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森と林業の本

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2008/05/03

森林療法と地域づくり

今日は全国的に青空が広がり、森林療法びよりだろう。

さて、林野庁は全国に森林セラピー基地とセラピーロードを選定した。この春の11カ所を合わせると35カ所になるのではなかろうか。

これはどんな意図で展開されているのか。一つには「国民の健康」という理由があるだろうが、それは建前だ。縦割り組織の林野庁が唱えても嘘くさい(笑)。そんなこと、厚生労働省のお仕事である。もっとも瑣末で本音のところでは、認定料を稼ぎ、実施主体の国土緑化推進機構を維持する、という意図もあるかもしれない。
しかし基本は、森林地域の活性化、いわゆる地域づくりである。

では、認定された地域のうち、地域づくりに結びつくところはいくつあるだろうか。もちろんこれから、という面はあるが、私は一桁……いや複数あるかどうか怪しいと思う。多くの地域は財政的に持ち出しであり、垂れ流しの公共事業にしかならない。

ここで、森林療法≒森林セラピーの科学性や効能については触れない。数値的には効果は認められているが、理論面が確立していない。ただ、地域づくりに役立つかという点で見ると、ほとんどの地域が失格だ。

希有な例外が、信濃町だろう。だから私は取材先に選んだのだが。

そう感じたのは、まず計画が住民有志の動きから始まり、それを行政が受け入れて動いていること。国の構想に乗っかったのでもなければ、行政の先走りでもない。また当初から森林療法のマニュアルづくりに取組み、「癒しの宿」と「森林メディカルトレーナー」の養成を行っていることも大きい。そして住民に還元する仕組みがある。
システマティックなのだ。明確な理念があるし、具体的な運営ノウハウも蓄積している。

聞けば視察は多いという。だが、信濃町が築いたシステムを真似て実行している地域はあるのだろうか。少なくても私が調べたかぎりは見つからなかった。
先行事例を視察しても、誰も自分のところでは実行しないというのは、日吉町森林組合のケースと同じかもしれない。

少なくても国主導では、無理だ。

森林の中を歩きながら、そんなことを考えていた私は不純かもしれない。癒しになっていない? いや、私にとっては、こうした考察をすることが癒しなんだよ。イヤな性格(~_~;)。

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コメント

国主導。。。

浅い発想でしょう。

自覚ある民衆主導、自覚あるライフワーカー主導を待つ努力が必要なんでしょうね。

追伸

研修旅行で生駒山を越えました。
残念ながら「もう一度行きたい」とは望めませんでした。

早朝は別の息づかいがあるのでしょうね。

他人事ではない老化、深い知恵を発揮する宿題となりました。

そうか。

「地域づくり」か。


「地域づくり」ってなんなんでしょうね。
っていうところから、しっかりしてないと、
先に進まないというか、孤立してしまう。

単に森林セラピーっぽいことができても、
それで終わってしまう。

目標じゃあないんだよう、って話になりますね。

森林セラピーを進めている地域はたくさんあります。そこそこ成功させている(客が喜んでいる)地域もあるようです。
が、地域づくりにつながらなければ、山村が都会の人に汗かいて奉仕しているだけになる。その視点を忘れているところが少なくないように思いました。

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