間伐材用紙
屋久島の話題は、ひとまず置くとして、紙を巡って林野庁と環境省が対立しているお話。
林野庁は、間伐材を利用したコピー用紙を使いたいのだが、環境省はグリーン購入法を盾に、コピー用紙は古紙100%しか認めないからだ。
もともと環境省は、木材を使うことが環境に優しいということさえ認めたがらなかった過去がある。木材使用=森林伐採=環境破壊というお馬鹿な図式が頭に張りついていたからだ。今は、ようやく国産材の使用が日本の森林によいと認めているが、今度は紙か。
これは割り箸でも、ゴミの溶融焼却炉問題でもそうなのだが、「せっかく分別・リサイクルを進める運動を推進しているのに、たとえ環境には悪影響がなくても、運動の後退を招くから反対」という声がよく沸き上がる。環境省も、それに乗っかったか、と感じる。
しかし、その発想は、地球環境を考えるというよりは、運動のための運動ではないか。
もともと学閥的に言うと、林野畑(庁)は農学系、環境畑(省)は理学生物系出身者が多いと言われる。私も時折、両者の基盤となる考え方の差に巻き込まれることもあるが、それも影響しているのかなあ、と感じる。
ただ私は、古紙リサイクルが本当に環境に優しいのかも疑問があるし、間伐材を紙パルプにすることにも抵抗がある。パルプにする前に、もっと利用法を考えるべきだろう。それでもパルプにさえしなかったら、捨てられ朽ちていく間伐材をもったいないと思う。(環境系の人は、朽ちるのも生態系の役割で、人間が利用すればよいとは思わない、なんぞと理屈こねるだろうが。)
折しも、東京には、「オフィス町内会」という職場から出る古紙共同回収システムを運営するNPOがある。ここでも古紙再生紙を推進しているが、今度は間伐材用紙の共同購入に乗り出した。政府機関よりも柔軟に動くNPOの真骨頂だろう。
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