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森と林業の本

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2008/06/11

竹割り箸

火葬後、お骨拾いがある。そこで使われるのが竹箸だ。

私も今回経験した。さっと渡された竹箸は、多少焦げていて、使い込んだ(^^;)風情があった。使い捨てではないらしい。ちょっと気に食わない。それでも、結構多くの骨を拾って骨壺に入れた。係員はなれた様子で、どれがどこの骨か説明して壺に入るよう砕く。
もともと関西では、骨箸は竹製と決まっていて、だから竹の割り箸は嫌われる傾向にあった。もっとも最近ではそんなことも忘れられて広がっているが……。

さて、そんな後に、国内で竹割り箸の製造を再開する話題が入ってきた。

山口県美祢市の第三セクター美祢農林開発(株)が企画して、国産のモウソウチクから割り箸づくり4月上旬から開始したのだ。もともと森林保全活動などを担当する会社だが、竹林整備の一環として進めたものらしい。

興味深いのは、民間資金活用による刑務所「美祢社会復帰促進センター」で収監者の作業として製造している点だ。たしかに人件費が格段に安くなるので、中国産に対抗できるかもしれない。予定では年間320万膳生産する。週3日の作業だそうだ。また箸の製造だけでなく、タケノコの水煮、竹細工なども行う計画だ。

ただ、今や竹割り箸製造用の機械など日本国内では手に入らない。製造機械は、切断機、四面削り機、乾燥機、箸製造機、天取り機、研磨機等数多く必要だ。そこで以前作っていたメーカーに特注したそうだから、価格的には高くついただろう。当面の経費として2991万5000円を計上したそうだ。
いっそのこと、中国から輸入する(元は日本製だっただろうけど、きっと改良されて性能はよくなっているはず)手もあったのではないか。

実は、私のところにも割り箸製造の相談が時々寄せられる。また某所からやってきて、吉野を視察するそうだ。それは結構なのだが、高級割り箸づくりをする吉野はあまり参考にならないだろう。いかに安く作るかが、中国産への対抗に欠かせないからだ。
今回も刑務所との提携だし、樹恩ネットワークの間伐材割り箸が障害者施設との提携であったように、一般の製箸では採算を合わせるのが難しい。

それに竹製であるかぎり、防腐処理は欠かせない。おそらく亜硝酸系の防腐液に漬け込むのではないか。一部で燻製する手法もあるらしいが、その点では国産であろうと、あまりお勧めではないなあ。

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割り箸」カテゴリの記事

コメント

>竹割り箸

 間伐材でやって欲しかったですね~
しかし、シルバー人材に「刑務所」でコストダウン
しかないですかね~やはり(^^;)
 そういえば、ここの刑務所は全国初の民間運営
というのも、こういった流れになったんでしょうね

そう、国産割り箸の場合、いかに中国製と対抗するためにコストダウンするかが課題ですね。
吉野の高級割り箸を真似ても僅かなシェアを食い合うだけでしかない。かといって、授産施設や刑務所ばかりというのも……。
画期的な方法、出て来ないかな。

>割り箸製造

 いっそのこと、マ○シェさんで、居酒屋に
間伐材をとにかく細く割る「機械」を導入して
いただき、各お店で「割り箸(もう、割った状態
だけど(^^;))」自給自足なんかはどうです?

「薪割り」ではなく、「箸割り」!
薪割り機械は一応市販されているし、どうですか?
お客も目の前で「変な薬も使っていない箸」を
見れば安心するでしょうし、ねえ?(^^;)

おお! これはグッドアイデアかもしれませんよ。

何でもトレーサビリティが要求される時代なんだから、割り箸を自給する外食チェーンが登場してもおかしくない。
お店に製箸機を設置できたら面白いけど、そこまで行かずとも、自前の製箸工場を所有してもらう。

ワタ〇クラスのチェーン店なら年間3000万膳、吉〇屋の牛丼クラスで1億膳と聞きましたから、可能ではないか。資本投下してくれないかな。

>割り箸自前

 中小の工場や企業が機械を作って欲しいですね。
で、薪や背板、間伐材を「ちゃんと」購入して貰い
「箸割り」してお店に出せば、正直「マイ箸」より
環境への影響など、理解も進むかも?
 ついでに、薪などで料理もすればばっちり!!
炭も地産地消など、「運送費」なども言っていけば
一般市民も「環境」などのイメージもしやすくなり、
理解も進むかも・・・

売り込みにいけばいいじゃないですかあ。
ちゃんとビジネスプラン持って!

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