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森と林業と田舎の本

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2007/07/12

質より量

最近、政策でも新商品でもソフト関係は「質より量」ではないか、と思い出している。

一般に日本人は、「量より質」という感覚が強いように思う。商品にはきめ細やかな造りを要求し、ほんのわずかの汚れも嫌がる。作業もどんどんこなす人より丁寧な仕上がりが称賛の対象になりやすい。
また豊かになった結果もあるだろう。たとえば食べ物は「量より美味しさであり健康によいもの」という嗜好が強くなり、そのためには高くても構わない。

もちろん、そうした感覚にも一理あるのだが、ソフトの面からすると、あまり綿密な質を要求するよりも量で勝負してはどうか、と思い出した。

たとえばアイデアを考える場合、よりよいものを、と設定すると、なかなか浮かばない。何か思いついても「やっぱり無理か。くだらないか」と切り捨てる。政策的なものも、どんな条件でも対応できるシステムを作ろうとすると、複雑になり、運用も大変になる。

それより「いい加減なものをたくさん」作ってはどうだろうか。くだらないアイデアでも100出せば、その中には使えるものも隠れている。ただし大雑把だから、そのままでは無理で工夫しなければならない。その工夫が臨機応変の対応を生み出す。
たくさんの中から、どれを選ぶかは当事者に任せ、選んだものを使うまでの手間暇も選んだ者が自分で考える……こんな制度はどうだろう。どうせ、社会の動きは予測的ないことだらけなのだ。質を追求しても計算どおりには動かない。

政策も、思いつきと無責任で立案する(^o^)。ただし一つのテーマに、量は100や200くらい並べる。数を出した人が優秀とする。その方が、お役人も萎縮せず、また発想力が問われて査定しやすいのではないか。

商品も、消費者の思いがけない消費行動に期待する。これが売れる! と思っても、どうせ当たらないのだ。そして朝令暮改、右顧左眄、消費者の声に合わせてどんどん作り直す。そのうち当たるものも出るだろう……。

くだらないと思う中に、斬新なものが眠っている。

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