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2007/07/03

合法木材

いわゆる木材のグリーン調達が実施されて1年を過ぎた。
政府調達の木質製品(紙、合板等も含む)は、すべて違法に伐採されたものではないことを証明しているものしか購入しないという、アレである。

日本木材輸入協会は、昨年度後半(平成18年10月~19年3月末)の合法性・持続可能性の証明された木材の取扱量を明らかにした。合法性が証明された木材などの輸入量は、原木、製材、合板、集成材ほかの総輸入量の38%に当たる。ただし中身は、合板が81%。丸太は35%と低い。
国産材の割合はわからないが、とりあえず全国の県木連などに認定機関はできたはずだ。しかし、証明する事務手続きは増えたものの、そのコストを吸収するのは大変だ。

おそらく、この制度の裏には、環境のことだけでなく、外材の締め出しを意図していたに違いない。違法伐採が問題となっていたのは、熱帯諸国とかロシアが大きいからだ。ところが、下手すると国産材の証明が遅れて、逆に外材の方が合法証明木材が増える恐れもあるのではないか。

国産材は、これまでも同じことを繰り返してきた。
たとえばかつての外材は、未乾燥だった。乾燥が必要だと言われるようになって、外材は速やかに人工乾燥に移行したのに、国産材はいまだに遅れたまま。
住宅の品質に関する品確法が施行された際にも、強度などの表示が求められたのに、国産材はもたもたして、結果的に外材に席巻されてしまった。

今度の合法木材認定も、同じことにならないよう望む。

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

田中さま

先日、その件で行政とやってしまいました。

合法木材認定がどのようにすれば広まるか研究会をしませんかと言う話に

「この合法木材認定も上からの指示で、見た目にザルのようなもので形と体裁を整えたという付けの刃じゃないのかなあ」と悪態をついてしまいました。

そんな行政に振り回されている民間は、すぐにつぶれてしまいますよ。

「国産材の時代が!!」といっていた数ヶ月前の動きとは違う動きがもうではじめている。様子見だった相場が、需要が以外に伸びないところに材価の値段が下がり始めている。

危機感がまったくないことも・・・。

打ち上げ花火も良いけどじっくり腰の据わった行政らしい相撲を取って欲しいと願っています。

合法証明は、森林認証制度などを使ったものでないと、ザルなのは、実はみんな知っている(^^;)。
それでも手間とコストはかかる。まあこの制度で、再造林しないような森林施業計画違反の木材を取り締まれればよいのだけど。

国産材の需要、意外と延びていませんか。ちょっとはしゃぎすぎではありましたが。たしかに、鳴り物入りの「新生産システム」指定地、ほとんど動いていないと聞きます。

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