人工林面積を考える
日本の人工林面積は、1032万ヘクタールだそうである。
だが、この数字は多少ずれているのではないか、と思う。人工林を厳密に森林化している土地と捉えると、おそらく1000万ヘクタールを割っているのではないか。
なぜなら伐採跡地を含めるかどうかの問題があるからだ。
それなりに森林に見えるには、少なくても植栽後5年は立たないとマズいと思うが、とりあえず伐採跡地に木の苗を植えたら良しとしよう。それでも、伐採後の放棄地が増える一方であることを考えると、数十万ヘクタール単位で少なくなるのではないか。統計上の未植栽地は2万5000ヘクタールだそうだが、その数倍はあるだろう。
さらに放棄されて人工林の体をなしていない森林もかなりあるはず。今更間伐してもどうにもならない状態である。当然、木材の収穫もできまい。
ちなみに世界一の人工林面積を持つのは、中国だ。その面積は7132万ヘクタール。世界の人工林の3分の1を占める。その後をインド、米国、ロシアと続き、日本は第5位の位置づけになっている。
ただヨーロッパは、天然更新するので人工林と天然林を区別しないところが多く、面積が判然としない。たとえばドイツの森林は約1000万ヘクタールだが、それらはすべて木材生産林でもある。だから実際は、日本がヨーロッパ諸国の後塵をきしている可能性は高い。
中国の人工林の内訳は、もっとも多いポプラが700万ヘクタール。そのほか桐、ユーカリ、ゴム、アカシアなど。いずれも広葉樹である。
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「放棄地」どうにかしたいです。
最終ビジョンではありますが、放棄地を買い占めて森林再生したいです。
先日、留辺蕊のホクトさんにやっと訪問できました。
「とかち産割り箸」実現しそうです。
来年度から事業スタートできるように、体制を整え、情報収集しようと思っています。
まずは、ノベルティで周知~普及を目指します。
福祉(障害者・高齢者・子育て支援)の作業も含め、地域的な取り組みができればいいなと思います。
軌道に乗れば、みんなで未来の森づくりです!
投稿: カンナカンナ | 2008/10/21 22:11
ぜひ、割り箸の生産からリサイクルまで、北海道で成功させてください。それが森づくりの一歩です。
投稿: 田中淳夫 | 2008/10/24 00:43