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森と林業の本

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2008/07/27

日本林業再生の道シンポⅣ

京都のキャンパスプラザに出かけた。

着いてみると、なんだか森林関係の会合がいっぱい。
まず「NPO森林再生センター」の総会があって、次に
シンポジウム「かしこい植樹・かしこい市民」というのも開かれている。

だが、私の目的は、毎年恒例?のシンポジウム「日本林業再生の道Part IV」に参加するためである。かなり専門的な、中身の濃いシンポなのだが、なんだか会場は見たことある顔ばかり(^o^)。4回目ともなると、参加者も常連と化すのか。

今年のテーマは、「人材育成と社会システムの構築-」で、ドイツからフォレスター(森林官)である元ショップハイム営林署長   Gerhard Rieger 氏を招いての話とパネリングだ。
   パネラー  ・Gerhard Rieger 氏( 同 上 )
                     ・池田 憲昭 氏 (ドイツ在住ジャーナリスト)               
          ・長谷川 尚史 氏(京都大学フィールド研)
          ・佐古田 睦美 氏(近畿中国森林管理局)
          ・小林 耕二郎 氏(日吉町森林組合)                
コーディネーター:相川 高信 氏 (三菱UFJR&C)

Photo                                                

                                               

                                                   

話を聞いていると(もちろん通訳あり)、ドイツの林業の仕組みが見えてくるのだが、その中で印象に残ったのは、休憩時間に日吉町森林組合の湯浅参事と話したときのこと。

「昨日はリーガー氏を日吉町の現場に案内したんだけど、そこにあった重機類(ハーベスタやグラップルなどか?)を見て、『これと同じ機械は、20年前に林業の遅れているイタリアで、古いものを見たことがある』というんだ。20年前に古くてボロボロだったというから、30年40年前の機械ということか」

日吉町森林組合は、日本では機械化が進んでいるところとして知られている。Jフォレスターの養成も行っている。それがヨーロッパの30年以上前の状態とは……。

08                                                      

                                                

写真は、日吉町森林組合の重機                                             

でも池田氏の最後の言葉、「ドイツの森林は1000万ヘクタール。日本の人工林と同じ面積で、林業関連業界でGDPの5%を稼ぎだしている。そして雇用者数は自動車産業よりも多い。もし日本が同じことをすれば、地方を再生することができるだろう」に共感。

終了後、その場に居合わせたメンバーで反・新生産システムのための謀議。

 

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コメント

日本の森林作業で使われている機械が時代遅れの旧式なものと言うことですか?

でも伐出作業はまさに兵站学(ロジスティクス)。
個々の機械が優秀で効率的でも、実際には森林内の拠点への集材、集材した素材の積み込み、そして土場への移動の全体のバランスで効率は決まってくる。
無暗に最新鋭機を投入しても、他にボトルネックがあったり、そもそもそのような全体最適化の計画と日々の生産情報の収集とそのフィードバックがないと生産効率は語れない。
日本の林業はソフト的な生産性でも遅れてる。

日吉のマシンも旧式との評でしたか。

実は7/23~24に、リーガー氏を岐阜の現場へもお連れして、いろいろとアドバイスをもらいました。
http://blog.goo.ne.jp/alfa3370/e/874018673a1e39cf8fa14b65a000d582

そのとき、スイングヤーダーを見て、「ノルウェーで40年ぐらい前に開発され、30年ぐらい前にドイツに入ってきたが、直ぐに非効率という理由で淘汰されたマシン」との説明がありました。

日本の林業が大きくジャンプアップしない理由は、ヨーロッパに比べて高性能林業機械の性能があまりにも低いため、低い性能でも走行可能な道づくりを強いられ、道の線形や傾斜が限定されることによって、施業地も限定される。そして当然、施業内容も限定されてしまうから。というのが案外、日本の林業が停滞する分かりやすい理由の一つかも知れませんね。

毎年、林野庁が高性能林業機械の開発のために、何千万円もの予算を組んでいますが、何とか協会にばかり開発をお願いしていないで、一度ぐらいヨーロッパから本物の高性能林業機械をリースしてくる費用に充てて貰っても良いかも知れません。

ようやくパソコンの前に座れました。

リーガー氏は、各地を回っているようですね。
なぜ日本の林業機械が遅れているのか、うまい説明はできませんが、ようは需要が少ないからでしょうか。
いくら補助金をつぎ込んでも、関係者の給料になっているだけかもしれないしね(^^;)。

自動車会社にCSRの一環で開発に乗り出させようという声もあるようです。

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林業関係のブログを見ていて思いついたネタ。 ドイツ林業機械フェアの冊子http:... [続きを読む]

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