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2008/11/13

材価は上がりますか?

各地の林業地、あるいは林業関係者を回ると、よく聞かれる質問がある。

「木材価格は上がりますか?」

もちろん私は経済評論家ではないし、木材相場を予想する情報を持っているわけでもない。それでも、この質問が出る。講演会の質疑応答にも出る。

実は、執筆・講演でも繰り返し言っているのは、「木材は国際商品である」こと。だから価格は国際的な値動きで決まる。国産材だけが上がるような状況が来るとは思えない。上がるときは、外材も一緒に上がるだろうし、外材が下がるときは国産材も引きずられるだろう……と説明している。

それでも、聞かれるのだ。

「木材価格は上がりませんかねえ」

最近は、面倒だからスバリと応えることにした。

「上がりません!」

下がることがあっても、上がることはあまり期待できない。円高などで外材が安くなれば、木材産業はそちらに流れて国産材の需要が減るから、価格は下がる。
木材不足などに陥って外材、国産材とも多少値上がりすることもあるかもしれない。しかし、その際は木材需要の多くを握る建築業界が、木材そのものを敬遠する。家を建てる素材は、ねかにいくらでもあるのだ。すると需要が落ちる。だからすぐに頭打ちになる。

結局、世界経済そのものが活性化して、景気がよくならないと木材価格が上がることはないだろう。で、いうのは

「材価は上がりません! 必要なのは、伐出コストを下げて、安い材価でも利益の出る体質にすることです」

すると質問者は、たいてい残念そうにする。「伐出コストを下げ」ることに挑戦しようという思いには至らないらしい。やっぱり、今までどおりの作業を続けて、それで利益が上がることを期待しているようだ。
作業内容をどのように変えるか考えるのは面倒だし、実行するのも大変だ。やっても失敗するかもしれない、いや失敗する確率が高い……。

こんな発想が頭の中を駆けめぐっているんだろうなあ。

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コメント

>「材価は上がりません! 必要なのは、伐出コストを下げて、安い材価でも利益の出る体質にすることです」

 安く伐出せと言われますがすべて伐ってしまえば、安いが後植林はしません。
 森林生態系から言うと間伐すべきですね。
 すると伐出コストがかかる。

 現場で林業をやったことが無い人は、好き勝手言えますね。

 高価格で買ってほしい。
 ベニヤでも良い。
 高価格商品を開発してほしい。

こんばんは

とある、森林組合の製材所のイベントに、参加した時の話です。
その森林組合では、製材所も巻き込んで商品開発に励んでおられ、開発中の桧羽目板を見せて貰った際の会話。
私「これ、坪単価はいくらですか?」
森「予定では、\15000/坪を目指してます」
私「隣の森林組合は、同等品を上代で\15000/坪ですよ。直で\15000/坪では太刀打ちできないのでは?」
森「・・・・・」
私「\10000/坪を切れば、競争できるのでは?」
森「その価格だと、赤字です・・・」

この時思ったのは、「戦略思想がないなぁと。私自身、工業製品のメンテナンスに関わっていたので、”モノつくりのストーリー”が有る事は承知の上ですから、どっかの自動車メーカーみたいな過剰なダンピングは。要求しませんけど、「\10000/坪を切れば、使いたい」って意見に、「赤字です」って答えるのはどうかなぁっと。

エンドユーザ(施主)は、意外に木材仕上げを望んでいるけど、国産材の素材コストが高くて、輸入材に流れているのは、かなり大きいのではないでしょうか。

国内林業を応援したいけど、調べ振れるほど、応援する手がかりが無くなっちゃうのよね。

飛魔人さんの情報に飛びついて、ならばコチラは1万円に下げる方法はないか、と検討するべきなんですが。隣が上代で1万5000円でできる事情を調べて、こちらは直で1万円というのは、実はそんなに変わらない価格で、無理しなくても実現できそうな気がする。あとはどちらを欲しがるか、消費者の決めるところだから。

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