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2008/11/22

間伐遅れと林業技術

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写真は、鹿児島大学の演習林。

                                               

かなり過密なスギ林を間伐した直後である。拡大して見てもらえばわかるが、緑の樹冠がほとんど上部にしかなく、下部は枯れている。過密で光がほとんど林内に入らなかったことがわかる。幹も細い。葉が少ないから、生長速度も遅くなったに違いない。
間伐が遅れると、このようになるといういい見本かもしれない。

その代わり樹幹は、きわめて真っ直ぐに伸びている。おそらく完満の差も少なく、枝も枯れ落ちているので節が少ないかもしれない。幹の細さは、年輪が密であることを想像させる。このまま生長すれば、よい材が取れる?

でも、風には弱いだろうから、ポキリと折れたらそれまでだ。

あえて過密状態にして(昔の意味での)良材を生産する技術と、単なる間伐遅れとは、紙一重の差なのかもしれない。ポキリと折れないよう太く育てて収穫したら、見事な林業技術だが、折れたら金にもならない、怠惰な林家扱いされてしまうだろう。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

人工林の手入れなど今の林業行政、林家、森林組合は
もしかしたら「戦国時代」よりヒドイかも知れない
ですね。
こんな本があります。「軍需物資から見た戦国合戦」
これは戦国時代の「木材、竹材の確保」にいかに
戦国大名は苦心したかなど今までに無い視点で
戦国時代を書いています。
 大名の「領国経営」の根幹でもあった「山林管理」
など今でも考えさせる思考ではないかな?と感じ
ました。(参考までに紹介します)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862482724/mixi02-22/
(私は「中世山城」と「間伐材」利用を今でも考え
て、すきあらば実践しようと今でも考えていますが、
とりあえず、「史跡看板」を間伐材で作っています。)

軍需物質と森林資源を結びつけるのは、なかなか炯眼ですね。読んでみたくなる。
戦国時代というと、世の中が戦乱で荒れ果てたイメージがありますが、実はこの時代こそ、もっとも産業生産物がさかんでした。新技術も生まれ、開墾・開拓も進みました。そのおかげで中世から近世への分岐点となったのです。

ちなみに、現在は園芸用資材としての小径木の需要は潜在的にはかなり大きいです。デザインや売り方を工夫すれば、中世山城並になるんじゃないかなあ。

田中様
ご無沙汰しております。

他県の事情はよく分からないのですが、北海道ではカラマツの小径木が足場丸太として一本いくら、という取り扱い方をされています。
立法当たりの単価に換算すると2万円程度になることもあり、カラマツ材パルプが4,000円台後半ということもあり、用材とされない小径木の非常に有望な販路となっているようです。

ただし現在では実際に足場に使われているのか、別の用途があるのかは私にはわかりませんが・・・

引き取りの単位が2間(約3.6m)から4間(約7.2m)の間(あいだ)になっており、また太い節があると折れやすいという事から、無間伐で枝の枯れ上がった完満な材が求められる傾向にあります。

ただし田中様も指摘されている通り、このような材を狙って作るとすれば、風雪害に弱い森林を作り上げる事になりかねないので大規模に普及させる事には注意が必要かと思います。

また、市場規模はよくわかりませんが恐らくニッチ的なものと考えられますので、素材が過度に供給されると、価格が下落する事も信愛されますし。

これらをあわせて考えると、適切に管理された林分の中に、意図的に無間伐の部分を作るという方法が見えてくるような気がしますが、いかがでしょう?

