野生動物による田舎度判定法
最近、山村に行けばサルを見かける確率は高まっている。それでも、林道などに下りてきたサルが多いのだが、木の上を渡っていくサルの群を見るのはなかなかない経験だった。
そういえば、先日は吉野でイノシシを見かけた。まだウリボウだったが、二匹林道を走っていた。車で通りかかると必死で逃げる姿を眺めてしまった。
ちなみに、サルやシカ、イノシシなどを見かけて喜ぶのは、まだまだ都会人らしい。
チェッ、と舌打ちするのが田舎人(笑)。
実際、田舎では獣害被害が半端でなく増えている。だから、野生動物を見かけることは、何らかの害を及ぼされる可能性がある。田畑だけでなく、人への被害も起こりうる。喜んでいいられないのだ。
奥多摩では、世界的登山家の山野井泰史が、自宅近隣でクマに襲われた。ジョギング中だったが、おそらく母子熊が道を横断中で、彼が走っているうちに母クマと小グマの間に入ってしまったのではないかと推測されている。
奥多摩役場では、その直後から電話がなりっぱなしで大変だったそうだ。山野井さんの容態を心配するのではない。この事件があったからと言って、クマを駆除するな! という抗議?の電話やメールが殺到したのである。
彼らの言い分では、クマのテリトリーを犯した山野井が悪い、山の素人だ、というものである(^o^)。彼が山の素人だったら、誰が玄人なのよ。人よりクマの命の方が大切だと考える人も都会人には多いらしい。
だいたい襲われたのは、集落近郊の遊歩道であり、山の中というほどの道ではないのだが……。
野生動物に対する反応を見ると、精神的都会人か田舎人かの判別ができる。
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このような不幸な事故が起こる度に
辛くなります。
「クマを駆除するな!」と発言される方の気持ちが
私にはどうしても理解できないからです。
私のような
クマの生息域に暮らしている人間には
いわゆる「保護派」の方々の発言に対して
違和感を感じてしまいます。
お互いが理解しあうことは
到底無理だと思います。
投稿: H | 2008/10/19 17:56
山野井氏が襲われた翌日、山野井氏が襲われた隣山で仕事がありました。4人で現場に入りましたが、一人だったら行かなかったでしょうね。
また奥多摩町では人家のすぐ裏にあるミツバチの巣を熊が食べていたのを、同集落のおじいさんがが見つけたところ、熊が追いかけてきたと、興奮して話してくれました。
100年以上前から熊のテリトリーに住むのがいけないというのでしょうか。この集落に住むおじいさんも山村のプロではないのでしょうね。
投稿: 青木 | 2008/10/19 21:17
最近は都会にサルが出没して騒がれていますが、彼らに餌をやる市民がいるそうです┐('~`;)┌
やっぱり痛い目に合わないと……。
もしクマが都心に出没したら、どうするかなあ。それでも自分が襲われない限り、「クマを殺すな」と言い続けるのでしょう。
投稿: 田中淳夫 | 2008/10/19 22:08