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2007/09/19

正しいバイオマスのCO2固定法

バイオマスエネルギーについて思考実験してみた。

これが注目されるきっかけは、地球温暖化防止ためのCO2の削減手段である。そこで石炭石油など化石燃料の使用を減らすために、カーボン・ニュートラルのバイオマスをエネルギーに使うことが考えられた。

ここまではいい。しかし、カーボン・ニュートラルとはCO2の削減ではない。理論上はプラスマイナスゼロだということだ。ただ化石燃料の使用量が減ると、CO2放出量も減る。だから「増えない」わけだが、減らすことになるわけではない。

しかもバイオマスエネルギーの大半を占める木質は、石油などと比べて重量当たり熱量は、約半分ではなかったか。すると同じエネルギー量を出すには2倍使わないといけなくなる。エタノール燃料を使用するエンジンも、ガソリン燃料より馬力は出ないだろうから燃費が落ちることになるのだろうか。削減効率はあまりよくないように感じる。

そこで本当にCO2の削減になる方法を考えてみた。
それは、新たに化石燃料を作ることだ(笑)。それを地中に埋める。石炭石油でなくてもよいのだが、空気中のCO2を固定して再び大気中に放出しない手段とはなんだろうか。

思いついたのが、木炭である。バイオマスからほとんど炭素だけを固定して安定した物質が木炭ではないか。何百年でも、変化せず固体のままだ。大気のCO2濃度を上げることはない。だから木炭を作って、地中に埋めることが、CO2固定になる。核廃棄物のように大深度地下への投機で反対されることもなかろう。

もちろん通常の方法で炭焼きをして、それを埋めていたのでは無駄になる。しかし炭焼きでは、原木(バイオマス)を蒸し焼きにしてエネルギーを取り出しつつ、木炭が焼ける。つまり木炭を作りながら熱を得ることは不可能ではない。その熱を利用するシステムがあれば無駄がないだろう。またバイオマスからエタノールを生成すると、化学式を見る限りベンゼン環の炭素が余るように思う。だからエタノール燃料を生成しつつ、バイオマス屑を木炭にする方法はないだろうか。

そして焼けた木炭を、土壌改良材などの用途で、どんどん地中に埋める。漁礁として海中に沈めてもよい。そんなシステムを構築できないものかなあ。

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