巨木トラスト・巨木オーナー
以前、末端価格は1000万円はするであろう、巨木の立木価格を聞いて、ひっくり返った。
50万円だというのだ。なぜなら、生えている場所が非常にやっかいな場所で伐るのも搬出するのも難しいからだ。下手すると、伐れない、伐っても太いゆえ重くてヘリで釣り上げるのも難しい、失敗すると折れてしまうか、途中で切断して短くしないといけない。
それらをクリアして出した後、転売に転売を重ねて1000万円くらいになるらしい。
こうした特殊事例は別にしても、巨木が巨木ゆえに伐れない、伐りたくないケースもあるだろう。とはいえ、その木も財産だとすると山主にとって持っていてもよいことはない。
そこで立木トラストを使えないかと思いついた。
立木のまま、権利を売買するのだ。もともと自然を守るナショナル・トラスト運動の中で、土地を買うほどの金がない人むけに、立木を売る発想である。ゴルフ場反対運動などでよく使われた。一本5000円とか1万円で開発予定地内の立木の権利を買うと、開発業者は立木権利所有者全員を口説かないといけないから、物理的に手が出せなくなる。たった一人の所有者を脅しすかして口説くのとわけが違う。
これを伐れない巨木に適用する。都会のお金持ちに、樹齢200年の木を100万円とかで売る。宝石を買うような感覚なら可能ではないか。これが巨木トラストだ。もちろん、複数の人間がお金を出し合って1本の巨木を買ってもよい。あるいは棚田オーナーのように、10年10万円とかで契約して、巨木オーナーになってもらう。
買った本人は、直径1mの巨木を所有しているという気持ちで満足感を得る。たまには巨木のあるところまで行って、抱きついたり写真をとって、「巨木セラピー」を行う。
スギ・ヒノキでなくてもよい。自分の山で広葉樹も含めて巨木があったら、売り出すのだ。さらに管理費を毎年取るという手もある。もちろん伐らないし、伐れないだろう。
山主にも、多少のお金が入るのだから悪くないし、地域を巨木のある森というイメージを広げることにもつながるだろう。その金で森林を整備して、ついでに作業道も敷いて、契約が伐れたら巨木を伐採……これはマズいか(笑)。
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