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2007/09/01

大台ヶ原の入山制限

9月1日は何の日か。もちろん防災の日など、いろいろあるが、ここでは環境省が画期的な入山制限を始める日であるこを紹介しよう。

奈良県の大台ヶ原は、標高1500mから1700mの台地で、昔から魔の山、精霊の棲む森扱いされていたが、今ではスカイラインもできて訪問者が数多い自然公園である。大きく分けて奇岩と大絶壁、立ち枯れ草原で知られる東大台と、苔むした原生林の残る西大台がある。

今回、西大台に入山制限が設けられた。1日平日30人、土日50人まで(夏や春・秋のシーズンは、多少拡大する)。それも事前申込が必要で、お金(1000円)も取る。入る際もレクチャーを受けなくてはならない。当日受付はしないから、実質的に一般登山者の締め出しとなるだろう。

なぜ、こんな措置を取るかと言えば、オーバーユースが心配だからだ。そもそも現在は笹原が広がる東大台も、以前は苔むした原生林だった。それが台風による倒木や鹿害などで開けてしまった景観なのだ。このままでは西大台も同じことになる、という心配を、NPOと環境省がして、こうした政策を取ることになった。

これまで西大台は、景観としては地味なので、さほどトレッカーが多いとは思えなかったのだが、徐々に増えてきたそうだ。たしかに苔むした深い森は、もののけ姫の舞台になってもおかしくない。わざわざ屋久島までロケハンに行かなくても……と思うほど(ただし、こちらは落葉広葉樹林であり、照葉樹林ではない)。
それにしても、オーバーユースと言えるほどだったろうか? 多少疑問だ。東大台の事情を風害や獣害を無視して、人だけを問題に取り上げるのもどうか。だいたい人を入れずに自然を守るんだ、という発想は、やはり理学生物系の人間を隔離したがる原生環境至上主義だなあ、と感じてしまう。

それでも、環境省の英断だと言ってもいいだろう。これまでは、常に横やりが入りそうな政策は避けていたからだ。前回くさした環境省だが、ここでは褒めておく(^^;)。

この大台ヶ原を明治期に聖地にして大台教会を築いた男がいる。古川嵩だ。彼は、当時はまだ大台にはいたニホンオオカミと語り合い、3カ月間一緒に暮らしたという、もののけおじさんなのである。ここでも、屋久島との共通項がある。実は古川のバックには土倉庄三郎がいて……という話もあるのだが、今回はパス。

ところで屋久島である。屋久島で縄文杉ツアーに参加した際、ガイドが大台のことを尋ねてきた。入山制限のことは知らなかったが、気になる存在のようだ。縄文杉コースも、そのうち入山制限の必要が出るかもしれない。今以上に登山者数が増えたのなら……。すでに登山者が撫で回すのか、傷んだ苔も目についた。

環境と観光。両立の狭間で人は悩み続ける。

Photo_2 

これは大台ヶ原の苔むした森

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こちらは屋久島のウィルソン株

                                              

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

>環境と観光。両立の狭間で人は悩み続ける。

悩ましいのは環境と観光の両立か、
はたまた無知な良人の存在か(^^;

無知ならひとつ一つ教えてあげたら解決!?
無感性なら…  (--;

冷やかに考えれば、自然が傷めば魅力が落ちて、観光客は減る、そして自然の回復を待つ……なんてバランスもありだと思うんですけどね。

でも、観光に頼る地域経済は困るでしょうね。

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