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森と林業の本

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2007/08/18

割り箸からのニッポン再生

なんだか、二つの拙著のタイトルを合体させてしまったが……実は、本気でこんな計画を練っている。

東京では、そのための密議?を行った。それを一言で言えば、国産割り箸の振興による林業再生ある。これは日本総合研究所のプロジェクトなのだが、私もそれに一枚かんだわけ。
とにかく割り箸が森林破壊だという濡れ衣を払拭するとともに、大口需要先と大量生産拠点の確保によって、日本に国産材による割り箸産業を復活させようというものだ。そして割り箸によって山村に経済的な還元を増やし、林業の再生をめざす。ひいては森林の再生、日本社会の再生をめざす。
まず研究会を立ち上げ、需要先を口説き、出資先を見つけ、マスコミに働きかけ、林野庁とも話を進める……という構想を考えている。(こんなに内容を紹介したら、密議じゃなくなるよな。総研の厳しい電子キー付き会議室で話を行ったのに(^^;)

『割り箸はもったいない?』に書いた通り、割り箸こそ林業の神髄である。木を無駄なく利用し尽くす精神こそが林業を成り立たせる。

『森林からのニッポン再生』の意味は、日本の再生には都会だけ元気になるだけでなく、山村を切り捨てては成り立たない、山村の復興には林業の再生は欠かせない、林業を再生すれば自ずと森林も健全になる……という意味が込められている。
そこで林業再生に割り箸を利用しようというのだから、「割り箸からのニッポン再生」になるわけである。

さて、いかなる展開ができるか?

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割り箸」カテゴリの記事

コメント

森林や林業の実態を広く世間に知らせるには良い企画ですね。
彼らのパイプをうまく使って目的を達成して下さい。

個人的には総研は私の持っている特許を侵害している(無論知ってて使ってる)ので、あまり良い感情は持っていません。すでに口頭ではクレームつけているので、そのうち正式にクレームをつけようと思っています(^^

林業はよろしくない。広葉樹を切り、針葉樹を植える。針葉樹の森には食べ物がない。そのため草食動物がいなくなり、肉食動物もいなくなる。今までにいくつかの動物が絶滅した。(例ニホンオオカミ)
 ホームページのゴルフ場は自然がいっぱいをみた。まったくおかしい。もとの山林に比べたら自然はゼロに等しい。哺乳動物、甲虫類、猛禽類など多くの動物がすめなくなる。
 人間第一主義は情けない/

>やんばるさん

絵に描いたような先入観と固定観念の表明,お疲れ様です(2ちゃんねるなら「工作員乙」と書かれたかもしれません).

詳しいことは田中さんからいろいろあると思いますが,とりあえずニホンオオカミの件を本気で言い出すのであれば,

・拡大造林が行われたのは,戦後
・ニホンオオカミの最後の個体の確認は,1905年ないし1910年(後者は諸説あり)

ということ程度は念頭において論を組み立てる必要はあるという点は指摘しておきたいところであります.一応公開の場なのですから.

「割り箸からのニッポン再生」

感覚的に活動内容が理解できるシンボリックな取組は、是非とも進めていただきたいです。
応援してます!

ただ、林野庁だけではなく、実際に働きかけたい相手と直接コンタクト可能な都道府県、市町村へも、最初から一声掛かると良いのでは?

国の人って、そりゃぁ気の毒なぐらい真面目に仕事してますし、知識も情報量も豊富ですが、やっぱり周りに森林や地域の住民が存在しない大都会で考えていても、独りよがりな面は多いわけで、質的にはタイムリーじゃない情報を根拠にしているケースも多いのです。

また、試験研究機関ってのは都道府県も同じですが、基本的にシーズ分野からアタックする傾向があるため、研究のための研究というスタイルが無意識に意識化されているというか、それは誰のニーズやねん!!ということも多いです。


とは言え、地方行政も似たり寄ったりするわけですが、相手の顔を具体的にイメージ出来るだけに、検討内容には具体性・真剣味が持てるはず。

というわけで、日本全体をどんどん、巻き込んで欲しいと思います。


それから、「my割り箸」という発想。

実はつい最近、子供向けの読本を考えてる同僚がおりまして、そのネタに「my割り箸」を紹介したところ、「ん?何??」と一瞬創造できませんでした。


まだまだ、「まず塊より始めよ」ってところでしょうか。

最近は、やんばるさんのような書込に真正面から向き合うのは時間の無駄だと思い出しているのですが、あがたしさんの側面指摘もありましたから、一応記しておきます。

もう少し、基本から勉強した方がよろしいかと。あまりに幼い……。

なお基本的にコメントは、本文の内容に則したものにしてください。何ら関係のないコメントを付けられては迷惑です。場合によっては削除することもあります。

セロ弾きオーボワさん、THE RIGHT STUFFさん。

日本総研については、私もあまり知らない(^^;)のですが、コンサル業界って不思議なところですね。まあ、何もかもこれから、ですから、今後の動きを見たいと思っています。むしろ、こうした皆さんの声こそ方向性を考える手がかりにしたいと思っているのです。

