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本の紹介

2018/10/21

木造ビルからCLTの将来を考える

東京・蒲田に木造ビル が完成したというニュースを見た。
 
そこでちょっと確認すると、主構造(3~6階)を木造軸組工法、地下1階を鉄筋コンクリート造、1~2階を鉄骨造とした、木造鉄筋コンクリート混合耐火建築物であった。
もともと4階建て事務所ビルの建替えで6階建てにするが、既存建物より軽くなるように設計し、コンクリート杭も再利用しているという。
 
どんな構造かは、リンク先のモデル写真を見てほしいが、木造の軸組工法であることに間違いない。つまりフツー?の柱と梁の組み合わせ。
 
一方で、今年の夏に私が紹介した国分寺のフレーバーライフ社ビルは、大規模集成材だった。
 
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ほかにも幾つかあるのだが、最近次々と誕生する木造ビルの工法はまちまちである。
 
そこで気になるのか、CLTを使った木造ビル。
 
ちょうど先日の森林総研講演会で手に入れたのが、「季刊森林総研」という冊子だが、その特集が「木材利用の伝統と先端」で、そこにも木造ビルを紹介している。
 
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こちらは、木造ビルといえばCLTを使うものという前提のような記事(笑)。
 
何か、CLTを使わずに木造ビルは造れないかのような印象を与える。しかし、実際はCLT以外の素材による積層ビルは結構多いのではないか。そして、CLTの使い道も、ビルのような建物に使うとは限らないように思う。
 
実際、日本で建てられたCLT建築物を見ても、必ずしも積層建築ではない。5階建てとかいいつつも、実は1階はコンクリートで木造部分は4階分だ。それも鉄骨の軸組でCLTは壁面だけとか、床面だけ、というケースが多い。
それはヨーロッパでも同じで、全面的にCLTだけの建築物は少ない模様だ。
 
そこで考えてみた。CLTの将来は、どんな使い道になるのか
 
まずCLTによる高層ビルは期待できないだろう。そもそも6階建て以上の高層建築の割合は2割程度であるし、耐火問題もある。そこにCLTを使うことは技術的には可能でもあまりメリットがない。通常の鉄骨・鉄筋コンクリートでも十分。
 
一方で1~2階建ては、CLTを使わなくても無垢の木材で十分。住宅もそうなのだから。
 
となると3~4階建てである。ここならCLTの有利さを活かせるのではないか。
このクラスなら耐火基準も緩くて、燃えしろ設計で間に合う。それも壁や床など部分的な建材になるのではないか。もっとも、CLTの表面は汚い(^^;)ので、化粧材を張る必要があるように思う。その化粧材で燃えしろを得るのも手だろう。
 
さて、それが市場としてどれほどの量が潜在的に存在するのかは、私の専門外だが、そんなに多くないことが想像できる。そこに価格も響く。十分に安くしないと、CLTを使う価値がない。4階建て5階建ても、技術的には集成材や無垢材でも建てられるのだから。これが美しい建材なら、採算度外視で使いたい!という設計者も出るだろうが。。。
 
CLTの研究者の記事を読んでいると、いかに優れた素材だとばかり強調していて、市場とか価格とかを全然考えていない。これでは普及しないわな、と思ってしまう。
 
いっそ、いかに安上がりなCLTの作り方を研究をした方がいいのではないか。厚さの違うラミナでもかまわないとか、分厚いラミナで張り合わせる枚数を減らすとか、接着剤を使わないとか。。性能をどこまで落としても実用的かも検討すべきだ。必ずしも高品質は必要ない。
 
これ、CLTの親身になって考えているのですよ。

2018/10/20

ソヨゴの使い道と公開講演会の要旨集

昨日は、森林総合研究所関西支所の公開講演会に顔を出してきた。

 
テーマは「広葉樹林はお宝になるか?~有効活用の可能性を探る~」であった。
 
なんか会場はごった返している。かなり人は多いようだ。テーマが広葉樹林だと参加者が増える? 里山だからか。侮れん人気だ。
そして、その中にはビーバー武田!さんもいた(^o^)。はるばる三重の奥からこの講演会のために足を運んだのだという。彼にかかれば会場に展示されている広葉樹材なんて珍しくもないだろうに。 
 
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さて内容は豊富で2人の基調講演に3人の研究発表、それにパネルディスカッションにポスター展示もあったのだが、正直、私の知識の想定内というか、驚くほど新奇な事実は出てこなかった。どちらかというと面積や資源量の調査方法に偏っていたし、使い道も薪にシイタケ原木とありきたり……ただ、雑談でソヨゴの話が出たとき、武田さんが反応した。
 
「ソヨゴの木は、笏に使うんですよ」
 
! そうか、来年は今上天皇の退位と、新天皇の即位の儀。そこでは笏が使われるが、そのためにソヨゴの材が必要なのだ!!!
 
Photo 今上天皇の即位の時。ウィキペディアより
 
 
今どき笏を何の木で作るか知っている人は少ないだろう。そしてソヨゴの木材を扱っている人もなかなかいない。武田さんに問い合わせがあったのも無辺なるかな。ビーバー製材所の面目躍如だね。 
 
 
ま、このように広葉樹の使い道は広いのであるよ。こうした隠れた需要の発掘が肝心と思うのだが。
 
ほかにも広葉樹林(広葉樹材ではないよ)の活用については考えるところもあった。それについては、改めて記すこともあるだろう。 
 
ところで私が今回注目したのは、講演要旨集であった(^o^)。
通常よりちょっと厚めだな、と思ったが、各ページを見ると。
 
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わかるだろうか。上部と、下部。拡大すると、こんな感じ。
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どんぐりの名前当てクイズがあったのでした(笑)。ちなみに、最初のページにあるのはマテバシイで、下の二つはイヌブナとツブラジイである。なかなかドングリは覚えられない。
 
なかなか工夫しているじゃないか。いつもの殺風景の要旨集より読みごたえがあったよ。

2018/10/19

生長した?壁面緑化

京都駅前にヨドバシカメラの建物があるのだが、その壁面は大規模な緑化をしていることで知られる。

 
おそらく完成直後に、このブログなどで紹介しているはずだ。
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そのときの写真。撮影は2012年4月であった。
 
そこを何年ぶりか確認した。
 
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こんな具合。6年経って、ずいぶん緑が濃くなった……というか、分厚くなった。ちょっと立体的である。
 
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なかには細いながらも幹のある樹木も見える。壁面緑化は基本、草本ばかりと思っていたが、多少は木本も育つようだ。どこまで大きくできるかわからないが。。。
少しは生態系も育つんじゃないか。そのうち鳥が巣でも作ってくれないかなあ。
 

2018/10/18

「森を守るのは誰か」のフォレスターズ・シンドローム

森を守るのは誰か フィリピンの参加型森林政策と地域社会 椙本歩美著 新泉社

 
この本のタイトルを目にして、すぐに『「森を守れ」は森を殺す』と『だれが日本の「森」を殺すのか』 (いずれも拙著)を連想した(^o^)。
とはいえ、内容はまったく違う。これは著者が博士論文として研究したフィリピンの森林政策をまとめたものである。そのためか文章は生硬だが、読み込むと示唆に富んでいる。
 
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目次を掲載しておこう。
 
序章  森林政策をめぐる「対立」を問い直す
第1章 フィリピンの森林政策と地域住民
第2章 森をめぐる現場の制度を捉える視点
第3章 タルラック州M村の暮らし
第4章 森は誰のもの?―参加型森林政策と権利主体
第5章 どの森を守るのか?―参加型森林政策と権利空間
第6章 どうやって森を守るのか?―参加型森林政策と権利行使
終章  森を守るとはどういうことか
 
