緑の小径
写真は、海上の森の中の小径。
この道を歩くと、木漏れ日のシャワーを浴びます。
やがて視界が開け、白い光に包まれます。
目の焦点がようやく合うと、そこには緩やかな棚田と畑、そして農家が映るでしょう。
あるいは池が目に入るかもしれません。水面には立ち枯れた木が林立しています。
鳥の鳴き声が聞こえます。風を感じます。土の臭いがしました。
……と、五感が働くと、気分が変わる。これが、森林療法の効果の元かもしれない。まっ、実際は暑かったんだけどね(^^;)。
と、そんなことを考えたのは、ダーウィン展に、よく似た展示があったからだ。
ダーウィンが研究にいそしんだロンドン郊外のダウン。ここに後世ダウンハウスと呼ばれるダーウィンの屋敷があるが、その屋敷内には散策路が作られていた。距離は約500mだという。繰り返すが、屋敷内である。それはサンドウォークと名付けられている。
ダーウィンは、この小径を散歩するのが日課だった。ここを歩きながら研究の段取りを考えたり、論考を深めたとされる。
ダーウィン展には、この小径を1・5mごとに写真に撮って、それを大きな液晶画面に数秒後とにスライドさせて映し出していた。それを眺めていると、あたかも自分がその小径を散歩しているかのように景色を味わうことができる。学芸員が実際に(自費で)訪れて撮ってきたのだそうだ。
ダーウィンは、知らず知らず森林療法を施していたのかもしれない。だから身体が弱いといいつつ齢80を越えるまで生きられたのか(笑)。
その翌夜、「隣のトトロ」がテレビで放映されていた。同じような緑の小径が随所に描かれていた。それどころか、トトロに会う重要な小道具でもある。アニメの中で緑の小径を歩く疑似体験ができる。これが「トトロ」がジブリの中でも最高の人気を持つ秘密かもしれない。
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