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森と林業と動物の本

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2008/03/09

緑の提灯

今、「緑の提灯(ちょうちん)」の店が増えているらしい。

Photo                                               

赤提灯ではなく、緑。ようするに国産食材を使った料理を出す居酒屋だ。
緑提灯は、国産食材の提供量が50%を超えるお店にだけ飾ることができる。2005年に北海道で第一号店ができてから、今手は全国に460店舗まで広がった。3月に入って全都道府県にできたという。

なおパーセンテージは、カロリーベースで地場・国産食材使用割合。50%以上で星を一つ付けることができ、10%上がるごとにさらに一つづつ増え、90%以上で5つ星となる。ただし星の数は、店側の自主申告に任せている。

これがもてはやされるのは、中国の毒餃子事件が起きて、消費者の意識の中で食材の見直しが進みだしたからだろう。たしかにタイミングとしてはよい。ただ、やはり値段は高くなるという。

農家を応援する戦略としてはうまい。何より提灯の色でアピールするところが。
実は、本当に国産食材だと安全なのか、味がいいのか、私は疑問に思っている。こうした感覚は、科学的というより心情的な要素が強いのだ。だから、緑の提灯を掲げた時点で、すでに食材は安全になり、美味しくなっている(笑)。
食べる人も、多少高いと言っても毎日のことではないし、お酒も入れば気が大きくなって気にしなくなるかもしれない。

ぜひ国産材商品でも、そんな応援団がほしいところだが、理屈こねて国産材の良さを説明するより、まず国産材を使っているということだけをアピールしたらどうだろう。それ以外は何も言わない。言ったら、ボロがでるかもしれない。だいたい科学的なことを言い出すと鼻につく面がある。

ホントに国産材が環境に優しいの? 本当に安全なの? 本当に色つやがいいの? 
そう突っ込まれないよう、単に国産材を使っていますよ、というだけで判断は消費者に任せるのはどうだろう。この運動は、あくまで林家を応援するためであって、それ以上のウンチクを付け加えないのだ。

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