 
副題で「参加型森林政策」としているのは、「コミュニティに基づく森林管理」を指している。つまり政府でも企業でもない、集落による森林管理をフィリピンは採用しているからだ。
コミュニティ林業、コモンズ(共有地)といった言葉も登場する。日本なら差し詰め入会地か。本来、国家がコミュニティに管理権限を委譲するのは矛盾を感じるのだが、フィリピンはそうせざるを得ない状況に追い詰められたのか……と想像する。 
 
コモンズは、歴史的な森林所有と管理の形態として研究されてきたが、近年、見直しが進み新たな管理体制の取組として注目を集めている手法だろう……しかし、そのまま日本などに当てはめることはできない。なぜなら、成立過程が全然違うからだ。
 
フィリピンではもともと共有地がないままスペインやアメリカの植民地になったから、最初から森林は国のものであった。独立してから政府は長期伐採権などの形で企業などに分け与えた。企業は、森林資源を枯渇するまで伐りすぎた。どうにもならなくなったから国に森を返すようになった。そこで国は、次はコミュニティに任せようとしている……(そこに森林官を派遣する)。
 
ところが日本の場合、歴史的慣習として入会地があったのが明治以降消滅過程をたどる。そして単一の土地所有者(行政・個人・法人)に管理させてきた。ところが最近は、所有権と管理権を分離して、管理を委託する方向に進んでいる。つまりフィリピンと正反対に進んでいるように見える。
 
さて、本書で描かれるフィリピンの事情などの部分は読みとばそう。ただ、決してコミュニティによる森林管理は上手く行っていないのが実情だ。むしろ住民間の分裂を引き起こしているという。
 
なぜなら森林官は、林学教育を通して理論的技術を身につける(これを「形式知」と呼ぶ)が、住民の森林利用は理論的裏付けのない慣習的な「暗黙知」で行動する。この対立があるという。。。そんな小難しいことは読みとばしてしまおう(^^;)。
 
上手く進んだケースもある。いかなる場合かというと、私には森林官の裁量に行き着くように読めた。森林官は、本来求められる政策規定の枠を超えて(つまり遵守しない)、集落の意図に寄り添うケースである。ある意味、法的な縛りを無視して、住民自治に任せる度量というか権限を森林官が持っているのである。(その森林官の出身地が管轄する集落だったりするわけだが。)
 
まあ、詳しい条件や事例は本書に任せるとして、これらの事例には、今後の日本の森林管理にも参考になる点がある。
 
日本でもフォレスター(森林官)の必要性が語られている。似たような資格も作られた。管理主体を市町村に移しているのは、多少コミュニティに近くなったと言えるかもしれない。
しかし、いかなるフォレスターであっても、国(もしくは自治体)の代理人として振る舞えば、コミュニティの意志と齟齬を引き起こす。常に現場の状況に応じて修正していく権限がなくてはならない……。さもないと参加型森林管理になり得ない。
 
森林官はえてして「樹木を愛し人を嫌うフォレスターズ・シンドロームに陥るのだという。それを乗り越えるヒントは、法令不遵守にあるのかもしれない……なんて読むと面白い。
本当に法律を破れというのではないが、それぐらい幅広い権限を持たないと森林官は機能しないのだろう。この点を、今後のフォレスター養成に活かしてもらいたい。
 
難しい論文みたいな本だが、森林管理の主体とかフォレスター制度に興味がある人は読んでおいた方がいいよ。
 

2018/10/17

糞だらけの理由

久しぶりにタナカ山林を訪れる。

 
正確には、しょっちゅう訪れていたが、あんまり中には入っていなかった。やはり夏は暑いし、草ぼうぼうだし。たまに行くと、スズメバチが飛んでいて逃げ出したりとか。。。。
 
それでも、ようやく勇気を持って林内に分け入ったわけだ。
 
案の定、荒れていた。
 
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台風やら大雨、強風で折れる木はばんばん折れている。
が、その分空が広がっていた。
 
とくにナラ枯れなどしていた木が折れている。根元から折れるのではなく、枝がぶっ飛んでいる。多分、枯れて柔軟性がなくなっているからだろう。樹冠がなくなった方が林内は明るくなるのだ。高樹がなくなれば、林床から中小低木も伸びてくるし。
 
なるほど、こうして森は新陳代謝するのだ、と思った次第。
 
で、気になるのは、明るくなったからなのか、やたらイノシシの糞が多くなったこと。
 
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なんか、森全体が獣臭い。やだね、こっちは。

2018/10/16

NHKラジオで話したこと

先週13日のNHKラジオに出演した。

 
と言っても、以前に収録したものを編集して流されたのだが、それが朝6時。もちろん私は寝ておりました津山のホテルで……。
 
それがネットラジオ「らじる★らじる」に収録されて聴けるようになったよう。 
 
具体的には「マイあさラジオ」の“明日の人”というインタビューコーナーで、内容は「林業を持続可能な産業にするために」 。ちょうど1カ月間聴けるらしい。(11月12日まで)
 
約10分にまとめられているから、興味のある方はどうぞ。
 
私が話した内容は3つの事例にまとめられていて、一つは針葉樹材を広葉樹材に化けさせる「ケボニー化木材」。2つ目は、デザインの力で廃パレット材から高級家具をつくる「パレットハウス」。そして3つ目が、木材流通の情報を一元化して山元に多く還元する「伊佐ホームズ」のビジネスモデル。
……あれ、なんだか津山で話したことと重なるぞ(笑)。
 
本当は違法伐採木材の問題なども話したんだけど、ま、ラジオ番組的には希望のもてる話題をチョイスしたのでしょう(^o^)。
 
ちなみに私は、津山でケボニー化木材も視察してきたのである。
写真は、曝露試験中のケボニー化木材。何年も日射や雨に打たれて変形や腐朽しないかどうか試験している現場だ。
 
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2018/10/15

真実は?ヨーロッパの林業現場

秋のテレビドラマで、「僕らは奇跡でできている」(フジテレビ系列)というのが始まっている。

主人公が動物行動学の大学講師という設定なので見だした。まだ第一回目(明日16日火曜日が2回目)であるが、まずまず面白い。
 
その中でイソップ童話の「うさぎとカメ」のエピソードを取り上げていた。これは予告編でもやっていたので見た人もいるだろう。 うさぎとカメが駆けっこの競争をしたが、先に行ったウサギが途中で寝てしまう。遅れたカメは、ウサギを追い越して先にゴールする……。実力があっても怠けたらダメで、コツコツ進むのがよいという教訓を表しているはずなのだが。。。
 
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だが、そこで問われるのだ。カメはなぜウサギに声をかけなかったのか。ウサギは急病で倒れたのかもしれないのに、と。カメは無慈悲で、不作為の犯罪を犯したのではないか。
 
なかなか盲点だ。イソップ童話をいかに解釈するか。
 
 
実は、私のお気に入りのEテレ番組に昔話法廷というのがあった。(不定期放送)
 
これは昔話、たとえば「白雪姫」や「赤頭巾ちゃん」「アリとキリギリス」「かちかち山」「3匹の子豚」……などの法廷劇なのだ。そこでは白雪姫に毒リンゴを食べさせた継母や、オオカミを殺した赤頭巾ちゃんが、その行為がどれほどの犯罪であったか正当であったかを裁かれる。アリは保護責任遺棄だと問われるのだ。
 
