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森と林業と田舎の本

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2007/07/20

チャンスをピンチに

割り箸業界の人との対話。

「これまで作った割り箸は、みんな問屋に渡せば問屋が売ってくれるものだった。ところが時代とともに問屋は輸入割り箸に目が移り、最近では産地問屋まで塗り箸に手を出すようになっています」
「ならば、生産者も自分で売っていく気概を持たないと」
「そう言われても、売り先もわからないし」
「問屋を通さないで求める消費者はいくらでもいますよ」
「先日、ものすごい大口の注文が直に来ました。でも、断りました
……ガタガタ(こける音)
「問屋を通さずに買いたい注文があるなら、なぜ応じないんですか」
「問屋とのつきあいもあるし……」
「でも、問屋の方は、塗り箸も扱って、つきあいを裏切ったのでしょう?」
「…………」

塗り箸メーカーが、箸供養の儀典の場で、割り箸づくりのデモンストレーションをしてくれという依頼が来たそうだ。ともに国産の箸の文化を高めていきましょう、という呼びかけをしようという。
願ってもない機会である。塗り箸関係者に国産割り箸の理解を求めるチャンスだ。
が、「断ろうかと思っている」
「???ハア??(@_@)」
どうやら、何か塗り箸メーカーの陰謀かと疑っているそうだ。案内に、「……箸を無駄遣いせず……」という文があるので、割り箸とは敵対する、と感じたのだという。

吉野杉を中国に輸出して、向こうで割り箸に加工し逆輸入するビジネスモデルがあるが、それも最初は、国内で最新鋭マシンを導入して効率よく割り箸を作る計画だったそうだ。しかし、吉野の業者はみんな断ってしまった。その結果が、中国行きである。

どうやら、せっかくのチャンスをみすみす逃して、ピンチにする名人らしい。

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割り箸」カテゴリの記事

コメント

二回目の書き込みです。覚えていますでしょうか?
「森の仕事ガイダンス」に行ったことや、割箸を研究していたことも書いた京都の大学生の浜中です。お久しぶりです☆

私は、あれから、割箸の勉強から変わり今は卒論で林業のことを勉強しています。
国産材に風がふいてきたというのを聞いて、自分が前に割箸をやっていたから、吉野でも前よりは変化があったのかなと思っていたら、そんなことが!
風がふいているのを乗らないのはもったないですね…。
使ってほしいと割箸を作っている人たちが声をそろえて言っていたのに、ピンチにしてるとは。
やはり、その「付き合い」というのは、これからの国産割箸の普及よりも大事なものなのでしょうか??

岡本おさみ作詞・吉田拓郎作曲の「襟裳岬」って歌がありますが、その詞のままの現実なのかな。
 身構えながら話さなければならない臆病さの根源にはこれまで声高に語られてきた安直なエコ意識とその風潮を利用した売名行為の放置があるのではないかと思います。
 まさか、襟裳ならぬ吉野 の春が、本当に何も無い春です なんてことにはならないでしょうが。
 

早速書き込みさせていただきます。
きっと、本当に販路を自分で探そうとしているところには、こんな有り難い話は届いていないのでしょう。
製造業で家内工業となれば工場を空けるのも大変ですが、本当に吉野の未来を考えれば有り難い話を断る理由がどこにあるのでしょうか?
もったいない・・・。

浜中さん、覚えていますよ。前のブログでしたね。

よく農業は遅れていると言われますが、それより遅れているのが林業。そして林業にも少しずつ改革の波が押し寄せているのに、さらに遅れているのが割り箸業界? かなあ。

注文を断るのは、目先のことを言えば、ロットが大きすぎて自分たち生産量では賄えない…とか理由があるんですが、ならば共同で生産する契約を結ぶとか、前向きの動きにならないのが残念です。つきあいも、持ちつ持たれつの関係性だったのに、気がつくと持ってくれず持ってばかりでしょうか。

吉野の山は、いっぱい引きずるものが多すぎる山なんです~♪

ジェリーさん、先日は失礼しました。

現実にチャンスはたくさんあると思いますよ。ただ、それを見つけてつなげられるか、つながった時に前向きに取り組めるか、がポイントで。

>問屋とのつきあいもあるし

つまりは運転資金やら、今後の様々な資金調達がうまくいかなくなるを嫌っているわけ?

そこまで経営が分っての判断なら文句を言う筋ではないと思うけど、そうで無いなら田中さんのずっこける理由も分かる。

新しい金融の話をしても「ポケッ」っとしているのは、後者の場合かな。

普通のビジネスでは「ピンチはチャンス」だ。やれないのは失う物とを天秤にかけて判断しての結果だと思うが、そんなに失うものがあるのですね。

それほど深く突っ込んだわけではありませんが、おそらく資金関係ではないと思います。

問屋は、金額はともかく、製造した割り箸をほぼ全部引き取ってくれる関係です。ところが新規に取引する先が、今後ずっと続けられるかどうかわからない(社長が変わったら、倒産したら…)。もし問屋を怒らせたら、そんな時にもどるところがない……そんな心配をしているのだと思います。また問屋側の圧力もあるようですね。

また新しい人とつきあうのがおっくうな面もあるのではないかと。


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