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本の紹介

2019/02/15

檜タイルの原産地

ホームセンターを見て歩くと、なにかしらの発見があるので好きだ。

 
今回見つけたのは、こんな商品。
 
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檜タイルだそうだ。ヒノキの板が4枚ゴム地で裏打ちされており、そのまま並べることでタイルのように敷きつめられる。これで簡単なフローリングにもできるわけだ。
 
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幅は切り離すことで調整もできるし、わりと融通無碍。きっちり乾燥させているし、これ、なかなか優れものじゃない? 
 
果たしてどこでつくっているのだろうか。このヒノキは……。
と裏返すと……。
 
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な、なんと! 原産地はベトナムだった。
ヒノキの産地はわからないが、日本から輸出してアチラで加工しているわけね。ベトナムは日本の木材の輸出国になっているが、実はこうしてもどってくるものも多いのだ。 
 
しかし、日本が原材料輸出国になったことを思い知らされるなあ。そしてベトナムが加工国。逆転したわけだ。

2019/02/14

再建された興福寺中金堂

約6年かけて建立なった、奈良の興福寺の中金堂を見学してきた。……拝観してきた、とは書きにくい。

 
私はこれまで幾度となく興福寺の金堂復原に使われる木材について書いてきた。ここで使われたのはアフリカケヤキだからだ。おそらく違法伐採されたもの、もしくは適法と断言できないグレー木材である。そういう木材を使うのは、時流に反している。
 
たとえば、Yahoo!ニュースのこれ
 
 
ほかにもブログではかなりしつこく幾度も(笑)。たとえば、これ
 
昨年は、派手な再建楽慶も行われたのだが、私的には、見に行く気が失せた。それでも思ったのだ。現物を見ないで、いつまでも批判するのはどうかと。
 
そこで、一大決心をして(笑)、見学してきた。ちなみに拝観料は500円であった。
まだ金堂周りは完成していないので、境内も歩けるところが限られている。あくまで仮であろうか。芝生を育て、周囲に回廊を建設するようだが。。。 
 
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さて、内部をじっくり……と思ったが、実は写真が撮れなかった。撮影禁止なのだ。
 
東大寺大仏殿などは撮り放題なのに、なんて了見が狭いんだ……と、八つ当たりする。
 
それでも、外から内部をかいま見る。
 
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本尊の釈迦如来座像(木造)と、法相柱と呼ばれる法相宗の始祖14人を描いたもの。
 
内部空間は意外なほど狭かった。大仏殿に次ぐ大きさというのに。建設中の見学では、わりとグルグル回って登って屋根の上まで行けたから見応えあったのだが、完成すると、ほとんど中で動けない。本尊の前を横に数メートルだけだ。巨大な建物の大部分は隠されている。
 
本尊の周りには、四天王像や吉祥天、大黒天などの立像がある。しかし……ちょっと妙に感じたのは、本尊の下こそ白大理石なのだが、その周辺は違う。コンクリートのように見えるが、漆喰だろうか。なんか違和感がある。漆喰の下は石材か。
 
肝心の柱だが、全部赤い塗料で覆われている。ベンガラだろうか。よく見ても、木目さえ見えない。これでは、集成材でもよかった。いや、鉄骨でもかまわないのではないのか。あえてアフリカのジャングルから伐りだした無垢の大木を使った意味がわからん。
 
これが修復や、天平時代の堂宇をできるだけそっくり建てるというなら、一応の理屈になるが、興福寺の金堂は幾度も焼けて再建を繰り返している。前回は享保2年に焼けている。その後は仮堂だった。つまり、今回の金堂は、復原ではないのだ。一応、創建時のものを模したそうではあるが。
 
一応、アフリカケヤキの調達に関しては、「新たに伐採したわけではない」と弁明している。市場に出ているものを購入したというのだ。わけわからん。使うこと自体が伐採を促しているのに。ちなみに現在は伐採も輸出も禁止である。

2019/02/13

Yahoo!ニュース「盗伐しても不起訴…」を執筆した裏事情

Yahoo!ニュースに「盗伐しても不起訴。その背景に透けて見える林業の闇 」を執筆しました。

 
この問題、そもそもは私が約2年前にヨミウリオンラインに執筆した記事なのだが、それゆえ私の中では最初の一報を果たしたのだから終わったつもりだった。後は大マスコミに後追いしてくれよ、と。(もっとも、極めて動きは鈍かった。)
 
それが動き出したのは昨年あたりから。裁判ざたになったことで、マスコミも取り上げやすくなったらしい。いよいよ私の出番はないと思っていたのだが……。
 
それでもウォッチングは続けていたし、各所から情報は入ってくる。それに、新聞社やテレビ局が取材する際に私にコメントを求めてくるのだ。2年前のネット記事が今も生きているからだ。
 
これぞ、飛んで火に入る夏の虫(笑)。私は最新の事情は持っていない。現地の動きもそんなにつかんでいない。せいぜい林業界の裏事情というか、盗伐が起きやすい背景の説明をするだけだ。
だが、その機会を使って私も情報収集するのだよ。記者の現地取材で得た情報とバーター取引というわけ。持ちつ持たれつ。え、マスコミ同士の馴れ合いだって? いや、真剣勝負だよ。
 
 
それでも簡単には記事にできないものだ。この手の記事は、気をつけないと藪蛇になる。記事にも書いた通り、「誤伐か盗伐か」の決め手が明確にないし、時間が経ってからの被害者の言い分は扱いづらい。両論併記は私の信条に合わないし。誤ったことを書いたら攻撃されるだろう。
 
そこに、連絡を受けたのが不起訴に対して検察審査会への申告が行われたこと。
うむ。これは確実な動きだ。しかも、まだ全国マスコミは動き出していない。(地元紙、地元テレビ局だけだろう。) ならば、書ける。
 
というわけでまとめたのでした。こう見えても、慎重なのだよ。とはいえ、しょぼい内容にしないためにギリギリの線を狙っている。

2019/02/12

『誰も農業を知らない』を林業に当てはめる

誰も農業を知らない』(有坪民雄著 原書房)を読んだ。

 
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先に言っておくが、私は農業本もわりと読むのだよ。さらに漁業本も。林業ばかりを追いかけてはバカになる。ついでに経済学だって社会学だって脳科学だって読む。
 
さて、本書は農業本としても出色の出来だろう。私が密かに?思っていたことをズバリ指摘している。それも裏取りされているから、私も安心してこれから引用できる。
 
たとえば「農薬は安全」であり、「遺伝子組み換えの何が悪い」であり、「無農薬がもっとも危険」であり、「邪悪なクレーマー」であり、大規模化は低コストではなく、むしろリスキーであることも……。私は農薬をやたら危険視する人を「真性バカ」か「勉強しないバカ」か「カルト信者」だと思ってきた。現状を知れば、生態系を壊す危険性はあるが、人間の健康への影響を心配する次元ではない。少しは科学を学べよ。自分の頭で考えろよ。
 
ちなみに著者は、元経営コンサルタントで現農家(米作と畜産)。実は私は、随分前に会ったことがあるというか、取材したことがある。わりと意気投合した記憶がある(^_^) 。本書はビジネス系ネット記事で連載したものなので、若干まとまりに欠きバランスの悪い面もあるが、全体は読みやすい。
なお、農業を「誰も知らない」理由は、あまりに多様だからだ。作物も地域も気候も違えば、立場も多様。全体像を把握しているのは政府でも学者でも農家でもない。誰もいない……ということを指している。
 
もちろん私とは意見の相違もあるが、ここで論じられている点を林業に置き換えると、結構見えにくかったものが見えてくる。
とりあえず細かな目次を掲載しておくので、「農業」を「林業」に置き換えてみたらよい。
 
◆目次
◎第1章 第二次農業機械革命の時代
IoTは革命になりうる
もうひとつの革命――遺伝子組み換え・ゲノム編集
農業のイノベーションの歴史
いま、農薬は安全である
農業IoTは地域振興と矛盾する
◎第2章 無力な農業論が目を曇らせる
無知な人ほど言いたがる「農業にビジネス感覚を」
「農業にはマーケティングが欠けている」のか?
大規模農業のアキレス腱
夜逃げする無農薬農家
六次産業化は絵に描いた餅の典型
ハイテク農業の大失敗を直視せよ
日本農業の問題点は戦前から指摘されてきた
なぜ農家は儲からないのにやめないのか
現実の議論をしよう――コメ輸入をシミュレーションする
◎第3章 農家も知らない農業の現実
誰も農業を知らない
農業知らずの農業語り
実は農家が変化するスピードは速い
農林水産省は本当に無能か
ピントがずれている農協改革案
農協解体は得か損か
◎第4章 農業敵視の構造を知る
「農家は甘えている」
農業が儲かっていた時代
「明るい農村」の時代
農家出身のサラリーマンがいなくなる意味
邪悪なクレーマー
明るい材料
◎第5章 新しい血――新規就農・企業参入・移民
脱サラ就農はラーメン店をやるより何倍も有利
誰をバスに乗せるのか――新規就農者に望むこと
農薬を否定する人は農業の適性がない
企業が農業参入で成功するためには
農業は外国からの移民を認めるべきか
◎第6章 21世紀の農業プラン
遺伝子組み換え作物の栽培を実現せよ
兼業農家を育てよ
中央官庁移転は農業道県に
海外市場は開拓可能
辺境過疎地は選別せざるをえない
農協の経済部門を半アマゾン化せよ
地元から優秀な農業起業家を育てよ
「農業経済学・経営学」を農学部から追い出せ
食育を推進し、学校給食予算を増額せよ
農家よ、戦え!
 
