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森と林業の本

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2008/12/30

回顧する1年

久しぶりにコナラの木を伐りに、山へ父と行く。

シイタケの原木にするためだ。今回は道端の木を選ぶ。なるべく細いものを、と思ったが、みんな太くなっているから根回りで60センチくらいあるだろう。ただ枝分かれしているから、上の方はわりと細身の幹を収穫する。車の後部座席が原木で一杯になった。

これだけで、結構汗をかいた。

原木に菌のコマを打ってシイタケを栽培するのは父の仕事なのだが、原木調達は私の仕事。今年は珍しく、一緒にやった。老いた父はよく転んだが(^^;)、無事にコナラの原木を持ち帰った。
なんだか、年末の風物詩(笑)か、毎年繰り返している気がする。

そこで世の習いではないが、1年を回顧してみたい。

いろいろあった。

仕事の面で言えば、新たな仕事もたくさんできたし、切れたかと思っていた仕事が復活した。そして懐かしい仲間がゾクゾクと再登場した。自分の関心のあるテーマに取り組めることが多く、非常に充実していたと思う。何より、フィールドに多く出ることができた。

今年は出版しなかったが、来年への種子はたくさん播いた……というより育てたから、いよいよ収穫したいと思っている。

ところが、秋から釣瓶落としのような景気失速と派遣切り、リストラの嵐の世相を間近に感じて、過去から怨霊が甦ってきた気持ちになった(x_x)。頭の片隅で、そのうちアメリカのバブルが弾けるだろうことは予想していたが、こうも早く日本まで飲み込まれるとは……。そして十年、いや何十年前と同じ状況が繰り返されるとは。

思えば、初夏に訪れた沖縄で、私は南洋の光を浴びながら、20代の悪夢をフラッシュバックさせた瞬間がある。
失業、サービス残業、給料遅配、無ボーナス、無年金、派遣。そして首切り。会社に寝泊まりする、ワーキングプアの世界をどっぷり演じていた時代。私は、自分が体験するだけではない、横目で見たり行使する側にも回った。

間近にそんな世界に浸っていると、大会社や公務員など、安定した職に就いている人(就きたがる人)に対する憎悪が生れる。もっとも当時は若くて、これも修業みたいな気持ちがあった。底辺這いずる快感? だってあったのだが。

それでも現在の社会状況を真正面から考えると、血が沸騰する思いにかられる。当時の私と同じ思い、いや何十倍も厳しい思いを抱いている人が街に満ちているのではないか。

さて、フリーランスの私は、世間がどうであろうと自らの力で世の中渡り歩くしかない。

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コメント

フリーランス?
ああ、労使双方が認め合えば可能です。中には勝手に開業届けを出して独立するのがいます。当然、社会保険等労災は失効します。自己責任になります。労災のさい、労基署は実態調査します。雇用関係ではなく、完全な請負になりますと、法律の制約から外れて、かなり自由になります。林業ではここ10~15年の間に、私的には、
雇用関係と請負がはっきり分離したと思います。それまでは、はっきりしていなかったと。
ま、雇用契約でないと補助金がおりない、あるいは公共工事に参入できないことはありました。使用機械にしても、法律の制限があります。フリーランス=個人事業主とすれば、法律の制限はありません。厚生労働省管轄、農水省管轄ですから。
それでも、自己責任はつらいですわ。

アメリカ、中国、ドバイ…日本のバブル崩壊は全く海外では活かされていなかったのでしょうか。
いつかは…と思いつつも、スピードの出る快感にアクセルを緩めるのは負けと同じという気持ちになるのかもしれませんが、日本の影響がこれほども早く現れるとは。車が売れなくなったのは確かですが、それに便乗した首切りとも考えられます。

フリーの私としても、ここ数年これ以上は下がらないだろうと思いながら毎年の仕事減にはまいってしまいます。
どうにか食べられるだけの仕事さえあればと思うのですが、それももう一歩というところで、来年は心新たに頑張らなければと思う次第です。

それでは良いお年をお迎え下さい。

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