飫肥杉
やっぱり宮崎に行ったのだから、飫肥杉と、飫肥杉の生える山を紹介しておこう。
飫肥杉は、非常に生長がよいが、油分が多く、昔は船材として重宝された。江戸時代から造林は進められたが、やはり大半が戦後だ。だから林齢は30~40年が多い。それでも、かなりの太さだ。吉野杉の2倍くらいあるように感じる。
県南の飫肥地方は、まさに一面、スギ、スギ、スギ。尾根までスギである。吉野もスギだらけの山だと思っていたが、負けた、と思ったね(笑)。
で、問題の伐採だが、
たとえば、こんな感じ。大面積皆伐までは行かないが、モザイク状に伐採が進んでいる。ただし、この写真のところは再造林をちゃんとしている。
こちらは、イマドキの重機を入れて伐採したところだろう。最近らしく、まだ造林も行われていない。重機用の作業道が生々しいが、これくらいなら傾斜もきつくないし、崩落はしいなだろう。
最近は、宮崎の機械化林業を紹介すると、「あれは土壌を荒らすし、再造林をしていないから、禿山になってしまう」という反論がよく出る。
それは一面の事実ではあるが、再造林率は75%だという。意外と多いように感じた。もちろん裏を返せば、25%、つまり4分の1が再造林をしていないわけで、それなりに問題はあるが、すべての山全体を放棄しているわけではない。
また、私も皆伐すべてをケシカランというつもりはない。皆伐は、それなりに優れた施業法である。また、事後の処理の仕方次第で治山や生態系への影響は、最小限に押さえることができるはず。
話題になったNHKのクローズアップ現代の映像(熊本の100haあまりの皆伐・再造林放棄地)に関した裏話も聞いたが、まさに一部をクローズアップしたのだろう。
こうした風土・地勢抜きに宮崎の林業は語れない。
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