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森と林業と田舎の本

2021/10/16

誤解呼ぶ熱帯丸太の取引量

ITTO(国際熱帯木材機関、横浜市)の熱帯木材貿易(隔年発表)の最新版(2019-2020年版)報告書が出た。

そこでは、
2020年における世界の熱帯丸太生産量は3.3億m3。最大の輸入国は中国の858万m3で、世界シェアの70%を握っている。日本は、1998年まで世界最大の熱帯丸太輸入国だったが、現在のシェアは0.6%にまで低下している。
とある。

が、これ、かなり誤解を呼ぶというか、恣意的に誤解させようとしているんじゃ? と思わせる統計数字の扱い方だ。

熱帯丸太の貿易では、中国が全体の70%を握って世界最大……。そして日本はたった0.6%……。

数字そのものを疑うつもりはないが、これでは中国が独占していて、日本は熱帯材をほとんど使っていないみたいではないか。

鍵となるのは「丸太」という点だ。熱帯材の丸太の生産量のうち中国の輸入量を見ると、約3.85%にすぎない。それが7割ということは、貿易量そのもが生産量の5.5%程度ということだ。輸入しているのは、ほとんどが中国なのかもしれないが、そもそも貿易量が少ない。

実は熱帯諸国は、丸太輸出を止めて、製材や合板に加工して輸出する方向にシフトしている。

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今年の白書によると、日本の木材需要の内訳はこんなん。熱帯木材は、インドネシアとマレーシアがほとんどで6.9%。加えてベトナムはパルプやチップにして輸出しているようで、それが9.0%もある。合わせると16%近い。これを総需要から導くと、1140万立方メートルになる。中国の丸太輸入量より多くなる(-_-;)。ま、中国も製材や合板でたくさん輸入しているんだろうけど。

だいたい日本の南洋材輸入は、ほとんど終わった、と今年初めに紹介したばかり。丸太で輸入することはなくなったのだ。これまでも、これからも製品輸入が主流だろう。いや、資源量の減少から考えると、熱帯木材の製品そのものが減っていくかもしれない。そのうち熱帯産木材といいながら、樹種はアカシアやユーカリなどになっていくかもなあ。

2021年「南洋材時代」は終焉を迎えるか

 

2021/10/15

ススキvsセイタカアワダチソウ

子どもの頃、空き地があるかと思えば、そこに繁っているのはセイタカアワダチソウだった。どぎつい黄色の花穂は好きになれなかったが、身近な植物ではあった。その茎も、秋になると茶色で硬くなり、チャンバラごっこに向いている。

だが、最近はセイタカアワダチソウが減っている気がする。もちろん、まだまだ見かけるのだが、以前ほどではなくなった。

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もともと、こんな具合だった。これは耕作放棄されり棚田だが。

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徐々にススキが浸入している。レコンキスタ(失地回復)か。

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なかにはススキの方が優占しつつある場所もある。

セイタカアワダチソウと言えばアメリカ原産の外来種で、アレロパシーも出すし繁殖力が強いので在来のススキなどを押し退けて繁茂するイメージだったが……。実は、地表を攪乱するなどされた荒れ地には強いが、土壌が落ち着いてくると弱ってくる。どうも酸性土壌に合わないらしい。しかも日当たりを求めるから冬の間に他の草木に覆われると負ける。

かくして在来種の反攻が始まったのである( ̄∇ ̄) 。

ちなみに景色としてもススキの方が絵になる。私はよく平城宮跡にススキを見に行くが、なかなかの景観だ。現代的な建築物を写らないように写真を撮ると、古の都の気分に浸れるよv(^0^)。

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2021/10/14

吉野杉の輸出に見る木材の「価値」

米の価格が下がっているようだ。このままでは米農家は立ち行かなくなる……という声が上がっている。たとえば東北6県の主要銘柄米(1等米60キロ)が、前年比2000~4000円程度下落した。これはゆゆしき事態だろう。直接の原因は、コロナ禍で外食産業が不振になったことだとされているが……。

ただ、ちょっと妙だ。今年3月には、2020年度全体で米の消費が2.2%増となったというニュースが流れていたからだ。中・外食消費量は3.7%減少したが、家庭内消費量は5.1%増だった。米は食べられているのに、取引価格は下がるとは……。

 

全然関係ないようで、思い出したのはYahoo!ニュースにあったこの記事。

パリ】フランス人の心に響いた「吉野材」に日本ブランドの未来を見る。

吉野からパリに輸出した吉野杉[YOSHINO WOOD]が評判を呼んでいるのだ。それをパリ在住の日本人がレポートしてくれている。こういうのは有り難い。フランス側の動きや感覚がよくわかる。

ともあれ、吉野杉の素晴らしい材質が理解されたか……というと、全然そうではない(笑)。

そもそも吉野材のヨーロッパ輸出は、2017年から取り組んでいた。最初はオーストリアに。だが、まったく成果は上がらず。ドイツのケルンで行われていた木材メッセにも吉野材を持ち込んだが、まったく相手にされず。

そこでどうしたか。……ぜひリンク先の記事をよく読んでほしい。読まずに、このブログだけで知ろうと横着してはダメよ。
ようはワインでいうテロワール、良質の木材が育てられる背景、環境、あるいはどういう人がかかわって、どういう木材の文化があるのかという、地理的、環境的、歴史的な部分、そういうストーリーと一緒に見せてゆくということなのだ。そして最終商品を見せる。

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実は、この吉野材の輸出に関しては、私も以前から聞いていた。肝心の人物にも会っている。ただ、聞くだけじゃダメだね。こうしてフランスの様子を紹介されているのを読んで、ようやく合点がいった。

私は20年以上前から「木材は情報素材だ」「木材の個別の機能はほかの素材より劣る」「価値は情操・感覚で伝えるべき」と言い続けてきたと自負しているが、それをキッチリ示している。

吉野杉の原木を見せても見向きもしなかったヨーロッパ人が、見事に反応したではないか。また原木ではダメなわけで、見せる形にしなければならない。

お米も一緒なんだな。もはや栄養をとって腹を満たす素材ではなくなっている。米を売るのではなく、テロワールで売る。料理で売る。たとえば玄米ではなく、おにぎりで売る。売る人の人柄で売る。そんな覚悟がいるのだろう。

2021/10/13

週刊東洋経済へ寄稿

週刊東洋経済10月16日号に寄稿した。

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特集は「実家のしまい方」。う~む。なかなか身につまされる特集である。これ、大問題になっていることを感じている人は、日本人の何分の1だろうか、と考えてしまう。親の家や土地の問題から始まり、自分の亡くなり方にまで考えてしまう。残された遺産をどうするか、どうされるかを考えねばならない時代だ。最近、週刊誌、この手の特集増えているし。

人口減時代、もはや財産は相続するもんじゃないのかもしれない。

さて、私がこんな記事を書いたのか、と言えば、ちと違う。書いたのは……山林購入!