最後の「農家よ、戦え!」の冒頭部分を、林業に置き換えてみる。
 
林家は勉強と戦闘力が足りません。ここでいう勉強とは林学や樹木栽培法のことではありません。人文科学、社会科学、自然科学をもっと勉強しなければならないということを言いたいのです。そして得た知識を使って、林業の未来をつぶそうとする者を論破し、孤立に追い込む能力を持たねばなりません。
 
※サイドバーに追加。

2019/02/11

森の救世主?ヤバいコウヨウザン

ちょっと訪れた某森林管理局。

その外向きのガラス壁に妙なポスターがあった。 
 
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森の救世主コウヨウザン現る!」だと。
 
木材価格が低迷している上、スギやヒノキでは50年~60年かかるので子や孫の代まで負担がかかる……と問題を指摘してから
 
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夢の樹木、国内最大のコウヨウザンの林分が庄原市で発見されたとあるのだ。
 
ちょっと無理があるだろ……。(林分なんて言葉も林業家にしか通じない。)
 
庄原市のコウヨウザンの林約10ヘクタールは、元市長が植えたものだが、偶然発見されるもんじゃない。
日本には江戸時代から持ち込まれて各地に植えられている。しかし、ほとんど広がらなかった。ヒノキに匹敵するほど硬いとあるが、材質が日本人には好まれなかった。材質は荒く、どちらかというとマツに近い。この点にほおかぶりしてはダメだ。そもそも外来種なのだ。
 
しかも、林業を救うような書き方をしつつ、植えるのは耕作放棄地とは……。
なぜ、山に植えない。同じ早生種のセンダンも耕作放棄地に植えるといいと説明されているが、こちらは山では育たないから。
 
 
私は何もコウヨウザンを植えるな、と言っているわけではない。建築構造材としては悪くないだろうし、合板用などにも向いているような気がする。一部で植えるのはアリだろう。ただし、造作材向きではなく、林業の主流になるような樹種ではない。
それに中国では600万ヘクタールも造林されているから、もしかして日本に輸出されるかもしれない。
 
あんまり外来種を「救世主」扱いするんじゃないよ、というだけだ。

2019/02/10

若草山の見え方

奈良に行くと、相変わらず観光客が多い。冬でもこんなに多いというのは、近来なかっただろう。まあ、ほとんど聞こえてくるのは外国語だが。

 
そして公園から見えるのが若草山だ。
 
山焼き行事は先月終わったが、その焼けた跡が見える。
 
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春日園地から見える全景。なんか、ヘン……と思ったら、3段に分かれているうち焼けているのは2段目だけ。1段目と3段目には火を入れた様子もない。2段目も完全には焼けていない。当日は天候もよかったはずだが……(私は、静岡に行っていたので、見られなかった)。
 
一説によると、シカがススキを食べてしまって燃やす草が少なかったともいうが、さてどうろうか。ただ、年々燃えにくくなっていると聞く。
 
 
さて、この若草山がよく見える場所を探した。
 
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これは県庁の屋上。なかなか絶好の位置ではないか。
 
それなら、と。県知事の応接室から。 
 
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これもいいなあ。真横から見ている感じ。ここ、山焼き当日に開放してくれないか(笑)。
 

2019/02/09

吉野は桐の産地だった

奈良県御所市には、水平社博物館がある。

 
水平社は、部落解放運動の拠点組織である。その「全国水平社創立宣言」は日本で初めて出された人権宣言であり、世界で初めての被差別者が発信した人権宣言とされている。
つまり奈良県は、「日本の人権のふるさと」なのだ。 
 
それはともかく、私はこの博物館近くをよく車で走りながら入館したことがなかったので、先日寄ってみることにした。
 
水平社博物館は想像以上に立派だったが、そこでは水平社設立に立ち上がった御所市柏原の被差別部落について紹介されていた。
 
その展示の中で、柏原が意外や経済的には豊かであったことが示されていた。言い換えると豊かだから運動を起こせたのかもしれない。
 
問題は、その豊かさの源泉。それは屍牛馬からつくる膠産業があったことが大きいのだか、もう一つ注目すべきは、桐材の加工をしていたということだ。 
桐から下駄などを作っていたらしい。その展示もあった。
 
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桐は成長が早いことと、軽い材質が好まれた。桐材の使い道としては桐ダンスなどが有名だが、その産地というのは限られている。
 
ここで使われた桐材は、吉野から出されていたという。つまり吉野は桐の産地だったらしいのだ。これはちょっと驚きだ。それは植林したのだろうか。 
 
ただ、少し心当たりがあるとしたら、土倉庄三郎について調べていたときのことである。土倉家の祖先に当たる人に土倉平兵衛という人物がいた。1600年代の人だが、彼は桐が好きでよく植えたので、法名は「桐安休葉信士」となったそうである。そして、桐を植えたところは「土倉の桐畑」と呼ばれたと記録に残っていたのだ。つまり、川上村大滝に桐の林があったことになる。 
 
もしかしたら、かつて吉野各地に桐が植えられていたのかもしれない。
 
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これは展示物の写真。戦前に吉野郡下市から出された桐の丸太らしいが、こんな大木があったのか。
吉野では、和紙の製造や漆芸があったことが知られており、コウゾやミツマタの栽培と、ウルシノキから樹液を取り漆芸も行われていたと知られるが、もう一つ桐にも注目すべきかもしれない。スギやヒノキばかりではないぞ。
 

2019/02/07

磨丸太用の「だるま絞り」

先日、静岡の林業家を視察させていただいたのだが、その際にいくつか面白いものを見せていただいた。

その一つとして、こんなスギはどうだろう。 
 
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わかるかな。細いが、表面が凸凹しているだろう。実際に近くで見ると、モコモコとダルマ落とし用に積んだ積木みたいに幹が波うっている。
 
これって、フツーなら傷物扱い? 奇形扱い?で切り捨て間伐したくなる(笑)。
 
だが、これは磨き丸太用の品種なんだそう。天然絞の一種で、皮を剥いて磨けばモコモコが魅力になる……らしい。最近は磨き丸太そのものが売れなくなったから生産も減少しているのに、あえて磨き丸太の中の珍しい品種を植えるとは。
 
とにかく様々な品種を植えているという山主は、意欲的にバラエティのある森づくりをしていた。単に多様な樹種を植えるだけでなく、品種でもばらつかせているわけだ。
 
多様性のある森はリスクヘッジになる。
持ち山は全部で60ヘクタールとか。これは、昨今の林業経営としては狭すぎるだろう。いまどき100ヘクタールでも足りない、数百ヘクタールないと林業経営は成り立たない、とよく言われる。そして大規模化、集約化を求めてくるわけだが、果たしてそうか。 
 
むしろ狭さを活かして、多様な森づくりを試みるという発想があってもよいのではないか。
 
もしかしたら“失われたような品種”をここで温存しておくことで、将来何かをもたらすかもしれない。

2019/02/06

「森林サービス産業」を謳う前に

先日、「“森林サービス産業(仮称)~新たな森と人のかかわり『Forest Style』の創造~”キックオフ・フォーラム」が開催された。もちろん、会場は東京なんで私は参加していない。そんな気軽に東京には行けないのよ。
 
それでもウォッチングはしている。
 
なんでも意図は、「森林空間の新たな利活用を通じた新産業創出を目指す」ことだという。
 
「国民の価値観や余暇活動のあり方、ライフスタイルが多様化するなかで、医療・福祉、観光・交流、教育・学習支援、娯楽等の分野において、森林が有する多面的な価値を積極的に引き出したアクティビティや、森林空間が有する豊かさを活かした利活用のニーズの高まりを見ることができ、こうした取組を通じた山村振興への期待も高まっています。」
 
どうやらすでに「森林サービス産業(仮称)」検討委員会というのがあって、医療・福祉、観光、教育等の分野の業界団体等の参画しているらしい。
 
1 こんな森林リゾートのイメージ?
 