あわせて単一樹種でなく複数の樹種を植え、分散投資的なリスクヘッジをはかるとなおいいかもしれませんが、大規模山林所有者にしかできない事かもしれませんね。

北海道で売れていますか。
私も北海道事情はよく知らないですが(この冬、呼んでください(^o^)、寒冷地は野外で金属が使いにくいと聞きますから、木製の足場丸太の需要がまだあるのかもしれませんね。あるいは牧場や農場の柵とか。

本当は、密植して細い間伐材を切り捨てるのではなく、利用する目的で収穫するのが理想的なのです。でも、今は間伐遅れの森林から抜き取った細い木を起死回生の商品開発のつもりで取り組めないかなあ、と。

是非おこしくださいませm(_ _)m

はじめてコメントします。
私は建築をしている兼業農家です。

小径木の利用に関心をもっています。
私の住む北関東(南東北)ではトーセンや協和といった大製材所があり荒れた杉山でも山ごと買って
小径の材もラインに流し間柱材や柱材を
大量につくっています。こういったことが
本来望ましいかどうかは別として、そこから生産
される間柱材や柱材はまとめて買うと
価格的にも競争力のある材料になっています。
釈迦に説法のような話で申し訳ありません。

田中さんたちの書いている”間伐材”は
柱材とか間柱もとれないような小径の材
のことでしょうか?

北海道で足場丸太と呼ばれているものは末口5cm程度のもので、一般に用材に使われるものではありません。EW(エンジニアードウッド)の一種にこのようなものを使う事もあるようですが・・・
先のコメントでは何に使われているか不明と書きましたが、どうやら現在では庭木の雪囲い用等にも使われている模様です。

ここで記した「間伐材」は、通常は切り捨てになるような小径木を指しています。今では結構太い間伐材もあるから、ちゃんと定義づけないといけませんでした。(吉野の間伐材は80年生だったりします。)

北関東なら、栃木の「丸公」という会社を知りませんか。たしか矢板市。ここは小径木で園芸資材を作っています。庭木の雪囲いも広義の園芸資材ですね。これは雪国限定かもしれませんが、まだまだ潜在的需要が眠っているように思います。

丁寧なコメント、ありがとうございます。
「丸公」もチェックしてみました。

規格にのりにくい”切捨て小径木”の利用は
かなり割り切った整理が必要でしょうね。
自分も生産者(林業ではないですが)の端くれとしてそうゆう材料と向き合う機会があるので想像できます。

長尺で使えることなどや最後はたい肥や燃料にもなる木材の性質をうまく使いまわすことができるとおもしろいのですが・・・。

建築家でしたら、ぜひ小径木を使ったエクステリアなどを開発してください。小丸太使ったデッキとか外壁なんか売れないかなぁ。あるいはミニチュアログハウスのような犬小屋とかも面白いかもしれない。
建築基準法のような制約がなく、精密さも要求されないような用途を考えたい。
ただ、そんな小径木の出荷がどれだけあるか。

私見ですが小径木はやはり雨のかからないインテリア向きだと思います。

芯は繊維がと切れているので材としての強度はそれほどでもなく、また年数がたってないのでしらたの部分も多いので湿気にも弱い。

ただなんともいえない味はあります。

私の住んでいるのは古い家なのですがそんな小径木を
使っているところは例えば梯子の両サイドの木。
半割にして使っています。なかなか感じのいい梯子
です。(同じようにして2段ベッドの足などに使っても面白かもしれませんね。)

たいこに挽いて大引に使ってもいます。昔は製材した木材は貴重品だったからでしょうか。副部材としてなら湿気が滞留しない部分では使えるでしょう。ただ流通のことを考えると現代の普通の家ではそんなことはかえってコストアップにつながるでしょう。

なるほど、耐久性などを考えるとインテリアですかね。でも、あまり長持ちしなくてもいいかと。だって、傷むと新しいのを買ってもらって、需要を増やせるから(笑)。
それに園芸用などは、一種のファッションと考えると長持ちよりデザインかもしれない。