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思えば昨年は、この手の記事が大ヒットして、私もいろいろ書きまくってテレビやラジオにまで引っ張り出されたのだが、1年後になって蘇るとは(笑)。まあ、山林の相続もあるし、それを売る・買う問題も起こるだろう。

私としては、売る側、つまり持て余す山林を持つ人向きの記事(いかに山林を都会人に売るか)を書きたかったのだが、編集部としては読者層はやはり都会の購入側だから、というので視点としてはそちらになった。ちなみに右下の焚火をする写真は、私の山だ(^^;)。

でも、webではなく、紙の週刊誌に記事を書くのは、なんだか楽しい。東洋経済オンラインなどには私も記事を書いたことがあるんだが、週刊誌の方がなんとなく愛着湧くなあ。でも紙は、発売日を過ぎると買えなくなる。週刊誌は1週間だけ。もう数日過ぎてしまった。

興味のある方は早めに書店へ。「実家のしまい方」には山林も含まれると思うよ。

2021/10/12

シュールな大極殿南門

平城宮跡に大極殿南門の復原工事が進んでいる。

大極殿は、天皇が儀式・執務をする巨大建築物だが、その周辺の復原として南門をつくっているのだ。この度、素屋根を横にずらしたというので見に行ってきた。

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なんか、シュールというか、古代建築物の復原なのに、近未来的な鉄の屋根がある。いわば建築用の足場と囲いだが、いよいよ中の建築が完成したので、それを横に引っ張ってずらしたというのだ。私が頭に浮かんだのは、サンダーバードの基地(笑)。

ずらす前は、こんな感じ。

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さて、これも復原・復元であって、文化財の修復建築でないのは言うまでもない。設計図が残っているはずもないから、想像で描いた部分も多分にある。

沖縄の首里城の再建工事と似た立場である。時代の差が1000年以上あるので、より想像部分が多いだろう。ここでは、どんな木が使われているか。

木材としては8000の部材があるそうだ。使われたのは、主に紀伊半島のヒノキ。なかには樹齢200年近くの吉野ヒノキもあるそうだ。大木である。もっとも太い柱となる原木の直径は80センチくらいか。人工林からであって天然木ではないはずだ。でも、Yahoo!ニュースにも書いた通り、文化財でもないのに貴重な大木を使うことの是非を考えると、悩ましい。

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使われた木のサンプル。

南門の完成は、来年3月を予定。でも次は、両隣に東楼、西楼を建てる。なかなか終わらんのである。

 

 

2021/10/11

不眠症に『荒くれ漁師をたばねる力』

このところ、不眠症である。寝付きがやたら悪くなった。七転八倒して、最後は酒飲んでも寝ようとするが、これは翌朝の体調が悪くなる。

で、寝つけない夜は読書するが、そこで手にとったのが『荒くれ漁師をたばねる力』(坪内知佳著 朝日新聞出版)

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これ、著者がテレビなどにも出ているし、政府の町おこし系のイベントにも引っ張りだこらしいので知っている人も多いのではないか。
内容は表紙カバーや帯文にもあるように、24歳の女性が漁師の船団を束ねる会社の社長に就任して、漁業の建て直しを図る実話である。大学中退のシングルマザーだから社長といってもお飾りで、事務仕事させよう……ぐらいの感覚で就任させたら、既存の漁業の慣習というかシステムをガラガラポンしてしまった。

ただ方法は、わりとシンプルで、サバやイワシなど量の獲れる漁獲は漁協に任せて、混獲してしまう雑魚(実は高級魚)を自前の産直でレストランなどに送る(鮮魚BOX)というシステムだ。当然、産直の方が圧倒的に高くて利益率がよい。いわゆる6次産業化という農水省の大好きな仕組み。これで、建て直しをする計画だったが、外からも内からも既成の勢力の猛反対と妨害、分裂が続き……と、この辺はだいたい読めるパターン(^o^)。だが彼女は、その度に恐るべき胆力と努力で乗り切るのだ。

漁労長の言葉が面白い。「最初はきれいな人だな、私たちを救いにきた天使に見えた。でも悪魔に変わった。

これ、そのままテレビドラマにもなりそうな話なのだが、そうしたオモロイ具体的なエピソードは本書を読んで知っていただきたい。

私がウッとうなったのは、最後の方にサラリとあった実情。それはスタートが2011年で、本の出版したのが2017年だから6年経っているのだが、そこで「魚の水揚げは自家出荷を始めた頃の半分まで落ち込んでいる。」という1行なのだ。6年で半減!

日本の水産業、半端ない危機である。山口県の玄界灘に面した萩大島の漁業の場合だが、おそらく全国で起きているのだろう。これは、とにかく魚が獲れないうえに、魚価がどんどん落ち込んでいるからだ。

だが、著者は言うのである。鮮魚BOXの売上が10倍に伸びている、と。だから漁師の収入は以前と同じ額を保てているのだと。そして漁獲が10分の1になったとしても、鮮魚BOXのを10倍の値段で私は売る、と断言する。ド迫力である。

だが、その意味するところは何か。出荷時の価格は落ちているが、最終価格が10倍になっても買ってくれる消費者はいるのだ。

ちょうど読んだ水産業のレポートでも、興味深い発言があった。

今は流通と生産が分断されている。漁獲して市場に出荷する段階と、市場で魚を買って流通させる段階に大別される。結果、情報も断たれる。誰がどの魚をどれくらい欲しがっているかという情報を基に、オーダーを受けて取りに行く漁業に変えたい。漁獲できる魚の情報を事前に提供して、消費ニーズに沿った水揚げを行う仕組みだ。(和田雅昭・公立はこだて未来大学教授)

ようは林業で嘆いていることと同じだ。材価が落ちて手取り収入が減る、山元と流通が分断されていて情報が断たれている。だが両者を結び、消費者ニーズに沿った木材商品にすれば、価格は上げられる。それこそ10倍にでも。

でも、決定的に違うのは、林業界に坪内知佳さんに相当する人がいないことだなあ。。。

ちなみに本書の欠点は、タイトルだ。ハウツウ本じゃないんだから。「荒くれ漁師」というのもバイアスがかかっているし、「たばねる力」というのも違う。彼女の実力と彼女がしたかったことは何か……というようなことを寝床で考えていると、朝を迎えていたりするのだよ。。。

2021/10/10

オンライントークショーを聞きながら

 「たたら製鉄 再興と挑戦」いうオンライントークショーにお誘いがあり、参加することにした。

これは東京で開かれている『現代に蘇る刀剣。玉鋼包丁』展を記念して開催したもので、これは島根県雲南市で「たたら製鉄」を田部家が再興され、その玉鋼による日本刀や包丁が作られたもの。

私自身は、とくに刀剣に興味があるわけでみないが、田部家に興味があったのだ。なにしろ最盛期で2万5000ヘクタールの山林地主であり(現在は4000ヘクタールぐらいらしい)、日本の製鉄の7割がたを占めていた(江戸時代だよ)世界である。明治期にたたら製鉄は終了したのだが、残された山の林業も今は振るわず、さてどうする?という中でたたら製鉄の再興だったのだ。

ちょうど、出版物の初校と再校の間だし……と思っていたら、なんと再校ゲラが届いた。

そこでオンラインでたたら再興の話を見聞きしながら、再校ゲラに目を通すという……最高のシチュエーション?となったのであった。ちゃんちゃん。

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2021/10/09

頑迷な「林業の常識」と新しい施業法

フォレストジャーナルwebに「病害虫対策や経営的リスクの分散、SDGs貢献も!? 世界で進む新たな森林施業法とは」を書きました。
と言っても、全然新しくなく、本ブログでは繰り返し紹介・論じてきたこと。

ようするに、現在の林業施業法の否定だ。今やってる一斉伐採-一斉造林は時代遅れの「法正林」理論ではないか。世界の潮流は変わっているのに。

それなのに、日本の林業関係者は、頑迷というか後生大事に、この“原則”を守るのが大切だと思っている。一斉に同じ樹種の苗を植えて、伐期を決めて、(間伐も交えるものの)最後は全部伐るのが林業の王道だ、と思い込んでいる。だから多少とも皆伐批判が(マスコミなどで)されると、それこそ一斉に批判する。なんでも一斉にするのが好きなんだなあ(笑)。

