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森と林業と田舎の本

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2008/12/20

学生起業

今、地域づくりの現場で目立つのは、学生だ。
大学生(と、そのOB)が、田舎に入って様々な事業を起こしたり地域づくりに参加するケースがよく目に止まるのである。

もはや、若者が都会に憧れる時代は終わりつつある、と感じる。

きっかけは様々で、研究室の調査フィールドとして田舎に接したケースもあれば、地方の大学ゆえに、ごく自然に田舎が舞台になったケースや、最初から田舎との交わりを意識して飛び込んだ者もいる。たまたま町のイベントから地域づくり活動に目覚め、それを田舎に移行させた場合もある。いや、最初から起業が目的で、その舞台として戦略的に田舎に焦点を絞った強者さえいた。

形態的には、個人、サークル活動からNPO(任意)、NPO法人、株式会社までいろいろ。

もちろん玉石混淆だが、彼らの中には超真面目で本格的なビジネスである取組も少なくない。

私はその動きをいくつか追ううちに、地域づくり、あるいは経営学の中に「学生起業」というカテゴリーを作れないかと考え出した。

学生の起業は、なかなか特色があるのだ。もちろん、向こう見ずとか、思いつきとか、読みが浅いものも少なくないのだが、若さゆえ地域に受け入れられやすかったり、行動力、瞬発力、そしてネットワークなどが新鮮な学生も多い。いわゆる「若者、馬鹿者、よそ者」の三拍子揃った姿を見られる。

もう一つ、特徴的なのは、何もその地域に骨を埋めるほどの覚悟を固めているわけではないことだ。これは通常なら弱点だが、むしろフットワークの軽さが幸いすることもある。気軽に飛び込み、地域に大きなインパクトを与えつつ、時期が来たらさっと去っていく姿はすがすがしささえある(笑)。

地域を本当に守るのは、地元の人々だ。よそ者の学生(OBも含む)は、彼らにやる気やノウハウを与えて、自身の既得権益には頓着しない。気持ちが揺れると、これまで積み上げたものをあっさり譲って去る。

彼らと如何に組むか、というのも地域づくりの当事者の考えるべきところだろう。

とはいえ、大学側とか地域側が学生さんに起業してもらおう、と思って誘致しても成功しないだろうな。学生が挑戦したくなる気持ちの醸成を行えるかどうか、である。

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地域・田舎暮らし」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
ヤフーで検索していたらこの記事を見つけました。
まだ、18歳の高校3年男子なのですが起業を考えています。
銚子在住ですので、銚子を全国に発信していきたいと考えています。
銚子は
ロケ、アニメの舞台、屏風ヶ浦、銚子電鉄の撮影は多いです。
漁業が盛ん。漁獲量は全国でもトップ10には入ります。
なんといっても本州で一番始めに初日の出が見ることができます。
ヤマサ醤油工場がある。イルカウォッチングも体験してもらいたいです。
市立病院の件で話題にもなりました。
この地で育ち大学生になり上京するにあたり、やはり銚子は良い町だなと思います。なんとかして銚子を元気にしたくて悩んでいます。
千葉科学大学さん、去年出来たばかりのイオンさんとの連携したほうがいいのかなどごちゃごちゃしています。

そこで本題です。
初日の出を見るために旅館宿泊付きのバスツアーを組んだり、野菜、魚をネットショッピングにて売り出したいと考えています。このような事は起業と呼べますか?また、大学生でも関係期間を回ることにより少しでも実現可能になるのでしょうか?
お願いします。

おお、頼もしいですね。
もちろんバスツアーもネットショッピングも立派な起業です。学生で成功させている人はたくさんいますよ。

ただ、経理の概念をしっかり学ぶこと。いかなる事業も赤字では成功とは言えません。そして学生時代は人脈づくりに力を注ぐこと……これくらいがアドバイスかな。
学生の欠点は信用がないことです。特典は失敗しても許されることです。両者を結ぶのが熱意です。

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