魚の流通
昨日、全国の漁業者が一斉に休業した。燃料費高騰で漁に出れば出るほど赤字だということを訴えるためである。
その問題はともかく、昨日の休漁により、今日以降、店頭に鮮魚が並びにくくなると報道される。私も昨夜、魚を食べておいた(^^;)。
だが、ちょっと待て。本当に昨日の休業が、今日に響くか。私は以前、水産物流通関係者に取材して驚かされたことがある。
「漁で水揚げされ都会の魚屋の店先に並ぶまで、実際は1週間くらいかかっている」と聞かされたからだ。特別な産直ルートを使わぬ限り、3~7日かかるのは当然だというのだ。実際、水産物流通は複雑で多段階の業者が関わっているからだ。
だから「鮮魚」といいつつも、結構古い魚を食わせられているのだという。もちろんコールドチェーンの整備により、水産物の痛みを少なく抑える技術が開発されたことも一因だ。
そういえば、もう時効だが、私は学生時代に魚市場でアルバイトをしたことがある。
そこで、昨日の売れ残りの魚に水をかけてみずみずしく仕上げ、当日の入荷に見せかけて店頭に並べる仕事をさせられた。あれを仕入れた小売店は、さらに時間をかけて店頭に並べるのだろう。
今後は、産地偽装ではなく、水揚げ日偽装?も問題になるかもしれない。
コンビニなどの発達を見ていると、日本の流通網はすごいな、と感心するが、実はかなりの曲者である。水産物だけでなく、野菜など農産物もそうだし、木材流通がおかしいことは何度も指摘してきた。
産地に加えて、価格形成もブラックボックス。そして入荷・生産期日も怪しい。
木材の場合、生産日はあまり気にする必要はないかもしれないが、樹種や強度などはどうなるかね。
ちなみに先に取材した水産物流通関係者は、その狭間を捉えて漁協と直接結んだ新たな流通網づくりに取り組んでいた。ここにベンチャーのシーズがある。
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