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2008/10/01

リスクヘッジ

午前中は昨日からの流れで、雨風、そして霧の多い天候だったが、午後は台風一過なのか快晴となった。空気が澄んでいる。
台風の余波は、田畑にかなりの害をもたらしたようだ。おそらく今後は山林被害も表に出てくるだろう。農林水産業は自然環境産業は、常に自然災害のリスクにさらされている。

ところでアメリカのサブプライム問題は、不動産バブルの崩壊とともに証券会社の破綻や保険会社、そして銀行と波紋を急速に広げている。そして公的資金の注入が叫ばれつつ、それを民意が否定して出血を増やす……住専、山一證券、保険や都市銀行の破綻と再編へ進んだ日本の1990年代に歩んだ道とそっくりだ。

国際的な金融問題はよくわからないが、気になったのは、リスクヘッジのあり方だ。先物とか証券、保険といった金融商品は、本来は商取引を円滑に進めるために作られたものであり、それぞれが現物取引のリスクを回避する手段でもあった。先物なんて、まさにそうだ。

ところが金融ゲームが行き着くところまで行くと、デリバティブなんて、よくわからん代物まで出て、ハイリスクハイリターンを狙いだす。そして保険も、現物に対する保証ではなく、証券のリスクに対する保険まで登場する。
どんなにハイリスクでも、保険をかけておけば安心だとなると、より過激なハイリターン狙いへと向かうだろう。しかし保険の信用がなくなれば……そりゃ、破綻するわけだ。

本当にリスクヘッジする手段を構築するなら、農林漁業に対しての金融商品はできないものか。今だって多少の農林関係の保険制度はあるが、ほとんど機能していないことは関係者が証言している。造林して10年ごとに育林の手間をかけた分だけ、価値の上がる証券を作るとか。50年後100年後の先物取引なんてあったら面白い。二酸化炭素の排出権取引を絡めると可能な気もする。
証券化も、出資者のリターン狙いではなく、原点にもどって取引の円滑さを進める手段に限りたい。たとえば森林・立木を所有権の移転のような面倒な手間なしに転売するために利用するとか。

ま、金融の素人が口を出すと火傷するが、もっと機能を素朴にしてほしい。そして、本当にリスクを抱えて自然相手に立ち向かっている人を支える金融制度であってほしい。

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

森林の証券化スキームを考えたのが2年前。
昨年と今年、金融系のセミナー屋が興味を持ってくれて、セミナーを開いた。かなり高額なセミナーにもかかわらず、2回とも10名を超える参加者・企業があり、かつ終了後に実際のオファーも何件かあった。その中には現在サブプライム問題で名前の出ている証券会社もね。
残念ながらどれもが、最低投資金額が大き過ぎ(数百から1千億円が最低ライン)て対応できる森林が無いので断った。が、金融会社の森林への関心は非常に高い!

証券化でやりたかったのは、施業放棄林や森林作業員不足等によって森林再生に残された期間を10年と予想し、何とか商用的価値のある立木を選び出し、土地と分離して登記。これを証券化して施業等の費用を調達し、このお金を元手に残りの立木の価値を高めつつ、売却しながら10年かけて森林を再構築していくことだった。
並行してある地域の立木の商用的価値を一本一本調査した。その数6,500本。結果は俗に云うA材、B材、C材がほぼ等しい割合だった。この地域、江戸時代からきちんとした管理がなされ、人工林としてはかなり優秀な部類に属する。一般に再造林でヘクタール当たり3000本を植え、順次間伐しながら1000本へと仕立てていく。こう書いてあると、当然途中で間伐していくのはB材以下で、残ったのはほとんどがA材と思っていた。
が、現実は上記のようなものだった。
そこで改めて、全国を飛び回っている森林に詳しい人に確認したところ、手入れが行き届いた人工林でも大体同じような比率とのこと。
つまり、金融商品を作るにあたって、立木の商用的価値を評価するのは基本中の基本。これをベースに商品設計するのだから。

再度設計のし直しを始めている。同時に別の地域で5,000本の毎木調査を行う。証券化の対象もやはり1000ヘクタール以上を有する林家との交渉、そしてもう少し小口での金融商品になりそうです。トピックスは前後しますが、「夢をかなえる・・・・モチベーション」で述べられているめんどくさいことをやりたくない林家は無理かも。

最低金額が数百億円! こんな世界だから、林業は取り残されるのかな~。これは民間では難しいのかもしれないけれど、投資者の利益葉ほどほどで、森林経営のツールとしての証券化や新しい金融商品を作れないものかと……。

ちなみに林業・林学のプロでも勘違いが多いのだけど、基本的に間伐とは残された木の「保育」のために行うものではありません。いや、口ではそういうけどね。
実際は先に売れる木を抜き切りするケースも多く、また当初は優良材でも生長過程で2級に落ちることも多く、残された木のA材、B材、C材が同比率なのは納得できます。

>ちなみに林業・林学のプロでも勘違いが多いのだけど、基本的に間伐とは残された木の「保育」のために行うものではありません。いや、口ではそういうけどね。

納得です。
きっと分収林制度の収益評価でもすべてがA材になるという前提で計算したのでしょうね。元本割れになるのは木材価格の低迷もあるが、これも複合要因になるのでしょうね。
新生産も予定したほどには原木が出てこないのも理解できる。

管理のツールや、支援のために民間資金を導入するのは、仲間内だけでの管理では甘えが出てくるから。
外部から監査を受けるようなスキームが必要です。きちんと管理していなければ、株主代表訴訟の対象になる・・なんてことになれば森林組合も自然に淘汰されていくと思います。

昨夜、某銀行家と酒飲んで話していて、「森林の証券化では数百億円単位の投資の声がある」と紹介すると、うなって信じてもらえませんでした(^^;)。

林業の常識とか世間的な知識の中には、意外な盲点があることを最近感じています。
たとえばヨーロッパには、そもそも林道がないらしいとか。いえ、道はあるんですよ。でも、数百年前から通常の道として森の中に道が作られていたというんです。これなら新たな林道開設コストは必要ない。

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