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森と林業の本

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2008/12/31

林業の将来を占う

とうとう、大晦日。今年は早めに(プログを)打ち止めにしようと思っていたのだが。

昨日から一転、未来、とくに林業の将来を展望しよう。

おそらく来年からの1年2年は厳しい状態を覚悟しないといけない。不況で建築業が落ち込み木材需要も減るからだ。今回はそれに円高も加わっている。

ただ、長期スパンで考えた場合、私は日本の林業を極めて明るくなったと感じる。
いや、正確に言えば「明るくなれる可能性がある」ぐらいか。いくらチャンスがあるとしても、それを活かすも殺すも、今後の林政、そして現場の人々の舵取り次第だからだ。

なぜ明るいかと言えば、日本に潜在的に莫大な木材需要があり、それに対応できる木材資源も十分すぎるほどあるからだ。逆に外材は細る。そして、資源をどのように利用すれば活かせるか、方向性もどうやらわかってきた。すでに実行している先駆者も続々と現れた。

原木の価格はたいして上がらないだろうが、伐って出すやり方、そして売り方次第で利益を出せる方法はわかってきた。

原木をどのように加工すれば売れるか、わかってきた。商品価格を左右する要素もわかってきた。

人材面も心配していない。昔風の親方-丁稚奉公的な学び方ではなく、ちゃんとした教育機関を作れば短期間に林業技術者は養成できるだろう。そして、山仕事を希望する若者は決して少なくない。
重機の操縦は半年程度でマスターできるし、現場で必要な山の知識を身につけるのもそんなに時間はかからない。……これは予想ではなく、実際に社長も社員も20代だけの素材生産業者が立ち上がっている例から感じることだ。

もちろん緻密な山の知識と林業技術を持った人も必要だろう。そうした達人は10年以上現場で鍛えられないと登場しないかもしれないが、幸いそんな人に、みんながみんな、ならなくてもよい。指導者として少数存在してくれたらよい。

一方で森林経営のプロも必要だ。こちらは森林所有者になれと期待するのは無理があるから、代行のプロを養成するべきだろう。そうした制度もほしいが、十分可能だ。

……と考えていくと、将来は明るいのであるV(^0^)。

ほんの数年前、私は某国会議員の勉強会に呼ばれて、ほぼ同じことを言った。林業を立ち直らせるには育林と素材生産のやり方を見直すべきであり、商品開発が大切だと。しかし、多くの議員はポカンとして私の意見を受け付けない。いかに補助金をつぎ込むか、その名目ばかりに頭が向いていた。

ところが、今や議員も変わってきた。細かな点で異議があるものの、機械化とか人材育成などに目を向けつつある。

もう一つ言いたいのは、林業の将来が明るい最大の要因に、不況になったことがある。

これまで幾度かあった林業改革の芽(チャンス)を潰してきたのは、突然の材価高騰や、政府がジャブジャブ見当違いの補助金をつぎ込んだことだった。誰だって今のままで十分稼げたら改革なんてしない。公共事業で目先の利益を確保できたら、面倒なことはしたくない。コストがどうの、生産効率がどうのとシビアなビジネスとして取り組んだら疲れる。税金もらう方が楽なのだ。……かくして、現在の体たらくに陥った。

小泉改革で補助金が削られた(と言っても、ほかの業種よりよっぽど出ていたが)ときは、さすがの森林組合も改革せざるを得ない危機感を持っていた。
ところが次の内閣(誰だっけ?)で松岡大臣が地球環境問題にかこつけて? 6年間は潤沢な間伐補助金を出るとわかった途端、多くの森林組合は何もしなくなったのを目の当たりにしている。先のことは考えない。だって組合長は交代して自分じゃないだろうから。国有林も採算度外視で間伐やるし。その次の内閣(誰だっけ?)も一緒。そもそも林業に興味なかったよう。で、今の内閣(誰だっけ……)と来たら。。。

まさか、今度は不況にかこつけて、雇用のためとかいう名目で、またもジャブジャブ林野に金をばらまくことにならないことを願いたい。
どうせ出すなら、改革意欲を引き出す(やらざるを得なくする)ような出し方してほしい。たとえば5年後に森林組合の特権を全部なくして民営化するとか言って。そうなれば、必死になるだろう。

だから、きっと日本の林業の将来は明るいのだ。

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コメント

 山仕事35年やってきました。
国有林、民有林の立木購入、伐採、販売、育林と現場で体験して、やっと林業の姿が少し見えてきました。
 日本の林業の将来は明るいと思います。
仕事はたくさんあります。戦後植栽の人工林も手入れ収穫育林と豊かな森林にするには、人手が多く必要です。
 生産された資源もこれから益々有効に利用されるようになると思います。
 自然は人間が生きていくためにどうしても必要な資源ですもの。

なぜか県の森林審議委員になっているのですが、審議会席上で委員や県から熱く語られたのは「雇用のためとかいう名目で、またもジャブジャブ林野に金をばらまくこと」でした。
失業者や社会不適応者を人材不足の林業に、という話しになってもうびっくり。
だって、組合長も管理署長も同意見なんですよ。
そういう施策も一部にあっていいけど、農林業、当事者が舐めててどうする。

それより産業の創出支援を、と言ったら、県の担当者は眉間にしわを寄せていました。

本当に林業界が新たな人材を得たいと思っているなら、それは素晴らしいことです。でも……おそらく本音は人ではなく、彼らに付いてくるだろう、補助金が欲しいんでしょうね。
でも、人を雇うということは、ずっと仕事と賃金を確保しなければならないということです。1年、2年だけで補助金が切れたら首切りするつもりなら、今問題になっている派遣切りと何ら変わらない。

森林組合のたいていの作業班は、派遣どころか請負業そのものです。日給払いで仕事がなければ切るんですから。自らが当時者である自覚はあるのでしょうか。

や、一度でいいから
「(補助金なくて)メシの食い上げだな」て
言われてみたいですw

人もだけど、機械にもお金いれてほしいな。自社開発しようとするメーカー少ないんだわ。法律も林業機械で体系化してほしいな。建機と林業機で縦割りだもん。

ん?おれの将来はないよ。

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