松岡大臣の自殺
このブログでは、政策は扱っても政局を取り上げる気はない……つもりだったが、さすがに感じるところがあったので、急遽、一言。
松岡利勝農林大臣は、林野庁出身者ということで、多少は興味&期待するところがあった。政策的には賛成しかねることも多いのだが、少なくても林業に詳しい点と、豪腕との評判ゆえ、何か仕掛けたら動きは早いからだ。事実、就任前にはサミットで違法伐採を取り上げさせて世界的な違法木材締め出しの大きな流れを作った。
ただ就任後は、かなり強引な人事をしたことで知られている。マスコミはまだ取り上げていないが、官僚には恨んでいる人も多いのではないか。
この半年以上、次々と大臣に関する醜聞・疑惑が噴き出るのは、それもあってリークが相次いだからだと睨んでいる。自殺の原因に関しては、これから調べが進むだろうが、数々の疑惑が絡んでいるのは間違いないだろう。
それにしても、何か気分が悪い。その原因を自らに問いかけると、生駒市で今起きていることと、似ている点があることに気づいた。わが町では、前市議会議長に前市長が相次いで逮捕された。こうしたことで自分の住む町が有名になることは喜べない。それにもまして気分が悪いのは、鬼の首をとったかのようなマスコミと便乗する市民の存在だ。
マスコミは、膿を出せ! とばかりに腐敗の構造を報道している。とにかく醜悪に描いて叩くことがいいことだと思っている。そして一部の市民まで、自分の住む町をけなすことに夢中だ。おそらく町への思い入れが薄いのだろう。まるで自分の知っている土地が、事件の舞台になったことにワクワクしているかのようだ。
私は逮捕された二人に多少とも面識があり、悪いやっちゃなあと思う反面、身近な人が逮捕されたことへの憐憫も湧く。この距離感がわからない批判は気分が悪い。
おそらく私は、林野行政をウォッチングしているせいもあって、松岡大臣本人は知らないし政策も評価していないものの、なにがしかのシンパシーを感じていたのかもしれない。
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コメント
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福島の山本です。どうも。
故人の経歴を見ると、手塩営林署から前橋営林署と東日本を歩いているんですね。おそらくその関係で鈴木宗男と仲良くなったんだと思いますが、前橋営林署は単に群馬の支所というより昔から福島を含めた広範囲の林野行政を管轄していますよね。村民に聞くと、「昔のりんく(林区と書くのかな?)さんは大威張りで、村長なんかよりよっぽど偉かった」という。そんな古き良き時代の願いみたいなものが故人の背中にあったのかなあ?(私ものちに贈収賄の舞台になる「やまりん」は田舎暮らしの取材で訪ねたことがあるんですけど)。それにしても首相の「慚愧に耐えない」という失言、お粗末だと思いません?
投稿: 山本一典 | 2007/05/29 10:12
基本的には、古いタイプの政治家ですね。
鈴木宗男との関係が取り沙汰されていますが、私はちょっと違うのではないかな、と感じています。鈴木議員は、いわゆるたたき上げですが、松岡議員は官僚から政治家へという、ある種の定番コースに乗っている。林野庁時代の役職はたいしたものではなかったようですが。
にもかかわらず、何が彼を古くてダーティな面に走らせたのか。
右翼との関係も指摘されますし、今後何が出るやら……。
安部首相も、「美しい日本語」を使わないとね。
投稿: 田中淳夫 | 2007/05/29 11:46