自然破壊をしているのさ、自然を破壊していない林業なんて地球上に存在しないのさ、という結論になりそうだ。

 

2024/05/28

「林業経済」誌の宮崎林業記事

文献探しで県立図書館に行ったのだが、そこで目に止まったのが「林業経済」誌。

20240526_145559

その最新号の特集が、「ディスカッションⅠ 宮崎県林業の16年を振り返る」。宮崎県の林業は、特集になるほど別格なのか。棚にはそこそこ林業関係雑誌が並んでいる中で、これは論文誌というべきだろうが、そこで扱うのだ。

ちょっと興味を引くではないか。宮崎県林業に、どんな評価をしているのか。外見には「発展」していたと言いたいのだろう。だが、その陰に問題がいろいろ起きている。それを、いかに論評しているか。

まず地籍調査の境界線問題、相続時の名義問題、そして再造林放棄問題……が、目を通しているうちに阿呆らしくなった。それらは問題ではあるが、宮崎県だけではない。いや、宮崎県はまだ少しマシと私は見ている。実際に地籍調査の進捗率は全国平均より高めだ。あえて宮崎県特集で取り上げるまでもない。

ところが盗伐問題には、まったく触れていないのである。宮崎県林業を語るのに盗伐問題を取り上げないなんて(嘲笑)。

ディスカッションをよ~く読めば、かろうじて触れているのは、ひむか維森の会の松岡さんだけ。彼の発言の中に「誤伐盗伐もあり」という一カ所だけある。そのほか素材生産業者が多すぎるとか、レベルが低い業者が多すぎる……とわりと辛辣だ。彼のところにも怪しげなブローカーの売り込みはあるが、全部断っているのだそう。

このように素材生産業者が加熱する林業の陰で起きている問題を取り上げているのに、県森蓮の代表や林業研究者、そして木材会社などは見事に盗伐問題をスルーしている。その発言に突っ込まない。盗伐どころか多数新規参入している業者の質の問題にも触れようとしない。不正行為の蔓延というのは業界の根幹を揺るがす問題のはずなのに。
(最新刊はコピーを取れないので、記憶に頼っていることはご容赦。)

宮崎県で起きている盗伐頻発事案を知らないとしたら関係者としてお粗末すぎるし、知っていてもたいした問題ではないという認識か、あるいは触れるのは都合が悪いから避けたのだとしたら、その程度のレベルの特集ということだ。論文誌に値しない。

くだらん。本当にくだらん記事に目を通してしまった。

 

2024/05/27

Y!ニュース「クマの出没対策に…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースにクマの出没対策に、二つのマニュアル紹介を書きました。

今年も、というべきか今年は昨年より早く、と書いた方が正しいが、クマの出没が各地で報告されている。

私は、昨年の6月だったか、クマの出没多発を予想して記事を書いたが、その後の展開は予想以上でおそるべき数のクマが人里、いや都会にも出没した。おそらく昨年町に出ることを覚えたクマは、今年も出てくるだろう。

Yahoo!ニュース 夏のクマは飢えている?都会に出没するのはなぜだ

Wedge on line 〈都会にも増えるクマの出没〉生息地の環境悪化が原因じゃない、動物たちが人里に来るワケを大解剖を執筆しました。

surfvote  人里出没クマへ対応どうすべき?日本唯一の森林ジャーナリストが提起

しかし、記事を書いたり取材を受けたり、ニュースにコメントを随分つけたが、もう同じことを繰り返すのも飽きたので、集大成?的にマニュアルを紹介しておこうと思った次第。

日本版として環境省のものと、カナダの市民団体のもの。前者はお役所的ではあるが、現実はこんなものと感じる。後者の方が実践的だが、日本ではできないなあ、と思うものもあるから、どっちも自分で合うように応用してほしい。

ちなみに、私の方針としては、あまり夏はクマのいる山に入らないようにしよう、ということかな(^^;)。鈴も持たないと。

2024/05/26

高・中・低木層の見本林

宝山寺に参拝した。心がもやって考えが定まらぬときは、お参りする。一心に手を合わせ心の平安を祈るのである。それと運動不足のときも参拝するかな(^^;)。

なにしろ生駒山の中腹に位置し、門前からずっと登り。奥の院までは、ざっと標高差100メートルぐらいはある。各お堂を参りながら最期まで参るとよい運動になるのである。本当は、奥の院から山道を登れば経堂があり、もはや山頂に到達できるのだが。

