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森と林業の本

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2008/01/31

「間伐材の新商品」報道

昨日、これは関西でしか放送していないだろうが、「ムーブ!」という昼番組で、日本の森林を救うための「間伐材からの新商品」というコーナーがあった。

やはり一応チェックしてしまう。まあ、それなりの内容で、間伐材を使うことで森林を復活させると伝えている。大きく間違っているところはない(でも、国産材が売れなくなったのは、『安い外材』のせいにしたり、『伝統的和風建築が減った』ことにしている。まさに林業界の言い訳に騙されていた)のだが、そこで最近登場している新商品・新技術

まずバイオマス。ペレットに木材発電。そして木片入りコンクリートレンガ、マイクロ波による木材変形「四角い丸太」……。

正直、ぱっとしなかった。いずれも最近発明されたものじゃない。とくに技術の面から言えば、かなり古い。取材者は騙されたのではないか。本当は、その技術を活かしていかに現代的な売れる商品を生み出すか、というのが課題なのだが。
バイオマスは、山から伐りだした間伐材を使っては引き合わないのは当たり前で、端材・廃材を前提にしなくてはならない。四角い丸太も、20年くらい前から研究されてきたが、イマイチ売れる商品ができない。

私も、この手の情報を報道してきた一人なので偉そうなことは言えないのだが、技術開発と商品開発は違うのだ。焦点を当てるのなら、技術ではなく「商品が売れた」ことにしないと、間伐材を使って森林を救う、にはならないだろう。

番組の中で私が気になったのは、「和室のない家の場合、建築費のうち木材の価格が占める割合は5~7%です」と業者に言わせたこと。ハウスメーカーのこの言葉は、木材が高いという思い込みを破ったという点で面白かった。ただ和室と関係ないはず。和室だと言っても数寄屋造りで銘木を使わなくてもよいのだから。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

>その技術を活かしていかに現代的な売れる商品を生み出すか、というのが課題なのだが。
>焦点を当てるのなら、技術ではなく「商品が売れた」ことにしないと、…

その通り!…だと思います♪

日本には素晴らしい発明や技術が「こんなにー!?」と感激するほどたくさんあるのに、広まらない。
消えて無くなったり、海外に出てったり、逆輸入になったり…ほんとーに勿体無い。

どうやって技術をメジャーなモノにするか…アイデアを出すのが、研究&開発者ではない私たちのお仕事でしょうか。

日本の技術は、すでに物真似の時代を脱して、独創的なアイデアがいっぱいあるんですよね。でも、活かされないのは研究者と現場の連携が足りないのかな……。

明日は東京に行くので、その道中、独創的なアイデアと、その利用法を一つ以上ひねり出すことを課題にします(^o^)。え? もちろん出版のアイデアですよ。

宮崎の海杉さんの事業は参考になりますね!
間伐材ばかりではありませんが。それにしても、木製鳥居に対する彼の意気込みは本人にあったことがなく、ブログでしか分かりませんが、強く感じます。
それにしても、骨董屋まで営んでいるとは。そのような環境下にあるからこそ、アイデアが出るのでしょうか?
林業、木材業界以外のところからのアイデア、商談などにヒントがあるのかも。そして、しがらみのない状況下での段取りができていくのかも。それに対して、業界はしがらみの中でどう動いていくのか。特に、宮崎と東京のメーカーのコラボには注目するところが沢山あるような気がします。

端材・廃材が混ざり物のない木材なら1300℃で良い炭にする機械があります。

40L800円売りで採算がとれます。

型枠廃材由来の炭を、家具卸商と組んで介護用ベッドの下層全面に厚さ20cmの炭ゾーンを付けた試作品をテスト販売しています。

結果が出れば報告します。

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