>国の人って、そりゃぁ気の毒なぐらい真面目に仕>事してますし、知識も情報量も豊富ですが、

うん、私もそう思います。ただ巨大な組織に飲み込まれているゆえに、一人一人の想いも能力も活かされにくい、壮大な無駄になる(そう言っちゃ失礼なら、やることなすことポイントをずらす)ことになっているような……。

「マイ割り箸読本」、ぜひ作ってください。

割り箸が,採られた木材をできるだけ利用することも意図した結果産業として成り立っている製品であるということは田中さんの説くところでありますが,関連して興味深い記事が今週号(2007.8.20号)の「日経ビジネス」にありました(定期購読なので,外出が無理でも読めるのです).

それは家具・インテリアを製造・小売する「ニトリ」社(2006年度のROAが10%超と,同業社のなかで群を抜く)の紹介で,同社がベトナムに作った工場のことです:
>この工場では仕入れた木材の95%を使用する.
>通常の工場であれば廃棄する率は50%程度という.
>ニトリでは端材はつなぎ合わせて,家具の
>見えない部分の材料として用いるなど
>徹底的に使い切るのだ.

そういう家具をほしいと思うかどうかは消費者の判断に任せますが,廃棄されかねない部材からでもゼニを稼ごうとする姿勢の強化が木材産業を変えてゆくのかもなあ,同社社長が現在の日本の森林産業の現場を見たらどう思うだろう?と思ったものです.

ただし記事では残念ながら,「仕入れた」材の95%なんですよね.これが「立木の」95%ならばすばらしいのですが(それと,どこの木を使っているんだろう?).

ところで,妻との会話:

妻「面白い箸屋さんがあるの」
あがたし「足が治ったら行ってみるかな」
妻「一膳ン万円のものも並んでるわよ」
あがたし「一膳ン千円の最高級品なら知ってるよ」
妻「そりゃ安物」
あがたし「いや,それが割り箸なんだ」
妻「どこかで聞いたような・・・あ,田中さんの本ね」

本当に立木の95%なら、素晴らしい!
建築の構造材料を立木から取ったら、30%が良いところ。残りの70%からどう役に立つ物を作り出すかに林業ビジネスの可否がかかっていると思っています。
無論、その中に割箸も入っているのですから。

え?当然田中さん、コンサル業をよく知らないのですか?
コンサル業特に世界に冠たる大手と付き合ってきた者としての個人的意見です。

彼らの対応は3段階あります。
第1段階:先ず極めて優秀な人材(それぞれの会社でエース)が対応し、かなりの短期間でそれなりの成果を出します。もっともそれだけこちらの方にも無駄な部分がジャブジャブとあるわけですが。なければ相手は食いついて来ません。

第2段階:それなりの成果でこちらの気持ちがかなりその気になる。そこで(新米を従えた)中堅どこにバトンタッチ。肩書きはシニアなんとかですが入社5年位で玉石混交。中にはエースになるものもおり、1年間位かけ最初の半分くらいの成果を出す。エースに成れないのは、さっさと転職していく。

第3段階:1年間もコンサルしたので、数年間の定期契約にと巧みに切り替えさせられ、その後は実働は新米のみとなり、最悪の場合、こちらが教育係となって費用だけが流出する結果となる。

ということで、こちらサイドがかなりコントロールして上手に相手を利用するようなことにしないと、酷いことになる。
特に第2段階で冷静になることですかね。
いずれにしても、コンサル会社の上層部はかなり優秀。それなりの人脈と情報を持っているので、相手の言いなりにならず、上手に使えば成果は着いてきます。

ニトリの家具は、ベトナム製でしたか。端材の利用姿勢は立派ですが、やはり製材した時点で、立木の3割以下になっているでしょうね……。
それに、森林問題にうるさい人ほど、無垢材を求めて、集成や合板、MDFなどを嫌うという矛盾があります。どちらが森林に優しいんだか。

そういえば、先日訪れた東京ミッドタウンにも箸屋がありましたね。もちろん塗り箸ですが、色とりどり、高いのが並んでいたな。

コンサル業界の仕組み、よく勉強になりました(笑)。たしかに転職が多くて、社歴のわりには若くて新人が多いと思っていましたが。

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