お山の大将で、自分の知る林業、自分のやってる施業が世界でもっとも正しいと思い込んでいるのかもしれない。いや、単に新しいことに取り組むのが怖いだけなのかもしれない。択伐だ、混交林だ、と言われても技術が確立していないし……と。そう言うのを、井の中の蛙、臆病風に吹かれる……というのかな。

しかし、世界中の知見は進んでいる。こんな論文があった。

Silvicultural prescriptions for mixed-species forest stands. A European review and perspective

英語読むの辛いので、機械翻訳した(笑)。すると、

混合種の林分のための造林処方。ヨーロッパのレビューと展望

単一種の林分については、これまでに開発された対策や方法と比較して、混合種の林分に対する造林処方は初期段階にあります。しかし、それらは、現在世界中の多くの国で推進されている混合種スタンドのよく考えられた確立、設計、および管理に不可欠です。ここでは、最新技術を確認し、実験のステアリング、スタンドモデリング、および造林用の混合種スタンドの造林処方をさらに開発します。

……この翻訳では、余計わからんようになった(泣)。誰か、訳してくれ。

ま、ヨーロッパの混交林施業に関する論文である。ただ混交林における間伐の方法論などを図解しながら説明しているようだ。

もちろん完全な施業法なんてまだ確立されていないし、ヨーロッパと日本は違う。でも、こんな図もある。十分参考にならないか。

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なんだか、よく似た図を見たことがあるなあ、と考えたら、『吉野林業全書』だった。明治時代の吉野林業は、スギとヒノキを混交させて植え、間伐の仕方などを説明している。また先輩が新人に教えるのに、碁盤を使って、白と黒の石でどゃに何を植えて、間伐はこの順序でやる……と教えたと聞く。

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ともあれ、混交林は日本にもあったのだ。いや、粗放林業による混交化も含めれば、日本の戦前の林業は多くが針広混交林だったのでないか。決してヨーロッパの新しい林業施業法ではない。硬い頭をほぐして、広く世界を眺めて、真面目に日本の林業、いや自分の山の将来を考えてほしい。このことは、フォレストジャーナルweb版の次号(13日公開予定)にも記している。

 

 

2021/10/08

新内閣の中で興味の湧く大臣は

岸田新内閣が始動した。さして期待するものがあるわけではないが、ちと興味を引く大臣と言えば、後藤茂之厚生労働大臣である。というのも会ったことがあるのだ。ただし、20年ぐらい前の話。その時、彼は(旧)民主党の代議士だった(^^;)。

現在の姿をテレビを見ると、わりとスマート?だが、当時は腹が出ていて、恰幅のよい姿のイメージがあった。今なら私も負けていないけど(^^;)。せっかくだから、顔写真を。オフィシャルHPから拝借。

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おそらく今の彼にとって最大のテーマはコロナ対策だろうが、私はてっきり、後藤氏を農林族かと思っていた(笑)。

一応、経歴を追うと、東京出身で東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入局、そして米国ブラウン大学経済学部大学院に留学し修士号を取得。選挙で初当選したのは2000年(新進党⇒民主党)だが、2003年に自民党へ鞍替え。以後、国土交通大臣政務官、法務副大臣、衆議院厚生労働委員長、そして厚生労働大臣と歩んでいる。つまり法務や経済、国交省、最近になって福祉医療……が専門だが、全然農林関係ではない。
多少とも森林に関係する肩書は、所有者不明土地等に関する特命委員会幹事長と、地球温暖化防止のための森林吸収源対策PT事務局長だろうか。

それなのに勘違いしていたのは、民主党主催の林業勉強会の講師として呼ばれたから。その時の主催者が後藤代議士だったと記憶する。また選挙区は長野4区と木曽林業の本場ではないか。地盤が林業地だから林業政策にも熱心なのだろうと思っていた。もっとも、当時は新人だったから、なんでも首を突っこんでいたのかもしれない。私を講師にしたのは、林野庁内の人の推薦とか言っていた。へえ~。

著作で言えば、『「森を守れ」は森を殺す』、『伐って燃やせば「森は守れる」』、『日本の森はなぜ危機なのか』当たりを執筆出版していた頃だ。

で、そこで私は何を話したのか。当時はまだ林業に絶望しておらず(笑)、いかに林業を建て直すか、というのが主題であった。ただ、切り口は今と同じで、補助金がいかに林業を腐らせたか、また日本の森は十分に育っているのだから「伐採規制で守る」のではなく、ちゃんと経済ベースで木材を伐って、高く売れる商品開発をすることが林業再生に肝心だ……という話をしたと記憶する。

これ、当時は意外な意見だったようで、その場でも妙な反響?を呼んだ。会場がシ~ンとしてしまったのである(笑)。
「てっきり森を守るために、もっと税金投入を」と言うと思ったのに……という感想が、列席している国会議員から出たほどだ。実際、当時は切り捨て間伐が主流で、森林保全のための間伐だからと、伐った木を売ることさえ忌避されていたのである。とくに野党としては自然保護推進の方が売り文句になったのだろう。

ただ後藤氏は終わってから「これならやれるな!」とやたら喜んでいたのだった。正直、税金で森を守れと言われても将来が見えないし、効果も出にくい。しっかりビジネスしなさい、と言われた方が政策に結びつきやすいし、効果も短期間に出ると思ったのだろう。

ま、その後、この勉強会に出ていたメンバーの多くが自民党に移るか、知事に転出、あるいは落選して(´Д`)消えて行ったから、何か政策にまとめたようには思えない。ただ、その後菅直人代議士を中心として、まったく別の方向から「林業の産業化」政策が提案されていく。それが森林再生プランへとなって政権を取ってから推進されていくのだが……。まっ、私の影響は微塵もないと思う。

その後、自民党政権にもどってからも、「林業の産業化」という部分は強まる一方だ。自然を破壊しても金になればいい、補助金額より純益が少なくても売上を大きく見せたら成長産業ということにする、というのが現在の林業ではあるまいか。

しかし、結局は搬出間伐にも補助金をつけるなど、金のバラマキは強化されこそすれ、全然ビジネスにはなっていない。高付加価値商品どころか、燃やすのも燃料という商品だと促進する有様。私の主張とは似て非なる、いや正反対とも言える、まったくベクトルの違う方向に進んでしまった。

まっ、今の後藤大臣にはコロナ対策に頑張ってほしいが、たまには森林・林業政策も考えてくれたまえ(なぜか、上から目線)。

 

 

2021/10/07

Y!ニュース「首里城のためならカシの大木の伐採OK?…」書いた裏の感情

Yahoo!ニュースに「首里城のためならカシの大木の伐採OK? いや反対?」を書きました。

お読みになればわかるが、石垣島のオキナワウラジロガシの伐採問題、その反対運動の背後には琉球王国の八重山諸島征服がある。つまり石垣島も琉球支配に苦しんだ地だったのだ。それなのに、征服した王朝の城を復元再建のために、自分たちが大切にしてきた木が伐られるというから、心のざわめきが強まるのだ。

さて、この構図、もう少し身近にないかと考えたのだが……。

思いついたのは、生駒~奈良の歴史話。

西から来襲した強大な征服軍。よ大阪湾から上陸した軍勢は、奈良盆地に入ろうと生駒山を駆け登る……それに対して迎え撃ったのは、生駒の豪族・登美彦。見事、侵略軍を返り討ちにし、軍の副官を倒したのだが……侵略軍は撤退して海沿いに南下する。各地でも地元の軍勢に追われて、とうとう熊野から川を遡るルートを取った。

十津川から北山側を遡行し、山を越えて吉野に入ると、なかには彼らにすり寄る地方豪族もいて、とうとう奈良盆地の国中を蹂躙する。最後に残った生駒勢も、登美彦の国に潜入していた侵略軍の手先に暗殺されてしまったことで征服されてしまう……。

かくして侵略軍は大和征服を宣言し、将軍は自ら王位につく。それが神武天皇である。

そう、奈良は西の夷に征服されて現在の大和王権が誕生したのだ。それなのに、奈良の人々は天皇をいただいて喜ぶのはなんなん?

