書評「未来への卵」 終
書評と書きながら、1冊の本で何日も引っ張りすぎなので、今回で終わりにする。
すでに内容については、断片的ながら紹介したが、ではこの本はどうなのか。
実は、そんなに読みやすい本ではない。決して難しい書き方をしているわけではないが、一つの組織の歩みを追うには複雑だ。おそらく現実はもっと複雑な過程を経ており、それを精一杯整理してはしょって、このような形にしたのだろうが、それでも、活動内容が多岐に渡りすぎて複雑だし、書き手の思いがいっぱい詰まっていて重くなっている。
だから、読む際には行間を読み取る覚悟がいる。そして断片的な出来事から何を学んだのか反芻する必要がある。
それでも、読む価値はある。これほどのNPO活動のノウハウ情報が書かれた文献はほかに知らない。もし、地域づくりに興味があって、本気に取り組んでいる人、あるいは取り組もうと思っている人。またNPOなどの組織運営に悩んでいる人。田舎社会に暮らしてみたい人。この本はヒントの山である。
本当に読んでほしいのは、中央の人々だ。首都にふんぞりかえっていては見えない世界がここにはある。永田町や霞が関の人々こそ、目を通すべきだ。
実は、私にとってもネタ本になりそうだ。だからここで紹介すると、今後の執筆活動に不利になると思ってしまう(笑)。ほとんど自費出版だから、部数も少ないし、一般の人が手にすることは少ないことを願っている。オイオイ
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