……、ま、意図にさしたる異論はないが、なんか聞いたことがある。そう、森林セラピー事業の時も同じようなことを言っていなかったっけ。今回は森林セラピーについて触れていないが、内容的に重なるだろう。
 
そもそも森林セラピーの元は森林療法であり、これは医療・福祉・教育などへ森林空間を活かす話だったのだが、いつしか観光などを上書きされて、地域起こしネタにされてしまった。その点今回は始めから観光と地域振興に触れている(^^;)。
 
 
実は、同じような話は別の分野でも聞いている。それは環境省からだ。具体的には、国立公園を利用したインバウンドだ。2020年までに外国人の利用者を年間1000万人にするというのだ。これを名付けて「国立公園満喫プロジェクト 」。
そのためには、環境整備と利用規制のルールづくりが必要だとしている。が、なかなか進まない……。 
 
なぜ進まないのか? 地権者たる林野庁が反対しているから(笑)。国立公園の管理権限は環境省だが、その土地は国有林が多く、そちらの管理権限は林野庁が持っている。しかも、林野庁は国立公園に被せるように森林生態系保護地域などに指定している。(加えて世界遺産などもあるんだけどね。こちらは自然遺産なら環境省……なんだが、実は外務省が力持っていたりする。)
 
ようするに省庁間で管理権限のつばぜり合いをしているわけだ。 
 
実際問題として、環境省には予算も人員も少ないことがある。レンジャーが少なすぎてボランティアみたいなアクティブレンジャーまで作っている。だから、林野庁に予算と人員を譲れ、という声まで出ているわけだ。
私も国立公園特別保護区の部分は環境省に任せてもよいかと思うが……人員を譲れというのは、林野庁職員が環境省に移るということ? とりあえず森林専門家は林野庁の方が圧倒的に多いだろう。ある意味、乗っ取れるんじゃないか(笑)。環境省の森林保護の発想は古くさいので、それもいいかな、と思ったりもする。
 
ともあれ、環境省の動きと張り合うように「森林サービス産業」を打ち出した林野庁の裏事情というのを探ってみるのも面白いと思うよ(⌒ー⌒)。
 

2019/02/05

「森と林業の10年」 あと10日

やはり宣伝しておかねばならないか。 

 
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来週15日に大阪で開かれるのが、「森と林業の10年」サウンドウッズ設立10周年記念フォーラム[第2弾]。
今気がついたが、始まりの時間が午後5時半とは。大阪に勤めている人ならかろうじて間に合うか? という時間に設定してある。
 
 
開催日  :2019年2月15日(金)
開催時間 :17:30~20:30 (受付開始 17:00)
講演会場 :近畿中国森林管理局 1F レストラン杣soma
      大阪市北区天満橋1丁目8番75号
参加料  :3,500円(ドリンク軽食付き)
登壇者  :田中 淳夫(森林ジャーナリスト)
      中島 彩(有限会社ウッズ森林管理部)
プログラム:
  第一部 基調講演:田中淳夫
      「絶望の林業から希望の林業へ」
  第二部 トークセッション
     「この先10年に求められる森を育てる人」
      スピーカー:田中淳夫
      聞き手  :中島彩
      進行   :安田哲也
  第三部 懇親会
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■参加お申込みはこちらのwebページから
 
 
目玉は、なんといっても第2部のトークセッション。
 
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思えば二人の馴れ初め……じゃなくて、出会いからもちょうど10年経つはず。大阪で見かけて広島へ追っかけ(^^;)……じゃなくて取材に行きました。その後も、ちょろちょろ節目にお会いして、お互いの近況を話してきました。
 
そんな話も交えつつ、この10年の森林と林業の変遷を語れたらと思っています。
彩ファンの皆さん、必見ですv(^0^)。

2019/02/04

オランウータン・ソープ

突然送られてきた箱。 

 
開けてみると、入っていたのはオランウータンだった……。
 
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いや、オランウータン型の石鹸。下に記されてあるように、「#SOS sumatra」、つまりスマトラ島の(ジャングルの)オランウータンを救え、ということか。
 
送り主は、ラッシュであった。世界的な石鹸メーカーだが、スマトラ島の熱帯雨林を救うキャンペーンをしているらしい。その象徴としてのオランウータン。熱帯雨林がなくなれば生きていけない類人猿だ。
 
で、このソープを購入すると、森林保護 Sumatra Orangutan Society (なんだ、この団体の略号がSOSじゃないか!)へ寄付されるという。そして油ヤシプランテーションにされた森50ヘクタールが買い上げられて再生させるのだという。
 
……油ヤシプランテーションは、どんどん拡大されていることが問題となっているが、実は単に農園にされるだけの問題ではない。多くのプランテーションは十数年で廃棄されているのだ。というのも、肝心の油ヤシの実の収穫量が減ると、そのヤシは伐採されるが、必ずしもその跡地にもう一度ヤシの苗を植えて育てるかというとそうではない。
 
そのままヤシ農園を放棄して、別のジャングルを切り開いてプランテーションをつくることが多いのだそうだ。植え替えるコストがばかにならないからである。
 
しかも切り捨てられた油ヤシは腐敗して水質汚染も引き起こしているそうだし、こちらの環境破壊も馬鹿にならない。
 
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……しかし、なぜ私のところに送ってきたのだ? それに肝心の石鹸はどこで買えるのか書いていないよ(^_^) 。
 
とはいえ、私は学生時代からオランウータンに縁があるので、この石鹸は、大切に使おう。いや、当分は飾っておくかな……。 まさか、この石鹸はヤシ油で作られているのだろうか?
 
先日のはしもとみお展でも、オランウータンの作品があったよ。
 
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2019/02/03

謎の倒木

昨年の台風は多くの倒木を生み出した。とはいえ、もう半年以上。さすがに片づけはほとんど終わった……と言いたいところだが、生駒山中にはまだまだ残っている。

 
一応車も通れる道なんだけど、いまだにこんな状態なところもある。
 
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この周辺にもかなり多くの倒木はあるが、これは道をまたいでいるのが特徴……というか、このままでいいのか? まあ、下を通り抜けられなくはない。ハイキングなら問題ない。バイクも通れるだろう。車は……通れなくもないか(笑)。
私は台風直後に通って、途中で道が崩れていたのでバックでものすごい距離を後戻りした経験がある(泣)。しかし、その時はこんな倒木はなかったから、その後に倒れたのだろう。台風・強風は幾度かあったし。 
 
が、まてよ。この写真をよく見てほしい。なんかヘン。
 
倒木の上に電線が通っているのだ。それも高さの違う2段に5、6本の電線がある。
 
これ、木が倒れる際にどうしたのだろう。電線を伐らずに倒れるなんてありえんだろう。S字カーブを描きながら、電線の間をくぐり抜けたのか? 
 
