引っ越しの日
10月13日は何の日か知っているだろうか。
「体育の日」だけではない、「引っ越しの日」だそうである。なぜなら、140年前のこの日に、明治天皇が京都御所から現在の皇居(当時の江戸城)に引っ越したから。俗に言う遷都だが、実はちゃんとした手続きを踏んでいないから、とくに京都の人間は「単なる引っ越し」という(笑)。
ともあれ当時の公家さんは、関東に足を踏み入れて何を感じただろうか。
先日、山形から新潟を抜け、群馬を抜け、埼玉近辺から関東平野に入ったと感じたが、山また山の風景が、だだっぴろい関東平野に変わった時は何となく「ここまで来たか」という感慨があった。いや、5時間を越える長旅に疲れていたんだけどね。それにしても、関東平野は、日本列島で最大の平野であり、十分な広がりのある唯一の沖積平野である。本当の意味での地平線が見える可能性があるのは、日本でここだけだ。
関東平野に生まれ住んだ人以外は、東京に入ってしばらくは気になることがあるという。「山が見えない」ことだ。それが精神的にまいると言う人は意外と多い。私も、長く滞在すると、そんな気分になったことがある。
どんな都会にいても、日本の他の地域なら、少し高いビルの窓から見渡せば、たいてい山が見える。しかし関東平野に入ると、視界に山はほとんど入らない。天気がよければ富士山辺りが見えるそうだが、それもあまり期待できない。何気なく普段目に入っている地形がないと、落ち着かなくなるものだ。これが精神に及ぼす影響は、案外大きいと思う。
明治天皇も、しばらくは神経衰弱になったのではないか(^^;)。
ちなみに、私は関東平野から一気に奥多摩に入ったから、その山の険しさに驚いた。ほとんど紀伊半島並。東京も広い。
ところで明治神宮を訪れた後に、私は日比谷公園を訪れようかと考えていた。なぜなら日本初の洋風公園である日比谷公園は、本多静六の設計だからだ。
奥多摩を東京の水源として森林整備を進めたのも本多静六なら、明治神宮の造営設計を担当したのも本多静六。本多つながりのつもりだった。
しかし、当日、日比谷公園では鉄道イベントが開かれる吊り広告をJRの車両で目にした。ごった返している中、ザック背負った大人が一人歩いていたら、鉄道オタクと思われそうで止めた……。
なお10月14日は、鉄道記念日。1872年10月14日に新橋駅と横浜駅を結んだ日本初の鉄道が開業したからである。
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