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森と林業の本

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2008/12/10

200年住宅

国土交通省が提唱する超長期優良住宅、いわゆる200年住宅の先導的モデルとやらが発表になっている。

やはり新築、それも木造住宅が多いらしい。それ自体はいいのだが、どうも解せない。というのは、そこで語られる200年の寿命とは、まず強度である。耐震性などを重視しているようだが、それは当たり前だろう。しかし木造は、本来そんなに長持ちするだろうか。
そう言うと、すぐに法隆寺なんぞを持ち出されるが、あれが1000年保っているのはしょっちゅう修繕しているからだし、その度に部材は交換している。そして莫大な補修費をかけている。

住宅は、そうまでして維持すべきものか?

たしかに日本の住宅の寿命が平均30年を切るのは短すぎるとは思うものの、ライフスタイル自体の時代の変化もある。今から30年前の住宅と比べると、現代はパソコンなどのネットワークが必需品だから、住宅もインテリジェント化が求められる。

ただ、私が気にするのは、住む人の趣向でありデザインだ。どんなに強固で便利で合理的な構造でも、自分の感性に合わないと住みたくない。親の建てた和風住宅はいやだ、という子供もいるだろう。

実は、私自身がその問題に直面している。私の両親は今だ健在で近くに家を構えているが、もういい年だから同居も考えないといけない。しかし、両親の家のどこに私が仕事場を構えるのだ? と悩んでしまう。それなりに仕事のしやすい(そして生活もしやすい)環境にしようと思ったら大改造が必要だが、それを両親が認めるとは思えない(-.-)。どうせなら両親がいなくなってから、自分好みに建て替えて住みたいと思ってしまう(~_~;)。

そこに日本人的な、代が変われば新しい器を求める感性もあるように思う。

200年住めます、と言われても、30年前の住宅には住みたくないです、と思っている人も少なくないのではないか。そもそも子供の代が同じ場所に住むとも限らない。田舎暮らしに憧れる夫婦の子供は、ほとんど都会に憧れる(^^;)という事実もある。

無理して長期住宅を設定するより、解体の楽な(環境に優しい)建築方法を開発するとか、中古建材の流通機構を整備する方がよいのではないか。また同じ家族・親族が住み続けると設定するよりも、持主が変わることを前提にした、中古住宅の取引市場を活発化する方がよいのではないか。
さらに日曜大工的リフォーム素材の充実のような、安上がりで自分好みを実現しやすいリノベーション市場を作るのも面白いかもしれない。

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