そんな無茶な、と思わせながらも、検察と弁護士のやりとりの中から、実は継母の妃は本当に白雪姫を殺そうとしていたのか、むしろ白雪姫こそ隣国の王子と図って、継母を倒して王国の乗っ取りを狙ったのではないか。
赤頭巾ちゃんも、実はおばあさんをオオカミに売って、食べさせたのではないか、その後に証拠隠滅を図ったのではないかという疑惑が浮上するのだ。
 
なかなか意味深(^o^)。
 
さて、長い前振りであったが、私は津山に鍛冶屋を探したり剥製を見に行ったわけではない。少しだけ、仕事もした(笑)。
 
また、多くの人から興味深い話を聞いた。
 
その中でも印象に残ったものは、某森林組合の人から聞いたオーストリアのフォレスターの話であった。
 
招聘したオーストリアのフォレスターが日本の林業現場を見て言ったこと。
・林道を引きすぎている。こんなに道を入れたら山が壊れるじゃないか。
・排水路のパイプは詰まるもの。掃除も、重機を使わず手でするものだ。
・小規模な山に道を入れたり伐採するため集約する作業は何年もかかるもの。1年でできたという日本は奇跡だ。
・林業は機械を入れて大型化しない方がよい。 
 
 
そのほか、こんな話も出た。
・「里山資本主義」とかで持ち上げられたオーストリアのギュッシングの町。バイオマス発電で町おこしを成功させたことになっているが、実は財政破綻している。バイオマスは失敗したとして見直しが進んでいる。
・ドイツのフォレスターが、日本の古い林業地を訪ねて択伐の仕方を勉強していた。ドイツでは上手く行っていないから。 
 
さて、日本で語られているヨーロッパの林業やバイオマス事情の真の姿は何か。本当にモデルになるのか。まあ、私もドイツやスイスの森林について、一般に語られるのとは別の姿について耳にすることがあるが……。
 
判決を下すのはあなたですv(^0^)。

2018/10/14

津山に絶滅危惧種の宝庫あり!

津山市の鍛冶屋を絶滅危惧扱いしてしまったが、実は正真正銘の絶滅危惧種の宝庫が津山市にはある。

 
つやま自然のふしぎ館だ。実は以前は津山科学教育博物館という大層な名だったのだが、改名したらしい。私は大昔に訪れて感激した。今回は鍛冶屋も訪ねられなかったことだし、再会のつもりで訪れた。
 
いやはや、すごいよ、ここは。この館は森本慶三というキリスト教者が世界から集めた主に動物・昆虫の標本と剥製、模型、さらに化石に岩石、骨格を元につくられたものなのだが、展示資料は約2万点(プラス4万点・整理中とか)。そのうち剥製は何千点になるのか。 
 
ともかく開館は昭和38年だが、30数年かけて世界中から寄贈などを受けてつくったらしく、今では手に入らない絶滅種・絶滅危惧種の剥製まで大量にあるのだ。
 
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説明文のほとんどが手書きなのが味がある。経年劣化が激しく剥製としては残念な部分もあるのだが、古色蒼然とした展示室の雰囲気がよい。昔の大学研究室を思い出す(笑)。
 
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学術的というよりは、マッドサイエンティストの館(^^;)\(-_-メ;)を想像する。
 
 
津山市は、幕末から明治にかけて数々の洋学者を輩出している。このふしぎ館も単なる展示施設に終わらせないで、活かせないだろうか。

2018/10/13

津山の焼きすぎ景観

昨日は、津山の鍛冶屋を訪ねた(けど、絶滅寸前だった……)ことを紹介したが、鍛冶屋があるのは市街の城東界隈と呼ばれる伝統的建造物保存地区。

実際、古い町家がまだ多く残れているのだが、同時に歯抜けのごとく空間も多かった。おそらく何らかの事情で建物を撤去したのだろう。そこが駐車場などになっているのだが……。
 
実は、そのおかげで面白いものを多く目にした。
 
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残された建物の壁面の多くが焼きすぎ、いや火事ではなく「焼杉」で覆われていたことだ。
 
焼杉とは、木板の耐久性を増すため、杉板の表面を焼き焦がすことで炭素層を作り出したものだ。外壁の板や土中に埋まる板などに用いられてきた。真っ黒な焼けた板は、触ると手に炭がつくし、やわらかい。しかしそれが耐腐朽性を強め、また炎にも強いから火事の防止にも役立つという。こんな真っ黒な壁にする仕上げ方は世界的にも珍しいようだ。 
 
昔ながらの技術だが、驚いたのは滋賀県より西の地域にしか使用されるなかったという。東日本の人はなじみがないかもしれない。
 
ともあれ、津山の城東地区には、この焼杉がたくさん見られるのだ。それが壮観。真っ黒な外観が独特の雰囲気を醸しだす。単に黒の塗料で塗られた外観ではなく、立体的で柔らかさを感じる焼杉は根強い魅力がある。
 
伝統的な町家を見学するのもよいが、焼杉の風景の見学にも楽しめるのではないか……と思った次第。
 
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正直、伝統的町家とかは、あちこちの小京都と呼ばれる地方都市にある。もちろん京都・奈良にもたっぷり残っている。そことの差別化というか、それそれの特徴を出すのに使えないか。

鍛冶屋は絶滅危惧種

鍛冶屋は絶滅危惧種

 
岡山県北部の津山に来ている。
実はこの街、20年くらい前に幾度も通っていて、当時は町中を歩いて詳しかった。特に伝統的な古い町並みが残る城東地区はよく歩き、鍛冶屋に通っていた。当時は何軒あったか覚えていない、しかし多くの鍛冶屋のある町だったのだ。

そして私は訪ねた鍛冶屋で包丁を買ったのだった。それは今も使っている。毎度研いでいるが、そろそろ刃先が鈍ってきた。

今回の久しぶりの訪問では、新たな包丁を購入しようと思っていた。
事前に調べたところ、まだ2軒残っているはずだ。最盛期は26軒あったらしい。

で、訪ねたわけだが……見つけたのは1件のみ。それも閉まっている。近所の人に尋ねたところ、やっているはずだが、90歳を越えている(@_@)という。

あかん。絶滅危惧種だ。器だけの伝統的建造物を保存しても、中身がなくなりつつあった。。

2018/10/11

ナラシカ急増の謎

先日、奈良のシカの角きり行事を観覧してきた。

行われたのは奈良の鹿愛護会の鹿苑という角きりのためのような場所なのだが……思った以上に勇壮で、観客向けにブラッシュアップされていて面白かった。

江戸時代などは、こうした施設ではなく、街角でやっていたという。お金持ちは、自分の家の前でやってもらうためにお金をばらまいたとかいうが(そして桟敷席を設けて、縁者と見学して楽しんだ)、気持ちがわかるような気がした。 現代でも町中でもやってほしい(^o^)。
 
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オスジカを3頭離して、走らせてから角に縄をかけて押さえ込むのである。 
 
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ちゃんとシカを寝かせる場所には、ゴザを敷いて、枕まで用意している。そしてノコギリで切るわけだが……。
 
実は、気になったことがある。この角きり行事ではない。解説の中で、今年のナラシカ頭数調査では、奈良公園のシカは総数1360頭だったというのだ。メスが767頭、オスが355頭。性別不明の子シカは、238頭。(今年7月16日現在)
 