神武天皇の顕彰碑を建てて喜んでいるんじゃねえよ( ̄∇ ̄;) 。という気分なのであった。

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話が脱線したが、石垣島が沖縄本島に向ける目は、私が天皇家に向ける視線と同じかなあ、と思った次第(笑)。。。。。え?違う?

 

2021/10/06

林野庁がマンスリーレポートを発刊

林野庁が、webで「林産物に関するマンスリーレポート」を今月から発行することになった、らしい。マンスリーなんだから月刊なんだよね。

なんでも意図は、「木材需給、木材価格、木材産業の動向などに関するデータを集約・整理し、毎月定期的に公表しようとするもの」

すでに9月号が創刊準備号で発行されている。

令和3年9月創刊準備号 

(仮)というているから、簡単なイメージ的なものかと思いきや、なんと43ページにもなる大部なもの。目次だけ引用すると、

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しかもカラーで派手(笑)。内容は、ちょっと古い数字も混ざるが、もっと直近の動向を分析抜きで出してほしい。こうしたスピード感と一次情報を出してくれるのは有り難い。EUや中国の動向もグラフで示されているし、為替レートまで掲載している。まだ本号が発行されていないのにべた褒めするのはどうかと思うが、こういうのを待っていたんだよ\(^o^)/。本号は毎月何日に出すのだろうか。

願わくば、割り箸統計も載せてほしい。ここ10年ほど、姿を消しているから。。。

白書は1年遅れだし、しかも中身は何か意図的な取捨選択を感じるからなあ。妙な解説で色付けしないで、すばり現場の数字を出してくれるのが一番使い手がある……て、私は、分析しようと思わないけどね。それは直接利害関係のある林業関係者がやるべきだろう。

私は、つまみ食いするだけ(笑)。林業に閉じこもらずに、もっと大きな世界を俯瞰したい。そして俯瞰した視線から細部を見ると、また別の世界が広がっていることに気づくよ。

 

 

2021/10/05

ソーラー予定地の磨崖仏

幾度か取り上げた、奈良県平群町のメガソーラー建設予定地。そこにあった裏の谷磨崖仏が削られたことも伝えた。その後、削った石仏部分は保管されていると聞いていたが、実物をどこにも公開していないのだから、怪しげだった。

奈良県が止めたメガソーラー計画の現場から見えてきたもの

ところが久しぶりに建設予定地を訪ねると、その入り口とも言えるどんづまりの藪に、妙な石仏を発見。どうやらこれが……。

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なんだか目新しいが、削った石仏を宝塔のようにした板碑らしい……。

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岩にあった磨崖仏と比べると痛々しさが伝わる。周りの石が新しいからだけでなく、作られた祈念ではなく、破壊された過去を想像させるからだろうか。なんか貧弱に見える。せめて庵でもあればよいのだが。

現地は、今後どうなるのか。建設は県の中止命令以降、工事は行われていない。伐採-造成地の崩落を防止する措置を細々と行われているだけだが、目に見える変化はない。

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これが現地の様子。伐採しただけの斜面には草が繁っているが、作業道を入れたり表土を剥いだところは無残に崩れて、もはや道としての機能しないだろう。今後削った頂部と埋めた谷をどうするのか、どうなるのか注視だ。

 

2021/10/04

「昔話法廷」で知る異論の力

私が好きなNHK番組に「昔話法廷」がある。以前はEテレでイレギュラーな放映だったのだが、今晩は総合テレビで。だから急いで告知。

日本やヨーロッパの昔話を法廷という裁きの場に上げることで、別の視点からの世界を浮かび上がらせるドラマである。と言ってもたいてい15分の短編であるが。
そこでは有名な昔話の裏に隠された仰天の真実が暴かれる。

たとえば「浦島太郎」は、乙姫を妊娠させて逃げていた? 「赤ずきん」は、オオカミにおばあさんを売り渡していた? 「白雪姫」は義理の王妃を罪に陥れるための陰謀を企んでいた? 

そこで何が真実か、何が罪か、を考えさせるという番組で、判決は示されない。視聴者にゆだねられている。

これまで昔話と言えば勧善懲悪的なストーリーが目立ったが、そこに異論をつきつけ、どっちが正しいのか。どっちの意見もくみ取ったらどうなるか、を改めて考えさせるものだ。ネットでも見られるので是非。

 

そして今夜、なんと最高傑作「桃太郎」が総合テレビ(午後11時半より)で拡大版33分が再放送。脚本もすごいが演じる俳優もすごい。脚本は森下佳子、検察官に天海祐希、弁護人に佐藤浩市、桃太郎に仲野太賀。演技力にも魅了されたが、話はどんでん返しが続き、何かまったく別の真実が示され、何が、誰が悪いのかわからなくなる。また重要な視点としてSNSまで登場する。

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私は3月の放送で見て、度肝を抜かれ衝撃を受けたよ。

事件は一方的に見ても真実はわからない、とよく言われる。とくに報道される刑事事件はそうだ。しかし、もっと日常的、あるいは科学的と思われている世の中の常識にも通じる。私はとくに森林、林業、そして地球環境問題で強く感じる。

森林がいかに環境に関わっているか。それ自体は否定しないまでも、もしかしたらトンデモな勘違いをしていませんか?と問いたい。みんなが信じていることは、実はバイアスだらけだ。それも信じたいことだけを信じ、都合の悪いことは意識から外し、これまで信じてきたことを否定されるのがイヤだから新事実に目をつぶり、必死で否定する……その繰り返しではないか。

では、私が提示する「森林の本当の姿」が正しいかと言えば、そう思う人は田中淳夫バイアスにかかっているのである(笑)。

ようは自分で考えなくてはならない。それも幅広く異論・異説を含めて咀嚼し、自分の思い込みを取っ払うことだ。他人の意見にただ乗りするな、と言いたい。乗りたかったら、十分に咀嚼して味わってからだ。自分の意見を信じるな、とも言えるだろうか。

その材料にならないか、という思いで、現在出版を準備中。この「昔話法廷」に着想を得て執筆した、わけではない(^o^)。

タイトルは「虚構の森」。森が地球環境に大切、なんて誰が言った? SDGsの罠に気をつけろ!

 

2021/10/03

奈良の古墳バナナ

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写真は、ボルネオのジャングルの一角で、10年ほど前に撮ったものだ……。

なんて書いたら、わりと信じられるかもしれない。実は奈良の一角だ。それも古墳のそば。仁徳天皇皇后の御陵ということになっているヒシアゲ古墳の濠の周辺。仁徳天皇陵は大坂の堺市にあるのに、なぜか皇后は奈良なんだね。でも全長219m、後円部径124m、後円部高さ16.2m、前方部幅145m、前方部高さ13.6mという堂々たる前方後円墳だ。

ま、そんなことはどうでもいいのだが、そこにバナナが繁っていた。誰が植えたのか、もはや野生化している。なかなかの景色ではないか。

バナナそのものは観葉植物としての栽培も盛んで、わりと寒気に強い品種があるらしい。もっとも日本でも古くからバショウと呼ばれてあったのいるか。松尾芭蕉なんてペンネームもあるのだから(^o^)。生駒山にもあって、ちゃんと房が実っていた。意外とたくましい植物のよう。

ちなみに高さは数メートルに育つが、基本的に草である。毎年冬は枯れる。切り倒すと、断面は葉ばかりだ。それでもバナナが生えていると、いきなり熱帯雨林気分になるから、庭にも植えてみたいと思う。生長早いし、庭で探検ごっこができる、かも。

 

2021/10/02

2020年の木材自給率は41.8%に!

