シカとピーマン
昨日は、川上村へ。土倉庄三郎に関して、多くの情報を得られて整理するのが大変なのだが、ここではその合間に聞いた話。
シカに、とうとうピーマンまで食べられたというのだ。
シカ害は山村に行けばどこでも話題だが、今や造林地よりも田畑を荒らす動物となっている。とくに山村では自家菜園程度の小さな畑が、荒らされる。そこで柵を作るのだが、それも2mくらいだと飛び越えるので、3mの高さにまでなっている。もう、柵ではなく檻(もちろん檻の中に入るのは人間)である。
全敷地は無理なので、ニンニク、唐辛子、ニラ、ピーマンなど癖のある香り野菜は柵外に植え付ける。これらの野菜はシカも食べないとされたからだ。
ところが、ついに食べられたのだという。シカがピーマンをかじっているそうだ。シカの嗜好も変化してきたのか。それとも餌不足になりふり構わないのか。ちなみにシキミも食べるという。この木は仏前に備える独特の臭いがある木だが、獣害に合わないので、林業の副産物だったのに。
そのうち、唐辛子の好きな韓流シカとか、ニンニク食べた精力満点シカが現れたらどうしよう。ニラ臭いシカなんて、いやだなあ。
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>そのうち、唐辛子の好きな韓流シカとか、ニンニク食べた精力満点シカが現れたらどうしよう。
>ニラ臭いシカなんて、いやだなあ。
ふきだしてしまいました^^;
鹿はキハダも大好きですものねえ。
長野の新聞に、鹿も胃もたれ?という見出しの記事が出てたこともあったな。
ピーマン食べてみたら意外とおいしかったのかなあ。
そういえば山梨では、鹿の食害であやめ祭りが中止になったそうです。
投稿: になみ | 2007/06/28 08:27
そうか、山には胃薬も生えているから、多少は食の冒険してもよいのかもしれない。キハダとかドクダミを食べたりして。
自衛隊員を動員して獣害対策をするという話題があるけど、獣害ならぬ銃害にならないようにしてほしいな。
投稿: 田中淳夫 | 2007/06/28 10:56
獣害対策
自然のサイクルを取り戻し、人も動物も双方が幸せになれる対策をお願いします。
各地で猿害、鳥害、熊害、虫害などいろんな害が出るたびに、それらが人害であるにも拘わらず、動物たちが排除されています。
とても心が痛みます。
被害の出る状況を把握し、原因となる根本を改めることが最高の対策だと思います。
人も動物もそれぞれの分を守り、平和に共存できる世にしたいものです。
投稿: 高木 幸子 | 2007/07/03 14:59
山村の人の状況を聞いていると、今や「人が野生動物を排除」しているどころか、人間が排除されているようですよ。
動物は増え、人は過疎化が進んで減っていますからねえ。シカもサルもイノシシも、山で見るのではなく人里で見る、もしくは襲われる状況。人は反撃に出るどころか逃げまどっています。ニュースになるのは、ごく一部の排除シーンだけで。
投稿: 田中淳夫 | 2007/07/04 00:20
うーん、私も、必ずしも動物たちだけが、排除されている被害者とは
思えないかなあ・・・
都会だと、街なかに出てきただけで(それがアオダイショウでも!)
大騒ぎ、警察呼んで、捕獲して、ってなっちゃって
ああ~排除されてるなあって思うんですが。
そういえば山村の、山の中腹の畑で、猿の害に悩まされた老夫婦が、
ついに小さい畑を網で覆ってその中で作業していました。
網の外から眺める猿・・
集団発生した虫に悩まされてしまうと、
虫たちも幸せになる方法なんて呑気なことがとても
いえなくなってしまいます。
被害の根本を考える必要性にはまったく同感です。
でも、根本を変えることが難しいならせめて、
被害があっても致命的にならないような(人間のくらしトータルでみて)安全策を取ることができたらいいなあと、思います。
投稿: になみ | 2007/07/04 08:38
書き忘れましたが、もちろん人間社会に踏み込んだから野生動物が悪いというわけではありません。そうした地域状況があることを認めないと、前に進めないということです。
よく「動物に罪はない」といいますが、だからと言って、現状を放置しておくわけにはいかない。
人とケモノは生活圏を厳密に線引きをしないと、とめどなく侵し侵される関係になってしまう。それは、お互いに不幸です。
投稿: 田中淳夫 | 2007/07/04 12:02