見えない桜
雨上がり。気分転換に裏山を歩く。
ふと気づくと、足元は、桜の花びらがてんてんと雪のよう。
が、見上げてもサクラの木は目に入らない。もともと雑木林であり、結構繁っているから、上の木は見えにくいのだ。しかし花びらがあるんだからサクラが咲いていたのだろう。
しばらく行くと、道一面がサクラの花びらに覆われた。
しかし、サクラの木は見えない。かなりの大木で、背も高いのだろう。
ようやく広い道に出た。
あった!
結構、大木だ。この木が花びらをまき散らしていたのか。でも樹木の花よりも地面の花びらに見とれてしまう。
サクラというと、今や密植されたサクラの園が当たり前になっているが、本来のサクラは数ある樹木の一つとして、里山に点在しているものだろう。しかも山桜のように葉と一緒に咲く種である。つまり、ほかの木も若葉が繁りだしているから、花はあまり見えないのが普通ではないか。
サクラは人間の鑑賞のために花を咲かせるわけではない。
でもサクラの花からはハチミツが採れるから、ミツバチは確実にサクラを見つけ出してくれる。しかしミツバチの目は、色がわからないはず。言い換えると、ミツバチは、視覚ではなく匂い?でサクラを発見しているのだろう。そこでは匂い物質で森林を感知している世界があるのだ。
視覚で森を見ているのとは、違った世界が作られているのではないか。人間はその森林には気づいていないのかもしれない。
せめて、落ちた花びらから桜吹雪を想像する感性くらいは持ち合わせたい。
雨上がり 靴の裏みて花見かな
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こんばんは
なるほど、そういう見方、考え方もあるんですね。
嗅覚、聴覚での認識はどのようになっているのでしょう、識りたいです。
この一句、誰がうたったものでしたっけ?
えっ、「田中淳夫さん」? (シツレイイタシマシタ)
投稿: 花姥 | 2008/04/20 02:47
仮に視覚であっても、複眼の昆虫の見る世界は人間と違っているし、鳥の目、樹上の猿の目、みんな違う森が映るんでしょうね。
駄句、失礼しました。m(__)m
投稿: 田中淳夫 | 2008/04/20 09:09
「駄句」は過小評価が過ぎます。^^
遊び人、そう森遊び人であるかどうかで鑑賞する力が問われているのです。
私?
もちろん100点満点でしょう。(^^
追伸
デザインの進化、ありがとうございます。
サラッとした開放感がいいですねぇ。。。
投稿: たくちゃん | 2008/04/20 09:23