ひっそりと発表されていたから目につかなかったが、2020年の木材需給表が発表されていた。

それによると、木材自給率は41.8%。前年比で4.0ポイントも上昇している。いきなり4割台に立ったのである。これは自給率10年連続上昇でもある。

もっとも、さほど自慢できる状況でもないことはわかる。

2020年の木材の総需要量は7443万9000立方メートル、前年から746万6000立方メートル(9.1%)減少しているのだから。
とくに用材が、前年に比べて987万7000立方メートル(13.9%)減少、しいたけ原木も9000立方メートル(3.6%)減少、燃料材だけが241万9000立方メートル(23.3%)増加している。

国内生産量は、3114万9000立方メートルと前年比16万1000立方メートル(0.5%)増加した。もっとも用材は182万5000立方メートル(7.7%)減少している。しいたけ原木が9000立方メートル(3.6%)減少、燃料材が199万5000立方メートル(28.8%)増加……つまり全体の消費は減ったのに、燃やすための木材生産が増えたから自給率も上がった、というちょっと詐欺的(笑)な増え方。
もはや木材の主な使い道は燃料……という前々世紀の社会にもどってしまったかのよう。

ちなみに2020年の輸入量は、4329万立方メートル。前年と比較すると762万7000立方メートル(15.0%)減少した。用材が805万2000方メートル(17.0%)減少し、燃料材が42万4000立方メートル(12.3%)増加している。

昨年はウッドショックがあって用材(建材)輸入が減ったことも影響を受けているだろうが、結果として(見かけは)4%も自給率が上がって林野庁的には嬉しいのではなかろうか。

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2021/10/01

都市樹木地図と動物侵入経路

グーグルが、AIによる都市の樹木密度を分析した地図づくりを、2022年には東京や横浜を含む世界の100以上の都市に拡大すると発表した。

グーグルのAI緑化地図、世界100都市以上に

AIで木を1本1本まで正確に把握し、都市のなかで樹木の密度が低い部分を示せるのだという。それで植樹が必要な場所を効果的に割り出せるとか。ロサンゼルス市などでは、昨年から樹木マップを提供しており、植樹計画に役立てている。

これも気候変動対策の一つという位置づけだ。都市のヒートアイランド現象が広がっていることから、自治体に樹木マップを無償提供して、植樹を進めてもらおうという提案だそうだ。気候変動とヒートアイランド現象は微妙に違う気がするのだが、それは置いておこう。

おそらく公園などの緑地と街路樹を想定しているのだろう。日本の場合は、神社なども緑地に入るかもしれない。奈良市の樹木地図をつくったら、ただでさえ都心部に世界遺産の森があるのに、神社の鎮守の森もあって緑地の方が多いかも……。木を一本ずつ判別できるのなら、シカも写ってAIがシカ!と割り出してくれると楽しいのだが(^^;)。昼間の街に何頭シカが歩いているのか知りたい。

ただし、都会だからといって今以上に緑を増やすことがよいのかどうかは慎重に考える必要があると思う。たとえば街路樹は、すでに日本には675万本の街路樹があるが、維持経費が馬鹿にならないから困っている。公園もそうだ。だんだん荒れている都市公園、児童遊園が増えているように感じている。

それに今の日本は、こうした緑地や街路樹が、野生動物を都心に引き込む役割をしている。ちょうど先日の「クローズアップ現代+」で、「史上最多ヒグマ被害“都市出没”の謎を追う」という番組をしていた。札幌都心部にヒグマが浸入する問題なのだが、結局、浸入路は河川や街路樹などの緑地だった。安易に都会に樹木を植えたら痛い目に合うかもしれない。こうした問題は、アメリカにはないのだろうか。

ちなみに、これって、私が今年1月に書いたネタなんだよね。

大都会に出没する野生動物の侵入ルートと隠れ家はどこだ

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『獣害列島』でも取り上げたのだけど、もう少し野生動物の動向に気をつかうべきだろう。でも都市樹木マップを使えば、動物が入らない街づくりに使えるかもしれない……。

 

2021/09/30

皆伐-再造林の進め方?

奈良県の上北山村に行った際、道沿いに大規模な皆伐地が広がっていたので、パチリ。

だが写真を撮ってから、「ここで以前も写真を撮ったことがある」ことを思い出した。

そこで探し出したのだが、

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これだ。日付を見ると2019年の3月だった。何十ヘクタールになるか、奈良県内ではかなりの規模の皆伐地なのだが、このとき気になるのが、真ん中にわずかに緑がかっていること。なぜ、ここ1~2ヘクタールだけ再造林されているのか。でも、まあ、そのうち順々に造林していくのだろう、何かの都合でここだけ急いだのかな……と想像した。が。

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これが先日撮ったもの。造林したところは約2年分の生長をしたようだが、その周りはまったく何も変わらず。穴居ル、再造林しないのか。

想像するに、造林したところは所有者が違うのだな。この皆伐地の土地所有者は何人もいるのだろうけど、再造林するように主張したのは、真ん中のごく一部の山主だけだったのではないか。周辺の他の山主は「もう植えんでもええわ。どうせ林業やらんし」ということになったのではなかろうか。しかし、今後どうなるのだろう。植えたところだけ育って、その周りは雑木も生えていない。

そう言えば……こんな写真もある。

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これは、場所は少しずれるが、だいたい同じような上北山村。撮影は2010年5月と今から11年も前だ。ここは、逆に一部だけが伐らずに残されている。これは、この土地の山主だけが皆伐を反対したのだろうか。ここだけ残ってもなあ。いや、ここだけでも残ったおかげで、もしかして山が崩れずに済んだかもしれないし、あるいは周辺の天然更新が進んだかもしれない。

山主が反対しても、こっそり伐ってしまうような業者でなくてよかった(笑)。

 

2021/09/29

Y!ニュース「木材利用促進が林業を狂わす?」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「木材利用促進が林業を狂わす?木あまり時代を直視しろ」を執筆しました。

もともとは、現在は「木あまり時代」なのだよ、ということを書くつもりだったのだが……みんな森林は減っていると思っているけど、実は増えているし、木材生産量も世界的に増えすぎてだぶついているのだよ、だから木材価格も下がるのだよ、と書こうと思っていた。つまり世界的な傾向を記すつもりだったのだ。

そこに10月は「木材利用促進月間」だと法律できめたことに気づく。

ちょっとブッツンしてしまって(笑)、おいおい林野庁、こんな月間だ記念日つくって楽しいのかよ、という思いが強まってしまった。

木材利用促進が、実は木材の無駄遣い促進、木材の価値下落を引き起こしていることをちっとは認識してほしい。結局、目的と手段の取り違えを進めてしまい、何のために木材を使おうと言いたいのかわからなくなっている。

林業振興?森林の健康?地球環境?それとも自分の出世?

あ、それと今月もかろうじて(Yahoo!ニュースに)2本の記事を書けたな、という密かな思い(^^;)。

 

2021/09/28

林業をテレワークで!

