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森と林業の本

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2007/12/20

日払いの議員報酬

昨日の話題と続いているように思うのが、今朝の朝日新聞に報道された、福島県矢祭町

議員報酬を、議会に出席した日数ごとに支払う日当制に変えることにしたというものだ。これで人件費は3分の1にできる。
矢祭町は、「合併しない宣言」で有名となったが、行政改革が著しい。職員の大幅削減など合併しないために進む苦しい財政を補いながら、住民サービスを高める施策を次々に打ち出している。そして、いよいよ議員にまで食い込んだようだ。

私は、議員報酬の日当制に大賛成である。以前から主張していたことだ。だいたい議会は毎日開いていないのに、毎月報酬を払うことにギモンを感じていた。ちゃんとした給料をもらわないと生活できないなんて、たっぷりの給料もらっている都市部議員の戯言である。山村に行くと、議員報酬が月15万円程度も珍しくないし、10万円以下のところもある。もともと議員報酬だけでは生活できないのである。当然、別の仕事を持っている。その合間に議員活動をしているわけだ。その延長線上に、矢祭町の決断がある。

都市部の議員だって、会社員やりながら議員すればいい。首長もサラリーマンを兼ねることも可能かもしれない。議会は土日か夜開くのだ。その方が住民の傍聴だってしやすくなる。残業命じられても、断る勇気なくして議員はできない。ただし、調査費は、払うべきだろう。ちゃんと領収書と報告書を提出義務を課して。さもないと審議能力が落ちる。

矢祭町では、従来の議員報酬は月20万8000円、年間で347万円だったそうだが、これだって裕福とは言い難い金額だ。それが年間90万円程度になるらしい。

今後、町村議会と都市部の議会の格差も問題になってくるのではないか。そして低報酬の町村ほど、NPO化が進むだろう。まさに奉仕の精神で議員活動を行うことになる。それは誇るべきことだと思う。

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地域・田舎暮らし」カテゴリの記事

コメント

この村の出身の後輩がいました。懐かしい村名です。

議員は、ボランティアで良いと思います。名誉だけは、きちんと保持しなければなりませんが、土、日出席や仕事が終わった時間帯の議会でも十分です。

10年位前にドイツでは、そうですよ。と地元の議員に話したことがあります。

この国の国民は私も含めて民主主義というものがどんなものであるか、しっかり勉強する必要があるなあと本当に感じるこの頃です。

本来、議員は名誉だけでよいと思いますよ。職業とするから、感覚がマヒする。住民の代表ではなく、自分の生業として振る舞う。それは高級官僚も一緒です。

まさに民主主義の根幹から考え直さなくては。地方より国もそうだけど。

公務員を10年で100万人減らす。

私の主張の一つです。

想定、年間10兆円の削減になる計算です。

加えて議員職をパート化すれば日本財務は黒字に向かうしかない。

道理ではないでしょうか。

NPO的な自治体というと,「市町村崩壊」という名の,現役市長(当時)が書いた本を思い出しますね.

徹底的に「小さな地方自治体」を目指したら(いや,小説中では”目指さざるを得なくなったら”でしたが)どのような方策が考えられるかを近未来小説の形で示したものでした.

前半は現状における自治体の疲弊の現状を解説し,後半はいったん破綻に瀕した村が,行政組織を極限まで小型化する(”村長”は名誉職,議員”は無給での少人数,”議会”は土日休日か夜間に開催・・・)など,正しい意味での「リストラクチャリング」に邁進し,そして・・・という筋の小説です.

どの程度リアリティがあるかどうかは微妙なところがあるのですが,しかしこれを書かせた自治体の長の想いが興味深いものでした.

その本は名作ですね。いや、小説としてではなく、自治体論として。
でも、そこで描かれている自治体のあり方は、欧米では珍しくない形態なんですね。今回の矢祭町の決断も、ドイツに範を取っているそうですよ。

書誌情報を書きわすれていました失礼しました:

http://www.amazon.co.jp/dp/4902835045

市町村崩壊 -破壊と再生のシナリオ-
穂坂 邦夫著
発行所:スパイス
発行年月日:2005/05/28
ISBN-10: 4902835045

発行所はたしか倒産しているので,版元から仕入れることは困難かもしれませんが,Amazonマーケットプレイスなどでは潤沢に中古がでています.

この本で面白かったことのひとつは,特定の悪役を作らなかったことですね.どこか特定の団体や個人が市町村改革を阻んでいるのではない.それでもやはり,「何か」がそれを阻んでいるわけで,その書き方も面白かったです.

その「何か」のひとつとして著者が挙げているのが,大げさに言えば法の精神,具体的には三権分立という誰でも知ってる大原則.たしかに日本国憲法をふくむ日本の法体系では,行政の長たる自治体長と議会は相互に監視体制にあり,議会はかなりactiveに動いていないといけないように感じてしまう.あるいは逆に,実質上自治体長をおかないという行政組織はありえないことになると思ってしまいます.
(ということに小説ではなっていたように思う)

つまり自治体改革を推し進めるには国の法律が間接的に邪魔をするということなのだけど,著者はだからといって国の法を悪者扱いすることはなく(決して善玉扱いではないが…),法は法でやはり一つの理念と原則をもって制定・運用されているのだと理解をしめします.その上で,でも現実には市町村の疲弊は今すぐなんとかしなくてはならない(法改正を待って…などという悠長な話ではない).では両者の折り合いをどうつけるか…

そこをどうやったかは読んでいただいてのお楽しみということで.

この本(とくに後半)を読んで思ったのは,かつて違う意味で使われた表現のモジリです:
「できぬできぬは工夫が足らぬ」

あがたしさん、ありがとうございます。

版元、倒産していたんですか。どうりでマイリストに入れようと思ったのに、どうしてもつながらない。

この本では、議員の中から市長に相当するシティマネージャーを選ぶような構想もあるわけですが、これは今の日本では憲法違反なわけです。

私が思ったのは、結局国が財政破綻した方が、まっとうな自治が行われるのではないかということです。小説の中でも、困難の中に新しい道をみつけるわけで。市町村は疲弊しているけれど、赤字再建団体のように権限を奪うのではなく、自分で工夫させるのも手かと。

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