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森と林業の本

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2008/06/23

人の動かし方

今日のお客さんを生駒の棚田地帯に連れて行って雑談していると、橋下徹大阪府知事の高校時代のラグビー部の先輩に当たるということがわかった。

そこで橋下知事の人物評価になったのだが、意見が合ったのは、彼の人の心を読めないこと人づかいの下手さ加減。人、とくに部下の動かし方があまりに稚拙であることだ。
政策論は置いておくが、少なくてもいきなり給料を下げると言われて、誰が熱心に働く気になるか。しかも自分はテレビに出ずっぱりで出演料を稼いでいるのである。ついでに政治資金パーティーも開いて何千万も集めている。それなのに公務員は副業禁止。これでは、政策に賛同する人も動かなくなる。給与カットは、ほかの施策をやり尽くして万策つきた最後の策である。人の心が読めないと、どんなよいアイデア・施策があっても動いてくれない。当然何も実現しないという、極めて当たり前のことがわかっていない。

それで思い出したのが、先日の葬儀で久しぶりに顔を合わせた従兄弟だ。彼は、葬儀の合間にふらりと出て行ったかと思うと、教会の隣にあったドラッグストアに行っていた。そして何やらレジ袋をぶら下げて帰って来た。
袋の中を覗くと、リアップとか育毛剤セットが入っていた(^^;)。

「いや、社員に頭の毛が薄い奴がいるんで、気にしとるからお土産や」
話を聞いていると、ほかにもギャンブルに入れ込んで給料使い切ってしまう社員には、無理やり社内預金用に天引きしているそうだ。そして100万円溜まったら通帳を渡してやる。実に従業員にきめ細やかな対応をしている。
「これくらいしないと、社員は根付かないで。大企業と違って、中小企業は辞められたら補充は大変やから」

彼は十数年前に30代半ばで父の会社を継いだ。従業員は全員年上で、しかも彼は次男。父亡き後、経営は決して楽ではなかったはずだ。ちょうどバブルが弾けた後である。
それを軌道に載せて、昨年は過去最高の利益を上げたという。人の使い方のうまさに私はうなってしまった。私より年下なんだけどね。

実は、どんな組織も経営術は同じで、適材適所に人を配置して、重要なのは、それぞれがやる気を出して取り組む体制をつくることだ。起業アイデアとか運営システムなどより人の動かし方が大切なのだ。
なかでも役職に上下関係がほとんどないNPO的な地域づくり組織の場合は、顕著だ。とくに利益もさほど出ていない場合、仲間づきあいが楽しくて参加しているケースが多い。それなのに行動や発言で仲間の和を乱すと、あっと言う間に空中分解する。

橋下知事の改革がどうなるか、私は知らないし興味もない(だって、私は奈良県民だもん)。だけど人の心が読めないと、苦労ばかり増えて成果は上がらないよ。

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コメント

こんにちは
従兄弟さんのお話、身に沁みました。
先日来、お隣の会社さんで依頼を請けた仕事をさせて貰っていますが、間に入った2代目(専務)さんのご苦労が目に余るものがあり、直視できないのです。
お父様の時代からの年上の社員さんたちが、2代目を軽くあしらって依頼物件が変更続きで右往左往させられています。
従兄弟さんのご苦労、想像に難くない思いで読ませて頂きました。

本当は、社長とか知事といった肩書では人は動かせないのです。命令しても面従腹背になるだけ。そのことに気づかないリーダーは、えてして独裁者になる(なりたがる)。
でも、苦労して人の動かし方を身につけたら、人間とし成長するでしょうね。隣の2代目の専務さんによろしく(^o^)。

反発している状況では、効果よりもマイナス効果が際立ってしまうことがありがちだと思います。信頼関係があれば、上司も部下も勝手に気を使って仕事をしてくれる状態になる。これは、会社にも地域づくりの団体にも様々な団体に共通することだと思う。私が所属している団体では、会議のときにトップが「私が○長ですから(決める)」という発言をして、部下から総スカンを食らったことがあります。この状況をどのようにして改善したのか。それとも、部下の人たちがお人よしだったのか、今では結構うまくやっていますが・・・。

そのトップも、人知れず努力したんじゃないですか(笑)。救われましたね。でも、人は昔の恨みを根に持つものですよ……。

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