先日のNHK「サイエンスゼロ」で取り上げていたのは、テレワーク。

だが、内容は重機の操縦だった。

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このように丸太を持ち上げたり刻んだりする現場なのだが、

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それを事務所内(自宅でもいい)のモニターを見ながら行うもの。

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運転席を見てほしい。無人だ。誰もいないのに、しっかり仕事をしている。

これは実験なので土場だったが、そのうち林業現場にも普及するかもしれない。伐採や原木を玉切りして無人フォワーダに載せるぐらいならできるぞ。フォワーダも無人で走らせて、土場でトラックに積み替えるとか。山の中なら道路交通法も適用されないから、技術さえ開発できたら、すぐに実施できるんじゃないかな。
肝心なのは、完全自動運転ではなく、まずは人間が遠隔操作していること。その方が技術的には簡単で今すぐにでも実現するらしい。時間差は0,1秒以下で済む。

これで人手不足解消と、事故の安全性(人が死ぬことはない)が確保できるわけだ。

実は、私はこの実験を20年以上前に取材していた。雲仙普賢岳の火砕流跡地にスーパー砂防ダムを築く現場だった。あの時の写真などを探せば出てくるはずなんだが。しかし、残念ながら実験で終わったみたい。意外と進歩は遅いというか、長い雌伏期間があったのだね。建設現場と重機、そしてパソコンの性能の問題かもしれない。

 

2021/09/27

奥山で見つけたもの

今日は朝から吉野の奥山へ。かなり奥地を何カ所も回ったんだが、そこで目当てのものが見つかったかというとビミョー……なんである。

そして車の冷房が、突然暖房に変わる経験をした。何事か、この生ぬるい温風が噴き出すのは……エアコンが壊れたのかと思ったが、よく見たら外気温が18度。我が車は、夏の間、エアコンを22度~24度に設定していた。どうやら外気温がそれを下回ったら、その温度まで車内温度を上げるために暖房になるらしい。さすがに、すぐ切る。

でも、こんなものを見つけた。

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キノコである。これが、珍しいの?と言われてしまいそうだが、ちょっと大きさがねえ。。。

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ま、それはいい。

目的地に着いて、ちょっと腹ごしらえと思って車の外に座り込んで おにぎりを頬張っていた。で、周囲を軽く探索……と思っていたら、こんな木を発見。この樹皮に付いている傷跡は……。

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大声を上げて威嚇し、すぐ車の中にもどったのはいうまでもない。

2021/09/26

ラクウショウの丸太

散歩シリーズ……というわけではないが、今回歩いたのは某生駒山系北端の森林公園。そこで見かけたのが、こんな木の伐倒。

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おや、スギが伐られている、幹に割れているところもあるから風で折れた木を処分したのかな……と思ったが、周りを見ると、ここはラクウショウのコーナーであった。

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ラクウショウは北米原産の外来種だが湿地によく生える。そして気根を地面からニョキニョキと突き出す姿がちょっと面白いから、わりと公園に植樹しているを見かける。葉はメタセコイヤみたいに鳥の羽根っぽい。道沿いに植えられると街路樹ぽくもある。来訪者向きなのだろう。

ラクウショウは落羽松と書く。冬には葉が紅葉して落ちる落葉針葉樹だ。ヒノキ科だからマツ科ではない。もう一つの名前がヌマスギ。そうか、スギと呼ばれるように樹皮の様子がスギに似ているわ。成長は早いようだ。

ふと、せっかく伐ってあるのだから、どんな木目で材質はどうなのかと思って覗きにいった。

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なるほど。木目は荒いが、スギに似ているかも。軽いし、成長早いし、沼に生えるんだから腐朽にも強いだろう。この丸太も伐って捨てているみたいでもったいない。木材生産用に植えてもいいんじゃないの? 傾斜のある山ではなく、水がたまりそうな谷に(^^;)。

 

 

 

2021/09/25

ヒガンバナはいかに分布を広げるか

紅葉で知られる竜田川。その沿岸には遊歩道が設けられ、公園となっている地域もあるのだが、斑鳩町のそんな一角を歩いた。 三室山の近くでもある。

ちはやぶる神世も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは

嵐吹く三室の山のもみぢ葉は竜田の川の錦なりけり

さすがに紅葉にはまだ早いが(というより暑すぎる。夏の気分だ)、川のほとりにカエデが多く植えられ、なかなか見映えはよい。
幅は、せいぜい30m~50mまでで隣接して道路も伸びているから、車がブンブン走る音がする。それが鬱陶しいのだが、幸い車の姿は樹影に隠れてほとんど見えない。ちょっと耳を塞ぐつもりで歩くと、わりとゆったりとした気分になれる。それが数キロにわたるのだが……。

ところどころに、ヒガンバナが咲いているのである。

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その咲き方。なんだか意図的なものを感じないか。大きな木の根元に多いし……。

実はヒガンバナに種子はない

記事に書いた通り、株分けで増えてきた。株分けをするのは人間である。そもそも外来種で、過去に日本にはなかった。だから「日本の原風景」ではないのだが……。

昔は田畑の畦道に株……鱗茎を植えたのだ。ヒガンバナは毒を持っていてミミズやモグラが忌避し、畦に穴を開けないから……と言われている。

が、近年は花が美しいからという理由も増えているだろう。葉が赤くなる前に赤い花が鮮やかである。

で、竜田川の河川公園なのだが……あきらかに人が植えたことを想像させる分布の仕方。しかし、肝心の植えた人は誰なんだろう。公園づくりの中で計画的に行ったものなのか、個人がこっそり?植えて回ったのか。中国から持ち帰ったと伝わるが、では斑鳩なんだから遣隋使・遣唐使かなあ(^^;)。まさか、1300年前らか綿々と咲き続けてきたとは思わないが。公園を作ったのは戦後だから、それ以降かもしれない。

これが造園計画に沿ったものならおかしくないが、どうだか。こっそり、夜中に公園に出没してヒガンバナの鱗茎を長靴姿で植えて回る風変わりな人々の一団がいるとしたら……。

ちょっとホラー。

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これはオマケだが、特定外来生物のクビアカツヤカミキリが出没するらしい。

 

 

 

2021/09/24

肉厚マダイと木づかい運動

一部で話題になっている「肉厚マダイ」。

ゲノム編集~ようするに遺伝子改変技術~で、通常のマダイの1・5倍肉厚、つまり太ったマダイが京都大学や近畿大学によって作られている。もうすぐ量産化が可能になって市場にも出てくると言うのだが……。

京大発、「肉厚マダイ」参上

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実はこのニュースをよく読むと、マダイだけではない。トラフグを短期間で育てる技術も完成しているらしい。

この手のニュースが流れると、即「気持ち悪い」とか「遺伝子改変なんて危険」という感想が飛び交うのだが……。まあ、食べ物が豊富な国の住人の我が儘みたいなものか。余っているから選べる。美味しい、美味しそうに見えるとか(気分の)安全・安心とか、ようは感覚的な面で選べる立場とだから言えることだろう。

昔から食料危機への対処は永遠の課題だが、実は今や「食あまり」の時代になっているようだ。

世界人口の伸びは鈍化しつつあるが、まだ当分は伸び続けるだろう。現在は70億人とか言われているが、100億ぐらいまでは行きそうだ。私が小学生の頃は30数億人ぐらいだったと記憶するので、もはや2倍になっている。当時から、盛んに食料危機が言われていた。マルサスの「人口論」を持ち出すまでもなく、食料生産は人口増に追いつかない……というのが定説だったから。

だが、実はその定説は崩れた。今は食料の伸びの方が人口増より大きいと言われている。

世界の穀物生産量は約22億トン。だが、およそ半分は飼料用とエネルギー用だ。穀物が余るからバイオ燃料に転換している。
同じく牛肉や豚肉、鶏肉などは、50年前の3倍も生産されている。それは養殖水産物にも言える。