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いくら眺めても、理解できない。この木が立っていたら絶対に電線に届く高さだったはず。倒れてから動いた形成もなし。まだ太い根っこは残っているし、電線に絡まずに倒れる方法はない。
ただ一つの可能性は、倒木を放置して切れた電線を後でつないだ場合かな。通電を優先して倒木処理を後回しにした。で、そのまま放置した(忘れた)……。
 
あり得ないことではないが、なんかヘン(笑)。
 
 

2019/02/02

はしもとみおのカジュアル木彫

はしもとみお展が、お隣の東大阪市であると知って出かけてきた。 

(※最初、とみおと読んで男か? と思ったが、女性である(^_^) 。)
 
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朝一番に到着したのだが、なかなか満員であった。ごった返している、と言ってよいかもしれない。私も、木彫の個展などにはちょくちょくと顔を出しているつもりだが、こんなに混んでいたのは始めてだ。土曜日であることに加えて、今日は本人が登場して解説するというからだろうか。
 
Hs_gj_h_j_3 みおさんのトーク中。足元にあるのは愛犬の月と、アカミミガメ。
 
大きさも様々だが、実物大のクマから豆粒タイプの動物まで。イヌやネコが多いが、これは実物大でもそんなに大きくない。
素材は主にクスノキであった。ただし、ほかにもいくつかの樹種がありそう。ウォルナット?なども木屑の中には見かけたように思う。
 
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私は動物ばかり彫っているという点にまず惹かれたのだが、簡単に履歴などを知ると少し違う。いわゆる彫刻家と違う。何がというと、いわゆるアート作品とは違う。本人も「作品と呼ばないで」動物の名前だけを名付けている。
当の本人も、「動物肖像彫刻家」となっていた。ペットや動物園など実際に生きている(生きていた)動物をモデルに彫っているのだそうだ。展示しているものも、大半が触ってよし。
 
なんと表現したらよいか。いわばカジュアルカービング
彫刻作家の場合、作品に何らかの意味を込める場合が多いと思うのだが(「生命の息吹!」とか「研ぎ澄まされた野生」とか。)、彼女の作品(じゃないが)には、そうしたメッセージ性がなく、ポーズも生きた動物が取った姿そのままを写し取る……ことをめざしているよう。
むしろ「可愛い」がテーマ? メッセージよりも官能に訴えている。たとえてみれば「純文学」ではなく「童話」かも。
 
製作ビデオによると、大物はまずチェンソーで型取りし、その後手鋸も使いつつ、鑿、彫刻刀で削っている。仕上げはそんなに細かくなく、削り面をわりと残す。そして木目を残す程度にさらりと彩色。最近のチェンソーアートも、全部チェンソーで仕上げず最後に色もつける場合が増えたから、チェンソーアートとの境はあまりないように感じた。
 
あえて言えばチェンソーアートは数時間で仕上げ大物が多いのに対して、こちらは小物も多く表情を重視していることか。
 
 
付け加えれば、注文は途切れず、何年先まで埋まっているとか。アート作品より幅広い需要がある模様。依頼は亡くなったペットを再現してほしいという注文が多いとか。カジュアルというのは、その点からも言える。
木彫の一つの分野として有望だぞ、と思うのであります。
 

2019/02/01

浮島を発見

生駒山は、歩くと何か新しいものが見つかる。

今回は、山中にあるため池の中に、浮島を発見した。
 
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わかるだろうか。池の中に枯れ草を繁らせた小さな島があることを。
 
これは浮島なのである。
 
なぜわかるかって?
 
だって説明板が立っていたから(笑)。多分、じっと見ていたら風などで動くところを見られるのだろう。
 
浮島とは、枯れた水草やミズゴケなどの遺骸が重なって浮いているもの。その上にまた別の植物が生えたりする。大きいものは樹木も生えるし、人が歩けるところもある。
 
ま、写真のものは極めて小さいけど、水底から離れているのだろう。
 
通じいうは水が冷たくて腐りにくい高層湿原などに誕生するものだけど、ここは「生駒山スゴイ!」と言っておこう。

2019/01/31

林業以外に配る林業補助金

林業はいいなあ、補助金いっぱいあるから……という声を聞いたことあるが、どうも林野庁の補助金制度は周辺産業にも拡大の動き。
 
国産木材の活用を促すため、関連産業の支援に乗り出すというのだ。具体的には、林業家などと連携しつつ国産木材で住宅を造る工務店や、家具を製造する会社、そして木材の流通業者など。低い金利で融資を受けられる形で資金支援の対象にし、設備投資や運転資金に使えるようにするのだ。債務保証も行う内容らしい。
すでに今通常国会に農林漁業信用基金の資金供給と債務保証制度を拡充することを可能にする法律改正案を提出する模様。
 
 
もともと林業の補助金は、植林からスタートしてどんどん各施業にも就くようになり、とうとう昨年から主伐にまで就くようになった。それらは一応、林業家向けだ。
 
林業家以外となると、2000年代に新流通加工システムや新生産システムのように合板製造企業や製材企業に出したことがわりと大きな動きだったように記憶する。だが、いよいよ川上~川中、そして川下まで下っていったか。
 
何やら私が『森林異変』で提案した「大林業構想」を地で行く拡大ぶり。狭義の林業から周辺産業まで含めて全体像を捉えようという問題提起のつもりだったが、まさか補助金対象にするとは思わなかったよ(-_-;)。
 
もっとも、それだと最後はリサイクル木材、つまり廃棄物処理業界も含めないとなあ。バイオマス発電の燃料生産をしているから、十分に林業と関係あるよ。
 
日本は財政危機だと言われているけど、林業関係ならば使い切れないほど配る金があるということだろうか。
すでに林業関係分野には、配りたくても受け取り手がいないほど潤沢だ。どんな小さな事業体でも、林業やっていたら債務保証してくれる。さらに森林環境税で市町村にもつかみ金。それでも余るから、対象を拡大するのだろう。
 
財務省、そして国会も、この法改正案を通すの?
 

2019/01/30

台風と皆伐地と風倒木

私が大面積皆伐を嫌っているのは、おそらく本ブログを読まれている方なら知っているだろう。

  
ただ、以前は皆伐も悪くないと主張していた時代がある(^o^)。
なぜなら、皆伐すれば伐採跡地は一時的に草原となるからだ。そこには草原生態系を成立するだろうし、それが周囲の森林地域とモザイク状に組み合わされば、さらに生物多様性が増すからだ。里山を頭に描いてもよい。雑木林と田畑や茅場がモザイク状に配置されることで非常に多様性のある環境と、そこにさまざまな生物が生息するようになる。
もっとも、その際の皆伐は小面積、せいぜい1~5ヘクタールを意識していたのだが。
 
現在でも、そんなに大きく意見は変わらない。森林だけがあればよいわけではない。また林業的には、完全な択伐は技術的に難しく、また木材生産の効率もはかばかしくないだろうから、経営的にも難しくなる。やはり一定のまとまった伐採地はほしい。だから、群状間伐(皆伐)のようなものがオトシドコロかな、と考えていた。小さな伐採地をモザイク状に散らした状態だ。
たとえば数十メートル四方の皆伐を森林内に点在させるのである。一カ所の伐採面積がどの程度まで可能なのかは研究を待ちたいが……。
 
 
さて、長い前置きになったが、静岡大学の大学院生による研究に触れる機会があった。
 
その中に「台風によるギャップ拡大現象の発生メカニズム」なるものがある。簡単に言えば、台風のような強風下でギャップ(伐採地)周辺の木々の風倒現象を調べたものだ。
 
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ポスター発表の一部を抜き出した写真だが、下の方をよく見てほしい。これは一カ所の伐採跡地に見えるが、実は2カ所だったそう。上部の広い皆伐地の下に緩衝帯となる森林を設けた上で、小さな伐採地があった。
 
ところが台風で緩衝帯部分の木々が倒れてしまったのである。結果的には二つの伐採地がつながったようになってしまった。言い換えると、伐採によって生まれたギャップが台風で拡大してしまっている。
 
なぜ強風で風倒木が出るのか。それは風の強さだけでなく乱流が発生してしまうからだというが、詳しいメカニズムは十分に聞くことができなかった。ただ、モザイク状に小さな皆伐地を森林地域全体に散らした場合、もしかして連鎖的に倒れてしまう可能性が?
小さく多くの伐採地をモザイク状に作れば、森林の辺縁部の面積は必然的に広くなる。そこに風倒が発生しやすくなるとしたら、より倒れる木が増えかねないのだ。
 
もちろん緩衝帯の幅をどれぐらいにするかなど細かく見るべき点はあるが、私の発想であるモザイク皆伐施業も、下手すると危険かもしれない……と思わせたのであった。
 
う~ん。悩ましい(´_`)。

2019/01/29

町立林業学校!

