白い彼岸花
先日、高知に行った際に、白い彼岸花を見かけた。
思わず叫んだが、他人の運転する車だったので、止まってゆっくり観察することも撮影することもできなかった。
それでも、赤い彼岸花に混じって、かなりの量の白い花が咲いていた。形は彼岸花だったのは間違いない。
そうか、白い彼岸花もあるんだ。変種か亜種か……と思っていた。
ところが、たまたま資料の整理をしていたら、昔の新聞の切り抜きを見つけた。今から14年前の記事である。
それは、赤い彼岸花の中に白い花が増えている、というニュースだった。初めて見つかったは京都の盆地内。白や白い縁入り花弁の彼岸花だそうだ。その後、熊本、千葉でも見つかったという。
そこで新品種として学名も付けられた。和名は、ワラベノカンザシ、白縁はニシキヒガンバナとなったそうだ。
ところが、その白い彼岸花を栽培すると、翌年には半数が、翌々年には全部、普通の彼岸花になってしまった。染色体も通常の彼岸花と違わない。
そこで、白い花は、農薬か除草剤の影響か、ウイルス感染の変異だと考えられている。白い花も美しいと思っていたが、そう単純に新種発見とは喜べない。案外、環境要因による変異というのは多いかも。
う~ん。あの白い彼岸花、写真撮れていたら貴重だったかも……。
せっかくだから、正常な彼岸花の写真を。
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おひさしぶりです。
裏ブログばかり遊びに行って久しぶりに表にきました。
多分、それは「ショウキズイセン」との交雑種ではないでしょうか。
「シロバナマンジュシャゲ」で検索してみてください。
投稿: 索@いいやま | 2008/10/28 09:17
そうか、14年前の記事どおりとも限らないのか。
私は車窓から眺めただけなので、十分な観察はしていないんですが、各地から情報が寄せられて、かなり白い彼岸花は増えているようですね。
それにしても裏プログばかりというのは……┐('~`;)┌
投稿: 田中淳夫 | 2008/10/28 11:27