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森と林業の本

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2008/06/02

補助金はベンチャーキャピタルに

農林中金が、「公益信託 農林中金80周年森林再生基金」の助成先を募集している。1億円まで出るという。

先日の山村再生セミナー等、補助金に関することを、このブログでもたまに書いてきたが、近頃思うのは、補助金の本分は「ベンチャーキャピタル」ではないか、ということだ。

つまりベンチャーにこそ、出資・助成する意味がある。……ここまでは、関係者にも異論はないはず。助成にはありきたりでない事業を求めているのだから。

しかし、ここでベンチャーキャピタルの性質を考えると、出資したうちの元が取れるのは10に1つだといわれていることだ。つまりベンチャー企業に出資しても、大半は失敗して出資額は回収できないということ。
それでもよいのだ。10に1つが成功してくれたら、その成功からの利潤で9つの失敗による損失は穴埋めできて、さらに儲かるのだから。

助成事業にも、この精神を持ってもらえないだろうか。助成した事業は必ず成功してもらわねば困る、という考え方を持たない。

いや原資は税金だから……という気持ちはあるのだろうが、これは公共事業とは違うのだ。実際、森業・山業関係でも、いくつかは失敗しているらしい。本当は返還を求めなければならないのだろうが、かろうじて許してもらったらしい(^^;)。

でも、助成を受けた事業がベンチャー的要素があるのなら、失敗はあって当たり前。それを繕って形だけ成功した、初期の成果を達成した、という報告書を書く必要はあるまい。
むしろ失敗例として、失敗した原因を探る報告書をまとめて提出したら、かなり価値があるのではないか。それをもって補助金の返還は免除する。

もちろん失敗例も含めて、世間に公開する。次回の募集でも、失敗例を示して応募者に気を引き締めてもらう。ただ採択を厳しくされても困るが。

なお補助金で事業が成功した場合、利潤から出資分を返還させるのではなく、成功した事業はやがて税金も払ってくれるのだし、地域づくりに貢献したことをもって「元をとった」と考えてほしい。

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