全国各地で林業スクールの開校計画があることはこれまでにも伝えてきた。今春にもオープン予定のところがいくつかあるが……。そのほとんどが道府県によるもの。
その中で目立つのは市町村立だ。
 
にちなん中国山地林業アカデミー 」を開校するのは、鳥取県日南町。今年4月から開校する全国初の町立林業学校だ。町の担当者によると、高齢化と人材不足で安定的な木材確保ができず工場が停止するケースや、町内の林業事業体では人材育成できず新規雇用が進まないからという。
 
定員は10人程度で、在学期間は1年間。町が出資する産業振興センターが委託を受けてアカデミーの運営を行う仕組み。生徒募集の条件は、18歳以上で卒業後に林業分野に就職することなど。推薦と一般入試があり、授業料は年9万6000円。
前期(4月~11月)を「実践訓練期」として、技術に加え労働災害対策を指導する。後期(3月まで)は「就業準備期」であり、林業事業体でのインターンシップなどで就職を支援。 なお遠方の人向けに町営住宅や空き家などのあっせんもする。
 
ちょっと魅力的なのは、この町の森の大部分はFSCの認証を受けていること。現在1万9500ヘクタールにもなっているという。そのうち町有林668ヘクタールを演習林とするという。林業大学校で、これほどの面積の演習林を抱えているところはない。大学だって、こんなに広い演習林を持つのは、北大と東大、京大……を除くといくつあるか。
森林認証を取得したところでは、どんな施業をしているかわからないが、一味違うのだろうか。
 
労働災害対策に力を入れるのはよいが、講師役はセンターの職員と林業現場で働く人を招くという。 う~ん。よい人がいますように。
 
実際のところ前期の半年で教えて、後期は実践というか仕事はしながら学ばすOJTということだろう。まさに即席のワーカー養成である。
 
それにしても、本当に林業の現場従事者がそれほど足りないのだろうか。 一時的に不足しているとしても、いつまで続くか。卒業後に全員が町内で就職できるほど募集があるとは思えないし、また当人たちの希望も必ずしもそうではなかろう。
それに人材育成は、舵取り役も含めて考えてほしい。
 
 

2019/01/28

保持林業の実践地!

昨日は、「保持林業」という本を紹介した。(サイドバーに掲載)

 
簡単にもう一度紹介すると、保持林業とは、皆伐する際に広葉樹など一部の樹木を残し、森林生態系を回復しやすくする手法だ。海外では広がっているという。日本でも北海道などで実験的に行われているというが……。
 
なんと、私は先日実践している林家とその森を訪ねたのである。まずは写真を見てほしい。
 
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林家の希望により、名前はもちろん場所も明かさない。(北海道ではない。)
 
ちなみに、この林家は、「保持林業」のことを知って実践したわけではない。自ら考えるところがあって広葉樹を残したのだという。また太い針葉樹もいくらか残している。かといって、種子散布を期待するような保残木施業でもないようだ。 
よく見ると、残された樹木はサクラやコナラ、カシ類が多いか。一部では、残すだけでなく広葉樹の苗を植えている。クスやケヤキなどがあった。
 
「広葉樹が好きだから」と理由を語ったが、完全に皆伐するのは忍びない気持ちがあったのだろう。経験則でも、少し樹木を残した方が、その後の植生の回復が早いこと。そして日陰ができて、作業が楽であることを考えたのだそうだ。
また、父の代から樹種も多く植えてきた。なかにはテーダマツなんてのもある。一方で流行りのコンテナ苗も試している。研究熱心なのである。
 
話を聞いても、全国の著名な林家や林学研究者のところを訪ねたり招いて話を聞いていた。実に熱心な篤林家であった。 
 
「保持林業」を読み終えたばかりで、その実践地を目にすることができるなんて、ついている。
 
ただ、せっかく残したカシの大木がナラ枯れで枯れてしまうなど、思い通りに行かない面もあるようだ。それも森林ゆえであろう。想定通り行かないからこそ、多様な試みをするというのが、リスク管理である。
 
そういや、私もタナカ山林の皆伐時にシンボルツリー的に大木を数本残した。もしかして、これも保持林業? 私も知らぬうちにやっていた!!よし、我がタナカ山林も保持林業実践地として公開しよう( ̄∇ ̄) 。  
……もっとも、残したコナラやアベマキの半分は、その後ナラ枯れで枯れてしまったのだが。
 
 

2019/01/27

書評『保持林業』

『保持林業』(柿澤宏昭+山浦悠一+栗山浩一[編] 2700円+税 築地書館)を読んだ。

※サイドバーに掲載してリンクを張っている。
 
分厚くて高い本である。多人数の編著は論点がばらついて読みにくく、あんまり気が進まなかったが、文献として必要だろうと。
 
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読み終えて感じたのは、新たな林業界の方向性を紹介していて、興味深かった。編著も読むもんだ。 
 
最初に「保持林業」とは何かと説明しておくと、retention foresty の訳語として考えられたもの。
基本的に皆伐施業が前提である。だが、より生物資源の一定の保全と生態系の復活がしやすくなるようにすべての樹木を伐採せず、立ち枯れ木や生立木を残す施業法である。木材生産をしながら生物多様性を保全する、しやすくなるための施業と考えたら良いだろうか。
 
これが択伐などと違うのは、択伐は木材とする木を選んで抜き伐りするのに対して、こちらは生物多様性を残せるような木を選ぶこと。正反対の発想だ。
完全な森林保全にはならないが、その木があることで回復が早くなるとか、動植物の絶滅を防げるなどを意図する。
 
また傘伐など保残伐施業とも違う。そのため従来の言葉を使わずに新たに考えたのが「保持」だというのだが……はっきり言って語感がよろしくない。また保持という一般用語のイメージもあって、イマイチ林業や森林生態に関した言葉としてはこなれていない。この点は、私的には不満である。もうちょっと言葉が喚起する人々の感性にはこだわってほしかった。
 
ともあれ、世界的に注目されていて、今や1億5000万ヘクタールの森林で実施されているという。なお森林認証制度とも関わっている。これほど広がっているのに、日本にはほとんどこれまで紹介されなかったのはなぜだろうか。保残伐施業と混同していたのか。
 
では、どれぐらい残すのかと言えば、5~20%と幅があるようだ。皆伐と言いながら2割残せるのなら悪くはない。非皆伐施業と較べると、伐りすぎだが……。(もっとも、日本なら2割も残したら皆伐じゃないからと補助金対象から外れるだろう。)
ただ皆伐の場合と較べて木材生産量が落ちることや、選木眼も重要となるだろう。
 
詳しい世界的な状況や、技術的な面については本書を読んでほしいが、日本でも研究的に試みている森はあるし、民有林で挑戦する林業家もいるらしい。
 
とにかく施業法の選択肢を増やすという点からは注目に値する。何がなんでも全国画一的に行わせようとする林野庁の“悪魔の施業計画”から外れるためにも、選択の一つに加えられたら。
皆伐から完全保護までさまざまな森林に対する人の関わり方があって、所有者・管理者が将来まで目を配りつつ考え、自分で選ぶというスタンスを持たないと救われないと思うのである。
 
より貪欲に世界の潮流をつかみ、咀嚼するためにも、本書は価値があるのではなかろうか。
 
目次等を引用しておく。
成熟期をむかえる日本の人工林管理の新指標
オリンピックを契機として森林認証が注目されるなか、

そdiv>環境に配慮した伐採をどう進めるかがクローズアップされている。

だが、生物多様性の保全に配慮した施業のガイドラインは存在しない。
本書は、欧米で実践され普及している、
生物多様性の維持に配慮し、林業が経済的に成り立つ「保持林業」を
第一線の研究者16名により日本で初めて紹介。
保持林業では、伐採跡地の生物多様性の回復・保全のために、
何を伐採するかではなく、何を残すかに注目する。
北海道道有林で行なっている大規模実験、世界での先進事例、
施業と森林生態の考え方、必要な技術などを科学的知見にもとづき解説。
生産林でありながら、美しく、生き物のにぎわいのある森林管理の方向性を示す。
はじめに
第1章  保持林業と日本の森林・林業………………… …山浦悠一・岡 裕泰
第2章  アメリカ合衆国における保持林業の勃興…………中村太士
第3章  カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の事例
             ── 保持林業が渓流生態系に及ぼす影響……五味高志
第4章  保持林業の世界的な普及とその効果
              ── 既往研究の統合から見えてきたもの……森  章
第5章  北海道の人工林での保持林業の実証実験………尾崎研一・山浦悠一・明石信廣
第6章  保残木が植栽木・更新へ与える影響…… ………吉田俊也
第7章  保持林業と複層林施業……………………………伊藤 哲
第8章  諸外国の生物多様性を保全するための制度・政策…柿澤宏昭
第9章  日本における生物多様性配慮型森林施業導入の課題と可能性…柿澤宏昭
第10章  生物多様性の保全を進める新たな手法…………栗山浩一・庄子 康
おわりに
 
 
 

2019/01/26

アスペン材の驚異

先に「未来の中国は森林大国? 」という一文を書いた。

 
中国の植林面積がどんどん増えて、近く木材生産も盛んとなり、森林大国、林業大国になるんではないか、という想像を描いたものだ。
 
それを補強するものを目にした。
 
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これは何の木材だと思う? アスペンなのである。ポプラの一種で、和名はドロヤナギ。アメリカ原産でホワイトイプラなどと呼ぶ。
 
そのフローリング材。左の白いのが無垢材で、右の2つは熱処理している。なかなか美しく、日本人好みの柔らかい表情をしている。針葉樹みたいな木目だが、広葉樹材。表面は、結構硬い。
早生樹でもあるから、世界各国で盛んに植林されている。とくに中国では半砂漠地帯の緑化に使われてきた。その面積は、おそらく日本の国土の何倍かになるだろう。 
 
ただ材質は柔らかくて耐久性も低く使い道があまりないとされてきた。集成材や合板、パルプ材、OSB、LVLから家具の一部など。日本ではアスペン材でつくられた割り箸が入ってきているが、その材質を思い出してほしい。白くて柔らかいが、ちょっと荒い感じ?
 
