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森と林業の本

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2008/12/16

智頭町の百人委員会

鳥取県の智頭町は、今面白い試みをしている。

町民による百人委員会を立ち上げ、公開予算ヒアリングを実施しているのだ。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000000812060001

http://mainichi.jp/kansai/news/20081202ddf001040002000c.html

具体的には、応募して委員になった140人が、町の商工観光、農業林業、生活環境、教育文化、行財政改革などの検討部会に入って、政策提案に加えて予算折衝や事業運営まで行うという。たとえば林業・作業道の開設に3億850万円を計上すべし、という提案が出ている。森の幼稚園づくり、また町議の給与を日当制にすることや、役人の給与を町内企業並に引き下げる改革案も出たそうだ。
実は、私が先日取材に行った際も、住民側の提案による地域づくり案件への支出を行った例について聞いてきた。

言い換えると、議員の仕事のもっとも根幹部分[政策立案・予算折衝]を町民が無報酬でやるようなものだ。議員の立案能力は国会レベルからひどく、だから官僚が出しゃばって政策を作るものの、こちらも地に足がついていないものだから机上の空論になる面があった。この委員会は、その立案-事業化部分に住民が参加することでインパクトを与える可能性がある。議員の仕事は、単に提言の中から選ぶだけ、になるかもしれない。役人も、公開でヒアリングされたら住民の目が怖いだろう。

これこそ、直接民主制の中の、さらに進んだ直接自治の可能性を感じる。あるいは議員・役人に自己精進を求めるのは無理と最後通牒を突きつけたようなものになるのか。いずれにしても智頭町だけの試みに終わらせるのはもったいない。

もう、問題提起→陳情型の政治は機能しなくなるのではないか。あそこに問題があるから何とかしてくれ、と役所や議員に願い出るのは古い。解決法や財源も考えた上で、役所・議会と折衝するのが当たり前になるかもしれない。

ただ皮肉を言えば、これを広範囲に広げると、立案・折衝能力の高い住民のいる地域ほど自治もよくなるという、地域の弱肉強食時代になるとも言えそうだ。

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

この町は凄いですね~(^^)やっぱり過疎問題等
ケツに火がついている自治体は官民&住民と一丸と
なっていますね。
 しかし、愛知県の一色町ではこれとは真逆を行く
「特区申請」をしています。それは「町議員を町の
部長に」だそうです(^^;)
http://www.asahi.com/politics/update/1129/NGY200811290001.html
 他の新聞ではこの町長は「住民に近い議員の意見
がダイレクトに行政に活かせる」とのこと。
・・・正直、議員は「一部の住民」の意見しか
聞かないのは全国どこでも一緒なのに、しかも部長
しかも「総務」とか人事とかむちゃくちゃ権限で
悪用できそうな事がまかり通りそうですよね・・
それに、これでは一体誰が「行政」「議会」を
チェック出来るのですかね・・・本当に恐ろしい事
ですわ・・・

この町も凄いですね。ある意味、奇策。議会のチェック機能を奪うという(^^;)。もっとも議員に行政の現場を勉強しろ、という意味かもしれない。

ただ、もろ行政と立法府の一体化で憲法的にも問題あるんじゃないかなあ。
私は、いっそ「町長を議員から選ぶ」方が節約になるような気がするけど……。

中日新聞の記事では「総務省」の人が「議会の
チェック等どうなるのでしょうか?」と首を
傾げていると記述がありました(^^;)
つまり、特区申請受け付ける側の国ですら「?」な
奇策だそうですわ・・・(^^;)
(でも、お上思想が強い三河の国なので、特区が
却下されても形を変えて議員が行政に入り込み
そうですね・・・)

智頭町の百人委員会については、実は、特別な人たちによる税金の分捕り合戦の様相を呈しています。

とても「住民自治」と呼べるものではないような気がします。

提案された事業案は、そのほとんどが「税金(補助金)ありき」となっており、「補助金が出ないのなら敢えてやらない」というものです。

「百人委員会に関与していない人は蚊帳の外であり、機会の公平性すら奪う」ものです。

また、「査定官」の位置づけも不明確であり、銀行の支店長等による事業計画の必要性、妥当性の検討も必要です。

「自治」という甘い言葉は、逆に誤解を生みやすいものです。


この記事は、7年も前のものですね。
智頭町の百人委員会が、その後妙な方向に進んでいることは、私も耳にしたことがあります。やっぱり民度が自治のレベルを決めるのかもしれません……。
あるいは、最初のやる気が、税金というアブク銭を受け取ると、依存症のごとく堕落するのかもしれない……。
 
ま、私は現在の智頭町を取材していませんから、これ以上憶測で記すのは止めておきます。なかには、光る事業もあるでしょう。

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