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森と林業の本

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2007/10/24

書く理由

今日は、ちょっと真面目?な話。

様々な記事を書いていると、当事者が読むこともある。とくに、このブログには森林・林業関係について記すわけだが、そこに登場させたり関係している人が、プログを読んでいるケースも少なくないようだ。

取材した人はもちろん、周辺の人も。単に見てきたことを書いただけでも、見られた人がいる。すると、読み手の中にそういう人たちがいることを最初から想定しておかないといけない。そこで問題となるのは、どれだけ配慮して書くべきか、という点だ。

私の文章は、辛口だと評せられることが多いが、もし配慮が強まれば、本来の自分の意見や感想、そして書くべきことが抑制されてしまわないか。それはよいことなのか、それとも堕落なのか。

結果的に私が選んだのは、読み手の不愉快さも引き受けた上で書くことである。不愉快にならないよう、悲しまないよう、怒らさないよう、と考えて書いたのでは、その時点で書く価値は失われる。ただし、不愉快、さらに怒りも引き出しかねないことを充分に自覚して、それでも書くという理論武装を自らの中に持たねばならない。
その点から言えば、私の職業は、まさに因果な商売なのだ。

当然、書いたことに対するリアクションをも引き受けなくてはならない。
もちろんそれは表に出さないことなのだけど、相手の痛みを知りつつ書く。そうした痛みを想像できないまま書く方が、よほど危険なことだと結論づけた。

こんな執筆活動をしていると、反発もある。とくにネットは、まさに他人の痛みを引き受けない言語であふれている。それに触れて、一晩眠れない思いをしたこともあるが、それでめげているわけにはいかない。単に泣くのではなく、反発するのでもなくて、図太く対応する覚悟を持つ。これも、私なりの結論だ。
ネットで自分に対してイヤなことを書かれたことがあるだろうか? 経験としてはなくても、最近は、知らないうちに、どこに何が書き込まれているかわからない。
一番簡単なのは読まないことだけど、むしろ読んだ上で鈍感力を身につけることも大切だと感じている。知らないでいるより、知って無視するか、反論する力を身につける。

同時に傷つかないのがよいとは思わない。むしろ傷つきながらも、傷に負けない回復力も持ちたい。傷つき、傷つける。鍛え鍛えられて、次の段階に進める。それがフリーランスになって十数年の間に身につけた技だろうか。

……以上の文は、ある特定の人に送ろうと思って綴ったメールを元に記した。結局原文は、送るのは止めたのだけど、改めて自分のスタンスを確認する作業になったという点で書いてよかったと今では思っている。

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コメント

そのスタンス、同感!支持します!

私自身、前職は1万人を超える従業員を持ち、一時受注高では世界No.1になったこともある企業に勤めていた。したがって、2chにも専用のサイトがあり、2度に渡って、個人名を推定できるような誹謗中傷を受けたことがある。
当然会社には2chをモニタしている人間もおり、彼ら?が猛然と書き込み(反論や擁護ではなく、単にくだらない事を書き込むことによって画面上からどんどん関連書き込みを追いやること)をしていた。
原因は社内のくだらん権力抗争。

ほんの2週間の間に7キロ以上痩せ、周囲の視線が矢のように感じられた。
時間だけが薬だった。
言葉の暴力を感じたと共に、経験による鈍感力を養えたと今では思っている。
経験をもって言葉の暴力を知っている人は、書かれた人の痛みを理解できるから、逆にそこまでは書かないし、どこまで書けば自己の主張に正直かのバランスも本能的に理解している。
特に加減することなしに配慮しているから。

でもあの時の7キロ、そのままでいたかった(^^;

う~ん、厳しい状態に置かれている(いた)人は、決して少なくないようですね。ネットによるイジメ自殺も起きていますから。
私の場合は、職業として覚悟もしていますが、そうではない人にとって、図太くあれ、というのも酷な気がするし。

それにしても、2週間で7キロ……羨ましい☆\(-_-メ;)
ダイエット法の本書けたりして。

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