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2008/08/20

民間林業経営者

それなりの森林所有規模があり、また林業経営の意志がある、すでに経営している山主に対しては、どんな政策が必要だろうか。森林組合とは別の枠組を設けなければならない。

なお、現在の森林所有者の73%が5ヘクタール以下で、その総面積は森林面積の19%である。ところが50ヘクタール以上の所有者は2%で面積比43%の森林を占める。つまり、彼らを無視して森林政策は成り立たない。

まず大規模と言っても、今では50ヘクタールでは林業経営にならない。100ヘクタール、200ヘクタールでも無理がある。おそらく専業で林業をやるには1000ヘクタールくらいを単位にしなければならないのだろう。その集約化も課題となる。

ただし比較的小面積(50ヘクタール以上)でも、自力で経営するという所有者の場合にも、不利にならない制度が必要である。

それは補助金の問題となるが、間伐・造林など各作業ごとの助成では経営者の判断能力を奪う。だから森づくり全体への補助金に変える。後払いか先払いか難しいが、よい森をつくれば補助金が出るとなれば、意欲を増すのではないだろうか。それこそ100年の森づくりにふさわしい助成制度を考えてほしい。

また大規模所有ながら、林業経営を行わない社有林もかなりある。林業会社、製紙会社以外は、ほとんど財産として持っているだけだろう。彼らも巻き込まなくてはならない。たとえば森林整備を行わないと、税金を上げるとか。

そして相続税問題も考えないといけないだろう。山林所有は、個人の場合が多いが、それを相続すると莫大な相続税を払わなくてはならなくなり、そのため山を売ったり立木を大量処分する例は多い。そのため家業としての林業経営は崩壊する。

森林の相続税を特別に下げることは難しいだろうが、公的機能を全面に出せば、一種の私権制限と組み合わせて考えられないか。
また法人所有に転換すればいいとは言っても、その前段階で譲渡所得税がたんまりかかり、それでストックはなくなる。これらを時限立法でもよいから撤廃・縮小して、法人所有森林への転換を楽に行えるようにすべきではないだろうか。

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

 >法人所有森林への転換を楽に行えるようにすべきではないだろうか。

 ぜひ、やってほしい。

 木材業界はどん底状態にきてます。
 
 ある製材工場では、3年前に四面無節の柱が100本売れてましたが、昨年は80本になり、今年は20本になってしまいました。
 売れないのです。使ってくれない。いらない。

森林の相続税問題は、戦後ずっと言われ続けたのに、何も解決していません。政治家の怠慢でしょう。

民間林家も、先を読まないといけません。四方無地のような銘木は売れなくなったけど、新たな銘木を生み出さないと。マーケティングが必要です。

1ha未満の所有林しか無くても、意欲的な兼業林家、日曜林家がやっていけるような仕組みも欲しいところです。日々集約化団地化の最前線で仕事をしながら、政策に取り残されつつある、こうした人たちの山を、私たちもついつい後回しにしてしまう現実があります。
目先の経済的な効率ではなく、山村で暮らしていく拠り所として、自分の持ち山への思いを持地続けるという、いまでは稀有な人々ですが、数は少ないものの地域への影響力は小さくないのです。

真面目な日曜林家の扱いは難しいですね。森林組合の集約化には抵抗しつつ、自力での経営は難しい立場でしょう。
こちらは、山村集落の存続に関わる政策でカバーすることができるかもしれません。

30年前は、四面無節の柱、6mの通柱が高価で売買されていたので、そのための森林施業をしました。

 30年後、50年後に向けてどんな山造りをすれば良いのだろう?
 木材はどんな使われ方をするのだろう?

はっきり言って、30年後、50年後の経済状態や売れ筋を見抜くのは不可能です。
ただ、林業は素材である樹木を育てるが仕事であり、商品は加工によって生み出されます。売れる商品は、その時代に合わせて加工業者が作るものだと思います。

林業家としては、きっちりと樹木に優しい山を作るしかないのかな、と思います。そして、樹種、太さ、年輪など幅をもって育成し、経営に弾力を持たせることでしょうね。

森林施業の理想は、天然更新です。

 その土地、気候に合った天然樹種が一番良いと思いますので、皆伐するのではなく良い材だけ出材して、実生で育てる。
 植林するとカモシカなどの被害に会いますが、実生は大丈夫です。
 一番良い点は、造林費用が安くすむ。

天然更新の造林、育林技術を有している林家、林業事業体、林業指導ができる人材がどれくらいいるか。当面の間は、試行錯誤をしていくことになるかも。地域で実証をしていく必要もあるでしょう。天然更新で単層林を作るのかどうか。建材として有用になるのにどのような手入れをしていくのか。建材は人工林分で生産していくとか。林分をそれぞれの適地で判断していくとか。

天然更新は、昔から研究されていますが、成功例もあれば失敗例もある、というレベル。なかなか難しいですね。
木曽檜も、天然更新ではアスナロにやられてしまうから、四苦八苦されているようですし。

 確かに赤沢美林はアスナロが繁茂してますが、250年生の木曽桧美林は天然更新(何も手を入れないという事ではない)でできました。
 戦後、伊勢湾台風の後、風倒木処理などで一斉皆伐し植林(単一樹種)して林層が変わってしまいました。そんな中でも皆伐しなかったところで立派に天然
更新されている所があります。
 適地適木、単層林ではなく複層林。
確かに難しいですが研究する価値はあります。
それしか生きる道は無い。

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