木材自給率グラフ
先日執筆した林業関係の記事。
それに添える写真を送ったが、それに木材自給率のグラフを付けてくれ、と編集担当者に頼んでおいた。すると担当者は、平成19年度森林・林業白書のグラフを引用したのだが、あまり変化が出ない、と言ってきた。
昨今、合板などに国産材が使われるようになって木材自給率が回復していることを示そうとしたのだが、それは平成16年度をボトムとして4年連続上昇している。ところがそのグラフは、平成18年度までしかなく、まだ反転上昇したのはわずかにしか見えない。昭和30年代からのグラフの中ではぱっとしないわけだ。
そこで私は、20年度の速報値は使えないとしても、19年度までの数値はあるのだから足してください、とお願いした。
そしてできてきたグラフ。合板だけが異常に高くなって、自給率50%を越えている……。
さすがに担当者は、これでよいのか聞いてくるのだが、私もデータを持っていないからわからない。すると元にしたデータを送ってきた。
そこには18年度、19年度の国内生産量と総需要が記され、それに対前年比増減率も付いている。そして、付け足したグラフの数値は増減率なのだ。
酔っぱらって帰ってきた私は、それを見てひっくり返りそうになった。19年度の自給率を出すには、国内生産量を総需要で割ればいいだけのことなのだが、それに気づかなかったらしい。それにしても、自給率のグラフに増減率の数字を使うとは……。
グラフ作った人も、編集者も、文系の人だ(~_~;)。
計算し直すと、合板の自給率は14,5%ほどで、急進しているものの、妥当な数字。木材全体では22,6%である。
このままチェックがもれて掲載されていたら大変な騒ぎだったろうね。気にして確かめようとした点だけは褒められる。
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» 吉野スタイル&エコモ [日々ほぼ好日]
12/17(水)、吉野町商工会(吉野郡吉野町丹治)をお訪ねした。ひととおりの用件が済んだところで、事務局長の青木さんから「展示場をご覧になりませんか」とお声をかけていただいた。吉野材などを使った新感覚の製品を展示されているとのことだった。
そういえば以前参加した「吉野山灯り10周年記念フォーラム」も、こちらの商工会関連(吉野山灯り実行委員会)の催しだった。吉野も頑張っているのだ。
※吉野山灯り10周年記念フォーラム(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/... [続きを読む]
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