木材消費の一角としては食い込むだろうが、建材などの国産材と競合することはないと思っていたが……なんの、このフローリング材を見てみよ。魅力的ではないか。ちなみに、この製品はエストニア製だそうだ。 
 
エストニアなど北欧からの輸入も考えられるが、もし中国産アスペンが、このような製品となって日本に来たら、価格も安いだろうし、太刀打ちできるか?
 
そのほか、中国南部ではコウヨウザン(広葉杉・中国杉)の植林面積もとてつもない。これは日本のマツ材に似ているし、柱や梁など構造材などスギ材、ヒノキ材の代用にもなるだろう。またユーカリやアカシアも植えられていて、家具材にもなっている。
 
覚悟しておいた方が良い。
 
 

2019/01/25

盗伐問題にのほほん答弁

厚生労働省の「毎月勤労統計」のデータ不正が問題になっている。

 
たまたまニュースを見ていたら、野党はもちろん、与党も怒っている。珍しい光景だ。どちらも怒っているのに……その中でのほほんな答弁をしている官僚。あくまでミスであって、故意にやったのではないという姿勢で押し切ろうとしている。力説するというより、私知らないもんね、と開き直ったような態度。
 
すごい度胸だ、と思っていたが、何か同じ光景を見た気がする、ことに気がついた。
 
しばらく考えて、これだ、と思い出す。昨年12月11日の農林水産委員会だ。
 
 
田村議員は宮崎県えびの市で起きた盗伐問題を取り上げたのだが、当然ながら厳しく追求する。そこに政府の小里康弘農林水産副大臣が答弁に立つ。彼は自民党の衆議院議員だが、現地を訪ねたことを話し、ケシカランことだ、警察とも連携するよう厳しく伝えた旨、報告する。それに対して、田村議員は謝意を示すのである。
共産党が政府を褒めるのだから、なかなか珍しいんじゃないか……と思っていたが、次に牧元幸司林野庁長官が答弁に立ったのだが、そこで口にしたのは
 
「盗伐と言われていますが、誤伐か盗伐かはわからない……」うんぬんという発言。
 
いやあ、これまた度胸あるわ。
 
盗伐と認めたくないらしい。できれば誤伐に済ませたいニュアンスだ。なぜなら盗伐なら刑事罰だが、誤伐ならわずかな賠償金で済むからね。あくまで林野庁は業者の味方。
ちゃんとコンクリートの測量杭がある山なのに、誤伐というのは度胸ある。しかも一カ所ではとなくて頻発しているのだから。与野党の声を無視したのほほん答弁。
 
しかも林野庁はクリーンウッド法で違法木材を扱わないようにする……とか。この法律、違法木材を締め出すとは条文のどこにも書いていないのだけど。あくまで「合法木材を推進」で終わらせている。罰則もないし、そもそも登録していない業者は関係ない。
 
こんな繰り返しで国会の質疑は進むんだろうな。。。
 
 

2019/01/24

Yahoo!ニュース「林業で見えた。外国人労働者の…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「林業で見えた。外国人労働者の受け入れは日本人の定着率の低さをカバーするため? 」を執筆しました。

 
 
限界までタイトルを長くすることに成功した(笑)。
 
せっかく大阪の森林の仕事ガイダンスに行ってきたのだし、今週末は東京でも開かれるのだから、何か記事を書こうと思って、以前から持っていた研究ネタなどと合わせて考察したもの。ただ、本当に外国人も山の中で働きたいと思うかどうかは不明。やっぱり都会をめざすのではなかろうか。
 
 
今回、もっとも工夫したのは、タイトルを長くすることと、やはり写真。
 
前回の「花粉症」ネタのように、きれいな外国人のネエチャンが山で草を刈っている写真はないかと探したのだが、なかった(当たり前!)ので、手持ちから選んだもの。
と言っても、切り捨て間伐や下刈りの写真はそんなにないのだよ。林業関係の写真ストックは相当あるのだが、そういう場面にあまり遭遇していないようだ。
 
ようやく見つけたのを使った。写っている人は小さいから顔もわからないと思うが、日本人である(^^;)。
 
もし下刈りをしている写真、もしくは細い木を林内に切り捨てている写真を持っている人、よろしければフリー素材としてお貸しください。いつ使うとは言えないが、また必要になるときが来ると思う。使用料は払えないが…。

2019/01/23

長崎県の「スーパー林業特区」を知ってる?

長崎県に「スーパー林業特区」なる構想があることを知った。国家戦略特区に採用されるよう政府に提案中のようだ。
 
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長崎というと、あまり林業県のイメージはないが、対馬を中心にそこそこ木材生産はしている。旧鍋島藩の森も残されている。
 
そこでどんな特区を望んでいるのかというと。
 
【提案】固定資産課税台帳データ活用による林地台帳の整備促進
【提案】新たな森林管理システムによる所有者不明森林の流動化促進
【提案】外国貿易船の不開港への直接入港を可能とすることによる 原木、製材品等の輸出
【提案】検疫官の臨船が不要な無線検疫を拡大することによる 原木、製材品等の輸出拡大
【提案】農業法人等が共同出資するグループ運送会社の新設による 農林水産物の安定出荷体制の整備
【提案】特殊車両輸送の許可手続き一元化による大型CLTパネルの需要拡大
 
前半は新たな森林経営管理法などに基づく所有者不明山林などの整理だが、興味深いのは後半。主に貿易に関する項目が並ぶこと。
韓国で日本のヒノキブームが起きているが、長崎県ヒノキ産地でもあるし、もっと輸出を拡大したいのだろう。対馬材を、いったん九州本土に運ばず、そのまま韓国に輸送したら随分手間もコストも下げられる。
 
 
そして、CLTの大型パネルを運ぶ車両の緩和というのも面白いところに目をつけた。
欧米では、CLTはかなり巨大なパネルのまま輸送している。一辺が10メートルもあるパネルを巨大トラックで輸送するそうだ。そんなパネルが使えるからCLTも有効だと言えるし、コストも下がるが、日本だと最大何メートルまでだったか。6メートルを超えるのは難しいだろう。道路関係や運送事業法関係で制限されている。だいたい道路事情も悪い。
 
 
<経済効果> 県全体を森林整備した場合 年間売上164億円  新規雇用900人
※年間輸出額 21億円 (中国、台湾、 韓国、ベトナム 向け)
 
この見積もりがどこまで正しいのかわからないが、目のつけどころとしては悪くないと思う。ただ提案にある緩和案が本当に正しいのかもわからない。
 
たとえば関税法や、検疫法の用件を緩和するのはどうかなぁ。
松くい虫(マツノザイセンチュウ)が日本に入ってきたのは長崎港からだった。それが日本のマツを枯らしているのだから、検疫には万全の体制で臨むべきだと思うが。
 
巨大CLTにも、それほど需要があるのか首をかしげる。
 
 
この特区のコンセプト自体は、政府が掛け声上げている「林業の成長産業化」路線にぴったりと合っている。だが、その路線の正否を怪しく感じるのだから。気がついたら、木材輸出もCLTもしぼんでしまい、残されたのははげ山だけになりませんように。
 

2019/01/22

BS「奈良のシカ」番組

昨夜、BSプレミアムで、「奈良のシカの“野生”を見た!」 という番組があったのをご存じだろうか。文字通り、奈良のシカを取り上げたドキュメンタリー。
 
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「ワイルドライフ」という番組なのだが、これいつも海外の動物を取り上げることが多い。言い換えると外国の番組を購入しているように思えるのだが、今回は自前で制作したようだ。
なかなかの出来だった。丸1年取材をしたらしく、よいシーンがいっぱい。とくに撮影スタッフがシカに蹴り倒される?シーンは見所だ(笑)。
さらに親シカとはぐれて死んでしまう子鹿や、メスを20頭以上囲い込んでハレムをつくって、必死で逃げられないように囲い込んでいたのに人間に捕まって角を伐られてしまい全部逃げられてしまうシーンは、涙ぐむ?
 