これは公園内だけで、山の中、原始林の中、あるいは調査中は繁華街に出歩いていたシカはカウントされていないわけだが、例年と比べるとかなり多い。
 
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昨年が1226頭なのだから100頭以上も増えたことになる。とくにオスが増えている。
 
問題は、この理由だ。単に昨年は森に隠れていたシカが公園に出てきてカウントされた、というのならよいが、ちょっと怪しい。かといって自然増もおかしい。
 
となると、外部から入ってきた可能性があるのだ。オスジカならテリトリーを離れて放浪するからあり得る。
 
奈良公園に行ったら、銃に撃たれないよ、鹿せんべいをもらえるよ、という甘言に引っかかったシカがいるのかどうか。
おそらく、周辺地域の山でもシカが増えすぎて、密度を増したから押し出されるように奈良公園に入ってきたのではないか。いわば都会に出てきた田舎シカ。最初こそおどおどしていたが、先輩たちを見習って、お辞儀したり愛想を振る舞うと鹿せんべいもらえることを知って居ついたのかもしれない。人を恐れなくてよいことも学習したのかも。
 
だが、甘い。奈良公園はそんなにシカの天国ではないのだ。何よりも食料不足。これまでも限界だったのに、100頭も増えたら飢餓が起きる可能性だってある。交通事故も多発するかもしれない。
 
若草山のススキがほとんどなくなった件も含めて、異常事態になっている可能性を想定すべきだろう。
 
 

2018/10/10

ハートの樟脳香

今日は、吉野の山の中、下市町の某神社で行われた伐採を見学。

 
それは台風で倒れたり倒れそうな木の処理なのだが、そのうちの1本がクスノキだった。 
二股になっていた片方の幹を落とす。断面を見ると、そこだけで5,60年はある。密な年輪があり、樹液がにじむ。切り口から見事までの樟脳の香りが漂う。 ただ一方向に割れが入って腐れが進んでいた。
 
で、私はお土産?に、その断面を薄くカットしてもらう。
 
それが、これ。
 
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おおお、ハート形になっているではないかheartheartheart
 
これを自分の車に積み込んだら、ものすごい香りが充満(笑)。消臭効果抜群だ。虫も入ってこないだろう。1週間やそこらは楽しめそうだ。
 
しかし、これなら倒した幹いハート形の板をいっぱい作って「道の駅」にでも置けば、わりと売れるんじゃないか。ハート形で人気を呼ぶし、樟脳の香りで実用的だし。なんか効能とか由来を書いておけば、1枚500円ならすぐ捌けるだろう。1000円でも売れるかな。そのままだとチップか燃料にされる木に大きな付加価値が付く。 
 
 
ところで、こちらが終了してから黒滝村の道の駅に寄って昼食を食べた。コンビニ形式なのだが、作りたてが出る。私は鳥天丼を頼んだのだが……。
 
容器は弁当扱いなのでプラスチック製なのは残念だが、箸を見よ。
 
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吉野杉の天削げの割り箸だぞ!1センチ程度の箸の幅に、年輪を数えたら20を超えていた……。さすが割り箸の聖地だ。コンビニ弁当にこんな箸が付いてくるなんて。
 
弁当は温かくて美味しかったが、この割り箸効果もあるんじゃないか。
ハートの樟脳と天削げ箸で満足度の高い取材であった\(^o^)/。

2018/10/09

木材自給率50%をめざす計算方法

林野庁が平成29年木材需給表を発表していて、ようは昨年(2017年)に、木材自給率が36,1%に達したことを発表している。昨年から1,3%アップだ。 

 
 2017
 
 
毎年のことなんで、今年は無視しようかと思ったのだが、思えば2025年に木材自給率50%を目指しているのだった。ということは、あと8年で14%近く上げねばならないということだ。
あえて50%に達するにはどうすればよいか考えてみた。
 
少なくても毎年1%の上昇では足りない。1,8%アップは欲しいところだ。すると今年の上昇率でも足りないのだ。 
 
今年の中身を見ると、木材消費量がここ数年少しずつ上がっている。今年は4,7%。
しかし中身を見ると、用材の伸びは2,3%であるものの、燃料材が34,3%も増加したことが大きく効いている。
供給は、国内・輸入とも伸びているのだが、自給率に関しては国内が増えないといけない。
国産材は8,8%増加。内容は用材が3,7%増加、燃料材が35,4%増加
つまり需要も供給も、燃料材に圧倒的に頼っていることがわかる。 
 
2017年の木材総需要量は、8172万2000立方メートル。これは今後大きく伸びることはないだろう。とりあえず25年が8000万立方メートル程度だとしても、自給率を半分にするには4000万立方メートルを国内で生産しなければならない。
 
今年の国内生産量は、2952万8000立方メートル。つまり、今後8年間で1000万立方メートル以上増産しなければならない計算だ。
1000万立方メートルの木材増産のためには、どれほどの森を伐らねばならないか。これは森林蓄積がどれぐらいに設定するかによってガラリと変わるのだが、(林齢40年)1ヘクタール300立方メートルぐらいにしておくと、毎年3万4000ヘクタールの森を皆伐して増産すればよいか。もちろん間伐でも木材生産はするし、林齢もいろいろだから全然目安にならないのだが、なかなか目標達成は大変であることはわかる。 
 
 
もう一つ方法がある。そもそも需要を増やさなければよい。そうすれば供給量が少なくても50%に達する。
だったら、いっそ燃料材を計算から外せばいい(笑)。いや、数年前まで計算外だったのだから別に斬新なことではない。
 
製材の自給率は、すでに約48%だし、合板は約38%。足を引っ張っているのは16%しかないパルプ・チップだ。合板は伸びしろがあるし、燃料にしている木材を製紙チップに回せばグンと伸びる。用材需要の伸びは2,3%。国産用材供給は3,7%。用材だけで計算した方が木材自給率は高くなる(笑)。計算外とするバイオマス発電燃料は全部輸入に頼る。
 
いや、そもそも木材自給率は製材用材だけで計算することにしたらよい。だったら、あと2%底上げするのは簡単だろう。
計算方法を変えるのは、統計のいつもの手だ。木材自給率なんて、マスコミもたいして興味を示さないからこっそりやったら気づかれない\(^o^)/。私も口をつぐもう(^^;)。
 
 

2018/10/08

楠木の根元

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今日は、ちょっと某寺に出かけていたのだが、その境内にあったクスノキの大木。……の根元。よく見ると、小さな芽がいっぱい吹き出している。
 
こういうのを萌芽というのだろうか。別に上部の幹が伐られたわけでもないのだが。
よく観察しなかったが、もしかしてどこかに台風で枝が折れたとか何かあったのかもしれない。それが萌芽発生のシグナルとなったとか?
 