さて、世俗的な本堂境内を抜けて、奥の院までの間には森がある。そこを通り抜ける際に気付いた。この森、なかなか見事な高層、中層、低層を眺められるではないか。それも、苦労せず断面的に見学する箇所があるのだ。

1_20240526204001 2_20240526204001 3_20240526204001

高層は、主にスギ。以前はモミも多かったのだけど、かなり倒れたり伐られた。樹高は、ざっと20メートル以上。その下にカシ、ナラなど照葉樹・広葉樹の中層があり、こちらは樹高5、6メートルといったところか。その下に1メートル以下の草木が繁る低層が広がる。アオキなどが目立ったかな。どれもいい角度で見学できる。

スギが強いとはいえ、これも針広混交林である。そして森の中にも、いくつかのお堂があり、いろいろ祀られている。地の神様やお大師様、そして水子地蔵尊まで。

こちらの木、いや地蔵尊にも手を合わせておこう。

4_20240526210001

2024/05/25

朝ドラ5本から情報資源のリサイクルを考える

このところテレビ界はNHKの朝ドラに席巻されているのではないか。何しろ週に5本も放映されているのだ。

なになに、「虎に翼」が月~金で5本だって? そうじゃない、5種類の朝ドラがあるというのだ。

「虎に翼」の説明はいらないとして、朝7時15分からNHKBSで「オードリー」をやっているのも知っているだろう。映画全盛期から没落期が舞台だが、朝起きてテレビをつけると、たいていBSに合わせているのでたまに見てしまう。

昼の12時半からは総合で「ちゅらさん」の再放送。土曜日まで入れて週6回だ。沖縄の空気感がいい。国仲涼子もいい。我が家も買ったゴーヤーマンはどこにあるか探さねばならん。

これで終わらない。月曜日の7時からは、BS12で「ゲゲゲの女房」だ。2時間で6本やっちゃう。水木しげるとその奥さんの、どん底の貧乏から引っ張りだこの人気漫画家へ。貸本漫画から週刊マンガ誌へ。テレビアニメの放映開始時代でもある。そうした漫画発展史をなぞられる。

まだまだ。火曜日の夕方6時からBS11で「なつぞら」。これはアニメ創成期を舞台にしている……というが、実は前半は戦災孤児から北海道開拓の話。北海道の大自然がいつもバックに、酪農、高校演劇、農協運動、農民画家。終戦直後ならではの社会の熱さがある。いよいよ舞台は後半で漫画映画界へと移り、宮崎駿に相当する人物も出てくる。なんにせよ新たな世界を切り開く話は胸に染みる。

これで5種類5本。もちろん全部見ているわけではないが、不思議とちょうどテレビをつける時間に放映している。

Photo_20240521205901Gegegemain20240523_072513
「なつぞら」に「げげげの女房」に「オードリー」

ここで朝ドラの評論をするつもりはないが、民間のBS放送局が、NHKのコンテンツを重宝にしていることに注目した。自身でドラマ製作するのは無理だろう。金の面でもノウハウの面でも。だが、すでに評価の定まったコンテンツを買い取れば、一定の視聴率が見込めて有利である。
同じことはNHK自体も新番組を製作するより、再放送の方が視聴率を稼げるという判断ではないか。

もちろん再放送だけでなく、韓流ドラマや中国(大陸も台湾もあるようだ)ドラマの多用にも言える。以前は主流だったアメリカのドラマはあまり見かけなくなった。BSというメディアはたくさん開局したものの、放映するコンテンツ不足なのである。ついでに資金不足でもある。

まあ、いい加減な番組を作るよりよいかもしれない。これを情報資源のリサイクルと捉えている。

情報資源(コンテンツ)は、もっとリサイクルできないかと思っている。私の場合なら、新聞や雑誌に書いた記事は、短期間でメディアから消えていき、通常は振り返られることがない。しかし、自信作とか、すごく手間をかけた取材をした場合は、読み捨てられるのは残念だ。

幸いドラマなどは、再放映時に手を加えることはできないが、文字情報の記事は、できる。つまりリメイク記事である。

単純に同じことを書くのではなく、時代に合わせて視点を変える、事例を新しくする、文章構成も考え直す……そうすると別の記事になるのではないか。やり方次第で、元記事とは似ても似つかぬ別の記事に仕立てることも可能であり、テーマが同じ新作と変わらない。楽ちんだという面も否定はしないが(^^;)。

私は、文字であろうと映像であろうと、情報の伝達能力は極めて低いと感じていて、どんな名文であっても時間が経てば覚えているのは1~2割ぐらいだろう。その1~2割に根幹テーマが入っていればよいのだが、たまに外れて受け手(読者、視聴者)が覚えているのは、好み部分だけにもなる。

だから繰り返し、あの手この手で書き直し情報をリサイクルして繰り返し伝えることもアリだろう。私も改訂版のほか、新作版も多く出している。

『「森を守れ」が森を殺す!』と『「森を守れ」は森を殺す』(文庫版)と『日本人が知っておきたい森の新常識』 

『里山再生』『いま里山が必要な理由』
『ゴルフ場は自然がいっぱい』『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』
『森と近代日本を動かした男』『山林王』

 

 

 

 

2024/05/24

ゴーヤにカボチャが稔る?