別に農地が増えたわけではない。それどころか耕作放棄地が世界的に増えているのだ。耕地の5分の1が耕されていない。貧困国でも農民は農地を捨てて都会に出ていく現象が続く。実は、食料は生産過剰だから価格が下がり、農民たちは「やってられん」わけなのだ。
食肉も、家畜の飼育頭数が増えたのではなく、大きく早く育てる技術が生まれたからである。1個体から採れる肉の量が増え、しかも成長が早いから回転も速くなる。肉なんて切り身しか目にしないから気がつかないが、ウシもブタもニワトリも、ひと昔前より確実に大型化している。魚介類も天然ものよりずっと大きく早く育てているのだ。

もちろん品種改良や肥料、さらに病害虫を抑え込める農薬・除草剤、家畜用医薬品の発達も、寄与している。その流れの一つが、「肉厚マダイ」なのだろう。

今、世界では8億人が飢餓線上にいると言われるが、それは食料が足りないのではなく、届けないからだ。必要な人のところに食べ物が届かないことが引き起こすのだ。それは流通と政治の問題だろう。

そして木材も生産量が増えている。早生樹のような早く太く育つ樹種・品種づくりが進むだけでなく、これまで使えなかった細い木材も集成技術の進歩で太い建材にすることができるようになった。柔らかくて使えないと思えた樹種も、改質することができるようになった。木材が余っているから「木づかい運動」とかいう、奇天烈な木材もっと使え運動が展開されている。木づかいではなく、木あまりなのだ。

木材も、森林蓄積は世界的に増しているのに、需給バランスを崩した経営ミス、流通御簾、そして政治システムの問題だろう。ウッドショックは、木が余っているのに供給できずに価格が高騰するというおバカな事件であった。

さて、肉厚のマダイや、早生樹の建材は、世間に受け入れられるだろうか。

 

2021/09/23

コロナ禍の割り箸事情

昨日の続編である。

某所から現在の割り箸需要量の情報が見入った。

まず昨年の輸入統計で見ると、竹箸が37.2億膳。木箸(その他に分類)は104.5億膳。合わせて141.7億膳。これが輸入割り箸だ。中国製が多いとはいえ、ベトナム製も増えている。ほかロシア製も少し混じる。

次に国産割り箸の生産量だが、国全体の統計はない。ただ吉野では1億膳に届かないほど縮小している(奈良県内の製箸主力3組合の20年度の生産量は計9127万5000膳)。金沢の最大手・中本製箸や樹恩割り箸グループなども2億膳いかないだろう。そのほかの産地を合わせても3億膳いくかどうか。国産も10年前の半分になってしまった。

つまり合わせても145億膳程度と推定できる。推計からこぼれ落ちたところもあるだろうが、どうやら150億膳に届かないとみてよさそうだ。昨日の想定以上の減少である。

もちろん、これは昨年だからコロナ禍で飲食店需要が壊滅的になった事情もあるが、仮にコロナ禍後の回復を見込んでも、160億膳から170億膳までもどるか危うい。とくに国産は一度縮んだら回復しにくいだろう。廃業してしまいかねないからだ。

割り箸を使い捨てのファスト・カトラリーから工芸品・木工品へと意識の転換を図るべきではないか。

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吉野の製箸会社と吉野高校などがコラボしてつくった「文様割箸」。1膳550円くらい。こうした工夫でプラ塗り箸の座を狙うべきではないか。

2021/09/22

Y!ニュース「割り箸こそSDGsなアイテム。…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「割り箸こそSDGsなアイテム。今こそ復権を」を執筆しました。

9月は全然Yahoo!ニュースの記事を書いていなくて、ヤバいな、これまで最低月2本は書いてきたのに……と少々焦り気味の下旬。別にノルマではない(自分で課したノルマか)何かと忙しかったのですよ、と言い訳しても休業宣言してもいいんだが、とりあえず1本だけでもと、ネタとしては以前から温めてきた割り箸について。ブログでは、すでに幾度も「コロナ禍にこそ割り箸を」とか「ストローを紙にするなら割り箸を」と書いてきたのだから。

ただ驚いたのは、文中にも触れた通り、現在の割り箸需要量の統計が消えたこと。

以前は政府の貿易統計とか業界団体の統計など、いくつかあった(それぞれ数字が違っていた)のに、今はみんな消えてしまっている。白書にも割り箸に関する言及はない。みんな興味を失ったか、そもそも産業として終わったと決めつけたか。

それでも見当としては、ざっと170億膳ぐらい。ただし昨年はコロナ禍で激減しているはずなので、150億~160億膳ぐらいになっているのではないかと推定している。国産割り箸も、以前は5億膳ぐらいは作っていたはずだが、今は半減しているんじゃないかな。

記事には触れなかったが、もう国産割り箸は量で勝負する時期は過ぎて、利益率で勝負すべきだと思う。具体的には高級割り箸の需要開拓を進めた方がよいだろう。とくに家庭用割り箸としてもっと宣伝できないか。我が家では、ずっと吉野杉箸の天削を使っているが、もう快適すぎて塗り箸にもどれない。漆塗料でつるつるの塗り箸よりずっと使いやすい。
大袋100膳入りで550円(税込み)。だとすると、1膳5円前後。年間一人50膳使っても250円なんだから、贅沢というほどのものではない。塗り箸の中には1膳数万円するものもあるし、安物でも1000円くらいはする。(百均のものは塗り箸と言ってもプラ箸か竹箸だろう。)つまり割り箸なら2年間分だ。

ほかにも新たな需要はあるはず。いっそアウトドア用とかバーベキュー用の割り箸なんてのを作り、最後はキャンプファイヤーで燃やしましょう、いやウッドプランクとして新たな調理器材として使いましょう……なんて提案はどうか。

販売量は少なくても利益率が高ければ、商品として成り立つはず。

……とまあ、いろいろ夢見るんだけどね。『割り箸はもったいない?』の続編も書こう、と言い出したのに、どうなるかなあ。

 

2021/09/21

ダイソーのヒノキオイルの成分は?

百円均一ショップであるダイソーが、国産ヒノキオイルを出した、という。

これまでもアロマオイルは売っていたが、それは合成香料で、本物のヒノキなどから絞り出したエッセンシャルオイルではなかったはずだ。だが、今回は、明確に「国産ヒノキから」と書かれている。なんでもStandard Products by DAISO という店で販売しているらしい。

Photo_20210918150402 サイトから借用

まさか、ヒノキオイルが100円で??? 通常数千円するんじゃないのか、と驚いたが、値段は550円だった。それにしても安い。
だが、よく見ると4ミリミットル瓶である。なるほど、それならギリギリ採算は合うか。なお香りは、オレンジ、シダーウッドヴァージニア、ティートゥリー&ユーカリ、ユーカリ、柑橘ブレンド、プレーンとある。主に福井県の木材のほか、東京檜原村や四万十ヒノキを使うらしい。販売価格からすると、原価はどのくらいだろう。多分、厳しい取引条件があったに違いない(^^;)が、逃げずに契約に至っただけでも、ほかの林業地に差がついた。

ダイソー/ヒノキオイル・箸発売

しかし、ダイソーがなんでまた……。実はヒノキオイルだけではなかった。アロマブロックやスモークチップ、カトラリー(箸)などの17アイテムもあった。全国のダイソーで扱うぐらいになれば面白い。そうなると莫大な量が必要だ。オイルはともかく、ほかの箸やブロックなどなら可能ではないか。価格は300円とか、やはり安い。