まあ、樹木の生理学的なことはわからないが、大木に小さな芽がモコモコ出ているのが、何か可愛いのであった(^o^)。
 
 

2018/10/07

若草山のススキ危機

若草山に登ってきた。若草山はこの季節、ススキに覆われるはずなのに、すっかり減ってしまったと聞いたから(ツイッター情報)からである。

 
ま、ちょうど「鹿の角きり」もやっているので、こちらも見ようかと(^_^) 。
実は、角きりをちゃんと見学したことがない。観光イベントぽくて、あまり興味を感じなかったからだ。ただ昨年は「ナラシカ本」(『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』)を執筆しようと思っていたので、これは見ておかねば、と思っていたのだが、この時期にノルウェーに行くことになって無理となった。遅ればせながら、今年は見ておこうかと。 
 
いや、なかなかよかったよ。まず儀式があって、その後は実況解説付き(^_^) 。迫力もある。
 
とまあ、角きりの話はまたの機会にして、今はススキなのである。 
 
 
若草山にお金を払って登るのも何十年ぶりか。子供の頃以降はしていない気がする。
それでも登りましたよ。
 
若草山を簡単に説明すると、春日山原始林の隣にあって山焼きをするので樹木はなく芝生に覆われている。標高342メートル。一番下が芝生状態(と言っても急斜面)で、ここが観光客がもっとも多いところ。その上にフェンスに囲まれた一角があって、その上が2段目。さらに谷などもあって、山頂部分が3段目となる。3つの尾根があるので三笠山というのが正式名称だ。
 
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1段目の芝生からフェンス方向。
 
さて、芝生とともにススキが全山を覆っていて、山焼きの後はそれが生長してシカの餌にもなる……はずなのだが、ないのである。
 
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これは2段目から山頂方向を見たところ。ほとんどススキは目につかない。もっとも足元にはわずかに生えている。ただ……
 
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やはりシカに食われたようだ。
 
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こちらは1段目のフェンスの中。かろうじてススキが繁っている。これでも、以前より減ったということだが。実はナンキンハゼも想像以上に繁茂していた。ススキに置き換わったみたい。ナンキンハゼは、今のところ背の低いブッシュ程度だが、実体は高樹だから、これが生長しだしたらヤバいね。山焼きにも負けないようだし。
 
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このフェンスも隙間から侵入されるみたいで、幾重にも補強されている。1頭でも中に入ると、かなりの面積を食い荒らしてしまうだろう。 
 
正確な原因はわからないが、やはりススキが減ったのはシカの食害ではなかろうか。そういや森の中で落ち葉を食っているナラシカも見かけた。飢えているのか。
 
2段目もフェンスを設置してススキの回復を図らねばならないかもしれないが、そうするとシカの餌場が失われる。ならば1段目フェンスを開放して年ごとに切り換えて行くか。
ナンキンハゼ対策も必要だろうし、なかなか難問である。
 
世界遺産の一部(バッファーゾーン)でもあるので、よりやっかいだ。 

2018/10/06

Yahoo!ニュース「株価を急騰させたバカマツタケ…」書いた裏側

Yahoo!ニュースに「株価を急騰させたバカマツタケ栽培成功は、常識破りの大発明だ 」を執筆しました。

 
実は、別の記事をちゃんと取材して本格的に執筆する予定があったのだが、なんと取材先にドタキャン。悔し紛れになんか別のを書こうと思っていた。たまたまキノコについて書きませんか、という提案もあって、私は前から温めていた奈良県森林技術センターが培養に成功したバカマツタケについて書こうと思いついた。
が、なんとそこへ飛び込んできたのが多木化学の菌床バカマツタケなのである。
 
こりゃ凄い! というわけで一気に書いたのがこれ。バカマツタケをマツタケの代用と思ってはいけない。もっとバックに大きな意義が隠されている。。。
 
ちなみに写真を借りようと多木化学に電話しようと思ったら土曜日だった…。仕方なしにマツタケの写真を使ったが、これはバカマツタケの代用としてのマツタケ写真である(^_^) 。
 
なお、単にマツタケそっくりの味を楽しめるキノコの培養に成功したという話ではない。
何より菌床栽培であることに意味がある。それは実用化へも大きな成果なのだが、菌根菌のキノコを菌床で行うこと自体が、菌類学上の常識を覆す出来事なのだ。これこそ、本記事の隠れたメインテーマなのだよ。
 
なお菌根菌であるホンシメジも培養を一応は成功させているが、ホンシメジには腐生菌的な性質も少し持っているからだ。完全な菌根菌を生きている植物ではなく菌床で栽培できたというのは驚きだ。
 
もっとも、本当に毎回発生するのか、ちょっと心配なのだが。実用化まで3年としているが、ちゃんと技術を確立してね。それが広がっていくと、5年後ぐらいにバカマツタケが当たり前に店頭に並ぶようになるかもしれない。
 

2018/10/05

北海道平取町の森の伐り方

北海道で、また震度5弱の地震があったという。9月の大地震の余震とのことだが、まだまだ揺れ続けている。

 
ところで、地震のあった北海道南部、厚真町のグーグルマップを見ていて、衛星写真に切り換えて気づいた。森にヘンな模様?がある。 
 
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これは、なんじゃい?
 
ようは伐採したのだろうけど、列状というか帯状間伐だろうか。
どうも本土では見ないような伐り方。
周辺はゴルフ場のようだが、それと関係あるのかないのか。
 
つまらんようだけど、気になったのである。
 
ちなみに、ほかにも農地なのか林地なのか、妙に幾何学的な伐り方をしているところが多いのは北海道特有だろうか。
 

2018/10/04

森林減少の原因は?

世界の森林減少の原因を分類した研究結果が、サイエンス に発表されていた。 
森林モニタリング技術を利用して、2001年~2015年の15年間の変化の調査によって原因を調べたようだ。
 
私流に思い切り簡単にまとめると
 
森林減少の27%は農業。永続的な商品作物栽培への転換だ(年5万平方キロメートル)。これは自給自足的な農業、焼畑のような移転型の農業は含めないという意味か。アブラヤシなどが頭に浮かぶが、小麦やトウモロコシや大豆なども大規模な商品作物だろう。
 
林業で26%
野火(山火事)が23%
焼き畑は24%。
都市化(居住地化?)によるのは1%未満
 
結局は、農業と林業で過半を占める原因ということになる。焼畑も農業ではあるし、野火も人為的に火をつけるケースも多い。つまり大半が人間のしわざということになる。
一般人が都市の開発で森林が減っていくように思いがちだが、たいした面積ではなさそうだ。
 
ただ農地はたしかに森林には戻さない(焼畑以外)が、林業は跡地に植林した場合は含めていないのか。焼畑と野火も、その後放置したら草木が生えて森林にもどるはずだ。繰り返し火入れをするとダメだが。
ほか気象原因(いわゆる砂漠化など)は含まれないのだろうか。
 
この当たりの説明がないと、全体像をつかみにくい。
 
それに、これは「森林減少の原因」だけど、森林化の起きている地域もあるわけで、その原因も知りたいところだ。
 
ま、参考資料ということで。

2018/10/03

豚コレラでイノシシにもパンデミック?

岐阜県で見つかった野生イノシシから豚コレラの菌が次々と確認された。
 
遺伝子検査の結果、いずれも豚コレラに感染していたと発表した。どうやら10キロ圏内の養豚場で発生した豚コレラに感染したらしい。感染を確認したイノシシは、2日に見つかったもので計11頭になっている。
日本で豚コレラが発生するのは26年ぶりだという。 
 
豚コレラに感染したブタやイノシシは、数日で死ぬ。人間に感染して発病することはないが、感染力は非常に強く、人間が感染した豚肉を食った場合、その排泄物を食ったブタが感染するほどだという。口蹄疫と並ぶ畜産の敵だろう。
 
なお、日本の豚コレラとは菌の違うアフリカ豚コレラも広がっている。1921年にケニヤで発見され、アフリカ以南で流行を繰り返す、いわば風土病だった。
 
そんな豚コレラが、今年になって世界中で大流行している。とうとうアフリカを出て、ヨーロッパ、そして中国で拡大しているという。……中国ではすでに8万頭のブタを処分した。と、これは畜産業界の大問題なのだが。
 