炎暑対策として、庭の住宅の壁沿いにゴーヤを這わせようと思っている。もちろんゴーヤそのものの収穫も目的だ。

1_20240524110701

なんか、ゴーヤの根元からヘンな葉が生えてきた。ゴーヤの苗に何か別種が混ざっていたのか、と思って見るが、同じ茎から出ている。ゴーヤの幼葉がこんな葉なの? いやいやいや、そんなことないな。昨年も育てたのだから。

で、根元にすでに花の蕾。

2_20240524110901

それが今朝咲いた。

3_20240524110901

もう、完全にカボチャやん(笑)。

ようやくゴーヤの苗は、カボチャの茎に接ぎ木されていたことを知る。野菜苗は、病気などに強い植物を台木にして接ぐことがよくある。接がれた苗は、通常ならカボチャの根でゴーヤが育っていくのだが、ところが、接いだところの下部分から脇芽が出たのだろう。接いだ部分の上がゴーヤ、下がカボチャとなってしまった。この苗はゴーヤとカボチャの遺伝子の違う細胞が生長しているのだろう。

さて、どうしたものか。ゴーヤの生長が遅れる・止まるのならカボチャの葉や花も除去すべきなのだが、ここまで大きくなり、またゴーヤも今のところ順調に生長していることから、しばらく様子見をすることに。カボチャが稔れば面白いし、ゴーヤも育つかも。どちらも稔ることを期待する。だが、ゴーヤが伸びなくなればカボチャ部分を切り取るしかあるまい。

ちなみに、キュウリ苗も植えたのだが、こちらは全然育たない。土が悪い? いや新しい土を加えて肥料も十分与えたがなあ。アレロパシーでも起こしているのか。あるいは日当たりの問題か。多少樹木の陰にはなっているが、日中は日光があたっているのだが。枯れはしないが、蔓も伸びない。それなのに花が。どうしたことか。

Photo_20240524111401

2024/05/23

標高1700mのシカ

釈迦岳に登っている最中に、よく出会ったのがシカである。

奈良公園ではシカを見飽きている私だが(^^;)、頂上近くだから標高1700メートル前後までシカが群れを成しているのは驚く。10頭以上が割れているのだ。そして人を恐れない。目の前に石を落としてやると寄ってきた。次に登るときは、鹿せんべいを用意しないといけないヾ(- -;)

20240522-124450  20240522-123541

稜線部は風のせいでもあるが、森林が途切れて草原が広がっている。おそらくシカが稚樹などを食べてしまう影響もあるのだろう。もっとも草といってもササとノシバのほかに繁っているのは、バイケイソウである。

20240522-115943 20240522-133458

バイケイソウは毒を含むからシカが食べない(とされる。実は食べている報告例もある。腹が減ったらなんでも食うのである)。そのためかバイケイソウだけが残されるらしい。

しかし、こんな標高までシカが上がってきているとは……と思って、先に見たテレビを思い出した。

NHK「ダーウィンが来た」であった「高山に異変。カモシカ大調査」の回に、ニホンカモシカの生息地である高山地帯にシカが上がってきて植物を食べ散らかすのでカモシカが追われているという内容。まあ、番組ではシカを一方的な脅威としていることには異議があるが。
私はシカが無限に増えるとは思っていないし、シカも重要な生態系の一員だと思っているが、シカの増加がほかの動物の生態まで影響を与えるようになったというのは容易ならざる事態である。

20240523_131907_20240523172301 20240523_132007

大峰山系でもカモシカは、シカに追われているのかもしれない。ディアラインぽいものもあった。そう言えば、山伏はニホンカモシカを珍しく見たと言っていた。

釈迦岳の自然も今後変わっていくかもしれない。いっそ釈迦岳周辺も奈良公園に編入してしまうとか\(^o^)/ヾ(- -;)

«ちょっと最高峰?に登ってきた

June 2024
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

森と筆者の関連リンク先