もちろんインテリアで素敵な商品になれば、それもいいですね。丸みを活かした家具もあると思う。

本日奈良県桜井市のある林業会社に日帰り出張してきました。当地では木材流通の流れに沿った新たな取り組みをするための組織化を進めています。小生その相談を受けにでした。
で、社長その他の方々との懇談の中で、新商品開発についてのコメントを求められました。
答え:新たな商品開発は難しいと思うし、建築用材として需要の開拓も爆発的には拡大しない。むしろ内装材に特化した商品開発の方が可能性がある。
(東京の)飲食店では客離れ防止のため2~3年に一度改装を行っている。改装のための休業は最小限に済ませたいので、事前に改装プランナー(たとえば僕)と事前に計画して改装内容をキット化し、定休日を利用して最短で行う。このキット化の素材として小径木や吉野の役物を使う。ついでにまな板やら割り箸もセットで提供。このサイクルを複数の飲食店と提携してダイレクトに継続して行う。(つまりお店の定期改装業務として継続的な関係を築く)
と言うものです。現在の並材よりもずっと高く売れることは間違いないと思います。

ところで、桜井の駅前の居酒屋で日替わり定食(680円)を頂きました。ボリューム、味とも素晴らしいものでした。それ以上になんと、吉野の天削(製作者の名前は失念してしまいましたが)が一緒に出てきました。お勘定の時に確かめたので間違いありませんし、価格は1膳5円ちょっととのこと。
さすが奈良県、大感激でした!!

おや、近くに来ていらしたんですね。
どこの林業会社だろう。

吉野ブランドが活かせ、また銘木的価値を活かして価格を上げられるのは内装材であり、売り方としては素人でも扱えるキット商品だ、とは、私も先の林材フォーラムで提案したことでした。

その会社の人は、興味を示しましたか? そこが最大のネックなのです(笑)。私の受けた印象では、木材を加工商品化するのは面倒で、木材は木材のまま売りたい……というのが本音っぽいんです。

さすがに吉野から桜井周辺では、ごく普通のお店でも吉野の割り箸を使っていますね。結局、割り箸のコストなんて、その気になれば吸収できるということではないかなぁ。

会社はN垣さんです。
キット化と書いたのは、改装前に事前に一度モックアップとして組み立て、施工時の加工を省きスピードを上げようというもので、作業者はプロの改装業者です。
その方が単価が高いし、素人の自分の周りの内装のためのキット化を行っても、自分の家も手を入れようというレベルのDIY文化が浸透していない現状では、内装のキット化も売れないでしょう。

割り箸のコストの吸収、どの部分にどれだけコストをかけるかのバランス。吉野周辺で中国産の安い割り箸を出していたのでは、それだけで店の評判が落ちるのでは?
ある意味、割り箸文化が高い地域なのでしょう。

「木材を加工商品化するのは面倒で、木材は木材のまま売りたい……というのが本音っぽい」

実際、製品化してしまうと「悪さ」にたいして保証しなくてはならないのは小径木などでは結構つらいと思います。結果、注入の防腐剤や塗料、接着材などでがちがちにして本来の「良さ」を犠牲にしたものになってしまいがち。
まー、それ以前にこの分野は営業力が決定的に欠けているのが現状でしょう。

「自分の家も手を入れようというレベルのDIY文化が浸透していない現状では」

私はここにやはりヒントを見出してしまいます。
もっと不器用な人でも気軽に取り組めるようなDIY
の啓蒙や素材提供まで含めたトータルなシステムが既存のホームセンターなどのマーケットを中心に行なわれるようになれば小径木などの”良さ”も活かせるように思うのです。

綺麗な若い女性でスター性のあるDIYアドバイザー
でもそろそろ現れることを期待します。

小径木はプロが扱うには”ちょっとちょっと”な材料ですが素人にはとても魅力的な材料です。

N垣さんですか。林材フォーラムにも若手が来ていましたが……。この当たりが本気になって商品開発してほしいですね。

キット化は、素人からプロまで、いろいろな段階があります。プレカットだって、一種のキットだし。最近は100円ショップで買い集めた資材で家を改造?する若者も増えています。自分でやるのなら厳密な精度は要求しないから、小径木商品には向いているかも。

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