豚コレラは、一般にブタの病気と思われているが、野生のイノシシにも移るわけだ。となると、野生動物にどんなインパクトを与えるだろうか。
国際獣疫事務局に報告された豚や野生のイノシシの感染は世界で36万1000頭を超え、2018年だけで11万9000頭が死んだという。
 
 
おそらく人間が運んだのだろう。ブタ界にパンデミック(疫病の爆発的流行)が起こらなければよいが。これまで病原菌がいなかった世界に出たとなると、いわば外来種のように広がる可能性がある。
日本で発生したのはアフリカ豚コレラと違うとはいうものの、養豚業界にとって極めて深刻な状況だ。
 
……ここで不遜なことを考えないだろうか。ブタだけでなく野生イノシシにも広がると、イノシシが激減するかもしれない。獣害対策的には僥倖になるかもしれない、と。
 
もちろん、養豚には厳しくなるだろう。一切、外部と接触させない方式にしなければならなくなる。コストが増し、廃業する人も出るだろうし、豚肉が高額になるかもしれない。食えなくなる可能性だってなくはない。
そして、猪肉はもっと食えなくなるかもしれない。養豚のように隔離できず、どこまで感染するやら。
 
一方でイノシシが減少すれば、田畑などの被害が減るかもしれない。シカ害はまだ残るが。こんなことを想像するのは、やはり危険思想だろうか。
 
これが、自然界でまま起きる普通の豚コレラの流行に終わるのか、人為がもたらした豚猪界のパンデミックになるのか。野生のイノシシは密集していないから感染が一気に広がる心配は薄いと思うが、菌が山野に残れば、どうなることやら。
 

2018/10/02

月刊大和路なららに『鹿と日本人』

奈良の地域誌「月刊大和路ならら」10月号に『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』の紹介が掲載された。

 
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今月号は正倉院展特集。毎年全国からこの展覧会のために人が集まる大イベントだ。いつも混んでいるが、今年は久々に足を運ぼうかな。この記事に目を通すだけでもたいしたものだが。
 
さて、この雑誌の書評欄ではなく、「なら旅いんふぉ」というページだった。
 
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なかなか詳しく紹介していただいている。ちょっと笑ったのは、中程にこんな記述があること。 
 
 まず語られるのは、奈良公園ではなじみ深い「鹿せんべい」の歴史や、ナラシカ(本書における天然記念物「奈良の鹿」の表記)の現代における“伝説”の数々。
 
やっぱりナラシカという言葉は、一般的ではないか!  まあ、当たり前だが。
しかし「奈良の鹿」「奈良のシカ」「奈良公園のシカ」……という言い方は、いかにもまどろっこしくて、ついナラシカと略すのが私の中では普通になっていたのだが……。全国ではともかく奈良県人ではフツーになってほしい(笑)。
 
 
ところで、福島県の郡山市で拙著を見つけて購入したお知らせも届きました。こちらは動物欄のようである。
 
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感謝である。感謝。ともに感謝。

2018/10/01

「狩猟のいろは」で「浅き夢で酔えず」

先週末、奈良で「狩猟のいろは」というイベントが奈良女子大学で開かれた。

 
奈良県の主催だが、奈良女で開かれたことからもわかるとおり、学生も含めた狩猟への勧誘なのである。狩猟免許取得相談会も開かれる。実際、徳島大学や三重大学の学生サークルらも参加している。奈良女子大にもハンティングサークルがあるそうだ。
 
そこに私も少しだけ顔を出してきた。残念ながら時間の関係で最後まではいられなかったのだが……。
会場ではハンターの講演や罠、銃の展示、そしてジビエ試食もできるようになっている。私は、ここで昼食を済ませようという魂胆もあった(^_^) 。
 
 
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関心を示す女性も来訪していた。ジビエ料理は猪肉と鹿肉の両方。
 
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くくり罠の展示。左が「非法定猟具」であり、本来使うのは右の方。
 
どこが違うか。ようは締めつけるワイヤーにストッパーがあるかないか、なのだ。なければ罠に足をはさまれた獲物は大暴れして、逆にワイヤーがより締めつけることになり、足を引きちぎることにもなりかねない。獲物が足を引きちぎって逃げ出せば手負いにする問題もあるが、何よりアニマルウェルフェア(動物福祉)の思想からのようだ。たとえ最終的に殺すにしろ、残酷にしないためである。 
 
なおハンターの講演では、ハンターへの参入を促すはずが、甘くないことを示す面もあった。何のために狩猟をするのか。この動機をしっかり自覚しないと厳しいだろうな、と思わせる。
 
県が催したのは、おそらく獣害対策の一環なのだろう。奈良県では、農務と林務の対策担当が寄って「鳥獣対策係」を作っている。だから展示している罠や銃も、森林整備課のラベルが張っていた。
 
ただ、ハンターを増やしたら有害駆除が進むというほど簡単でもない。ジビエを普及させたら駆除がやりやすくなるわけでもない。
「奈良のシカ」のお膝元であるだけに、理論武装をしっかりしておかないと、迷いが生じるんじゃないか。
 
狩猟の「いろは」を伝えるイベントのはずだったが、私は「あさきゆめみし ゑひもせすん」(浅き夢見じ 酔ひもせず)まで考えてしまったのであった。。。

2018/09/30

鹿本の棚

台風真っ只中の奈良ですが……。今はいたって静か。雨は降っているが、あまり風を感じることはなく、フツーの雨の夜を送っている。

 
とはいえ、雨戸は全部閉めたし、一応は酒も控えて待機中なんである。 
 
こんなときは読書でもするか。。。。
 
 
奈良市の啓林堂書店奈良店に、こんな棚を見つけた。どうやら鹿本の棚。とくに奈良の鹿の本が多数だ。
 
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上段は我が『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』がずらりと並ぶ。その下には「奈良の鹿」の本のほか、日本の鹿全般を論じた本。そして下段に置かれているのは、実はナラシカの写真集。何種類もある。これは奈良の書店ならではの特徴かもしれないが、ナラシカの写真集というのは根強い人気の模様。買うのは、奈良の人より観光客かもしれないが……。
 
なお、「奈良本」の棚もあって、そちらは歴史系が圧倒的に多いが、そこに『鹿と日本人』も平積みされておりました。感謝。
 
せっかくだから、こんな奈良本も紹介しておこう。 
 
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古墳ばかりを空撮した写真集。(「全国編」もある。)見ているだけで楽しい。 

2018/09/29

森歩き最新トレンド

森で見かけた森林ウォーキング……というか、森林散策のご一行。

 
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セグウェイツアーであった。特別仕様なのか、タイヤは太くて馬力もありそう。これなら、登りも疲れない。ゆっくり周りを見ながらガイドの話を聞ける。高齢化進む日本社会の森歩き(歩かないけど)最新トレンドであった。 
 
林業のアシストスーツが開発中だが、その前に森林散策アシストスーツも作れないか。
 

2018/09/28

「植物から学ぶ生存戦略」え???

私が見るNHKテレビは、EテレかBSプレミアムが多いのだが、昨夜はびっくり仰天の番組を発見した。

 
たまたま新聞のテレビ欄で見つけた「植物から学ぶ生存戦略」というEテレ番組を見たのだ。
なんだ、これ?
 
