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2008/06/13

吉野山の桜危機

昨日は、朝から深夜まで吉野にいた。

いくつかの用件があったのだが、中心は吉野山である。吉野山の桜に異変が起きているというだ。この問題に取り組む人と、その会合を取材した。何が異変かというと、いろいろあるのだが、なかでも

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わかるかなあ。

桜の幹にびっしりとついたもの。

これはウメノキゴケという。コケとあるが、苔ではなく、地衣類だ。

地衣類とは、菌類と藻類の共生体で、もっとも厳しい環境条件でも生育するから通常は岩の表面てどにも繁殖する。枯れた木にも付きやすい。樹木の幹にもつくことは珍しくはない。

しかし、吉野山の桜は異常だ。とにかく全身に広がっているのだ。今のところは、桜も大半が花を咲かせているが、やがて枯れることが多い。

なぜか調べると、樹木内にナラタケ菌が繁茂していた。このままだと桜は枯れる。

で、どれくらい侵されているかというと、なんと下千本はほとんどだという。中千本にも広がっている。上千本はまだ少しというが、代わりに

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この写真、何を意味しているか、わかる?

そう、真ん中のもっこりした鳥の巣のようなもの。

これはヤドリギである。

桜にヤドリギが繁茂しているのだ。ヤドリギは寄生植物であることは知られている。実は共生でもあるのだが、ともかくヤドリギがついたら樹勢が弱っている証拠にもなる。

このままだと、数年以内に吉野山の桜は壊滅する?

そんな危機を迎えているのだ。

明治初年に、吉野山の桜を伐って薪にして売る計画が進行していたが、土倉庄三郎が金を出して止めた話がある。今回の危機は、果たして救われるか。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。sun
吉野の桜、心配です。
土倉庄三郎に救われ、愛されてきた桜、なんとか元気に復活して欲しいです。

なぜ、吉野山の桜に異常が出るのか、原因がまったくわからないのです。今後調査が始まるのですが、あまり時間がない……。しかも、調査の主体は地元を中心とした民間で、まだ行政は動いていない。

花を咲かせる桜だから、というわけではないけれど、やはり早急な対策をとらないと。

明治元年からだと百数十年でその時伐り頃とすると
林齢は少なくとも150年以上ではないですか?(200年くらい)
と考えるとそろそろ世代交代の時期ではないでしょうか。
大陸からの大気汚染とかも複合して影響しているかもしれないですが。

ソメイヨシノが50年寿命説がありそろそろ各地にある名所のサクラが枯れるのではないかという話を聞いたことがあります。

そうですね、吉野山の桜がソメイヨシノだったら、わかりやすいのですが、実はほとんどシロヤマザクラ。ほぼ野生種と言ってよい種です。しかも、古木もあるけど、年々植林もしていて、10年そこそこの若木も樹勢を弱めているのです。

やっかいなのは、ウメノキゴケは大気汚染に弱いこと。環境指標にも使われるほどですから。それが繁茂しているのは大気汚染のせいではない証拠になってしまう。またウメノキゴケが付いていないのに枯れかけているのもあれば、ヤドリギが付いたものもあるし、テング巣病にかかったのもある。そして、花だけは、今のところよく咲いている。
実に不思議な状況なのです。

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