コナラの伐採
シイタケ原木にする目的で、コナラの伐採に山へ行った。
前から目をつけていたのは、道路際の木である。枝振りから、伐採すれば道路側に倒れて道を封鎖してしまうが、通行量は少ないから、さささと玉切りして移動させれば大丈夫だろう、全部終えるのに30分もあれば、という目算である。
が、異変は伐採直後に起きた。見事コナラは倒したのだが、なんとチェンソーのチェンが外れたのだ。しかも運の悪いことに、そこへ車が。
道路いっぱいにコナラの幹と枝が広がっている。さすがに人力では移動させられない。チェンを張り直すには時間がかかる。結局、車はバックして迂回してもらったが、まず自分の車まで走り、ナタとノコギリを持ち出して、倒したコナラをギコギコ切る。ナタをバンバン振るう。腕が痛い。それでも必死だ。
幸い2台目の車が来る前に、コナラの幹をいくつかに分断できたので、引っ張って移動し、とりあえず道路を通れるようにした。
ホッとして、チェンソーのチェン張りを始める。チェンが外れること自体はままあることなので、そんなに心配していない。ちゃんと張れたらすぐにシイタケ原木によい長さに玉切りにして、積み込んで帰るはずだった。
が、おかしい。張り直したチェンソーがうまく動かないのだ。しかもすぐに外れる。またやり直しだ。何度か繰り返すが、どうにもチェンが回らない。バーとチェンのかみ合わせが悪くなったようである。このチェンソー、ものすごく整備がしづらい構造なのに、何度もチェンをいじっていると絶望的になる。
さずがにマズいので、チェンソーをいったん諦めてまたもやナタとノコギリで幹をギコギコ切る。腕が張ってきた。ともかく枝を払って、いくつかに分けて道沿いに積んだ。とてもシイタケ原木用にまでは切れない。道路を掃除して、ギブアップ。
思えば安物のチェンソーの上、すでに10年以上前から使っている。もう買い換えようかなあ。もっと扱いやすくて、軽くて、どうせならチェンソーアート用を買おうかなあ。チェンソーアートスクールを運営しながら、まともなチェンソー持っていないのもおかしいしなあ。
と、考えながら、トボトボと帰り路に付いたのであった。冷汗も含めて、よく汗をかいた。
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「鉈」と聞いて冷や汗が出ました。
今回はご無事で一安心しましたが。
どうぞ、使いやすいチェーンソーを買ってください。お願いします。
投稿: 花姥 | 2008/01/10 17:10
もの凄い熱意が伝わってきます。
手や指に怪我がなくて良かったですね。
投稿: 岩井拓実 | 2008/01/10 19:08
お騒がせしました(^^;)。
幸い、夏に怪我したナタの傷は、ちょうど爪も完全に元の状態に生えたところです。さすがに、ナタを振るうときは、夏の悪夢を思い出しましたけどね。
投稿: 田中淳夫 | 2008/01/10 21:37
そうでしたか。
・・・何でも見てやろうジャーナリストというより、森林のことなら何でもやってやろう超ナチュラリストでしょうか。
開高健さんとも、寺田寅彦さんとも異質のスタンス・・・
投稿: 岩井拓実 | 2008/01/11 00:26
通直な性質の強い杉桧と違って、コナラや橡は伐採技術の体系が違うというか、そもそもまるで出来ていないと思ってます。
やはり登って枝を吊りおろし、坊主にして重心を明らかにしてから伐採というのが筋だろうと思いますし、単独作業であれば搬送ラインを設定し、シャックルなどで切断枝をラインに吊るして目的位置に自重搬送させるなどの準備が欠かせません。
都市近郊の里山で公道を塞いでしまうと地主さんの立場がなくなってしまうので、ボランティアで施業するときにも本当に気をつかいます。
カシノナガキクイで発生するという楢枯れの被害がいつ関東に及ぶのか、ずっと不安でしたが、ようやく森総研の黒田慶子さんの「ナラ枯れと里山林管理」という解説が来月には発行の予定だとか。
理屈の勉強と実務処理能力の涵養とのバランスが大切になります。
投稿: 成瀬 | 2008/01/11 10:07
広葉樹の伐採は難しいですね。
もっとも、ここで伐ったコナラは、胸高直径で10数㎝程度のものですが。いくつか枝分かれしており、そこの太さがホダ木に向いていると睨んでいたのですが、取りにいけない(;_;)。もったいないなあ。早くしないと、シイタケづくりができないよお。
投稿: 田中淳夫 | 2008/01/11 14:20