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森と林業の本

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2008/06/14

年々戦勝論

久しぶりに土倉庄三郎ネタ。

忘れたわけでなく、コツコツ資料収集を続けているのだが、さすがに最近は大きな情報は少なくなった。

その中でも、前から気になっていたのが「年々戦勝論」。
これは庄三郎が日清戦争後に発表したとされるもので、世間は戦勝に浮かれているが、そこで得た賠償金や領土(それも三国干渉で一部取り戻された)と、そのために費やした戦費や人命を思うと無駄であった。それよりも山に木を植えたら毎年木は生長して収入を得ることができる。それは年々、戦勝しているも同然だ……という林業家ならではの発想だ。

文献を呼んでいると、各所で引用・紹介されているが、その原典が見つからない。そこでアチコチ探した上で、国会図書館にも手を延ばしたのだが、その回答が得られた。

それによると、「年々戦勝論」という公刊された資料は、ないということだ。どうやら庄三郎が遊説などでしゃべったものが「年々戦勝論」と名付けられて流布したらしい。

あらら。そういえば、私が手に入れた土倉講演録にも、触れられているなあ。これが一次資料になるかもしれない。もしかしたら、資料として「年々戦勝論」を手にしているのは、私が一番多いかも(^^;)。

ほかにも、引用文件だけでは全文ではないので、苦労して原典を当たったら、引用部分と数行多いだけの代物だったりもする。さらに、新しい文献か、と思って読むと、孫引き資料によるものだったり……。

そろそろ資料面では行き着くところまで行った感。あとは、十分に読み込んで内容を理解し全体像を結ぶことができるかどうか。

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コメント

こんばんは
いよいよ始動開始ですか?ワクワクします。
待っていますよ。
頑張ってくださいね。

さて始動できるかな……(笑)。

それはそうと、花姥さんの会社は秋葉原でしたね。このたびの事件では大変だったのでは…。そう思ってプログを見せていただいたら、本ブログを紹介していただいていました。ありがとうございますm(__)m。

前もってお断りをするつもりだったのですが、PCの不具合が起こり、ご許可いただく前にUPされてしまいました。(書き溜めて予約にしておりましたので、止められませんでした。)
申し訳ございませんでした。

いえいえ。基本的にrinkもトラックバックも、そしてプログ紹介もフリーでお好きにどうぞ、というスタンスですから。ただし、トラックバックに関しては、気に食わないのは消しますけど(笑)。さもないと全然関係のないものばかりになります。

それにしても、秋葉原事件の当日は大変でしたね。

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