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2008/06/01

投稿に見る林業家の意識

少し前の新聞の投稿欄にあった声を紹介する。
投稿主は、70歳になる林業家……と言っても現在は無職だが、今も間伐をしているそうだ。

まず、森林と林業環境は未曽有の危機にあるとする。80~90年も手入れをしてきたヒノキ(太さ60~80㎝、長さ12m)が、1本5000円以下でしか売れないことが例に上げられる。そして国産木材が売れるような施策がほしいと訴えるものだ。

ただ、よく読むと、山から下ろすのはヘリコプターであり、「安い外材に押され」たことが原因としている。そして木材自給率は20%を割っている……。
そこで林業活性化のためには、外材の輸入を抑えて、住宅や家具に国産材をもっと使うよう国民の意識を改革する必要がある、そのためには国政の力に期待するしかない、とある。

このブログをお読みの方なら、いくつも問題点を指摘できるのではないかなあ。
まずヘリ集材のような高コスト伐出の問題性、外材は安くなく国産材の方が安いこと、自給率は昨年で22%、今年は23%になろうとしていること……。ついでに言えば、1本5000円なら高い方かもしれない。

そして外材輸入規制なんて、管理貿易であり自由主義経済に反しているだろう。国民のニーズにも合っていない。ましてや国民の意識を変えるのに国の力を借りようというのも「なんだかなあ~」という気持ちにさせる。

残念ながら、林業の現場の人は、意外と林業の最新情報を把握していない。そして他力本願になりがちである。自分で全部ナントカしろ、とまでは言わないが、自分のつくった商品なんだから、いかに高く売るか方策を自分で考えて、その手助けを国や自治体に求める(もちろん規制ではなく)程度には、努力は必要だと思うよ。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

>読者投稿欄

 内容は「耳タコ」ですね~(^^;)
「何も」知らない一般読者なら「コロっと」騙される
可能性が高いですね~>だって、一応林業家の意見
ですし・・・

 しかし、この意見が載るというのが、選んだ新聞
様の「恣意的な」意見というか、相変わらず
勉強不足な面が垣間見れますが・・・(^^;)

 でも、某森林組合でも「林業新知識」など
職員も現場のおっさんたち、ほとんど読まないし、
「もっていってもいいぞ」でしたからね・・・

そう、結局他力本願なんですよね。
またそうなるように行政も指導?してきたしね。

>林業の現場の人は、意外と林業の最新情報を把握していない。

現場の人だけじゃ無いでしょ。
研究者だって行政だって最新情報の収集に無関心ですよ。
めぼしい学会に3つも入っているけど、相互のつながりもない。
関連しそうな他産業、たとえば建築学会の発表内容でも林業ネタはずいぶんあるけど、引用論文にされてるのはほとんど無い。
こんな所にも田中さんの苦労の一端があるんですよね。

本来の「他力本願」は、自らできる努力を尽くした上で、他力(仏の力)を信じよ、さすれば願いは叶えられせん、ということらしいのですが……。

みんな思い込みが強いというのか、他人の意見は聞かない、聴きたくない、参考にもしない、という傾向は感じますね。

コモディティをいかにして高額で売るか?
買い手の優越的地位から逃れる方法は?
なかなかよい考えが出ません
SPAの様な形しかないのでしょうか?
需要に応じた供給と言うのは簡単だけど
今年になって急にミズナラがほしいと言われても
今植えても100年後でっせ
あらかじめすべての可能性に対応できるような投資をしておく?
そんなアホな…
まぁかなり行き詰まってはいますが
どうしよう

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