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森と林業の本

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2008/06/26

依存症

NHK教育で、「福祉ネットワーク」という番組を見た。

漫画家の西原理恵子が登場していたからである。テーマはアルコール依存症

ファンなら知っているだろうが、西原の夫だった故・鴨志田譲は、アルコール依存症だった。そして癌を患って亡くなった。その体験を語っているのだが、それは凄惨な生活である。
私は、西原のマンガも、鴨志田のエッセイや小説も読んでいるから、だいたいの状況は把握していたつもりだが、やはり生に語る迫力は凄い。

アルコールに限らず依存症者を抱える家庭は、とてつもなく闇の生活を覚悟させられる。周辺の人の介入もまずないし、できない。的確な助言をできる人は少なく、また聞く耳持たないところもある。目の前の事態をやりすごすことだけに縛られ、根本的に打開する行動はとりにくくなるらしい。ある種の「共依存」関係を築いてしまうのだろう。自縛されてしまうのだ。
やがて依存症者は、健康をむしばみ、人を人でなくす。

アルコールに溺れる者は、怠け者、気の弱い人間と思いがちだが、発症するまではともかく、中毒になった時点で、完全な病気なのだ。本人の努力だけではいかんともできず、治すことはできない。

結局、依存症から脱出するには、専門家のカウンセリングと治療法家族・周辺の人々の堅い結束と支え、そして本人の強い意志がないと無理…だと結んでいた。

この話を聞いて、思わず連想したのが、山村問題。 (^^;)イヤな奴

衰退していく山村は、お上と補助金の依存症という病にさいなまれているのではないか。いけないけいないと思いつつ、補助金にすがり、目の前だけ安楽に生き延びることを考える。そして自立する道を選べない、選ぼうとしない。

やはり山村問題を解決するには、山村だけに自立を求めて突き放すのは非道であって、共依存になった国が目覚めて距離を置きつつ支えないとダメだし、専門家による的確な処方箋を示す必要もある。そして当人たちの自覚も求められる。それぞれを精妙に組み合わさせて臨まないと、山村は、お上頼みの体質からは脱却できないのではないか……。

鴨志田さんは、最後にはアルコールから離れることができて、そして死んでいく。最後の言葉は、「人として死ねてよかった」だそうだ。山村も、本来の村にもどらないと、たとえ消滅せざるを得ない運命にしても虚しいよ。

なんで、こんなこと考えているんだろ? と思いつつ、西原の涙につられて私も涙をぬぐったのであった。

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コメント

はじめまして、香菜子@KANAKONKONです。

私の家族もアルコール依存症に苦しみ、最終的には
肝臓を壊してしまいました。

本人はアルコール依存症であることを最後まで認めず、お酒なんて辞めようと思えばいつだって辞められると言い続けていましたが、結局はお酒をやめられませんでした。

アルコール依存症と闘っている人には、アルコール依存症は専門家の先生の手助けなしでは克服するのが難しいことを理解してほしいです。

(-_-;)。(-_-;)。哀しい世界です。

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