書評・続「森林の崩壊」
今日の書評、実は続きがあった。途中で疲れて打ち止めたから、ケチョンケチョンに貶しているだけに終わってしまったが(x_x)、私には面白かった点もある。
それは、第3章 補助金制度に縛られる日本の林業
である。ようするに林業関係の補助金の実態が書かれてあるのだが、ようするに複雑怪奇。私も断片的には知っていたが、幾重もの条件をかぶせているうえに、地域差があって、しかも朝令暮改で毎年のように変更される。全部理解している人は日本に何人もいないだろう。
なぜ、こんな制度になったのかと言えば、会計監査のためだという。厳しすぎる(しかも現状を理解していない人が調査する)監査のため、完璧に書類を作っておかないと突っ込まれるからだそうだ。
そして森林組合の人が、「新しい芽が生れるのは、国の補助金なんか返してやる!という勢いのある地域だ」と言った例を上げている。
そう言えば、昨年のシンポで、私が「補助金はもらうな、あれは麻薬だ」とか「(役所は)金を出さずに口を出せ」と言ったら、農水省からの出向者が「金は出す! (口も出す)」と言い返したのを思い出した。お役人は、やはり地域が元気になったら困るんだ。自分たちが口を出せなくなるからね(苦笑)。
もっとも、林野庁の人に調査結果を説明すると、「生々しいお話で」と言われたことも書いている。ようするに林野庁の人が現場を知らないことを指摘しているのだ。海外では、行政担当者がその道のプロすぎて、周りがついていけないそうだが。
ただ、こうした実情を紹介するのは、私のような報道者がやればよいことであって、研究者には(とくにシンクタンクなら)、それを変える処方箋が欲しいところだ。
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