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朝、県庁に出勤するシカや、奈良女子大に通学するシカもとらえていた。
 
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番組の冒頭に紹介していたが、ここまで人になれた野性シカは世界的にも珍しいし、それには1000年の歴史がある。そして外国人観光客のイチバン人気なのだ。
 
私自身は、奈良観光に古寺古社に仏像ばかり宣伝するのはもったいないと思っていた。こうした宗教施設は、異教徒である大半の外国人にはさして響かない。単に一度見たらオシマイ。大仏はさすがに大きさで圧倒するが、もっと大きな仏像だって世界中にある(ただし、石仏)。
その点、動物はファンが生まれてリピーターにつながるのだ。だから奈良観光には絶対シカの方が魅力的だよ。
 
この番組を見て、ナラシカ(奈良のシカ)に興味を持たれた方は、より深く知るためにも、この本を一読くださいv(^0^)。 
 
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2019/01/21

『新・冒険論』と私の探検?論

三浦雄一郎が、アコンカグア登頂を断念したようだ。

正確には、彼をサポートするメンバーが、彼に断念させた。本人は悔しかっただろうが、それに従った。それなりに勇気のいることであり、彼なりの判断である。 
 
ちょうど昨夜、『新・冒険論』(角幡唯介著・集英社)を読み終えたところなので、ちょっと両者の主張・行動を照らし合わせてしまった。
 
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この本は、文字通り「冒険とは何か」を論じており、それを「脱システム」であると断じてその論証を試みている。現代のテクノロジーから人々の関わり、世論まですべての現代人を取り巻く状況こそがシステムとして、それからいかに脱するかを冒険だと定義づけたわけだ。
 
細かな論考は本書を読んでいただきたいが、私も若いころはそんな哲学的な考察をずっと続けていたなあ、と妙に懐かしくなり、当時を思い出してワクワクした(笑)。なんたって、私も探検部出身である。余談ながら今年は静岡大学探検部創設50周年に当たるのだが……。
 
ただ私自身は冒険には興味がなく、むしろ遠ざけており、こだわったのは探検である。本書でも冒険と探検の違いを、どちらもおなじ脱システムだが「探検はシステムの外側の未知の世界を探索することに焦点を当てた言葉」であり、「冒険のほうはシステムの外側に飛び出すという人間の行動そのものに焦点を当てた言葉」と定義している。
 
私流に言えば、探検は未知の知識を求める行為であり、冒険は人間のフィジカルな面を表に出した行為だと分類している。
そして私自身は、学生時代から「できれば毎晩旅館に泊まって温泉浸かりながら探検したい」とうそぶいており、肉体的にきつくて危険な行為はなるべく避けてきた(笑)。探検を行う上で、ほかに手段がないのなら仕方なく肉体を使うし危険なこともするけど、できればしたくないという主義だ(⌒ー⌒)。
 
 
いずれにしろ、私は本書の主張を99%支持する。たとえば北極点到達の場合、GPSを使って進む方向を機械に教えてもらい、物資の輸送や帰り道は飛行機に頼るなんて冒険ではないだろう。それって現代社会の「システム」にどっぷりつかっているではないか。
また本来は脱システムであり冒険的であった登山も、今や山岳会が跋扈してルールが徹底してそれから外れたら指弾される有り様である。百名山ブームとか山ガールブームとかなんだ? ブームというのは物真似だ。もっとも先鋭的だったはずのアルパインクライミングさえ、ネットに掲載されている「みんなの登るルート」ばかりに集中する。
 
そんなにシステムから離れたくないのか。管理されたいのか。そんなの人間として生きる力を失っているんだよ……と著者は書いている。いや、書いていないけど、私は行間から勝手に読み取った(^o^)。
 
冒頭にもどると、三浦さんは年齢という世間の見る目(これもシステム)から脱しようと86歳の高峰登山を企てたのだけど、徹底的にサポート体制を整えたシステムの中に浸かって実施しようとした。結果として、同伴ドクターのストップがかかり、それに従ったのだから、システムから脱することはできなかったのだろうなあ。
 
 
本書の「終わりに」では、誰もが管理されたがる時代となったことを嘆く。それは内向き、不寛容、閉塞……などの言葉で表される現代の日本人の根幹かもしれない。管理されることに慣れきってしまった精神(自ら管理してもらいたがっている精神)があるのではないか、と述べる。
 
なぜ管理されたがるか。自ら判断せず他者に決めてもらったり自力ではなく頼るのか。他者の決めた枠の中から出ようとしないのか。出ようとした人を攻撃するのか。それはシステム内に居すわることで、便利さと安全が提供されるからだ。
 
もっとも震災など大変動の前では、GPSも携帯電話も使えなくなり、ネット情報からも遮断される。電気がなくなれば便利な道具の大半か使えなくなる。そのときこそ「冒険」で培った技術や精神が生きるのかもしれない。
 
さて、私も「温泉付き探検」であっても管理からなるべく外れて生き残る力は保持したい。便利さと安全は求めるけれど、未知は探し続けるだろう。ただ地理的空白がなくなった現在、新たな未知はどこにあるか。
実は森に入ることはその一つである。人の道から外れ獣道に分け入ると意外な動植物に出会う。地表ではなく樹上を覗いてサルの目ムシの目で見ると、景色が変わる。人の痕跡のない場所で森の歴史の痕跡を発見する。方向がわからなくなってテンションがハイになる中で途方もない人類進化論のアイデアを思いつく。
 
 
本書を読み終えた翌日(正確には未明までかかったので 本日)ということで、さっそく裏山の道のないルートを登って遭難してこようと思った。私が遭難と呼んでいる行為は、まさに一時的にシステムから脱出するためだ。もちろんGPSは使わない。ただ夕飯の時間までには帰宅しなければならないというシステムを逃れるのは簡単ではない。
 
ところが、なんと雨がちらつきだした。それに寝不足で体調不良。濡れるのヤだし、安全のためには、こうした日は山に入らない。
 
そもそも道のない山に未知はない……か。う~ん。

2019/01/20

森林の仕事ガイダンス2019

予告通り、森林の仕事ガイダンスin大阪に行ってきましたよ。

 
まず目立ったのは、トークショー。
 
Dsc00614昼の部は、黒滝村森林組合(奈良県)の梶谷哲也さんと、司会の葛城奈海さん。 
 
この二人のトークショーはもう何度目なのか。葛城さんも梶谷さんも、まだ(林業界では)新人の頃から幾度もガイダンスだけでなく、林業系のイベントには出演してきたはず。なんか、慣れを感じる(笑)。幼なじみの対談じゃないんだから、と思わず突っ込みたくなった( ̄∇ ̄) 。梶谷さんの話し方も上手くなって、ちゃんと落としどころを掴んでいるわ。
 
Dsc00616
 
 
さて各ブースをいくつか回ったのだが、その一つが福島県であった。もともと私が顔を出すのは、相談者がいなくて暇そうな オイオイブースを選んでいるのだが、福島県はかなり暇だったよう。
思わず「よく大阪まで出展しましたね」と声をかけてしまった。
 
実際、西日本からすると東北は遠いし、とくに福島は東北なのか北関東なのか区別がついていない人が多いヾ(- -;)。そのうえ林業のイメージが薄い。また原発事故の問題もあって、林業、大丈夫なの? と思っている人も多いはず。
 
実際、東京に出している延長で「福島もありますよ」という宣伝のつもりで来ています」とのことであった(笑)。なお放射性物質の問題も、当然残留値の高いところで林業はやっていないし、もう8年経ってほぼ地表に落ちて土壌に吸着されているし、樹皮に残っていたとしても皮は剥くので影響はなくなっている。
 
私も、求人から離れて林業全般の四方山話。会津の雪はすごいとか、磐城高箸の話題も出ましたv(^0^)。
 
Dsc00621
 
 
ほかのブースでも同じかな。みんな四方山話してきました。それなりに得るものもあり。それらは今後、機会を設けて公表することもあるだろう。 

2019/01/19

『山漁村生活史辞典』の価格!

