無料ブログはココログ

本の紹介

« 朝日新聞書評 | トップページ | ヘギ板職人 »

2007/05/21

木曽でも新月伐採

訪れた南木曽木材産業でも、新月伐採をやっていた。

Nagiso写真は紙切れしか写っていないように見えるが、ホオノキの大木の木口である。書いてあるとおり、新月の木国際協会の注文だそうだ。ちゃんと立会人が来て、いつ、どこで、どのように倒して、葉枯らしはどれだけやったかチェックを受けている。この場合は地形的に、山側に倒したそうだが、本来は下向きだという。不思議だ。

社長の柴原さんのいうには「新月伐採した木がカビないのは7割まで。あと3割はカビも生えるし、言われているような効果は出ない」そうだ。その点を、本家本元のエルヴィン・トーマにいうと「オーストリアと日本は生息する微生物が違うからだ」という、わけのわからない言い訳をしたそうだ(笑)。

こんなこというから、新月伐採が信用できなくなるのだよ。もっと、真摯に向き合いなさい。ともあれ、新月伐採が万能であるかのような言い方はやめるべきだろう。
私自身は、新月伐採の効果は伐採時期より葉枯らしにあると睨んでいる。もっとも下向きに倒すのがいいというのが解せないのだが。両者の比較実験もしてみるべきだろう。

ちなみに新月伐採に関しては、前ブログに随分書 いてきた。その一本がこれ。ほかにもあるから検索してちょうだい。

« 朝日新聞書評 | トップページ | ヘギ板職人 »

林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

以前にも書いたかもしれませんが、新月伐採に関してのセミナーに出たことがあります。

こんな実験をして、比較したら、こんなにも新月伐採は素晴らしい。てな論調で発表していました。

でもその比較実験の実験水準やら、サンプル数、さらにはマクロおよびミクロレベルでの客観的な実験方法・分析・考察と、データのの信ぴょう性については全く触れられておらず、逆に科学的な検証としては、「意味無し」という答えを出していることに、本人たちが気付いていない。

逆に胡散臭さを増幅させていました。

最近、関東域で国内ユーザー向けに販売ルートを持っており、毎月決まった量を購入したいという、国産木材の販売に関して今まで木材流通に関与していなかったある会社から仲介を依頼されています。

当然他産業からの参入組なので、木材に対するスペックも明確で強度、含水率、外見、寸法安定性などを明示の上、価格に反映させています。

最初なので、月に45立米程度ですが、東京には一年を通して対応できる製材所が無いことが分りました。
つまり、仮に新月伐採がいくら良くても、年間で対応できなければ、需要サイドでは取引してくれない。
年間を通して安定した伐採と木材生産、さらにはそれを可能にさせる金融システムの必要性を痛感しているここ数日です。

月45立米程度でも、安定供給は難しいですか。情報を付加した木材は、想像以上に供給れれないものですね。

たしかに質がどうのこうのというより、供給量が安定しない限り、新月伐採の木材はキワモノの位置から脱しません。好事家相手の商売になってしまいます。

考えてみれば、「銘木」の定義だっていい加減で、扱う人の気持ちに頼っているのだから、新月伐採木も、銘木の位置でお金持ちを相手にする木材だと思って見ればよいのかもしれません。

林業のほうじゃ、まだこんな事にかかずらわってるんですね。
木材加工技術協会の木材工業誌2006年12月号に、京大の高部氏による科学的データに基づく「敗北宣言」が出てますよ。

ネット上の木材工業誌では、

「新月伐採法」によって採取されたスギとミズキを用い,辺材柔細胞中での貯蔵成分の挙動を調べた。柔細胞中のデンプンは,葉枯らし期間中に消費され,フェノール性成分が生成されていた。このため木材にはカビにくさが付与されていた。

……と記されていますね。これが「敗北宣言」なのかどうかはわかりませんが、真っ当な研究がされているのなら結構です。私の主張は、ちゃんと研究データを出すべき、という点なのですから。

でも、葉枯らし中にデンプンが消費されるのは当たり前で、新月とどのように関係あるのかわからない。この論文、ちゃんと読んでみたいなあ。
それに、現場の人から「効果なかった」という報告が上がってきているのには、どう応えるのだろう。

筆者によると、きちんと科学的に実験をしたのだけれども、新月伐採による効果が全く見られなかった、つまりシロアリには食われてしまったし、腐朽菌にもやられてしまったということです。

新月伐採と満月伐採で有意差がないことを示す図が3枚でています。

さらに、実験室に放置してあった新月伐採の木材には多くの割れが入ってしまった、つまり、くるったり、暴れたりしてしまったということも、この筆者は明らかにしています。

NPOから資料を提供してもらっているからでしょう。新月伐採の効果については否定的なことしか書けないので、葉枯らしの効果だけを要約に書いておいたんでしょう。

それにしても、この筆者は「もう、茶番はヤメにしたらどうですか」と提案すべきところを、スローウッドやら地産地消やらの勧めなんかで、お茶を濁しています。これは科学者としての「敗北宣言」でしょうね。