正式のタイトルは、植物学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之』なんだそうだ。語り手の名前までがタイトル。ちなみに語り手が山田孝之なら、受ける女子アナは林田理沙である。
1本が10分ほどで3本続けて放映された。とりあげたのは、ツユクサセイヨウタンポポ、ヘクソカズラ。しかし……。
 
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なんでヘクソカズラの説明に、由美かおるが出てくるのか。タンポポの説明にプーチンが必要なのか。。。
 
一見真面目な、教育番組ぽく見せかけて……いや、内容的にはたしかに植物学を押さえているのだが、実は人生そのもの?を語るのだそう(笑)。ま、人生はともかく、面白い植物の生態を語ってくれるし、その微妙な会話は笑いを禁じ得ない。
 
ホームページの説明では、
美しき植物たちの謎めいた生態を読み解き、人生のヒントを探る異色の番組。話す人は俳優の山田孝之。可愛い顔をしながらワナを仕掛けて繁栄を遂げる花。悪の侵略者のように言われながらもなぜか憎まれずにいる花。美しく装いながらもわざと嫌われるように仕向ける花。そこには数々の秘密が隠されていた!地球の長い歴史の中で命をつなごうと植物たちが編み出した生存戦略。あなたは人生でどんな花を咲かせどんな種を残しますか?
 
再放送(10月7日)もあるそう。
 
やっぱり侮れんな、Eテレ。定期番組にしてくれ。

2018/09/27

Yahoo!ニュース「クリーンウッド法は違法木材の隠れ蓑…」書いた理由

Yahoo!ニュースに「クリーンウッド法は、違法木材の隠れ蓑になる? 」を書きました。

 
すでに国産家具のことなども書いたとおり、近頃クリーンウッド法の勉強をし直している。
きっかけは、やはりNHKラジオの番組出演かな。
 
出演に際して、クリーンウッド法について調べ直したし、違法伐採問題についてもおさらいをした。それを全部ラジオで話せたわけではない……というか、ほとんど話せていないのだが、これを機に、再びクリーンウッド法のおかしさに火がついたのである。 
 
 
やっぱりおかしいよ、この法律。何のために作ったんだ、その手間と労力、そうして周知や登録推進などで全国規模のセミナーを幾度も開き、宣伝媒体をつくり……これってみんな税金だからね。ほとんど効果が見込めない(効果が出ないように仕組んでいる?)のに、無駄に仕事を増やして税金ばらまいたように感じる。
 
なんか、いまさら「自衛隊は合憲」とだけ書き込むために莫大な経費と時間を費やして憲法改正しようとしているのと似ている。無駄が好きだねえ、政府は。
 
 
なお、違法伐採木材は、国外だけでなく国内にもある。とくに最近は盗伐が増えていることをお忘れなく。これこそ、合法証明付けて出回っているんじゃないか。 
さらにバイオマス発電の燃料も、怪しすぎる。FITの区分に従っているのか厳密に調べるシステムをつくるべきだ。こちらも電気料金という見えない税金を取られているのだから。

2018/09/26

床の間改造計画

我が家には床の間があるのだが、長い間使われていない。

 
いや、使うものではないのだろうが、ようは床の間としての用は成されず、なんやかんやら家具に埋もれていると言ってよいか……。
 
今の時代、床の間は絶対的に無駄である。
限られた敷地面積の住宅の中に、なぜ実用的でない空間を確保しなければならないのだろう。いっそ、全部取っ払って私の本棚でも置きたいのだが。
 
 
先日の展覧会で、こんな床の間を見た。
 
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ようは壁に張りついた床の間(^_^) 。これなら場所は取らない。気分だけは床の間。掛け軸も掛けられる。
 
これもアイデアであろう。無駄な空間を確保する余裕はない現代住宅の中で、和風のエッセンスだけを残そうという試みだ。
 
これが売れるか、施主に受け入れられるかどうかわからないが、こうでもしないと磨き丸太も売れないしなあ。。。。(こっちが本音か)
 
私は、もっと根本的な和風住宅を見直す時期に来ていると思う。と言っても、すでに広がっているフローリングと大壁構法の洋風もどきではなく、あくまで日本的な新しさ。
もともと床の間などの和風というか数寄屋建築が広がったのは、発祥は江戸初期で豪商など金持ちの商人がまねたのは中期。そして世間に広がったのは明治時代になってからだ。そこそこ裕福な中産階級で武士の暮らしが取り入れたのだ。そして芸術の域まで達した数寄屋建築が技として完成した。
 
もっともそれが庶民の住宅に広がるのは、ほとんど戦後。住宅ブームが起きる中で、外材に対抗するために作られたブームとしての床の間だった。「床の間がある家」が高く売れるからというハウスメーカーの戦略だった。
そんな歴史を追いかけると、結局、それ以降は何の革新もイノベーションも起きていないのが日本の建築だ。
 
さて、新しい和風とはどんなものか。具体的に語るのはこの場では無理だが、それを発見しないと、住宅建築の限界が見えてくるように思う。
 

2018/09/25

倒木処理と倒伏稲刈り

雨の合間に生駒山の山歩きしている。

 
ウォーキングというより、台風の被害地巡り(^^;)かも。あちこちの遊歩道や森林公園を訪ねるのだが、ほとんどが「通行止め」だ。倒木が出たからだという。
ま、無視して分け入るのだけど。(もちろん、自己責任です。)
 
実際は、遊歩道などはそこそこ歩ける程度には片づけているようだ。と言っても、太い倒木まで片づけることはできず、枝を払って、倒木の下をくぐったり乗り越えられるようにしている程度。一般のハイカーに通ることをオススメできる状態にない。
 
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この手の倒木のかた付けは大変だ。たとえは市役所の職員が気軽に手を出せるレベルではないだろう。よく考えずにチェンソーの刃を入れたら、どちらに跳ねるかわからない。外注するにしても造園業か林業関係者か……。まちがっても森林ボランティアにはさせられない。
 
私も最近はチェンソーを持ち歩くかなくなった。怖いから(^^;)。実は故障したんだけどね……。
その代わり手鋸と鉈にしている。それで済むところしかいじらない。
 
 
さて、その後は生駒の棚田地帯も見て回った。
 
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もう稲刈りが進んでいた。だが、よく見ると、稲もほとんど倒れている。台風に続く雨で稲穂が倒伏してしまっている。
 
しかし、稲刈り機は進歩しているねえ。倒伏した稲も刈り取れるのだよ。 コンバインの刃がちゃんと倒れた稲をすくい取るように切っていく。 
 
林業でも、倒木処理機を開発できないものだろうか。倒木を安全に処理する機械。林道や作業堂がないところにも自走して設置できるのがいいな。林業というより、自治体などに売れるような気もするが。
 

2018/09/24

家具から見た日本と韓国の違法木材対策

せっかく「Nらじ」で違法木材について取り上げた後なので、関連した話題を続ける。

 
国産材の木製家具について、こんなホームページがある。
 
これは日本木質バイオマスエネルギー協会と林業経済研究所がつくったとある。
日本の家具産業におけるクリーンウッド法を普及するためのものらしい。ウェブ上では、日、英、中、独の4カ国語であるから、海外の読者も意識したのだろう。
 
しかし違和感が大きい。初っぱなに「日本の木製家具が高く評価される理由」。
初めて聞いた。高く評価されているなんて……。
 
機能性、デザインが優秀なのかどうかはちょっと判断しづらいが、続く環境対策、持続可能性の面はどうか。ここで重要なのは、使われる木材の調達方法だろう。
家具に使われる木材の多くは広葉樹材だ。スギやヒノキ、マツなど針葉樹材では強度が不足している。使えなくもないが、脚などを太くするなど工夫が必要となり、その分デザイン性が弱くなる。
 