ふと古本屋で見つけた本。

 
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山漁村生活史辞典とは。40年近く前の本である。シリーズの1巻であるが、ばら売りらしい。
 
手にとると、驚きの内容だった。山村と漁村の生活、生業が図版で紹介してある。古今の古文書の絵を抽出しているのだ。 これは有り難い。各書を個別に調べないで済む。
 
たとえば……。
 
Img002
 
林業関係も多くページを割いており、多くは「吉野林業全書」の引用だが、ほかにも木曽や秋田の林業書などから引用されている。
林業だけでなく、金銀鉄、石炭など鉱山系も多いし、木工、木炭、狩猟、漆、紙漉き、そしてコンニャクまである。
 
こういう文献は、昔の世界を知るだけでなく、現在にも応用が効く分野もあるので興味津々。昔の獣害対策なんてのは、今も通用するかもよ。
 
Img003
 
いやあ、面白い文献だ。こうした文献は、新刊書ではなかなか見つからない。でも、高いんだろうな……。
 
と思って値段を確かめると! 表紙にシールが張られていましたよ。
 
200円。税込み。
 
いやあ、たまりませんわ。重いけど、即買いました。

2019/01/18

森林総合監理士PRサイト

森林総合監理士PRサイト  なるものがあった。
 
森林総合管理士の皆さん、知っていた? 資格を持っていても知らない人も多いのではないか。知られざるPRサイト(笑)。
 
どこが作成したのか書いていないが、まず林野庁系だろう。内容も、これまで林野庁サイトで説明していたことを繰り返しているだけである。
 
ただ、ちょっと驚いたのは、森林総合管理士の資格を持っている人の一覧とか活動実績報告書のページにリンクしていた。これは林野庁のサイトなのだけど、これまで気がつかなかった。まだ少し目を通しただけだが、なかなか面白い。
 
 
登録者数は1169人である。北海道は124人。これは面積から理解できるが、岐阜県が87人と異常に多い。こちらには地域森林監理士という資格もあったはずだが……。
せっかくだから奈良県を見てみた。すると31人もいる! 奈良県森林総合監理会に属しているのはこんなにいないはず……。
ようは活動可能地域に奈良県が入っていればよいので、全国とか関西地域としている人が加えられているのだ。必ずしも奈良県(近郊含む)に住んでいるわけではなさそうだ。おそらく林野庁の職員だろう。
 
 
ともあれ、この資格を使って「何ができるのか」ではなく、「何ができたのか」を楽しみに読んでみよう。
 
 

2019/01/17

ヨコジュン死去と改元年の物故者

横田順彌が亡くなったニュースが入ってきた。

 
横田(ヨコジュン)は、SF作家ではあるが、むしろ古典SF研究家、あるいは明治研究家としての方が有名ではないか。あるいは小説家としてはハチャハチャ小説の創始者として知られる。これはユーモアとかお笑いというよりは駄洒落のオンパレードでハチャハチャ……な内容で有名だ。が、同時に明治を舞台とした骨太で痛快な小説やノンフィクションも多い。
 
最近では、NHKの大河ドラマ『韋駄天』の第1回目に「天狗倶楽部」なるものが登場して押川春浪もメンバーにいたところが描かれたが、彼らを発掘し世間に知られるようにしたのもヨコジュンと言ってよいだろう。
私はオリンピックに興味がないのであまり期待せずに漫然とドラマを眺めていたのだが、天狗倶楽部が登場したとたんに見る気になった(笑)。
 
高校生の頃からハチャハチャ小説も愛読していたが、一方で明治の人物研究と古書漁りの方法などで影響を受けた面が強い。
 
私のHPに「知られざる探検家列伝 」というコーナーを設けている(というか、これを書きたくてHPづくりを行った)が、実はヨコジュンの影響が大きいのである。
ヨコジュン著作からの情報もいただいているが、私なりの知られざる人物を発掘したいという思いもあったからだ。
 
中世・近世の日本脱出者から始まり、江戸時代の本草学者、博物学者と追いかけ、幕末・明治初年の海外放浪者、冒険家、探検家……そして、この延長上に土倉庄三郎もいる。明治時代の知られざる巨人として。
 
 
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実は、この探検家列伝コーナー、しばらく休止していたが、再開したいと思っていた。ちょうど読売KODOMO新聞からも問い合わせがあったばかりだ。アフリカに始めて訪れた日本人は……というテーマで、拙HPを見つけたのだという(笑)。
 
 
……それにしても、今年は平成の最後。年号が変わるわけだが、何かと物故者が目立つ。最近では市原悦子梅原猛と続いたが、思えば昭和が終わるときも時代を印象づける人々の訃報が続いたと記憶する。手塚治虫、松下幸之助、美空ひばり……。もちろん昭和天皇も。
 
そして、本日は1・17。阪神淡路大震災から24年である。多くの人が亡くなったのだ。未来の、知られざる?巨人もいただろうに。

2019/01/16

「森林の仕事ガイダンス」はあるけれど……

毎年この頃になると、森林の仕事ガイダンスが大阪、東京で開かれる。

 
大阪は1月19日(土)に大阪市北区の梅田センタービル。
東京は1月26日(土)に千代田区の東京国際フォーラム。
 
たいてい私も毎年、大阪会場に顔を出して全国から集まる森林組合などのブースで、近年の状況伺いをするわけだ。知り合いにも会うこともある。もし面白いゲストが来ていたら儲け物でもある。それで全国の現場感覚を仕入れるつもり。
 
しかし、最近はイマイチ気持ちが乗らない。この聞き込みで新しい情報が得られる気配がないというか、面白みにかける。
いつぞやは、隣の会場でやっていたアグリフォーラム?だったか農業系の雇用募集をやっていて、こちらの方が面白かった記憶がある(^^;)。そして本命のはずの森林の仕事会場を早々に退散してしまった。
 
今年は会場も少し変わるようだし、何か新しいネタが得られるだろうか。いや、もう林業ネタは食傷ぎみか。梅田に出るのなら、別の面白い場所があるかもしれない。
 
さて、どうしようかなあ。もし参加される方がいたら、声をかけてください。具体的にお会いできる人が予想できた方が面白いし。
 
 
……ところで、来年度の林野庁の予算請求を見ていると、「緑の人づくり」総合支援対策という項目があった。この中の「緑の雇用対策」に森林の仕事ガイダンスも含まれるのだろうが、ほかにもある。ちょっと引用する。
 
1.森林・林業新規就業支援対策 5,318(4,810)百万円
① 「緑の雇用」新規就業者育成推進事業 4,869(4,500)百万円
就業ガイダンス及び林業作業士(フォレストワーカー)研修(集合研修とOJTを組み合わせた3年間の体系的な研修)等に必要な経費を支援します。
② 緑の青年就業準備給付金事業 400(272)百万円
林業大学校等において、林業への就業に必要な知識・技術等の習得を促進し、将来的に林業経営をも担い得る有望な人材として期待される青年を支援します。
③ 多様な担い手育成事業 49(38)百万円
高校生等に対する就業体験、就業ガイドラインの整備等による女性の活躍推進、林業グループの育成に対する取組等を支援し、多様な担い手を育成します。
 
林業大学校や女性の就業も重視しだしたか。
加えて、こんなものもあった。
 
2.新たな森林管理システム導入円滑化対策 30(―)百万円
〇 新たな森林管理システムの円滑な運営を図るため必要な技術・指導力を有し、市町村の森林・林業担当職員を支援する人材を養成するとともに、その技術水準の維持・向上を図るための継続教育等を実施します。
 
新たな森林管理システム……森林経営管理法と森林環境税の導入に合わせて市町村の職員を鍛えるのか。まあ、セミナー受講するぐらいだろうけど。
 
そして、全体の政策目標はこうある。
 
○新規就業者の確保(1,200人[平成31年度])
○林業労働災害死傷者数(平成29年比5%以上減少[平成34年まで])
○林業労働災害死亡者数(平成29年比15%以上減少[平成34年まで])
○新たな森林管理システムの支援を行える技術者の育成(1,000人[平成35年度まで])
新規就業者を確保するのと同時に何人が引退・退職していくか。プラス何人を目標としているのだろうな。ともあれ、労働災害はなくしてほしい。
 
 

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