田中さんは、きちんとしたデータを出せとおっしゃっていますが、それは無理です。無い物ねだりです。否定的なデータならいくらでも出るでしょうけど、「木とつきあう知恵」という本の帯に書いてある「新月の木は、腐らない、暴れ・くるいがない、火が燃え付かない」というデータは、科学的な手法を用いる限り絶対に出ません。「木とつきあう知恵」にだって、「新月伐採」することによって、これだけ性能が上がったというデータが全くのっていませんからね。

大勢いるはずの木材の研究者が、なぜ新月伐採の問題に取り組まないかというと、徒労に終わることがはじめから分かっているからだと思います。ご存じのように、生きている樹木であっても、形成層と辺材の柔細胞を除く樹幹の大部分はすでに死んでいます。死んでいる細胞が月の影響を受けるはずがありません。もちろん、葉枯らしの効果はありますが、それ以上の効果、つまり、腐らなくなったり、くるわなくなったり、燃えなくなったりするはずがありません。貴重な研究時間を削ってまで、こんな与太話にはつきあってられないといったところでしょうね。

とはいっても、私は新月伐採の信奉者を非難するつもりはありません。日本国憲法では、思想信教の自由は認められていますので、宗教である限り、何を信じようと個人の自由だからです。・・・・ちょっとイヤミですかね。

ちなみに、ちょっと前に「水からの伝言」という水の写真集が話題になったことがありました。容器の水に「ありがとう」と話しかけていれば、きれいな結晶になり、「バカヤロウ」と話しかけていれば醜い結晶になるというものです。写真集が売れて、さらにその話が小中学校の道徳の授業に使われたらしいということで、さすがに日本物理学会もだまっておられなくなり、「ニセ科学とどう向き合っていくのか」という、シンポジウムを開催して、この問題を取り上げました。日本森林学会でも同じようなテーマでシンポジウムをやってくれないかと期待しています。

なんだ、論文で「敗北」したのは、新月伐採側のでしたか。(それをちゃんと指摘できない科学者側でもあるかも。)

それならその実験結果を、ちゃんと公表してほしいものです。いくら真っ当に考えれば、新月伐採の効果なるものがうさん臭いことは分かりきっていても、明快に示さないと、世にはびこるばかりです。

それにしても、新月伐採について検索して、出てくる中で懐疑的に記しているのは、当ブログだけというのも情けない。

はじめまして。新月伐採について最近興味を持った者です。
田中様の「科学的な根拠を示してほしい」という意見に共感しました。

新月伐採を宣伝しているサイトをいくつか覗いてみたのですが、材質の長所ばかりを述べていて、肝心の科学的説明が見当たりませんでした。
とにかく他の商品との差別化を図ることに、重点を置いているという印象です。

ある宣伝サイトでは、月の「引力」と関係付けようとしている説明がありました。
月の潮汐力を持ち出すのであれば、太陽の潮汐力なども馬鹿にできないと思われますが、まあそれを言い出したら色々ややこしいことになるので深く言及しないのでしょう。
おそらく彼らは潮汐力の計算など考えたことも無いのでしょう。計算していれば樹木一本に影響する月の潮汐力など、どの程度かすぐに判断出来るからです。
ウミガメの産卵云々とも書いてありましたが、これなどは海水の温度の季節変化や海水の干満と関連した「体内時計説」で十分説明がつきそうです。

満月時と新月時では木材の成分が違うと主張するサイトもありました。ここも詳しい説明はありません。
漠然と「月の光で光合成?」などと考えたりもしましたが、万が一それが可能だとしても目に見えるような差が出るとは思えません。
樹木の成長に寄与する「月の直接の影響」など、他の要因に比べたら無視できると思うので、なぜ成分に違いがでるのかさっぱり分かりません。

新月伐採を推進しているサイトを見る限り、科学的根拠に乏しいまま突き進んでいるように思えます。
日本の森林環境に目を向けさせるためとはいえ、このような頼りない戦略のままでは結局は、林業全体の信頼低下を招きそうな気がします。
時間は掛かるでしょうが、やはり専門家の研究成果の報告を待ってからでも遅くはないと思うのです。

月の引力とか体内時計を持ち出すのなら、満月を見て変身する狼男の存在を証明できるかも(笑)。月の光(景観)が心理に及ぼす影響を考えた方が、科学に近いと思うから。
……そういえば、ルナティックという言葉には、狂気という意味があったような気がする。

新月伐採などは、もっとファンタスティックな概念であるべきだと思うんですよ。それこそギリシャ神話かゲルマン民族の民話でも持ち出して、「新月の木には、魔力を秘めているという伝説があります」といったキャッチコピーを付けて売るのなら、私は温かく見守るんですけどね。

しばし 温かく 見守ってあげて下さい。

限界がきたら お教えします。ハハッ

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/15149807

この記事へのトラックバック一覧です: 木曽でも新月伐採:

« 朝日新聞書評 | トップページ | ヘギ板職人 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

森と林業と田舎