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2008/08/12

森林環境教育

今日は、月末に奈良で行う講演の準備をしていた。

テーマは、森林環境教育なのだけど。

意外と、この手のテーマは難しい。林業とか割り箸とか田舎暮らしとか地域づくりとか……ある程度決まったものは、事例もたくさんあるし、結論(持論)も固まっている。
ところが環境教育となると、結構しぶい。実態があるようでない。実例も、ケースバイケースすぎる。相手に環境、とくに森林について興味を持ってもらう、知識を伝える、という作業は一筋縄ではいかない。

やっぱり森林インストラクターは必要だ(笑)。

実は、私は奈良県の森林環境教育指導員の資格を持っている。研修では、題材の探し方や見せ方、指導の仕方も習っている。別に目立った自然がなくても、コンクリートばかりのところでも環境教育はできることを学んだ。
では、私にも環境教育を施せるかというと、まったく自信はないのだが……。

ただ、この研修中に、おそるべき報告書を目にした。

某中学校は、木材の町にあるので、比較的生徒も林業に対して理解がある。だからアンケートによると「人間が木材を得るために木を伐ることは必要だ」といった意見が多く出ている。
ところが、その中学校で環境教育の授業をやってから、再びアンケートを取ると、「人間の都合で森林を破壊してはいけない」的な意見が多数派になっていたのだ。

これって、環境教育の成果か? もしかしたら報告書のデータは、誤って教育前、教育後を入れ代えて掲載してしまったのではないか、と疑ったほどだ。

あるいは環境教育を担当した指導者の個人的意見が強く反映したのかもしれない。責任は重大である。

環境教育は、受講生を洗脳することにあるのではない。環境に、森林に、興味を持ってもらって、自分で考えるきっかけを作ることだ。
しかし、「木は生きているんだよ」なんて、きれいごとの知識と感覚だけを教えることで、結果的に林業を否定する意見を生み出すかもしれない。本当の環境教育とは、世の中の経済・社会の仕組みについても考えさせる、そして人間が生きていくことに必要なことを教えるべきではないか。

今は亡き(笑)、義務教育に設けられた「総合教育」科目のテーマ、「生きる力」を身につけることこそ、環境教育ではなかろうか……。

こんなことを考えているうちに、講演の内容が煮詰まってきた。

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コメント

>教育の影響
 私にも経験があります。10年ほど前、米国の田舎
で日本語や日本文化教えていましたが、生徒の何人か
が「日本人って猫や犬食べるのだろう?」と質問され
おかしいなと思い、調べてみたら前年この中学校に
いた日本人(新潟人)がペラペラ中国と韓国の悪口を
授業で喋っていたと「心ある生徒」と一部の先生から
知りました。
 前任者は大学出でしたが、私より英語もダメで、
正直授業も「遊び中心」だったそうです。
 下手な英語で適当な事を喋るから、生徒も混乱し、
「猫」「犬」食べるのは日本人と変わってしまって
その影響で私が苦労する羽目に・・・(^^;)
 教育者の影響は本当に重大で、その辺をしっかり
理解している人でないと大変なことになります。
今思い出しても腹立つ思い出です。

恐るべき日本文化伝道師がいたんですね(-.-)。
結局、目先の教える知識よりも、バックグラウンドの知識と見識が重要なのでしょう。

いまだに拙著の評に、「林業偏重だ」とか「日本の森林はすべて保護林に」なんてのがありますが、自分の使っている木材はどこから得ているのか考えていない。

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