そんなに売れるとも儲かるとも思える商品ではないが、やはり環境配慮を掲げている。しかし4ミリミットルのオイルは何に使うのだろう……まあ、アロマテラピーの入門編かね。最近は、ヒノキの香りのコロナウイルスへの抗ウイルス作用も指摘されているが……。

ちなみにヒノキには、ヒノキチオールはほとんど含まれていない。もともと発見されたのはタイワンヒノキからで、日本のヒノキにはないのだ。むしろ青森ヒバによく含まれている。ただ木曽檜には若干含まれているというから、ヒノキの品種とか育ち方にも生成に関わるのかもしれない。まあ福井県や高知県のヒノキには含まれていないだろう。

つまりヒノキオイルの成分はヒノキチオールではなく、αピネンなどである。これはヒノキ以外の木にも含まれている。

 

2021/09/20

ベランダのツユクサ

仕事場に面した2階のベランダにプランターを置いているのだが、今年は何も植えなかった。まあ鉢植えはいくつかあるのだが、プランターには一年草系の草花しくは野菜を植えていたのだが……放置状態を続けると、なぜかツユクサの群落ができた。

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これまで生えていなかったのに、いきなり繁茂するということは、どこからか種子がプランターに落ちたのだろう。ツユクサの種子って、どんなものなのか。2階まで飛んでこられるものなのかね。まあ、自然の花壇のようになってよろしいv(^0^)。
ちなみに黄色いのがオシベで、雌しべは下に垂れ下がっている。

とにかく生育旺盛。雑草扱いというか雑草そのものだが、花がきれいなので許せる。食べられるそうだ。その意味では山菜・野菜。

 

2021/09/19

100de名著「群集心理」から学ぶ拙著

今月のEテレ「100分de名著」は、ル・ボンの『群集心理』を取り上げている。

本書はフランス革命とその後の混乱期の洞察から書かれた心理学者の本だが、ネットやSNSが作り出す新しい《群集》の時代に実にマッチしている。とくに第2回の、この言葉が刺さった。

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これまで群集が真実を渇望したことはなかった。群集は自分らの気に食わぬ明白な事実の前では、身をかわして、むしろ誤謬でも魅力があるならば、それを神のように崇めようとする。”

これは、単に群集だけでなく、さまざまな立場の人にも置き換えられる。私なんかは、群集を「読者」「視聴者」「聴衆」、さらには「有権者」に置き換えてもいいと感じた。自らが気に食わぬことを書く・話す者は距離を置かれ(あるいは攻撃対象とし)、間違っていても魅力的なスローガンなり見映えを見せてくれる者になびくのだ。

そしてこの「群集」「読者」「視聴者」「聴衆」「有権者」……を従えようとするには、物事を単純化し、見映えよく感情的なイメージを演出するべし。個別の事実をコツコツ積み重ねたり、思考の過程を示したりするより、結論だけを突きつける。ワンフレーズで断言する。(中身と関係なく)かっこよく堂々と話す。イメージ優先の論法を振り回すとよい。

今始まっている自民党総裁選も、その後の衆議院選挙も、この論法が駆使されるだろう。ならば私も、それをやってみようか、という誘惑( ̄∇ ̄;) 。事実を積み重ねた上で結論を導く帰納法より、先に仮定の結論を出す演繹法。(その後の証明はなおざりでもかまわない。)

もっとも、私もへそ曲がりでねえ。

このブログにしても、普段はいかに冒頭を読みやすくするかに腐心しているのだが、3連休の中日なら誰も読まない(笑)と思って、あえて難しいことを書いてやろうとする。

そして来月発行予定の拙著も、あえて耳障りのよい常識を否定し、読者を揺さぶってみようと試みる。読者は途中で居心地が悪くなるだろうね(笑)。

タイトルが決まった。「虚構の森」だ。英語だと「イマジナリー・フォレスト」かな。“群集”のイメージの中の森をぶっ壊せ!(ワンフレーズ)

2021/09/18

不眠症に初校ゲラ

突然、不眠症になることがある。眠いときに頑張って起き続けて、さあ、もう用事は済んだから寝ようと思ったら、なぜかまったく眠れない。身体は疲れて眠りを欲しているのに、眠れないのだ。昨夜が、そういう夜だった。

おかげで明け方まで意識があって、うとうとしただけで通常の時間に目が覚めてしまった。1日中眠くて、身体が動かない。

今は風呂上がりで少し目が覚めたが、今晩こそ安眠したい。

そこに届いたのが、次回出版予定の本の初校ゲラ。

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これを見て、また眠くなった( ̄∇ ̄;) 。

2021/09/17

騙された?書評『外来植物が変えた江戸時代』

『外来植物が変えた江戸時代 里湖里海の資源と都市消費』(佐野静代著 歴史文化ライブラリー・吉川弘文館)。

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ちょっと驚いたというか、騙された気分にさせられる本だ。

タイトルから外来植物が江戸時代にどんな影響を与えたのか、という思いで手にとったのだが、まずここで騙された。まずサブタイトルに里湖里海とあるように主な対象は湖や海の沿岸部。里山ならぬ沿岸部に人々の暮らしが生態系を変えたことを示している。まあ、その程度の勘違いはいい。
しかし、外来植物というのは何だか今風のヘンな雑草が繁茂するイメージではなく、具体的には、綿、サトウキビ、サツマイモ……など作物なのである。たしかに外来ではあるが、人が有用と思って栽培したのだから、ちょっとニュアンスが違うではないか。

とまあ、タイトルに文句を付けても仕方がない。

そこで描かれるのは、驚きの栽培法なのだ。まず、これらの作物には肥料が必要だ。とくに綿やサトウキビはたっぷり栄養がないと育たない。ちなみにサトウキビは琉球や奄美だけでなく、江戸時代は本土で広く栽培されていたらしい。和三盆の讃岐もだが、遠州などでも盛んだった。そして肥料としていたのが、海草や海藻だったのだ。せっせと池や湖、そして海からアマモやキンギョモ、ホンダワラ……などが採集され、それが畑に入れられたらしい。里山の草木はすでに田畑に取られていたから、足りないのだ。

さらにシジミやアサリも、身はもちろん食べ物だが貝殻は焼いて粉にしたら石灰肥料。これも重要だった。

里山がはげ山になって土砂が流出すると、海が砂地になり、そこにはアマモが繁る……という生態系もあったらしい。山の栄養分が、海に流れ出たのを海藻などの形で陸地に返されるという物質循環があったという。だからホンダワラが商品として取引もされた。

大坂の町では、四国や九州の薪が運ばれて売られたという江戸時代のエネルギー事情は私の問題意識の中にあったのだが、そこに海の産物も加わっていたのである。

ネタばれ的な本の内容はこれぐらいにするが、江戸時代の生態系を見る目が変わった……いうより広がった。鎖国して日本列島の陸地の中の生態系ばかりを考えていたが、そこに水圏が加わり、拡張した生態系の姿が浮かび上がる。それはより複雑になり、巨大な物質循環を築いていたとなると……それを破壊してしまったのは、やはり明治~大正以降なのか。
そして、大きな歴史の断絶をつくってしまった。この本には遠州地方のサトウキビ栽培の資料がなかなか見つからずに困った逸話が記されている。日清戦争後、砂糖生産は領有した台湾になり、本土のサトウキビ栽培は一気に廃れたそうだが、ほんの100年ほど前の繁栄した地場産業が忘れられていた。

今頃、SDGsなんて言って新しがっていられない。温故知新、過去を調べることで新しき社会システムを発見できる。

 

 

«刃物を支える石

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