ところが家具に向いた広葉樹材は、国内にあまりないのだ。かつてはケヤキやミズナラなどがよく使われたが、今や底を突き、比較的出回っているのはクリとコナラぐらいか。それらも決して資源は潤沢ではない。
そこで輸入広葉樹材に頼るわけだが、これまた資源が枯渇しつつある。そして違法な状態で伐採・輸出されるものが多い。たとえばマホガニー、チーク、ローズウッド……いずれも各国で輸出規制がかけられている。にもかかわらず市場に多く出回っているのは、違法伐採木材が混ざっている可能性が高い。それを日本が輸入しているのである。
 
このサイトでは、合法木材であることを強調しているが、その担保が公共事業向きのグリーン購入法と、できたばかりでザル法として有名なクリーンウッド法というのは……。
 
クリーンウッド法には罰則もなく、努力義務にすぎない。そもそも登録業者だけしかチェックしないのだから、登録しない業者は違法伐採木材も使い放題となる。今のところ家具関連業者で登録(予定)しているのはたった7社にすぎない。そのことをサイトに載せているが、これではクリーンウッド法が機能していないことを世界に紹介しているかのようだ……。
そもそも法律の趣旨が違法木材追放ではなく合法木材推進であり、合法という確証のないグレーな木材もOKになっている。それについての林野庁の見解は、「違法木材の定義がはっきりしないので規制できない」とのことである。情けない……。
 
それぐらいなら、確実なトレーサビリティを持つ森林認証材を使うことに熱心なイケアの家具の方が優秀に思える。
 
 
ところで韓国では10月1日より、木材の持続可能な利用に関する法律が改正施行される。まだ内容を詳しく分析できていないが、韓国国内における違法伐採による木材と、木材および木製品の輸入についてチェック体制を設けたもののようだ。ただ韓国の場合、国内の林業は大きくないから、主に輸入材が対象となるだろう。
 
業者が木材を輸入する際には、韓国山林庁に申告しなければならないのだが、そこで合法性をチェックされる。そして「検査の結果、伐採の合法性が確認できなかった木材または木材製品につい ては、販売の差し止め、返還または破棄を命ずることができる。」とある。つまりグレー木材(合法か違法かわからない)も締め出すつもりのようだ。
この点だけを見ても、日本より厳しいように感じるがどうだろう。
 
すでに欧米などでは厳しく違法木材を取り締まっている。さらに韓国などアジア諸国も規制を強めるようになると、世界中の違法およびグレーな木材は、規制の緩い日本に集まってくるのではないか。

2018/09/23

Nらじ特集「違法木材」

明治神宮のことばかり書いてきたが、もともとはNHKラジオに出演するためである。

 
番組は、午後6時からのニュース「Nらじ」。そのうち7時半から始まる「特集一本勝負」であった。通常は22分のコーナーだ。私の出演したのは、9月19日分。テーマは、「合法?違法?グレーな木材が大量流通する日本 」である。生放送だったが、今はネットの「らじる★らじる」で1カ月間は聞ける。上記リンクを開いてみてほしい。聞きたい人は。(私は聞かないよ。)
 
10  どーもくん。
 
内容をかい摘んで紹介すると、国立競技場建設に関して、国際NGOから抗議が行われた点を捉えて、日本の木材事情を語る、というものだ。競技場では、熱帯産木材によるコンクリート型枠が使われていたので、これは違法伐採木材ではないのか、熱帯雨林破壊に手を貸したのではないか、という追求を受けたのである。
 
ここで日本の木材調達は合法証明を基本とするのではなかったのか、ということから、実際は怪しい木材が混ざっていること。海外では違法という証拠がなくてもグレーならアウトであること、日本のクリーンウッド法はざる法であること……などを語ったのであった。
 
なお熱帯産(マレーシア産)合板の話は、FoE ジャパンの三柴淳一さんが電話出演で話されている。
 
番組は、事前に密な取材が行われていて、私だけでなく各所(たとえば林野庁)に行った上で簡単な台本というか構成が作られている。それに沿ってキャスター、アナウンサー、解説委員と話を進めていく予定。
 
もっとも「好きに話してくれていいですよ」と言われていて、キャスターらと事前に挨拶したときも「どんどん話してください」と言われたので「私の口は羽より軽いですから」と応えてしまった(^^;)。半分、青い効果だ(笑)。
 
それでも本番は、それなりに構成どおりに進めようと思っていたのだが、何のことはない、キャスターが順番にこだわらず話を振ってくる。それ、最後の質問じゃないの?というのを初っぱなから来るもんだから、こっちも徐々に口がなめらかに( ̄∇ ̄) 。台本にないこともペラペラしゃべる。少々延長して30分を超えてしまったようだが、もしあと30分あったら暴走していたかもしれない。
 
 
とはいえ、放送なりの特性がある。やはり文章ほど言葉を練って話せないし、話の流れや勢いというのがあって、自分のペースで進められるものではない。
たとえば合法木材から森林認証制度に触れそうになったのだが、ここで森林認証制度を解説する時間もなければ話の腰を折るだけで聞き手に理解されないだろう。そこは、一気に飛ばす。合法証明と森林認証を混同する人がいても良しとする。肝を残せたら、周辺部分の誤解を恐れない。
 
ようは日本の木材を合法と思うな、日本人は知らぬうちに海外だけでなく国内の森林破壊に手を貸しているぞ、と伝わったら成功だ。
 
なお裏では、番組を離れて日本の林業や木材事情についてディレクターと話して、かなり興味を持ってくれたよう。また日本の森林問題を扱う番組を作りたいといってくれた。こうした効果に期待しよう。
 
 

2018/09/22

明治神宮のヒガンバナ

明治神宮ネタを続ける。

 
今回、神宮内を歩いて気づいたのは、ヒガンバナだ。 
 
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これは宝物殿前。ヒガンバナが咲いていたのだ。ちょっと驚いた。
本殿の裏側に当たる宝物殿前は草地が広がっていて、ちょっと深い「鎮守の森のある明治神宮」というイメージとは違った景観が広がっているが、ヒガンバナとは意表を突いた。
 
なぜならヒガンバナは種子を稔らせないで、球根で増えるからだ。つまり自生する例はほとんどなく、たいていは人が植えたのである。勝手に分布域を広げることはない。
 
このことを私は四年前のYahoo!ニュースに書いていた。
ということは、明治神宮にも植えられたか。明治神宮にいつ頃からヒガンバナが咲くようになったのかは知らない。造営直後からなのか、意外と最近なのか。秋の一時期だし、私がそのときによほど気をつけて見ていなければ気づかないだろう。
 
照葉樹林の鎮守の森ばかりに目を向けていると、ヒガンバナが異質の風景を映しているように思える。薄暗い照葉樹林内には生えないで、田畑のある田園風景になじんでいるからだろうか。 
 
もう一つ、気をつけたい穴場がある。 
 
なんと明治神宮の中に水田が開かれた一角があるのだ。一般心は立入禁止の場所だけど。ここで取れた稲は奉納される。神道は、稲作文化と綿密につながっているうえ、多くの儀式が稲と結びついているわけだ。
そして、その傍らにもヒガンバナが……。
 
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これ、かなりの望遠で撮りましたよ。
 
つまり神社の中の里山(^o^)。ちょっと景色が違う。
ちなみに、この水田は21世紀になってつくられたもので、造営時からあったものではない。もしかしたら、ヒガンバナもその際に持ち込まれたのかもしれない。
 

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森と林業と田舎