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2008/08/17

供花・ヒバの秘密

8月13日付けの「供花の産地」のコメントで、になみさんが記した「宝山寺のヒノキ?の供花」について調べてみた。
で、実際に見に行くと、ヒノキには似ているが、微妙に違うことに気がついた。裏に白いY字が入っていない。しかも刺々しいものもある。

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そして「これはヒバと呼んでいる」という証言に出会う。葉だけを活ける場合と、花と合わせる場合があるそうだ。しかし、ここで活けられている葉は、ヒバ、つまりアスナロ(ヒノキ科アスナロ属)とは少し違うのだ。一体これは何なのか?

そもそもヒバという木について調べると、植物学・林業の世界ではアスナロ、あるいはヒノキアスナロ(青森ヒバ)を指すものの、世間ではヒノキそのものをヒバと呼ぶケースも珍しくないらしい。そもそもヒバとは檜葉と記すように、ヒノキの葉を示しているのである。さらにコウヤマキも、ヒバと呼ぶことがあるという。またコノテガシワをコノテヒバと呼ぶこともある。
こうなると、ヒバはヒノキ科全体の異名扱いか。

しかし、現実に宝山寺で供えられてある木葉の正体は何なのか。

その葉を見つめて連想したのが、カイヅカイブキである。これは垣根などによく使われる園芸品種だが、きれいな鱗葉とは別に、スギ葉のような刺々しい葉も出る。それに近いような気がしたのだ。そこでイブキを調べると、ヒノキ科ビャクシン属。やっぱり近い。しかし、写真で見る限り違う。

イブキの園芸品種で思い出した。コニファーに似ていないか。

コニファーは、欧米の針葉樹から作った園芸種。実態は、さまざまな品種があるので一概には言えないが、ヒノキ様ながら刺のある葉形は、謎の供花にもっとも似ている。カイヅカイブキもコノテガシワも、コニファーと総称することもある。

そこで園芸店を回った。本当は供花そのものを売っていないかと探したのだが、もうお盆も終わりだし、日曜日で店が閉まっているところも多い。残念ながら見つからなかった。

しかしコニファーは、いくつか見かけた。そして、供花とまったく同じではないが、極めて似ていることを確認した。ヒノキ科の葉は、栽培環境によって外形を変えることがあるから、余計に種の同定が難しくなる。

結果的に、まだ答は出せない。ただ、供花の条件である強い匂いもあるし、コウヤマキの代用品として「ヒバ」の名で出回っている木葉があることは間違いない。そして、それは野生種を採取するのではなく栽培しているのだろう。となると、コニファーに近い園芸種になってもおかしくはないかもしれない。

う~ん、奥が深いぞ。

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コメント

ニッコウヒバ、または別名シノブヒバというものではないでしょうか。サワラの変種だそうです。

さっそく「ニッコウヒバ」について調べました。たしかに、これまででもっとも似ている!
インターネットで見つけた写真は、葉の先が黄金色に染まっていて多少違うものの、形ではほとんど同じです。
実は、件の供花、裏表のないヒノキに似た葉は、最初はサワラを連想させたのですが、やはり違うんですね。しかしサワラの園芸品種なら十分可能性がある。

NSさん、ありがとうございました。謎解きにぐんと近づきました(^o^)。

花屋で、例のヒバを見つけました。さっそく聞いてみたところ、「オウゴンヒバ」というのだそうです。カマクラヒバともいいます。
ヒノキの園芸品種とか。ごく普通に供花にするということでした。クリスマスにも使います。

ちなみに花言葉は「私のために生きて!」
なんだか、墓前に供することを考えると意味深だなあ。

高野山の金剛峯寺の山林部長にお会いしたので、このヒバについて聞いてみた。

するとヒバを供花とするのは、修験道系の寺だそうだ。護摩供養でも、燃やすとパチパチとよい音が出ることで重宝されるとか。たしかに宝山寺は修験系だ。

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