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森と林業と動物の本

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2008/01/18

1月17日

1月17日。この日が過ぎた。関西では、13年前のこの日は原点となっている。

数日前、おそらく関西版だけだろうが、朝日新聞夕刊に「被災地の謎の張り紙」のことが書かれていた。
13年前、被災地の避難所にはおびただしい張り紙がされていたが、その中でひときわ目立つ赤い縁取りがされた紙があった。人探しと自分の滞在先を記入する用紙である。

ちゃんと印刷されているから、その場で作ったものではない。とはいっても行政が用意したものでもない。誰が作って配布したのだ? この紙は、色とデザインからよく目立ち、現場では重宝されていたのだ。

記事は、その謎が13年ぶりに解けたというものだった。広告代理店にいた人が現場を歩いて思いつき、すぐに印刷して各避難所に配ったのだという。これまで作った人の名前も明かさなれなかったが、関係者が告白して特定できたそうだ。

その人の言葉として「我々はコミュニケーションのプロ。自分ができることをやった」というものだった。

私は常々、マスコミは虚業だと思っている。広告なんかとくにそう(笑)。 報道だって、形のないあやふやなものを扱っているにすぎない。報道そのものは重要だとしても、被災者個人にいかほどの役に立つか。だから被災現場でできることなんぞしれている、と思っていた。しかし、「プロ」ならでは、その場でできることを見つけるべきかもしれない。

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コメント

佳い話ですね。

日々、自己分析、自己尊敬、自己実現、自己責任ということでしょうね。

 久々に心和むお話しを伺いました。

こういう暖かい話題をもっと報道して欲しいなと思います。

13年前のTVの前で、続々と報道のヘリコプターが飛ぶその下で、重機一台あれば救える命がみすみす失われていくことに、何か出来ることは無いのか?と唇を噛んだ記憶が蘇りました。

報道も大切ですが、命はもっと大切な筈です。
報道各社が協議して、1社だけが報道を、他社は協力して救助にと、こんなシステムは出来ないものか?と以後ずっと胸の奥に引っかかっていました。

豊田商事社長殺害事件以降、報道に対する不信感がありましたが、こんな記事を伝えてくれることもあるのだと、少しうれしくなりました。

この記事に紹介された方の様に、
「我々はコミュニケーションのプロ。自分ができることをやった」という意識を全ての立場で考えるべきだとつくづく思いました。

いい話題を伝えて下さって、ありがとうございます。

目の前に「事件」が展開された際に、自分は「仕事」を取るか、「当事者」になるか、その決断を迫られてしまうのです、報道人は。

たいてい「仕事」を取ります。その方が、実は楽だから。

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